これにて最終回です!
とある墓地に彼女、遠坂凛はいた。
今から10年前、彼女の父遠坂時臣は魔法科学を使うパッフィー・ガルデンにより無残にも殺された。
それを間近で見た凛は、パッフィーに強い憎しみを抱きながら今日まで生きていた。
聖杯戦争という戦争が終わってからというもの、かつてサーヴァントだったイスカンダルは、パッフィーがアトラス院と協力して作り上げた人型魔法科学兵器「鋼の鎧(メタルフレーム)」を使い、多くの同志と共に世界征服を開始しそれを成し遂げた。
幸いにも日本は中立国として征服対処には選ばれなかったがその他の国は次々に征服され、あろうことか魔術協会や聖堂教会までもイスカンダルの手により容赦ない攻撃にあい、現在両方とも壊滅的被害をうけている。
残る魔術師もだんだんとイスカンダルやパッフィーに恐怖して数も少なくなり、現在戦える魔術師は凛も含めてわずか千数人ぐらいしかいなかった。
それでも凛はパッフィーへの復讐や魔術を科学兵器で侮辱したことへの怒りでこれまでもずっと戦っていた。
現在凛は魔法科学に対抗するべく立ち上げたレジスタンス組織「アヴェンジャー」のリーダーとして戦っている。
そして今日は彼女の父である時臣の命日、凛は墓に花束を置くと「行って来ます」とだけ言って墓を後にした。
深夜の夜、凛の組織であるアヴェンジャーは現在、パッフィーの住む屋敷へと潜入していた。
目的は、パッフィーが新たに開発した新型メタルフレームや新たに量産されたメタルフレームを強奪する為だった。
最初こそ凛も魔法科学兵器を使うのは気に病んだが、背に腹は変えられないということで仕方なく強奪を決意した。
そして凛達は難なく屋敷に潜入すると、すぐ様メタルフレームがあると思われる格納庫へと向かった。
格納庫へと着くと、そこには案の定大量の量産型メタルフレームや新型のメタルフレーム1機と情報通りにあった。
メンバーが歓喜していたが、いつまでもそうしてる訳にもいかず、すぐ様全員をメタルフレームに乗せ、脱出をしようとした。
「いいみんな?このメタルフレームを全部強奪できたからって、決して油断しちゃダメよ?。相手はあのパッフィー・ガルデンなんだから」
「フフッ、相変わらず慎重ですわね?ミス遠坂?」
「ルヴィア、無駄口は叩かないで、それだけ相手が油断ならないって事よ」
「そんな事ぐらいわかっていますわ、ただあのミスゴリラとまで言われたアナタがこんなにまで変わってしまうのが、いささか惜しいだけですわ」
「はいはい、それは悪かったわね。ほら、さっさと行くわよ」
2人が雑談し終わると、凛も新型メタルフレームに乗り込み、格納庫を出ようとした。
だが、格納庫を出ようとした次の瞬間、突然花火のような音がすると、一瞬にして辺りが明るくなり、暗闇から次々に大量のメタルフレームが現れた。
「嘘っ⁉︎待ち伏せてたの⁉︎」
凛が驚いている矢先、大量のメタルフレームが凛達の強奪したメタルフレームに向かって近づいていた。
「くっ!みんな!なるべく余計な戦闘は避けて!なんとかしてここから逃げて‼︎」
そう凛が指示するも、初めてのメタルフレームにメンバー達は対応が追いつかず、そのまま何人かがパッフィー側と思わしきメタルフレームに次々に破壊されていった。
『た、助けてくれぇーーー‼︎』
『やめてくれ!俺はまだ死にたく______!』
『うわあああああ‼︎』
「………っ‼︎」
凛はどうにな感情を押し殺してただ逃げる事だけを考えた。
そして逃げている最中、突然暗闇から一体のメタルフレームが出てきた。
『ミス遠坂!あれは…』
「…MFNo.01エスカフローネ、パッフィー…ガルデン…!」
それは、パッフィーの専用メタルフレームである、エスカフローネの姿だった。
『…ようこそ遠坂凛、私の屋敷へ。いかがかしら?私の精一杯の歓迎のパレードは?』
通信越しに聞こえてくるパッフィーの声は、どこか笑っていた。
しかしそんな言葉は凛には聞こえていない。
なぜなら。
「………パッフィー………パッフィィィィィィ‼︎」
凛は憎しみに身を任せ、新型メタルフレームを動かし、パッフィーに遅いかかった。
しかしパッフィーはそれを難なくと避け、背中に装備されている盾を取り出し、その盾に装備されている剣を取り出した。
「父の!お父様の仇ぃぃぃぃぃ‼︎」
再び凛はパッフィーに攻撃するも、今度は盾により防がれ、その隙を突いて剣で凛に攻撃する。
当然その攻撃は当たり、凛のメタルフレームはその衝撃により、後ろへと飛ばされた。
『ミス遠坂!援護しますわ!』
「来ないで!あの女は、私が殺す‼︎」
再び凛が攻撃するもどれもこれも盾で防がれ、凛は反撃を食らうだけだった。
『成る程、「ヴェルトール」をうまく使いこなせる程憎しみが強いなんて…、つくづく惨めねぇ…」
「あんたに何言われたって構わない!私は、あんたを殺す事だけを考えて生きてきたんだからぁぁぁ‼︎」
暴走に近い感じで攻撃する凛。それを軽くあしらうかのように防ぐパッフィー。
2人の攻防は続き、ついには凛のヴェルトールが攻撃した際の反動により後ろに下がった所をパッフィーは攻撃しようとした。
「やばっ⁉︎」
『チェックメイトね』
エスカフローネがヴェルトールに突き攻撃をすると、とっさにルヴィアのメタルフレームが前に出て、エスカフローネの攻撃を庇い、エスカフローネの剣がルヴィアのいるコックピット近くまで刺さった。
「ルヴィア‼︎」
『くっ…、流石に…これは、こたえますわね…!』
「あんた…どうして…!」
『フフッ…私の認めたライバルを…他の誰かちに取られるのが…嫌なだけ…ですわ…」
「ルヴィア…!」
ルヴィアのメタルフレームが動きだすと、そのまま凛のヴェルトールを押し出し、まるで逃げてくれと言わんばかりの行動だった。
「ルヴィア⁉︎あんた何を…」
『早く行きなさい…ここは…私が…抑えます…から…』
「そんな、あんたを置いてなんて…!」
『状況を…考えなさい…!今…あなたがいなくなったら…もう…アヴェンジャーに戦える人は…』
「!」
凛はルヴィアの言葉の真意にようやく気づいた。
今自分が倒れれば、アヴェンジャーに戦える魔術師はいなくなり、魔術の時代に終わりを迎えてしまう。
凛はルヴィアのメタルフレームに視線を向けつつも、やむなくそのまま撤退した。
「ルヴィア…ゴメン…!」
凛はそう言い残すぐらいしかできなかった。
凛が去ったのを確認したルヴィアは、すぐ様自爆装置を起動し、パッフィーのエスカフローネに取り付いた。
「さあ、私と一緒に…地獄にご招待して差し上げますわ…!」
『……フフッ』
「?」
『フフッ、フフフッ…、アハハハハハ!』
「な、何か、可笑しいの、ですか?」
『フフフ…わからないの?、なら教えてあげる。今日からなたは 私 の 操 り人 形 よ?』
「え⁉︎」
パッフィーは水晶玉を取り出すと、それをルヴィアに向けて、催眠魔法をかけた。
するとルヴィアは少しづつ苦しみつつも、次第にそれが薄れていき、自爆装置を解除して、メタルフレームを降りた。
それを見たはパッフィーもエスカフローネから降りて、ルヴィアの元へと近づいた。
「ねぇルヴィア?あなたは私の何?」
「………私は、ルヴィア・ゼリッタ・エーデルフェルトは、パッフィー・ガルデン様の忠実な人形です……」
「ならこれからは、私の命令通りに生活してちょうだいね?」
「…わかりましたわ…」
こうして一人の魔術師が、一人の魔法使いにより、忠実な人形となってしまった。
所変わって、その光景をカメラ映像で見ながら愉悦そうにしている人がいた。
その名はギルガメッシュ。
ギルガメッシュは聖杯戦争後アルトリアと結婚し、その後月にて真相の姫君との壮絶な戦いの末、月の半分をギルガメッシュの物とするのを認め、現在ギルガメッシュはこの月にて、新たな王国、ムーン・ウルクの王となり、影ながら地球の光景を見ていた。
「ふん…相変わらず手間のかかるやり方をするな、あの女は…」
そう言うとギルガメッシュは手に持っていた酒をマズそうに飲むと、隣にいるアルトリアが話しかけた。
「そんな事を言ってはせっかくのお酒がおいしく飲めませんよ?あの人はあの人なりのやり方があるのですから」
「ふん、相変わらずお前は甘いな。…だがまあ、それもお前の魅力の一つよな…、では酒の代わりにお前をいだだくとしよう…」
「あ…、き、昨日も…あんなにしたのにですか?」
「無論だ。あれではまだ足りん。今日も存分に俺を楽しませろよ?アルトリア」
「は、はい…、や、優しく、お願いします…」
ビデオ映像を切ったギルガメッシュは、そのままアルトリアと夜を過ごした。
こうして、一つの物語は終わった。
だが、まだこの物語は終わらない。
これは一つの物語の、始まりにすぎないのだから………。
第一部 聖杯戦争編 完
次回 第二部 鋼の大戦編につづく…。
というわけで無事第一部を完結とさせていただきます。
これからは更新ペースがかなり落ちると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
それでは、また第二部にてお会いしましょう ノシ