初投稿です。
ワードで書いていたのですが、文字数が9000程になったので区切った方が疲れないかな、と思い無理矢理区切りました。
今後も文字数によっては2・3くらいに区切らせてもらいます。
それでは、どうぞ。
「友達の友達または、ネットにより伝播する噂話」
「あるかもしれない、と少しは思ってしまうような噂話」
「何故か惹きつけられる、怪しく魅力的な噂話」
この「世界」における都市伝説の定義である。
平成23年9月24日22:14
「はぁ……」
女生徒が一人街灯のついた道を歩いている。あたりに人影はなく静まり返っており、歩く音が大きく聞こえる。もともと人の通りは少ない場所なのだ、こんな時間なら誰もいなくてもおかしくはない。歩きながら嘆く。
「いくら寮があって明日が休みだからってこんな時間まで練習なんて……」
溜息。すると、どこからか音がした。正確には音というよりは声に近かったかもしれない。声のようなものが聞こえた方を向く。そこは曲がり角の向こうでコンクリートブロックの塀があり、ここからは死角となっていた。
「今何かあっちの方で聞こえたような気がするけど」
そう言って曲がり角を覗くと、遠くに街灯に照らされて何かが見えた。
「あれは人、だよね。何か持っているように見えるけど、棒? それに何かあるけど何だろ、あれ」
その棒らしきものは黒く、長かった。その人間は棒のようなものを上にあげ物体に向けて振り下ろす。
「あっ」
出そうになった悲鳴を手で防ぎ、棒のようなものを振り下ろされた物体を見続けていると、物体が消えていくのが分かった。
その人間は車に乗りどこかに行ってしまった。
あたりはまた静けさを取り戻し、女生徒はしばらくそのままの体勢で動かなかった。いゃ、動けなかった。今起きたことを理解できなかったのだ。数秒してようやく思考回路が動き出した。
「車なんていつからあったんだろ。じゃなくて、何してたんだろ?」
現場に近づくが……
「何もない……確かに何かがあったはずなのに」
あたりを見回す。怪しいものは見当たらない。さらに地面やブロック塀を見る。しかし何も見当たらない。しばらくして、探すのはやめて何かを思い出そうとしている。
「見間違い? でも何か気になる……あの人。なんでだろ」
そしてさらに少し経って……疲れもあってか諦めたようだ。
「わからない……今日はもう帰ろ」
女生徒は家に帰り、その場には誰もいなくなった。その日、そこを通る人は誰もいなかった。
平成23年9月25日6:30
新潟県日高市私立都学園。34年前にできた小中高一貫校だ。初等部3クラス6学年、中等部6クラス3学年、高等部8クラス3学年で1クラス42人程度、男女比率は同じくらいだが男子生徒がやや多い。有名な学園で面積はとても広く、室内プールや食堂、学生寮も存在している。基本的には県外の生徒が多いので寮生がほとんどだが、校外から通う生徒も少なからずいる。
そんな学園の高等部1-2の教室。
「おはよう」
「あぁ、ぉはよ」
あいさつを交わす男子生徒2人。あいさつをされた方はノートパソコンで何かをしている。周りに人は他にいない。寮があるので用もないのにこんなに朝早くから来ている生徒は珍しい。
「あいかわらず早いな、寮生なんだしもっと遅くくりゃいいのに」
と、視線をもう一人の男子生徒に向け、パソコンを打ちながら言う。この男子生徒の方が早く来ていたのだが。
「これはもう習慣みたいなものだからどうしようもないよ。寮にいてもすることもないしね」
もう一人も1つ前の自分の席に座る。するとパソコンをいじっている男子生徒が何のこともないように言う。
「そういえば、昨日のアレ見られてたな」
言われた男子生徒は一瞬なんのことを言っているのかわからなかったようだが、すぐ理解したようだ。
「えっ、見られてたんだ。気づかなかった……」
「気づいてなかったのか。まぁ、結構遠かったし別にばれても問題ないから何も言わなかったけど」
「そっかー……それって、誰だった?」
「んー、3組の
パソコンから目を離して言った。だが手は動いたままだった。そしてまた視線を戻す。
「あー、聞いたことはある気がする」
「まぁ、興味があれば今度見てくりゃいい」
「そうするよ」
その後も二人はHRが始まるまで雑談をしていた。
平成23年10月10日11:45
昼休みが始まって少し。多くの生徒は学食を利用するため、教室内の人はまばらだ。しかし食堂は広く作られてはいるが、昼休みの最初の方は非常に混む。だからと言って終わりの方になってから利用する人はあまりいない。売り切れなどがあるし、最初の方で食べた方が時間的にも安全だからだ。また、生徒の中には弁当を作る人もいるが、昼休みの教室で弁当を食べる人はほとんどいない。弁当を食べれる場所は教室だけではなく、特に晴れているのであれば屋上や庭など教室よりもいいところはたくさんあるのだから。
そんな中教室で男子生徒が2人、話をしている。一人はパソコンを打ち、もう一人は弁当を食べながら。
「最近、藤重さんに見られているというか監視されてるような気がするんだよね」
溜息をつく。パソコンを打っている男子生徒がそのまま答える。
「あの距離で顔を完全に、もしくはある程度認識できていたのか。街灯の下だったとはいえ目はかなり良いみたいだな」
男子生徒がそれに同意する。
「そうみたいだねー。でも、正直あんなに視られてると落ち着かないよ」
「お前マジで言ってるのか、それ」
パソコンから目を離し、あきれているような目で見る。ようするに多くの人からの、特に異性からの視線をよく受けているという事で、モテているのだろう。本人は気づいてないのか気にしてないだけか知らないが。
「うん? マジだけど」
「まぁいいけどさ」
パソコンに目を戻す。弁当を食べ終わった男子生徒はため息交じりに言う。
「でもこれいつまで続くのかなぁ……」
「そうだなー、もう少しで終わるかもなー」
「え、何で?」
「そのうちわかる。そんなことより仕事が入った。明日暇なら行くぞ」
「了解」
(まぁ、そのうちわかるんなら今聞かなくてもいいや。何か考えがあるんだろうし)
弁当を片付けつつ、席を立つ。
「じゃ、図書委員の仕事行ってくるよ」
軽く手を挙げる。
「あぁ、行って来い」
パソコンから手を離してその手を図書委員の男子生徒に向かって軽く上げて、すぐパソコンに戻す。図書委員の男子生徒は教室を出て、あたりを見回し視られていないことを確認すると図書館に向かった。
平成23年10月10日20:30
都学園では生徒会、委員会と部活があり、そのどれかに中等部以上の生徒は絶対に所属しなくてはいけない。全てに所属することも可能だ。
ここは図書室。やはり広い。本のジャンルも一貫校なので広くそろえられておりそのへんの図書館と比べても本の数では引けを取らないだろう。むしろ多いかも知れないほどだ。進学校で一貫校なので利用者は多い。
そして図書委員はこの図書室の管理を任されている。38人で構成されており、当番制で本の整理や貸し出し、利用者が欲しい本を探したり、図書室の掃除を行う。利用者は多いので昼休みや放課後は特に忙しい。それに図書委員は利用者の要望に応えるために本の場所などもある程度覚えていないといけないので案外大変なのだ。ちなみに休日も開いている。要望があればHR前に空けてもらうことも可能だ。
昼休みも終わりに近づき図書室の利用者もいなくなり、他の図書委員も1人を残して先に戻った。残っている図書委員の男子生徒は背もたれつきの椅子に座りながら手を上にあげて伸びた。
「今日はあまり人が来なくて楽だったなー」
(まぁ、藤重さんがいたけど)
少し溜息。貸出データを整理し終わり、背もたれつきの椅子から立ち再び伸びる。
(人ももういないし、そろそろ昼休みも終わるから戻るかな)
図書室を出て鍵をかける。鍵の管理も図書委員の仕事だ。そして教室に向かう。
(それにしても、藤重さん結構しつこいよなー。もう少しの辛抱だと思えば少し楽になるけどさ)
平成23年10月11日21:05
時間は一気に飛んで校門前、男子生徒が二人いる。夜なので周りに人がいる気配はない。
「来たか。今日は徒歩で行くぞ。それほど遠くもないしな」
「了解。この学校、門限がないからこういう時便利だよね」
背中に長い包みを背負った男子生徒が学校の方を見た。
「そうだな、それも考えてここにしたから。面倒事は少ないに限るだろ」
「確かに。で、今回はどの辺に集まってるの?」
「偶然だが前回と同じ場所」
「確かに遠くはないね。でも、前回は車だったよね」
「今回は時間もあるし良いだろ」
「まぁ、問題ないよ」
そうして二人は歩き出した。
零話はプロローグのようなものだと思うんです。
ですが、区切ったおかげでプロローグの序章のような感じになってしまいました……。
これだけだと意味わからないですね。
年月表示は作者がほかの作品との時間軸を分かりやすくするために付けていますので、邪魔なようでしたら消すことを検討します。
後編は近いうちに直して載せられると最良だと思うのでどうにかしようとします。