UL   作:招代

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とりあえずこの3連休は仕事入らなくて一安心です。

三人の身長ですがやっぱり細かい数字は決めていません。
大童は170真ん中あたり。
鏡は大童より少し小さいです。
藤重は鏡より小さいです。

そんな感じにしか決めていません。

では七話後半、
少し自分でも何書いているのか疑問ですが気にしないでください。


第七話 『メリーさんの電話』 後編

平成24年5月27日7:55

 藤重の住んでいるアパート前に車が止まり、すでに待っていた藤重に運転席から窓を通して袋が投げ渡される。

「着替えてくるわ」

「うん」

 そう言って自室へ戻る藤重。

 

 それから数分後。

 作業着を着た藤重が戻ってきて車に乗ったのを確認して車は発進する。

 

 

平成24年5月27日8:00

 車内。

「そういえば」

「何?」

「この『メリーさん』って結構な距離を一気に移動するみたいだけど、超能力でも使うの? テレポートとか」

「テレポートはあるかもしれないけど超能力はないよ」

「あったとしたら妖力を使ったテレポートだろうな」

「妖力……」

(妖怪がいるなら妖力があってもおかしくは……)

「まぁいいわ。それで、何で超能力はないの?」

 あまり深く考えないようにして自分を納得させる。そのため、妖力に関しては放っておき、一般的である超能力の方の疑問を投げかける。

「脳がないからね」

 と、自分の頭を指さす。

「脳?」

 藤重は少し視線を上に向け、自分の頭に手を置いた。

「超能力とは脳から発生する超能力物質によって引き起こされるものだからだ」

「そうなの? 初耳なんだけど」

「超能力者以外にはあまり知られてないからね。使えない以上、知っててもあまり意味はないし」

「それもそうね。でも、だから元が人形の『メリーさん』は使えないってことね」

「というか、人形に脳があったら大問題だよー」

「……そうね」

 苦笑いで言う大童に対して、藤重は苦い表情でそう言った。

 

 それから暫く、特に話すこともなく車は順調に進んでいたが、ふと、何かを考えていた藤重が口を開けた。

「でもそれなら前回のー……『カオリさん』……とかは超能力を使えるようになる可能性があったってこと?」

 前回のことを思い出したからか、少し『カオリさん』で沈んだがすぐにいつも通りの口調で言った。

「確かに脳はあったけどそれもないよ」

「脳はあるのに何で?」

「超能力は先天的なものであって、急に目覚めるものではないからね。だから脳の無い言霊が元の『カオリさん』には超能力はあり得ないんだよ」

「でも『ある日、超能力に目覚めた』とか、たまに聞くけど」

「あれはただ単に今まで自覚していなかっただけだ」

「ああ、そうなのね」

「まぁ、今まで微弱だったものが何らかのショックで活性化することはあるが……今回のには関係ないな」

「ふーん……」

 多少気になった様子ではあったがスルーすることにした藤重。

 目的地までは後、5分くらいだ。

 

 

平成24年5月27日8:14

 車を降りてたどりついたのは見渡す限り、ゴミゴミゴミゴミゴミの丘。大童達の足元には丘から崩れ落ちたゴミが散乱している。カラスも結構な数がおり、もしかしたらネズミなどもいるかもしれない。

 三人はマスクをして、軍手をした手にはシャベルをもっている。

「で、どのあたりを探せばいいの」

 これからのことと、マスク越しにも伝わる嫌な臭いに顔をしかめながら嫌そうに言う。

「とりあえず上に上るぞ」

「了解」

 鏡と大童は臭いなど気にしていないかのようだ。

「……わかったわ」

 そうしてパソコン片手、シャベル片手にゴミの丘を登っていく鏡。

「足元気を付けてね。崩れるかもしれないし」

「そうね。気を付ける」

 鏡の後を、二人がゴミを崩さないように慎重についていく。

 

 そして三人はゴミの丘の上にたどり着いた。その場所は、さしずめゴミの広場だ。あまり大きな凸凹はなく、ゴミたちは平坦に広がっている。

 

 さらにその場所をついて歩いていた大童と藤重は、ある場所で鏡が止まったのを見て自分たちも近くでとまった。

「ここから半径100mくらいの範囲にある」

「広いわね……深さとかは分からないの?」

 辺りを見回して藤重が問いかける。

「これは平面だからな」

「そう……」

 溜息。

「とりあえず昼前に終わらせられるように頑張ろ! 藤重さん」

 藤重を見ながら明るい声で元気づける。

「……そう、ね。うん。頑張らないとね!」

 それを聞いて、藤重は拳を握って力強く答えた。

「頑張るのは良いがその辺にハマったりするなよ」

「了解。気を付けるよ」

 その言葉を最後に三人はそれぞれ散らばって行動を始めた。

 

(って言っても……)

 とりあえず少し歩いたところで足を止めて、再度、周りを見る。

「やっぱり広すぎでしょ……」

 そう言って地面にシャベルを刺し、溜息をつきそうになるが、

「と、とにかく頑張らないと!」

 頭を振って気を持ち直す。

「そういえば」

 もう一度、辺りを見回す。今度は一ヶ所一ヶ所をしっかりと確認するように。

 

 そして見終えたのか視線を下に戻した。

(一応見てみたけど見える場所にはないわね。やっぱり埋まってるみたい……頑張ろ)

 よし、とシャベルを持つ手に力を入れると藤重はゴミを掘り始めた。

(それにしても大童君は何をしてたのかしら……? 大童君に限ってサボることはしないと思うけど……)

 

 一方。その大童は散らばった後、とりあえず他の人が行かなかった方へ歩いていた。

(とりあえず何となくでも気配がないかなーと思ったんだけど……)

「気配自体はそこかしこからするんだよね。まぁ、今さらだけど生き物やゴミがこれだけあるなら当然だったね」

 うーん……と、立ち止まって考える。

(でも、夕夜がわざわざ「お前なら大丈夫」って言うからには、藤重さんにはわからなくて、僕にはわかる「何か」があるはずなんだよね。それが気配じゃないとすると……)

 他の可能性、自分自身のことと今回の内容を考えていく大童。

 

 数十秒の模索の後。

「もしかして……」

 何かに気づいた大童は、一度情報を整理する。

(今回のは妖怪になる寸前なんだよね。で、妖怪になりそうだとして、内容を見た感じ、恨みとかそういう負の感情で妖怪になる感じ。間違っても正の感情で妖怪にはならなそうだし。もし、もしそうだったらだよ? 僕は闇と相性が――)

 そこで一旦思考が止まる。

(闇……闇……まあ、当然か……)

 遠くを見るように、色々なものが混じったような表情で考え込んでしまっていた大童だったが、すぐにハッとして。

(いや……今はこっちに集中しないと。で、妖怪になるくらいの強い負の感情なら闇とは相性が良いはず。僕は霊力は使えないけど相性が良いなら何か惹かれるものがあるんだと思う。いや、ある。だったら直感を信じて感じるままに歩いてみればいいのかな?)

 整理し終わった大童は、余計なことは考えないようして、再び歩き出した。

 

 と、いうわけで歩いていた大童だったが……。

「んー……」

(何かどんどん藤重さんの方に向かってる気がする。でもこっちな様な気がするし……)

 

 結果的に大童は藤重から5mくらい離れたところについた。

(この下あたりが特に強いような気がする……)

 そして自分の直感を信じて大童は作業を始めた。

 

 ちなみに藤重は今まで歩いていた大童がいきなりこっちの近くに来て作業を始めたことに疑問を持ちながらも、自分の作業を続けた。

 

 それから20分近くが経過したころ、ついに……。

「……あった」

 そう呟いた大童の視線の先には、掘り返されたところに人形の靴のようなものが出ていた。大童はそれを一気に引っ張ることはせずに、周りのものを手でどけてから丁寧に引き抜く。

 そして引き抜かれたソレは、金色の髪に青い瞳、ドレスのような服装の人形だった。ゴミの中に埋もれていたため全体的に汚れており、服は所々破れ、本体も傷が目立つ。これが『メリーさん』かは分からないはずだが、大童はこれだと確信していた。

 

「それが『メリーさん』?」

 大童が人形を引き抜いたのが見えたのか、近づいてきた藤重が問いかけた。問いかけられた大童は視線は向けずに、

「うん」

 とだけ言った。その言葉には絶対的な自信があった。

「そっか」

 藤重はそれを感じ取ったのか、納得した後、疑問だったことを尋ねる。

「それにしても、どうしてここにあるって分かったの?」

「え!? あ、あー、んー……何となく、かな……? あはは」

 困ったような笑みを浮かべる大童。

「あ、そうなのね」

(何となくでどうにかできる広さじゃないと思うんだけど……けど、あまり聞いてほしくなさそうだし……)

 それを見た藤重は引っかかるところを持ちながらも、それ以上の追及をやめた。その為、会話はここで途切れ、どことなく気まずい雰囲気が流れ始める。

 その時。

 

「見つけたか」

 鏡がいつの間にか大童の後ろに立っていた。

「あ、ああ、うん。これだよね」

 そう言って、どこか焦った感じで持っていた人形を鏡に渡す。

「そうだな」

「それで、この人形ってどうするの?」

 鏡は手にある人形を見て。

「ふむ。本来なら、壊すのが一番手っ取り早い」

「憑依型だからね」

「そうね。でも……」

 そう言って鏡の手にあるボロボロの人形を見た。

「が、それは本来だ。妖怪になりそうとは言え、もともと魂が宿るくらい大事にされたものだ。このまま壊してしまうというのは良くない。だから、ちゃんと供養でもしてもらうさ」

「……当てはあるの?」

 心配そうに聞く。

「そっち関係専門の友人がいる。心配する必要はない」

「そう……良かった」

 ホッ、と胸をなでおろす。

「それに持ち主も捨てたくて捨てたわけではないのだろうからな。ゴミ捨て場にあるよりはいいだろ」

「うん。そうだね」

「それじゃ、とっとと帰るぞ。お前等を帰した後でコレを供養してもらわないとだからな」

「そうね。それに早くお風呂にも入りたいし」

「うん。予定より時間はかからなかったけど十分臭いは付いちゃってるしね」

 そうして三人はゴミの丘を崩さないように駆け降りた。

 

 

平成24年5月27日9:01

 走行中の車内。

「今さらだけどこのまま乗って良かったの? 臭いとかつくんじゃ……」

「ホントに今さらだな。だが気にするな。その辺の対策はされている」

「そう? ならいいんだけど」

「それよりも今は明日からのテストを気にしとけ」

「う……そうね」

「藤重さんが良ければまた手伝うよ?」

「じゃぁ……お願いしようかしら」

「いいよー。じゃ、一旦寮に帰ってシャワーしてから行くね」

 

 そうして、自分の部屋についた藤重や大童は真っ先にお風呂に入ってシャワーを浴びた後、藤重の部屋でテスト勉強を夕方まで行った。

 

 

平成24年6月8日11:44

 中間テストが終わった一週間後の昼休み。大童と藤重は張り出されたテストの総合成績と順位を見に来ていた。

 周りは昼休みが終わったばかりでまだまだ人が多い。

「大童君は6位……さすがね」

「今回はいつもより出来が良かったから。でも藤重さんも32位だし、十分高いと思うよ?」

「そうね、今までで一番高い順位で点数。これも大童君のおかげね、ありがとっ」

「いや、そんなことないよ。藤重さんの頑張りのおかげだよ」

「それでもありがと」

 笑いながら言う藤重に、大童は笑みを浮かべて答えた。

「……うん。どういたしまして」

 

「それにしても……」

 と、視線を戻してさらに右へずらして少し下に行く。その視線の先には……

「もしかしなくても鏡君、手、抜いてる?」

 鏡の名前があった……185位に。2学年の人数が376人なので丁度半分のほんの少し上だ。

「ははは……そうだね」

「でも、鏡君って実際どのくらい頭良いの?」

「うーん……全教科満点は簡単に取れるんじゃないかな?」

「エッ……! 前から頭良いとは思ってたけど……そこまでいいの?」

 予想外に頭が良すぎることに吃驚する藤重。

「うん」

「そ、そうなんだ……へー……」

(ホントに何者なのよ……)

 そう思いながらも結局はそれは聞かずにその日を終えた。いや、その後も聞くことはなかった。

 

 

 

第七話『メリーさんの電話』終了。

 




今回のは少し変な感じですが気にしないでください。

次話ですが十話を書き終えたら載せます。
ですが、
十話が少し長くなりそうなので時間がかかるかもしれません。
もちろんかからないかもしれません。

初めは少し詰まりましたが今は案外良いペースで書けているんです。
最速で明日には書き終えることができます。
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