見直すと修正箇所が多くて多くて……能力の低さを再確認させられています。
まぁなんにせよ、
今週中に投稿できて良かった……本当に良かった。
平成23年10月11日21:18
「着いたね」
そう言ってついたところは人通りがなく、街灯もまばらな場所だ。片方にコンクリートブロックの塀があり、それが向こうの方まで続いている。もう片方は家が数件立っている。他にあるものと言えば街灯の下、ポツンとあるゴミ捨て場くらいだ。
「あぁ、じゃぁ始めるか」
そう言ってコンクリートブロックの上に座り、四角い物体を取り出す。そして、それとノートパソコンをケーブルで繋げ何やら作業をしている。もう一人は少し向こうにあるゴミ捨て場に近づきながら言う。
「それにしても、これも多いよね」
「そりゃぁな、定番中の定番だしな」
「簡単だから良いんだけどさ」
「これで金がもらえるんだしかなり良いだろ、っと後は放っておくだけだな」
作業が終わったのかパソコンから目を離す。
「逃がさないよう準備しとけ」
「了解」
そう言ってゴミ捨て場から少し離れたところに移動する。
「あぁ、それとこの後の手順だが、振り下ろす前の溜めを少し長くやってくれ」
「ん? よくわかんないけどわかったよ」
なぜそうするのか分からないようだったが、従うようだ。
「それでいい」
返事を確認してから再びパソコンを見る。
「あと10秒だ。9、8、7」
「了解」
そういうと背中の長い包みから真っ黒くて長い、日本刀の形をしたものを取り出す。しかし、その日本刀のような物は平面に見えた。立体感がない。
「4、3、2、1、来る」
すると、小さな雑音とともに暗闇の向こうに何かが形作られていく。それは次第に何かの形をかたどっていき、やがて犬の形になった。暫くしてソレはゴミ捨て場の方に向かって四足で歩いていく。そしてゴミをあさり始めた。
「……」
黒いものを持った男子生徒がソレの背後に立つ。そして無言でソレを蹴り上げる。続いて蹴り上げたソレを空中で蹴り抜きコンクリートブロックに足で押し付けるようにして固定する。そして黒いものをゆっくりと構える。と、
「なにやってるの!」
遠くの方から声がして、人影が走ってくる。
男子生徒は犬の形をしたものから足を離し人影のを見る。犬の形をしたものは逃げていった。そして人影はどんどん近づいてくる。
「藤重さんか。まさか外にまでついてくるなんて……この後どうするんだろ」
男子生徒は何やら考えている。
そして人がハッキリと見える位置まで来た。
「やっぱり
と強い語調で一気に問い詰める。それに対して大童と言われた男子生徒が宥めるように答える。
「質問は一個ずつしようよ。まぁ、答えるけど。確かに僕は藤重さんの言うとおり隣のクラスの大童
ほとんど答えておらず、答える気は無いようだ。もちろん藤重はその答えにもちろん納得して無いようで怒っている。
「ほとんど答えになってないよね。ソレ」
「藤重さん、つけてきてたんだね。学校で見られてるのは気づいてたけど、今日つけられてる事には気づかなかったなよ」
全く関係ないことを言った。
「気づかれないように結構距離あけてたからね。じゃなくて、ちゃんと質問に答えてよね。何をしていたの? はっきりは見えなかったけど犬よね」
「うん。だから、犬っぽいモノを蹴ってたんだよ」
「っぽいものじゃなくて犬でしょ。最低ね。動物をいじめるなんて」
嫌悪感たっぷりの口調だ。それに対して大童は困ったような、面倒そうな表情だ。
「まぁ、確かに犬と言えば犬かもしれないけど。犬だとしても普通の犬じゃないし。それにいじめるというのは心外だよ」
「普通じゃないってどういう事よ。それに、蹴ってたのは事実よね。あの犬を。それでいてよくいじめてないなんて言えるわね。犬がかわいそうでしょ」
「なんて言ったらいいのかな……」
正直大童が困っていると暗闇の向こうから、
「その犬ってのはコレのことか?」
と声がした。声の方に振り替えるともう一人の男子生徒が片手に犬らしきモノをぶら下げて立っていた。そして、歩いてくる。
「えっと、たしか……
それに対してどうでもいいことのようにに答える。
「そうだな。で、犬ってこれのことか?」
「それよ。やっぱりただの犬じゃない」
鏡と言われた生徒が藤重の近くまで来る。
「お前にはコレがただの犬に見えるのか?」
そういうと犬らしきものを藤重の顔の前まで持ち上げる。それを見て驚く。
「えっ……? 何……コレ」
「わからんのか。お前も噂くらい聞いたことあるだろ。こんなのアレしかないだろうが」
確かにその犬らしきものは、大きさも胴体も手足もそのへんの犬と変わらなかった。しかし、その顔は――
「だってコレ、人の顔よね。もしかして……人面犬?」
――その顔は人そのものだった。
「そうだな『人面犬』だ。お前はこれでも普通の犬だというのか」
「でっ、でも! だからといって生き物なんだからいじめていいわけないでしょ」
「そうだな、生き物だったらな。だがこれは生き物じゃない、それを今見せてやる」
ソレを大童に向かって投げる。大童はソレを少し上に蹴り上げ、黒いもので人面を横から切りとる。すると見事に人面がはがれた。そしてはがれた人面を足でコンクリートブロックに押し付け潰す。血は一滴も出ない。藤重が止める間もないくらい一瞬の出来事だった。
「な、なにやってるの! 人面犬だからってそんなことしていいと思って――」
「黙ってみてろ。これから起こることを」
すると、小さな雑音と共に潰された面も、残った胴体も消滅していく。
「消えた……?」
「そうだな、消えたんだ。だから言っただろ生き物じゃないと」
「じゃあなんだったのよアレは!?」
理解できないことに対してとりあえず切れた。
「都市伝説だよ」
大童が足を下ろしてこっちを向き、切れたことがなかったかのように言う。表情は少し硬い。
「最近このあたりで噂になってたんだよね。『人面犬』の都市伝説がさ」
確かにこの一帯では『人面犬』の都市伝説が最近流行っていた。特に小学生の間で。
「でも、そんなの都市伝説よね? 実際にいるわけないでしょ」
「そうだな実際は存在するはずはない。でも今、確かにいた。都市伝説が実体化したんだ」
今見たことを否定することはできない。
「確かにいたけど……じゃあどうして都市伝説が実体化するのよ?」
「言霊ってわかる?」
「言葉に宿る力ー……みたいな感じだったような」
「そうだね、大体はあってるよ。簡単に言うと言霊はどれくらいそれを信じているかっていうのと、どれくらいの人が知っているかで力の大きさが決まるんだよね。信じていれば信じているほど、多くの人が知っていればいるほど大きく強くなるんだよ」
「えっと、要するに言霊の力が大きくなったことで都市伝説が実体化したってこと?」
理解してくれたことがわかって、大童の気持ちは少し楽になったようだ。表情を柔らかくして言う。
「そうだね」
「話は分かったわ。信じられないことだけど実際に見ちゃったし」
がっくりと肩を落として溜息。
「良かった。理解してくれるのが早くて助かったよ。で、悪いことしているわけじゃないっていうのも分かってくれたよね」
「それも分かったわ。でも、もう一つ質問」
大童の表情は変わらない。藤重は大童の方を向いた。
「何? 答えられることなら答えるよ」
「あなたたちは……何者なの?」
大童の表情が真面目な顔になる。周りで音はしない。
暫くの静寂の後、大童が鏡の方を向いた。
「言っていいの?」
「問題ない」
即答。大童は何かを理解したようで再び藤重の方を向く。そして、話す。
「僕は……ULの新潟県支部の社員なんだ」
再び周りが静かになる。藤重が口を開いたのは数秒後だった。
「……は? ULってあの株式会社ULのこと?」
「そうだね。そのULだよ」
藤重の表情がまた怪しむようなものになる。
「そんなわけないじゃい。あのULよね? それに、まだ高校生なんだからそこの社員のわけないでしょ」
「いゃ高校生でも別に働けるけど、まぁアルバイトって認識でいいよ」
「アルバイトだとしても一緒よ、あんな有名な企業がこんなことしてるわけないじゃない」
何で断言できるのかは不明だ。
「有名な企業、儲かっている企業だからこそ、できることもあるんだよ」
「それは……そうだけど」
まだ納得していない藤重に大童は訊ねる。
「じゃぁ聞くけど、ULって何の略だと思う?」
「『Ultramodern Laboratory』意味は『最先端の実験室』よね。この前テレビでやっていたわ」
「そうだね。でも実際は違うんだよ」
「実際は?」
「そう、実際は。世間一般の知識としては正解だよ。でも、本当は……『Urban Legend』意味は『都市伝説』」
「でも……でも証拠がないじゃない。何かあなた達がそこで働いている証拠でもあるの?」
「あるよ」
そう言って制服の内ポケットに手を入れて紐のついた長方形の何かを出して渡す。
「これ。ULで働いていることを示すIDカードだよ」
「本当だ。って言っても、私じゃ本物かわからないし」
「何だったら新潟県支部に問い合わせればわかるよ」
お互いがお互いの目を見ている。片方は疑うように、片方は真剣に。
しばらくして。
「……」
「……そこまで言うならきっと本当なのよね。信じられないけど」
諦めて溜息をつく。そして大童の表情が元に戻る。
「そうだね。全部真実だよ」
「……で、聞いといてあれなんだけど。私に言ってよかったの? これ」
んー、と唸ってからからあっさりと。
「本当はばれない方がよかったんだけどね。でも、ばれた以上仕方ないし。話さずにいていつまでも監視されてたら落ち着かないからね」
「監視って……まぁ見てたのは事実だけど。もしかして本当は後をつけてたことも気づいてたとか?」
「僕は気づかなかったよ。外でも監視されるとは思ってなかったしね」
「そっか。でも、疑ったりしてごめんね」
「いゃ別に良いよ。当然の反応だと思うし」
腕時計を見る。ここは明るいがあたりは既に真っ暗で家の光も消えてきている。
「もうこんな時間……だいぶ遅くなってるし帰るね。このことは絶対に誰にも言わないから。それじゃ、また明日」
帰ろうとするが。
「待て」
呼び止められる。戻る必要は別にないのに、再び元の場所に戻る。
「まだ何かあるの?」
「お前、うちでアルバイトしないか?」
「は……?」
そんな言葉が発せられた。あまりにも突然で言われたことを理解できなかったのだ。そんな様子なのでもう一回。
「ULでアルバイトをしないか、という事だ」
それを理解してか。
「それは分かったけど、何で私?」
「そりゃぁ、都市伝説のことを知ったから、そしてULのことも知った。資格は十分にある。それに身体能力も高いし頭も性格も悪くない。そして女性だ。このことを言うこともないだろうしな」
「そうだね」
大童も肯定する。しかし藤重は嫌そうだ。
「何でこんな仕事しなくちゃいけないのよ。悪いことではないんだろうけど弱い者いじめみたいじゃない」
「弱い者いじめ……ねぇ。じゃあ聞くが、今回は『人面犬』だったが例えば『口裂け女』が実体化したらどうなる?」
「それは……」
他の都市伝説の可能性を考えていなかったようだ。
「それに『人面犬』にしたって内容によっては人が死ぬこともある。ULはそういうのを含めて未然に防いでいる。理解したか?」
「誰かがやらなきゃ被害を受ける人がいるってこと?」
「そうだな」
「でも私じゃなくてもっと有能な人だっているでしょ」
「いるだろうな。だが、基本はこのことを知っている人間しか採らないようにしているんだ。別に絶対秘密ってわけではない、が、悪用する人間がいないとは限らない。だからこのことを偶然知ったお前を選んだ。それとも、お前は悪用するような人間なのか? だったら不適合だが」
「するわけないじゃない!」
その怒声はあたりが静かな分とても響いた。
静まり返った周りを見て落ち着くように深呼吸をすると小さい声で尋ねた。
「……アルバイトの内容は?」
「仕事は基本的に月に1、2回。時々固まってくるけどな。仕事に参加していれば給料は分配される。給料は仕事の内容ごとに決まっていて、それを参加人数で割る。そして、アルバイトをすればULへの就職も決まる」
「え、就職が決まるの? それって凄いことなんじゃ……」
「就職」という言葉を聞いた瞬間、語調が明るくなる。
「あぁ、ULは世界的な企業だしな。それに、社員にはお前みたいに偶然見てしまった奴も案外いる」
「そうだったのね」
「だが、就職が決まったからって勉強を怠るなよ。それなりに働けないと困る」
「わかってるわよ。そのくらい。勉強を怠らないのは当たり前でしょ」
「そうだ当たり前だからこの用紙に記入しろ」
「わかったわよ」
鏡はシャーペンと下敷きを渡す。藤重はそれを受け取って勢いで用紙に必要事項を書き込んでいく。
「これでいいんでしょ」
用紙を突きつける。鏡はそれを受け取った。そして内容を確認する。次にシャーペンと下敷きを返してもらう。
「あぁオーケーだ。これで今日からお前はULの社員ということだ」
「これからよろしく、藤重さん」
「こちらこそよろしくね。じゃ、今度こそ帰るわ。また明日」
そう言って藤重は帰路についた。
残った2人は出したものを回収している。と言っても四角い物体とパソコンくらいだが。
「それにしても、うまくいったね。もともとこれが狙いで追跡を放っておいたんだよね?」
「あぁ、女性はいた方がいい。毎度周りから借りるのも面倒だしな。それにしても単純だった」
「だね。あれで用紙に記入するとは思わなかったよ」
「そうだな。じゃ、片付も終わったし帰るか」
「そうだね」
「何にせよ、お前が気づいていなくて良かった」
「それはそうだけど……複雑だね」
そう言って2人もその場所から立ち去った。あたりはまた静けさを取り戻す。
一方、一人帰路につく藤重は。
(今思えば……私はどうしてアルバイトをすることになったんだっけ……?)
しばらく立ち止まって考え込む。
「まぁいっか」
そう呟いてそれ以上そのことについて考えることはやめて、再び歩きだす。
(悪い気はしないしね)
その足取りは軽かった。
第零話『都市伝説』終了。
プロローグ?終了です。
英語の訳は辞書見て適当にです。
英語は苦手なんですよ……。
次話は今書いている2話目ができ次第載せようかと思います。
しかし書き時の土日にPCが使えないので最速でも来週になりそうです。
もう少し作文の宿題を真剣にやっていればこの執筆スキルも上がっていたのだろうか……。