UL   作:招代

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サイトの調子が悪い……?
まぁ、いいや。

ふと一話目を見たら、
「一話目なので都市伝説はアッサリと行きます」とありましたが、
一話目に限らずアッサリばかりですね。

でもそれ良い気がします。
わざわざランクがあるんですから、
ギリギリの仕事をさせるとかどうなんでしょう。
ギルドとかじゃあるまいし。
そんな頻繁に命はかけられません。

そんなこんなでアッサリと中編行きます。


第十話 『学校の七不思議』 中編

平成24年8月2日2:16

 玄関すぐの廊下。

「近いところから行くぞ。まずは体育館だ」

「わかったわ」

 二人は玄関から入って右側に進んでいく鏡の後ろをついていく。ちなみに鏡はパソコンを操作しながら歩いている。

 

 

平成24年8月2日2:17

「バスケットのゴールが低いわねー」

 3人は今、体育館前の廊下にいる。藤重は懐かしそうにあたりを照らしている。

「ここの内容は?」

「『体育館で跳ねるボール。深夜の体育館でボールが独りでに跳ねているらしい』だ」

「これは簡単だね」

「体育館から『ボール』を出せばいいのよね」

「あぁ、だから取ってこい。後10秒だ」

「行ってくるわ」

「うん」

 藤重は体育館の中央あたりへと歩いていく。

 

 それを見送っている二人は藤重には聞こえない声で話す。

「ねえ」

「何だ」

「本当は『ボール』を体育館の外で跳ねさせないと駄目だよね」

「そうだな」

「だよね……その時に言えばいいかな」

「それでいいだろ」

 

 そんな会話がされているとも知らずに実現するのを待つ藤重の耳に雑音が聞こえてきた。

「来たわね」

 すると、右方向からボールの跳ねる音がした。

 音のした方に懐中電灯を向けると、『ボール』が跳ねている。種類はバスケットボールだ。

「あれね」

 藤重は歩きながら跳ねている『ボール』を目指す。

 『ボール』の跳ねる方向にに法則性は無く、適当な感じで跳ねている。ただ、跳ねる高さはずっと一定ではあったが。

 

 歩きながら追っていた藤重は、『ボール』に近づくと、跳ねて高さが頂点に達したところで取った。

 ボールは動く様子はない。

(これを体育館の外に出せばいいのよね)

 『ボール』をしっかりと両手で持ちながら、藤重は大童達の方へと向かった。

 

「戻ってきたね」

「そうだな」

 その会話通りに藤重が戻ってきた。

「取ってきたわ」

「ああ」

「おかえりー」

 と、大童達のところまで来るが。

「……?」

 不思議そうに首を傾げて手元の『ボール』を見る。

「……」

 少し考えるそぶりを見せると、大童達を過ぎて廊下を少し歩く。

 

「……?」

 再び首を傾げる。そして戻ってきた。

 

「……ホントに自立型?」

「雑音がしただろ」

「消えないんだけど……内容は合ってるの?」

「合ってる」

「……?」

 無言で大童の方を見る。大童は何かを堪えながら答える。

「いや、あの……『体育館で跳ねる』だから跳ねさせないと」

「! そ、そういうことは早く言ってよ!!」

 慌てて『ボール』を地面に叩きつける。

 叩きつけられた『ボール』は雑音と共に消えていった。

「見ていて面白かったぞ」

「次行くわよ! 早く!」

 目的地も分からないのに廊下を進んでいく藤重の後ろで、大童と鏡は声に出さずに笑っていた。

 

 

平成24年8月2日2:28

 ここは三階西側の一番端、音楽室の前だ。

「次は音楽室?」

「ここも定番だよね」

「『ピアノを弾く音楽教師の霊。昔に事故で死んでしまったこの学校の音楽教師の霊が夜中にピアノを弾いているらしい』」

「『昔に事故で死んだ音楽教師』は?」

「いないな」

「なら自立型ね。でもどうするの? 『ピアノ』を音楽室から出すとか?」

「音楽室とは書かれてないから、この状態で消すならピアノを壊すしかないよ」

「まさか壊さないわよね……?」

 ジト目で鏡を見る。

「これを壊すなら『二宮金次郎』も壊している」

「確かにそうだね」

「でもー……じゃあ、切り離すの? もしかしなくても」

「そうだね」

「でもこれ幽霊」

「明後日の予行練習だと思えばいいだろ」

「それに見えると決まったわけじゃないし」

「う……そ、そうね。まだ見えると決まったわけじゃないものね!」

 明後日のことは聞かないことにした藤重であった。

「とりあえず実現させるぞ。5秒、4、3、2、1、0」

 カウントダウンの終了が告げられるのと同時に中から雑音とピアノの音がし、それが終わると無機質なピアノの音が鳴り始めた。何故かアニソンであったが。

「このまま切り離すからとりあえず、見えるかどうか見て見ろ」

「了解」

 まずは大童が扉を少し開けて、中を覗き見る。

 

 覗き終えて、顔を扉から離す。

「見えないよー」

「そうか。次藤重な」

「……わかってるわよ」

 藤重はジッと扉の隙間を見ると、息を吐き、そーっと中を覗いた。

 

「……どう?」

「何も見えないわね」

 安心した様子で顔を離す。

「今見えていた方が明後日の為にも良いと思ったんだがな」

「まあ、見えないんじゃどうしようもないよ」

「つまり私は幽霊が見えないってことよね!」

 藤重は嬉しそうだ。

「見える見えないはお前達みたいな場合は相性と相手次第だからな。今見えなくても見える可能性はある」

「そうだね。僕も見えるときはあるし」

「……」

 そのまま固まる藤重。それを無視して鏡は作業を続ける。

「後1分ってところか」

「とりあえず僕たちは待つしかないね」

 

 一分後、雑音がしたかと思うと消えていく。さすがに藤重はもう元に戻っていた。

「じゃぁ、とりあえず話してくるから待っとけ」

「うん。いってらっしゃい」

「い、いってらっしゃい?」

 そういうと鏡は扉を置けて中に入っていった。

 残された藤重が大童に話しかける。

「鏡君は普通に見えるのね」

「見えないなら、ピアノを壊すしかなくなってるからね」

「……そうね」

 そう言って扉を見る。すると、中のピアノの音が止み、何やら会話をしているようだがよく聞こえない。

 

 そして一分もしないうちに鏡が戻ってきた。

「どうだった?」

「とりあえず人に危害を加えないことと、人が来たのに気付いたら弾くのを止めるように言ってきた」

「消さないで済んだのね」

「もしもの時は消すが、まぁ大丈夫だろう。話の分かる奴だった」

「話の分かるやつって……」

「幽霊もそれぞれってことだね」

「そう」

「次行くぞ」

「了解」

「わかったわ」

 次の所へ向かう三人の後ろではピアノが鳴り続けていた。やっぱりアニソンではあったが。ただ、その演奏には感情があるような気がした。

 

 

平成24年8月2日2:34

「『夜中に動き出す骨格模型。理科準備室にある骨格模型が夜中に動き出すらしい』」

「『動く』ってアバウトね」

「場所によっては『踊る』っていうバージョンならあるよ」

 三人がいるのは三階、中央階段より東側の理科室の隣の理科準備室。周りには何かが入った瓶や実験に使う器具、生物標本などが棚の中や上に並んでいる。

「『踊る』だとここは狭すぎない? それに障害物も多そうだし」

 周りを照らす。

「だから『動く』なのかもね」

「そうかもしれないわね。とりあえずこれもさっきのと同じでいいのかしら」

「あぁ」

 バックから先ほどと同じ札を取り出す。それを受け取った二人は同じように挟むようにして貼った。

 

「それにしても」

 札を鏡に返した藤重がチラチラ標本を見ながら、

「憑かれたってことは『動きたい』って思っていたってことよね」

 そう言った。

「そうだね」

「……ふむ」

 鏡は手に持った札をバックにしまう。

「基本、生き物の形をしているモノほど魂は宿りやすい」

「人形とかね」

「あぁ。そして自力で動けないモノほど妖怪になりやすい」

「自力で動けないモノ?」

「電化製品は電力さえあれば動けるが、ただの人形や銅像はそう言うわけにもいかないだろ」

「でも何で魂があるのに動けないの?」

「魂があろうとも器自体が銅像は銅像だし、人形は人形だ。あんなので動けるわけないだろ。もし動けるなら、今の世の中は動ける死体でいっぱいだな」

「それは嫌な世の中ね……」

 頭の中で繰り広げられるイメージに苦い顔をする。

「で、何故動けないモノが妖怪になりやすいかと言えばだな」

「ええ」

「考えてもみろ。魂があるということは意識はある。意識はあるのに動けないんだぞ? 特に学校何て元気に動く生徒とかがいるしな。そりゃ動きたいと思うに決まっている。その思いが魂を妖魂に近づけるわけだ」

「まぁ、それは確かにー……そう、ね?」

 理由は分かったがどこか微妙な感じの藤重。

「人間は少しでもじっとしていられない人がいるのに、強制的に、しかも多くが何年間も動けないわけだから、その思いはかなり強くなるよ。それに今回は言霊の後押しもあったわけだしね」

「何となくわかったわ。それは確かに動きたいと思うわよね」

「うん。それじゃあ次のに行こうか」

「そうだな」

 三人は次の目的地に向かう。

 

 

平成24年8月2日2:41

 三人は東階段から4階に移動していた。

「次はこの『階段』だな」

「『階段』っていったらアレしかないわよね」

「アレは定番だよね」

「『段数の変わる階段。4階の屋上に続く東階段の段数が夜になると13段になるらしい』。定番中の定番だな」

「場合によっては『13段目を上ると縄が下りてきて首を吊られる』っていう派生形もあるよね」

「でもこれって上りと下りの段数の数え間違いじゃなかった? 下りは12段で、登りの時に踊り場の所を含めたりするのが原因で」

 階段の上から下を照らしている藤重。

「確かにそう言うのもあるけど、今回は都市伝説だからね」

「内容には12段、とは書いていないからな。それにここの段数は16段だ」

「……16段?」

 と言って、下から順に照らして段数を数える。

 

 数え終えて。

「確かに16段ね。でも段数が3段、しかも減るなんて斬新ね……」

「だねー。やっぱり定番のままじゃつまらなかったのかもね」

「かもな。とりあえず実現させて切り離すぞ」

 鏡は階段の3段目に座る。

「切り離すの?」 

 その疑問に鏡は馬鹿を見る目で返す。

「階段を壊せと言うのか」

「それに元の段数が書かれてないから、この階段を全部壊さないといけないし」

「それは分かってるわよ! そうじゃなくて……」

 言いかけたところで雑音が鳴った。

 

 言葉を遮られた藤重は、空咳を一つしてから言いかけたことを言う。

「つまり、これって切り離したら妖怪になるの?」

「ならないよ。階段は学校の一部だから、なるとしたら学校自体が妖怪化しないとだし。それはさすがにでかすぎるよ」

「まぁそうよね。でもそれならコレは何になるの?」

 再度階段を照らす。

「超常現象だ」

「超常現象って……ポルターガイストとか?」

 幽霊などを知った時のように取り乱すことはなく、有名どころを述べる。

「あれは正確には幽霊の仕業だから違うよ」

「超常現象とは『世界』によって引き起こされる現象だ。そこには理由がある物も無いものもある。ドッペルゲンガーやタイムスリップが有名だな」

「今回は特に理由のないものだね」

「ふーん……ホント、非現実的よね。でも天界と魔界よりはマシね」

「確かにそれよりは現実味があるよね」

 言いながら、段数を数えると13段になっていた。

「どれも現実ではあるんだがなっと、切り離すまであと5分だな」

「じゃ、それまでゆっくりしてようか」

「そうね。やる事もないし」

 二人も鏡と同じように、階段に座って休憩する。

 

「そういえば前に使ってた増幅機、だったっけ? はどうしたの? あれ以来見てないんだけど」

「あれはパソコンに組み込んだ。いちいちつけるのも面倒だしな」

「あ、そうなの」

(あの大きさのものを組み込めるとは思わないんだけど……できてるものはしょうがないわよね……)

 作業をしながら答える鏡のパソコンは薄いノートパソコン。その大きさは変わっていない。

 

 そうして時間を潰すこと5分。

「切り離した」

「これで毎夜13段になるのね」

「そうなるね」

「まぁ、この学校が取り壊されれば消える」

「あの幽霊は?」

「あれは幽霊だから消えない。地縛霊でもないしな。そうなったらどこかの小学校にでも行って、またピアノを弾くだろう」

「そう」

「次行くぞ」

「了解」

 三人は階段から立ち上がって移動を始めた。

 




高校生の時、
あまりにも周りに怪談がなかったので、
七不思議を創ってしまおうと思ったことがあります。

結果を言えば創りませんでした。

変わったのにしようと思うあまりに何も思いつかなった、
それもありますが、
それをしたら黒歴史になりそうだ。
そんな思いで押し留めました。

後編は十三話を書き終えたら載せます。
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