恐らく今回のやつが広まるきっかけとなった、
アニメのビデオ? 録画? が家にあって昔はよく見ていたのを覚えています。
なのでウィキでこれが都市伝説の括りになっていてビックリです。
まぁ、
だからって特に特別待遇もなくいつも通りにサックリと行きます。
では十二話前編が始まります。
トンカラトンは全身に包帯を巻いた姿で、
背中に日本刀を背負った怪人である。
夕暮れ時になると、
「トン、トン、トンカラ、トン」
と歌いながら自転車に乗って現れる。
トンカラトンは人に出会うといきなり、
「トンカラトンと言え」
と言ってきて、
その通りにすれば何もせずに去っていくが、
言わないと刀で切り殺されてしまう。
また、
トンカラトンに言われていないのに、
口にした場合も同じく切り殺される。
そしてトンカラトンに切られた者は、
全身に包帯を巻かれトンカラトンにさせられてしまう。
トンカラトンはこうやって仲間を増やしていく。
平成24年10月8日9:20
祝日なので昼間から大童の部屋。
「暇ね」
「仕事は終わったの?」
「さっき終わったわ」
それを聞いて鏡が本を閉じると、ソファから起き上がる。
「なら出かけるか」
その言葉に藤重がキョトンとした顔で鏡を見る。
「……今日は部活もないしいいけど、珍しいわね」
「そう?」
不思議そうな大童。
「いや、だってあまり仕事以外で外出とかしてなそうだし」
「むしろよく外出してるよ?」
「そうなの?」
「そうだな」
「へー……以外ね」
鏡が大童の方を向く。
「むしろ康の方が外出しないな」
「そうなの?」
「そうだね」
「へー……それで、どこに出かけるの?」
「その前に」
視線を戻して。
「出かける目的だが」
「何か理由があるの?」
「ある。目的は文化祭の射的の景品探しだ」
藤重は記憶を手繰り寄せると、大童を見る。
「景品って……確か大童君たちは景品の係じゃないわよね?」
「当日の店番だよー」
そして鏡の方を向く。
「だとすると、各自で持ち寄る分の景品を買いに行くの?」
「あぁ」
「わざわざ買いに行かなくてもある物でいいじゃない」
「……この部屋にある物って何だ?」
「ん?」
言われて、疑問に思いながらも藤重はあたりを見回す。
「あれ?」
一回見回して、さらに辺りを見回す。
それを数回繰り返して、呟いた。
「……何もないわね」
そう、何もない。必要最低限のものしかないので、景品に出せるものが何もない。
「だろ」
「大童君は何を持って行くつもりだったの……?」
藤重に見られた大童は頬を掻いている。
一応、必要最低限以外のものもあるのだが……それは、
「ええっと……本?」
だった。その答えに呆れる二人。
「お前は射的の景品に本を出すつもりか」
「やっぱり合わないかな……?」
「さすがに本はちょっと……合わないわね」
「そっかー……」
どこか残念そうな大童。
「買いに行きましょ!」
何故か立ち上がった。それを横目で見る鏡。
「と言うわけだから、康も出かける準備をしろ」
「了解。でも藤重さんはそのまま行くの? それともいったん家に戻る?」
「んー……そうね。いったん戻るわ。ついでに何か買うものもあるかもしれないし」
「そうか。なら集合は藤重のアパート前に準備が出来次第でいいな」
「わかったわ。じゃあ、とりあえず家に戻るわね」
「うん。また後でね」
そして藤重はアパートに帰って行った。
藤重が玄関を出た後、少しして大童がポツリと言った。
「でも」
「ん」
「準備って言っても財布持つだけだし、今から行ったら追いついちゃうよね」
「そうだな」
口元に手を当てて考える。
「どうしよっか?」
「とりあえず財布を持ったらどうだ」
「……そうだね」
大童は立ち上がると、寝室へ財布を取りに行った。
大童が戻ってきて、部屋を出たのは10分後だった。
平成24年10月8日10:00
大童が藤重の家の前についたときには、すでに藤重が待っていた。
「待った?」
「今出てきたところよ」
「そっか」
「それで鏡君は?」
辺りを見るが鏡は見当たらない。
「車を持ってくるって」
「あ、そうなの」
そんなことを話していると、大童の後ろに一台の車が音もなく止まった。
「来たし行こっか」
「そうね」
二人は車に乗り込んんだ。
平成24年10月8日10:03
「そういえば何処に行くのか聞いてないんだけど」
もっとも重要なことを今さら聞く藤重。
「そう言えば聞いてなかったね。何処に行くの?」
「ゲーセンだな」
「デパートの?」
藤重の言う「デパート」は国道沿いのデパートで中にゲーセンが入っている。
「いゃ、電気街の方だ」
「そっちね」
「あそこなら景品に丁度いいものが多種取れるだろ」
「そうだね」
「でもちゃんと取れるの? 私はゲーセンはあまり行ったことないから分からないんだけど……」
助手席の大童を見る。その視線に気づいて答える。
「僕は行ったことないよ」
「……大丈夫なの?」
心配そうにする。それに対し鏡は、
「問題ない」
とだけ言った。
「それならー……いいんだけど」
(まぁ、鏡君が言うなら大丈夫なんでしょうね)
今までのことから、納得してしまう藤重であった。
平成24年10月8日10:18
ゲーセンに到着し、三人はゲーセンの中にいる。
「お前等にこの一万円をやるから、適当にとって来い。あぁ、適当と言ってもなるべくジャンルは固まり過ぎないようにな」
一万円札を大童に渡す。
「例えば?」
「ぬいぐるみだけ、とかにはするなってことだ」
「了解」
「了解って……まぁ、一万円もあれば何かしらとれるでしょうけど……」
「それじゃぁ行って来い。後、一万円は使い切れよ」
「あれ、夕夜は別行動?」
「三人固まって行動することも無いだろ。念のため、初心者のお前等とは別に景品を集めてくる」
「そっか、それならお金使い切ったらここで待ってればいい?」
「そうだな」
「了解。じゃあ、またここで。行こ、藤重さん」
「そうね、行きましょ。それじゃ、また後でね」
「ああ」
そして大童達と鏡は分かれて景品集めをすることになった。
鏡と分かれた大童達は、両替をした後、何があるのか分からないため、とりあえず店内を見て回っていた。
「射的だけど、ああいうキーホルダーとかもとった方が良いのかな?」
大童が下に引っ張って落とすタイプのものを指さす。
「んーそうね。的にしてもいいけど、ハズレ用にも使えるかも」
「なるほど、そうだね」
そんな会話をしたり、
「あーあれって引っかければいいんだね」
「テレビだと押して落としたりもしてたわね」
他の客のプレイを見て、参考にしたり、
「落ちないわね」
「でも後一回押せば落ちるんじゃないかな」
「……そうね。もう一回やってみるわ」
実際にプレイして景品を集めつつ、楽しんだりした。
そして約二時間後。
両手に一袋ずつ持った大童達が待ち合わせ場所に来ると、すでに鏡が長椅子に座って待っていた。
「楽しめたか」
鏡は大童達を確認すると立ち上がる。
「うん。楽しかったよ」
「そうね。楽しめたわ」
「そうか」
「それで、鏡君の取ったやつは?」
辺りを見回すがそれらしいものは見当たらない。
「トランクに入れてきてある」
「そう」
「それじゃ帰るぞ」
「そうだね。もう昼だし」
「景品もこれだけあれば十分よね。他の人も持ってくるんだし」
三人はゲーセンを出ると、車に向かった。
平成24年10月8日12:25
ゲーセンの駐車場。
「これもトランクに入れればいいわね」
「あぁ」
許可を貰ってトランクを開ける藤重。そこには……
「うっわ……」
大量の袋があった。しかもそのうちの一つはキーホルダーなどの小物が詰まっている。
(とりずぎでしょ……)
そんなことを思いながら、自分たちの分を何とか入れてトランクを閉じた。
平成24年10月8日12:31
車内。
「景品は大童の部屋に置いておけばいいだろ」
「うん。いいよー」
「まだ学校に持って行くには早いものね」
と、何てことはない普通の会話が続く。
そして、大童の部屋についた大童と藤重は昼を食べた後、車を置いてきた鏡も合流していつも通りと言ってもいい時間を過ごした。
平成24年10月10日20:45
藤重の部屋。
「仕事だ」
紙を机に置く。
それを読み終えた二人。
「聞いたことないわね」
「一時期頻繁に発生してたよ」
「そうなの?」
「うん」
「これは昔、アニメで放送されたのをきっかけにかなり広まってな。それで都市伝説になったわけだ」
「へー……でも『怪人』って何?」
もう一度その部分を見ながら言う藤重。
「怪しい人だね」
「いや、人って……」
戸惑い気味に鏡の方を見る。
「まぁ、『怪人』と言いつつ、妖怪だな」
「……そうよね」
「で、今回の要点だが」
パソコンを閉じる。
「速度は普通の自転車の範囲内だろう」
「特に速度に関して何も書かれてないものね」
「そのくらいなら逃げるのは簡単かな」
(自転車から逃げるのは簡単じゃないと思うんだけど……まあ大童君だし)
『七不思議』の時などの速度を思い出す。
「今回は逃げ続けるしかないの?」
「そうだな。周りに廃工場みたいなところはない」
「じゃあ移動し続けるの?」
「必要な時だけ移動すればいい。不必要に動くことは無いからな」
「『夕暮れ』だし、時間もそんなに長くないしね」
「秋だからな。16時~17時ってところか」
「その位なら特に問題ないね」
「指示は出すからその通りに動けば人に見つかる心配はない」
「了解」
「それで、今回も私は妨害すればいいの?」
「そうだな。ただ今回は楽だぞ」
「……そうなの?」
不思議そうな藤重。
「そうだね。今回は接近戦ができるから、僕も相手もそんなに動き回らないと思うよ。それに速くないんだし」
「狙う場所は刀を持っている腕か、足。相手が『自転車』にまたがっていれば『自転車』を狙うのもありだな」
「ん……?」
その言葉に気になるところがあったのか、もう一度紙を見る。
「あ、ずっと『自転車』にまたがってるわけじゃないのね」
目的の所を確認して顔を上げた。
「『自転車に乗って現れる』としか書いてないからね。でも、『自転車』も『トンカラトン』の一部みたいなものだし、乗らないにしてもそんなに離れることは少ないかもね」
「いちいち『自転車』に乗るとは思えないから、一回降りてしまえば長距離の移動をするまで乗らないだろうな」
「そう。まあ、刀を振る腕を狙うのは少し難しいかもしれないけど、あまり動かない足や『自転車』なら簡単ね」
「ただ、もし自転車にまたがっている時を狙うなら足が地面についているだろうから強めにな」
「ペダルに両足をのせた状態で切ることは無いだろうしね」
「そうね」
そこでコップに入った麦茶を飲んで一息。
「今回も私が標的に含まれそうだけど、どこで射るの?」
「そこに関しては全く問題ない」
キッパリと言った。
「今回は『その通りにすればそのまま去る』だからね。藤重さんが先に言っておけば、その時点で標的からは外れるよ」
「つまり私が先に接触すればいいのね」
「あぁ。だから巻き添えを食らわない範囲なら何処で射っていてもいい。何だったら蹴ってもいいぞ」
「それは遠慮しとくわ」
即答するが、すぐに思案顔になる。
「でもどこでもいいのよね……んー……」
思案終了。
「というか別に動いて良いんだから何処とか決めなくていいじゃない!」
一気に言い切った。
「今頃気づいたのか?」
「今頃気づいたわよ!」
バンッ、と机を叩く。
「ああ、あまり叩くと飲み物が――」
それと同時に大童がコップをなんとか持ち上げて避難させていた。
「危ない危ない……」
安全を確認してコップを置くと、安堵の溜息をついた。
「あ、ごめんね大童くん」
それに気付き、心を落ち着けて申し訳なさそうにしている。
「ううん。気にしなくていいよ」
「じゃぁ日にちはどうするか」
「……」
ジトーっと鏡を見る藤重。
そして目を閉じて溜息。
「……はぁ、もういいわよ」
「そうか」
「それで、時間は午後4時から何だよね」
「あぁ。ここからは大体20分ってところだな」
「なら集合は3時半くらいね」
「そうなるな」
「それだとー……次の日曜が良いわね」
藤重は携帯を開くと、スケジュールを確認した。
「僕も問題ないし、その日で決まりかな」
「なら日曜午後3時半にここに集合な」
「了解」
「わかったわ」
その後、三人は解散した。
あのアニメで記憶に残ってるのは、
トンカラトンよりも、
ドンドコドンとか映画館のや、
写真機のとか影を食べるやつが記憶にあります。
逆上がりを手伝うやつとかもありましたね。
こうやって思い出すとまた見たくなってきます。
久しぶりに見ようかな……。
次回は十五話を書き終えたら載せます。