まだ一話なので都市伝説はアッサリと行きます。
一話はアルバイトへの説明書いていたらグダグダと2万文字行ってしまいました。
その説明は中編で一気に行きたいと思います。
そういえば『UL』本編では都市伝説しか扱いませんが、
この『世界』は非現実の塊です。
他の話も溜まったら載せられると良いな……。
ある日の夕方。
男の子が赤いコートを着た女性に話かけられた。
「ねぇ、私、キレイ?」
女性はマスクをしていたが美人だと思ったので、
そうですねと答えた。
すると女性はマスクを外しながら、
「これでもキレイ?」
そう言ったマスクの下の口は耳元まで裂けていた。
男の子はあまりの怖さにその場を逃げ出したが、
女性はコートから鎌を取り出し追いかけてきた。
そのスピードはすさまじく、
男の子はすぐに追いつかれてしまう。
そして女性は男の子を羽交い絞めにして鎌で口を耳元まで裂いた。
口裂け女は100mを3秒で走るらしい。
助かるためにはべっこう飴を与えるといい。
これは口裂け女がべっこう飴が好物で、
夢中になってる間に逃げることができるからだ。
平成23年10月12日6:30
都学園高等部1-2教室。いつも通りの時間に大童が教室に入ってくる。そしていつもと同じ挨拶をする。
「おはよう」
「あぁ、ぉはよ」
挨拶を返した鏡も相変わらずノートパソコンをいじっている。それを気にせず大童は世間話を始める。
「そういえば、超能力部が大会で優勝したみたいだね」
「そうだな」
今年の超能力部は優秀らしい。
「うちの超能力部はあんなに緩いのにやる時はやるねー」
「緩そうに見えてもやる事はやってる。あの部長は駄目そうだが実際はかなりやるしな。超能力課が目をつけているそうだ」
「へーそうなんだ。この学園スポーツ系も結構優秀だよね」
「高等部はスポーツ推薦があるしな。それに、小・中等部の時から高等部と同じ練習が可能なのは大きいんだろ」
都学園では高等部からスポーツ推薦があり、学費が無料で単位もある程度免除される。また、小等部は中・高等部の練習に、中等部は高等部の練習に実力次第で参加可能なのだ。
「そうだねぇ、でも小等部が高等部の練習に参加するのは稀らしいよね」
「そりゃぁな、体力とか体格が厳しいだろ。小等部は部活している奴も少ないしな」
「中等部と同じ練習してる人は少しいるみたいだね」
「小等部からしてるようなやつは、それが本当に好きなんだろうしな。別の理由もあるかもしれないが」
「例えば?」
「親からの強制」
即答だ。
「あー……あるかもね」
「ぐれなけりゃいいけどな」
「そうだねー」
すでにいること前提で話をしている。
そんなこんなで雑談は続き、暫く立って教室にぽつぽつと人が来始めたころ。鏡が思い出したかのように言った。
「あぁそうだ」
「何?」
「藤重にULの事とか都市伝説の事とか、近いうちに教えておけよ。面倒だ」
本当に面倒そうだ。
「了解」
そしてあっさりと了解する。
「あっちの方から聞きに来るかもしれないけどな」
「あーそんな気がする。行く手間が省けるのは楽だけどね。藤重さん、部活もあるし昼休みか部活後かな」
「いゃ、今日は昼練がある。部活後はだいぶ遅いしな。来るとしたら明日だ。まぁ、一番いいのは携帯電話なんだがな」
それに対して大童はどうして? というような顔をする。よく考えればわかる事なのだが、自覚がないのか知らないが気づいていないようだ。鏡はあきれたように言う。
「お前とあいつが話していたら目立つ。あいつもそれなりに有名人だしな」
「確かにそうだね。藤重さんスポーツ推薦だし、中学の時は優勝してるからね」
確かにそうなのだが、自分が目立つということは頭に無いようだ。
「お前も有名人なんだがな」
「そう? 確かにテストでは上の方だけど。有名ってほどじゃなくない?」
そこではないのだが、と鏡は呟いて、
「まぁいい」
諦めた。
「そうだねぇ。藤重さんの携帯番号分からないの?」
「わかるが、教えてもらっていないのにかかってきたら変に怪しまれるかもしれないだろ」
「確かに。じゃあ……藤重さん一人暮らしだったよね。家に帰った後に尋ねる?」
鏡は何を言っているんだ、という風に言う。
「それも怪しまれるだろ。あと手紙に書いて机とかに入れておくとか、友達に聞くとかも駄目だ」
「何で?」
心底理解していないようだ。
「そっちの方が面倒なことになるからだ」
大童がモテることが理由だ。周りで騒がれたらそれは面倒になる。それでも、いつまでも他人面というわけにもいかないのではあろう。
「じゃあ、そうだなぁ……昨日のあたりで待ってる? 家はあっちの方みたいだし」
「それが良いだろうな」
ようやくか、という風に言う。
「それと、面倒なことになるといってもいつまでも他人面だと他人に見つかった時によけい面倒だ。徐々に友人関係みたいにしておけ」
「わかったよ」
何で面倒なことになるのか完璧には分かってないだろうが、鏡の言っていることだから間違いはないだろう、ということだ。
「でも、どうやってきっかけを作るの?」
「お前らクラスの文化祭実行委員だろ。それを利用しとけ」
「そういえば藤重さんもそうだったね。了解」
文化祭は10月の最終金土日の3日間あり、全学年まとめて行われる。県外から来る人もいて、多くの人が来る。出し物はかぶってもいいし、他のクラスと合同で行うことも可能だ。また、クラスではなく部活や委員会も出し物をするところはある。準備は2学期から始まり、開始一週間前はとても忙しくなる。前日はもっと最終調整などでさらに忙しくなる。寮があるのに学校に泊まり込んで作業をする人もいるくらいで、それほど時間が惜しいのだろう。ただ、もしかしたら計画性が無いだけなのかもしれない。
時間が過ぎてHRになった。大童は連絡事項を聞きながらどうやって説明するか、徐々に友達になるにはどうするかを考えている。
(実行委員の集まりは金曜だったな。じゃあ、その時だよなー。話さないといけないような状況があるといいんだけど、都合よくあるとは思えないよな。まぁ、何とかなるかな。説明に関しては問題ないと思うんだけど)
そうしてHRは大した連絡もなく終わる。
平成23年10月12日21:12
「……完璧に来る時間間違えた。帰るのを確認してからにすればよかったよ」
ここについてから1時間が経過していた。部活が終わるのは確認したが、学校を出るところを確認しなかったのはミスだった。友人のところででも遊んでいるのか、なかなか来ない。
「ただ待ってるのも楽じゃないんだけど」
暫くして。
「やっぱり! 大童君よね。どうしてここに居るの? もしかして……私を待ってた?」
藤重がようやく来たのはさらに30分が経過した後だった。
「うん。
「学校で話せばよかったのに。どのくらい待ってたの?」
「1時間くらいかな。何か、学校で話したり電話番号渡したりしたのがばれたら面倒なことになるんだって」
「面倒なことって……」
大童の顔を見る。そして、納得する。
「あぁ……そうね。学校でばれたら面倒なことになってたかも」
「だからここで待ってた、というわけ。この時間なら人通りも全くないしね」
「そうね。でも外で立ち話もあれだし、とりあえず家で話さない? もう暖かくもないし。家もすぐそこよ」
「それじゃぁ、お言葉に甘えさせてもらおうかな。確かに立って話すのは冷えるし、人が通らないとも限らないしね」
「じゃ、行きましょ」
2人は歩き出す。こんな夜中に1人暮らしの女性の部屋に男性を招くのも、行くのもどうかと思うのだが。2人が気にしてないのなら問題ないだろう。
ふと気になって。
「ねぇ」
「何?」
「どうして大童君なの? 鏡君なら学校でも面倒なことにならないんじゃない?」
「夕夜だったとしても面倒なことになると思うよ。藤重さん有名だから」
その言葉に驚く。
「私ぃ!? そこまで有名じゃないと思うけど……大童君の方が有名でしょ」
「いゃいゃ、藤重さんのほうが有名だよ。スポーツ推薦で全国大会優勝経験ありだし。ちょくちょく名前を聞くことがあったよ」
あ、そっかと納得する。確かにスポーツ推薦なのだから有名でもおかしくない。
(私って有名だったんだ……でも)
「大童君の方が有名よ。周りがよく話してたわ。正直モテるでしょ?」
「そんなことないよ。告白されたこととかないし」
「ないの? じゃあバレンタインは?」
「バレンタインはー、義理チョコならいっぱい貰ったけど本命はなかったよ」
「それ本当に義理?」
「うん」
確かに嘘はついていなかった。なぜなら本人は義理として渡されたものを、本当に義理だと思っているのだから。「本命=告白付き」とでも思っているのかもしれない。
(どう考えても義理じゃないわよね。もしかしてすごく鈍いの?)
(しかし、有名なことに気づかなかったなんて、藤重さん案外鈍いのかな?)
どちらも鈍いが、どう考えても大童の方が鈍い。しかし、2人とも考え始めたため間が開き、とりあえずこの話はここで終わった。
そして、そのまま家に着いたのであった。
今回は少なめですが、
この後説明に入るので区切れません。
故に次回は説明回。
本当は説明とかは話の要所要所で入れてくのがいいのかもしれないと思ったのですが、
新人のアルバイトに説明をせず仕事をさせるのはどうだろうと思った結果です。
次回の更新は三話目のを少し書いたら載せる予定……予定です。