UL   作:招代

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予定よりかなり遅くなってしまいました……申し訳ありません。
正直な話、
仕事の都合以上にかなり行き詰っていました。

今となっては書き終えられて良かったのですが……。

ただ今週からは仕事が自分にとっての通常に戻ります。
これで調子を取り戻せれば……。

しかし火曜日が残業確定なのは気が滅入る。

では後編です。



第二十二話 『紙くれ』 後編

平成25年8月25日17:22

「そろそろ時間だね」

 時計を見て、大童が言う。

「行くか」

「そうね」

 

 三人は部屋を出て、校門前で車に乗り目的地へと向かった。内履きに関しては藤重が来た時に学園に取りに行ってある。

 

 

平成25年8月25日18:00

 道中、藤重が見たことのある風景を通って目的地に到着。

「とりあえず車を置いてくる」

「うん」

 鏡は車を置きにどこかへと行った。

 

 残された二人。手には内履きを持っている。

「生徒はいないわね」

「そうだね。でも先生はいるんじゃないかな」

「気配は?」

「ここからじゃ分からないけど、電気のついているところがあるし」

 言われて、藤重は校舎を見た。

 

 すると、確かに電気のついている個所があることがわかる。

「そうね。なら気を付けないと」

「今回は夕夜もいるし、問題はないと思うよ」

「それがある意味心配だけどねー……」

 ため息をつく。そんな様子の藤重に少し笑ってから、

「まあ、大丈夫だよ」

 否定はしなかった。

 

 それからすぐに鏡が合流。

「行くぞ」

「了解」

「どこから入るの?」

「玄関は監視カメラがあるからな。渡り廊下からでいいだろ」

「そう。ならあそこね」

 視線の先には外にそのまま出られるようになっている廊下がある。どうやら校舎は二つに分かれているようだ。

「そうだな」

 三人はそこに向かった。

 

 

平成25年8月25日18:04

 到着。

「えっと、右と左どっち?」

 左右を見ると、両方とも扉が閉まっていて鍵がかかっているようだ。

「右だ」

 鏡は右の扉に行くと、鍵を取り出して開けてバックから出した内履きに履き替えてから校舎内に侵入する。それに続き大童と藤重も侵入を果たす。

「外履きは、まぁエコバックにでも入れておくか」

 バックからエコバックを取り出し靴を入れ、それを大童に渡し、入れ終わると藤重に渡してすべての靴を入れ終える。それを、大童が藤重から受け取った。

「履き替えたなら行くぞ」

「了解」

 パソコンを開きながら歩き始める鏡。大童と藤重はそれに続く。

 

 

平成25年8月25日18:08

 西校舎1階西トイレ前。

「実現はさせてあるから藤重が中に入れば出る、だろう」

「だろう?」

 やけに強調された断定でない言葉に疑問が浮かぶ。

「4階建てだからな。この上にも3つトイレがある。前にも言ったはずだがパソコンに出ているのは平面、深さは分からない」

「そういえばそんなことも言っていた気がするわね」

「ゴミ山に行った時だね」

「あー……」

 思い出したくないのか嫌そうな顔をする。少なくともいい思い出ではないようだ。

「だから片っ端から行くしかないな」

「一応条件に『他の個室にトイレットペーパーがある』って言うのもあるけど、無いようなものだよね」

「基本的にあるはずだからな」

「そうね。それならしょうがないわ」

 説明を終えて、藤重は納得。

 

「じゃあ始めよっか」

「そうね」

 二人は『女子トイレ』前に立つ。

「まずは藤重さんが先に入って、『声』がするかを確かめてくれる?」

「いいけど、一緒に入っても一緒じゃない?」

「一応『女子トイレ』だから、例え仕事でもむやみやたらに入るのも……ね」

 躊躇いがちに言いながら人差し指で頬をかく。

「あーそうよね。ならまず私が入るわ」

「うん。行ってらっしゃい」

「行ってくるわ」

 藤重がトイレの扉を開けて中に入り、それが閉まらないように大童が抑える。

 

 そして中に入って暫く待つが。

「何もないわね」

「ならここじゃないのかも」

「じゃぁ次は2階だな」

「そうね」

 三人は2階に向かう。

 

 

平成25年8月25日18:17

 西校舎2階西トイレ前。

「次はここね」

「うん」

 

 そして先ほどと同じようにするが反応なし。

「ここでもないわね」

「次だな」

「了解」

 三人は3階に向かう。

 

 

平成25年8月25日18:28

 西校舎3階西トイレ。

「三度目の正直ってあるのかしら」

「偶にはあるんじゃない?」

「そうね。行ってくるわ」

 今までと同じ様にトイレに入る。

 

 そしてすぐに、

「かみくれーかみくれー」

 と、しゃがれた声が『二番目のトイレ』から聞こえてきた。

(こんな声が『夕方のトイレ』からしてたら、不審すぎると思うんだけど)

 少し呆れながらも残り少なくなっていた『トイレットペーパー』を拝借すると、すべり込ませるために『二番目のトイレ』前にしゃがむ。大童はその間に中に入り、『二番目のトイレ』の前の横にスタンバイしている。そして藤重が『トイレットペーパー』を入れようとしたところで、ふと、その動きが止まる。

 

「どうしたの?」

「ねえ、これって離れた場所から転がして入れてもいいのかしら」

 止まった藤重は首だけを上に向けて、大童を見上げながら尋ねた。

「大丈夫かもしれないけど、一応滑り込ませたほうがいいと思う」

「わかったわ。なら離れているぶんには問題ないのよね」

「そこは書かれてないし問題ないんじゃないかな」

「なら少し下がるわ」

 しゃがんだ状態のまま、服が壁につかないように気を付けながら下がる。

 

 そして下がり終え、『トイレットペーパー』が転がらないように筒状の芯の穴方向を下の隙間に向け、そのままの向きで勢いをつけて手を離すと、『トイレットペーパー』は滑るように隙間に――

 

 ――行くわけなく、無様に不規則なバウンドをして、手前で少し転がり止まった。

「……」

「……」

 『トイレットペーパー』の行動を目で追っていた二人は現在、ポツンと床にある『トイレットペーパー』を静かに見つめている。

「次は普通に入れるわ」

「それがいいよ」

 藤重は立ち上がり、おそらく汚れていない部分を持つと、今度は手で入れられる位置にしゃがむ。

 それにしても隙間に入らなかったのは幸いかもしれない。無駄になっていた可能性もあるのだから。

 

「じゃあ、今度こそ行くわね」

「うん。気を付けて」

 藤重は隙間の前まで『トイレットペーパー』を持っていくと、なるべく頭を遠ざけながら確実に勢いよく『滑り込ませ』飛び退く。

 瞬間。

「このか――」

「……」

「――みだよ!!」

 『手』は無言で大童に踏みつけられていた。その間にも藤重は『トイレ』の外に出る。

 

 そして出たのと同時に『トイレ』から雑音が響き、大童の踏みつけていた『手』は消えていった。

「ちなみにアレのコツは腕ではなく『手』、正確には指先を踏むことだ。覚えておけ」

 消えていく『手』を見ながら藤重は問いかける。

「腕じゃ駄目なの?」

「『伸びる』からな。腕だとそこから先が『伸びる』可能性がある。だから指先を踏んでしまえば問題ない」

「なるほどね」

 

 そして大童が『トイレ』からでてきた。

「じゃ、帰るか」

「そうね」

「うん」

 三人は学校を後にし、車で学園に戻った。藤重はアパートに置いてきてもよかったのだが、内履きを戻すため一緒に学園へ。ついでに少し大童の部屋でくつろいでから、その日は解散となった。

 

 

平成25年9月1日10:43

 大童の部屋。

「今日で最後の夏休みも終わりね」

「そうだねー」

「一応大学なら夏休みもあるけどな」

「でも私たちは卒業したらULに就職だし」

「いゃ、お前だけだろ。それは」

「あー……そうだね」

 大童と鏡の本を読みながらの言葉に沈黙が訪れ、藤重の表情と動きが止まる。

 

「……は?」

 そして動き出す。

「え……いや嘘でしょ?」

 困惑している藤重が、二人を見る。

「ホントホント。なぁ?」

「うん。そうだね」

 鏡と大童はお互いを見て、肯定しあう。

「え……ホントに?」

「あぁ」

「だって……」

「……」

 

 緊張感が漂う中、大童が口を開いた。

「僕たち……もう就職してるし」

「……」

 

「はい?」

 理解できずに疑問符をあげてしまう。

「確かに藤重さんはアルバイトだけど、僕はすでにULの社員だから。夕夜に至っては支部長だし。だから卒業したら就職するのは、藤重さんだけだよってこと」

「言っておくが間違ったことは一言も言っていないからな。むしろ間違っていたのはお前なんだから逆切れとかするなよ?」

「……」

 意味を理解したようで、見る見るうちに真っ赤になっていく藤重の顔。

「ッ――!」

 そしてそのまま机に突っ伏して顔を隠してしまった。そんな藤重を、大童と鏡は笑いながら見ていた。

 こうして今日も楽しく一日が過ぎていく。

 

 

 

第二十二話『紙くれ』終了。

 




もうそろそろ小説内の時間が現実の時間を追い越していきますね。
だからって何もないんですけど。

それにしても最近思うこととしましては、
あの狩りゲーのGが出るのかでないのか……出るなら今は買いたくない。
他にも某野球ゲームとか大きな乱闘とか呪われた小学校とか。
まぁゲームばかりが気になります。
得意じゃないんですけどね。

次回は二十五話を途中まで書いたら載せます。
今回みたいにはなりたくないんですが……どうにもこうにも。
これが小説の終わりが見えてきたことによる末期症状だろうか。
どうにかしたいんですがね……。
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