UL   作:招代

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電子レンジを開けようとして冷蔵庫を開けてしまった。
……誰もいなかったけどあれは恥ずかしい。

鏡について。
鏡のことはテラチート・バグキャラ・僕の考えた最強の○○とか、
そんな感じで考えてください。

後、
主にその時々の思っていることで思考・行動・判断などをしています。
なので前回聞いたことを再び聞くと違う答えが返って来ることが案外あります。

では二十六話です。
どうしても削りきれずに都市伝説の内容が多くなってしまいました。
ご了承ください。


第二十六話 『猿夢』 前編

お猿電車のようなものに乗っている夢をみていました。

何故かこの時は夢をみているんだと自覚する事できました。

周りを見ると他にも数人の顔色の悪い男女が乗っていました。

自分は後ろから三番目の席に座っているようです。

辺りには生暖かい空気が流れていて、

本当に夢なのかと思うくらいの現実味がありました。

 

すると精気の無い男の声でアナウンスが流れました。

『次は活けづくり~活けづくりです』

活けづくり? などと考えていると、

後ろから悲鳴が聞こえてきました。

何事かと振り向くと、

一番後ろに座っていた男の周りに、

ぼろきれをまとった四人の小人がむらがって、

男の体を刃物で裂いて本当に魚の活けづくりの様にしていました。

そして強烈な臭気が辺りをつつみ、

男は耳が痛くなるほどの悲鳴をあげ続けました。

 

男の前には女性が座っていましたが、

彼女は後ろの大騒ぎには気にも留めない様子で、

ずっと黙って前を向いたままでした。

私はこの展開に驚き恐くなると同時に、

怖いもの見たさで気にもなりました。

だから・・・どうせ夢だからと、

目を覚まそうとするようなこともしませんでした。

覚まそうとできるかもわからなかったのに。

 

気が付くと、

男のいた場所には赤黒い血と肉片だけが残っていました。

後ろの女性は相変わらず黙って前を向いています。

 

『次はえぐり出し~えぐり出しです』とアナウンスが流れました。

すると今度は二人の小人がぎざぎざスプーンの様なもので、

後ろの女性の両目をえぐり出し始めました。

彼女の顔は目をえぐり出される激痛によりすごい形相に変わり、

すぐ後ろで鼓膜が破れるぐらいの悲鳴をあげています。

 

そのことに恐くなり、

震えながら体をかがめていました。

もう無理だと思いました。

しかも順番的に次は自分の番です。

ですが自分にはどんなアナウンスが流れるかと思い、

それを聞いてから目を覚ますことにしました。

 

『次は挽肉~挽肉です~』とアナウンスが流れました。

最悪です。

どうなるかが容易に想像ができてしまいます。

急いで夢から覚めようとしました。

すると近くで機械の音が聞こえてきました。

 

小人は膝に乗り、

変な機械を近づけてきました。

恐らくミンチにするための道具だと思うと恐くなり、

「夢よ覚めろ、覚めろ」と目を固くつぶり一生懸命に念じました。

音はだんだんと大きくなってきて、

顔に風圧を感じてもう駄目だと思った瞬間、

辺りが静かになりました。

 

なんとか悪夢から覚める事ができたようです。

全身が汗でびしょびしょになっていました。

恐ろしくリアルな夢でしたが、

所詮夢だったのだからと自分に言い聞かせました。

 

ですが4年後のある晩。

『次はえぐり出し~えぐり出しです』

またあの夢を見ました。

あの場面からでした。

すると前回と全く同じで、

二人の小人が女性の眼球をえぐり出しています。

やばいと思い、

「夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ」とすぐに念じ始めましたが……なかなか目が覚めません。

『次は挽肉~挽肉です~』

機械が近づいてきます。

夢よ覚めろ覚めろ覚めろ覚めてくれ。

 

ふっと静かになりました。

何とか逃げられたと思い、

目を開けようとした時、

『また逃げるんですか~次に来た時は最後ですよ~』と、

あのアナウンスの声がはっきりと聞こえました。

目を開けると、

やはり夢からは完全に覚めており、

自分の部屋にいました。

ですが最後に聞いたアナウンスは絶対に夢ではありません。

現実の世界で確かに聞きました。

 

それからあの夢は見ていませんが、

次に見た時にはきっと、

心臓麻痺か何かで死ぬと思います。

こっちの世界では心臓麻痺でも、

あっちの世界では挽肉……

 

 

 

平成25年12月12日19:24

 大童の部屋。暖房が効いている。

「仕事だな」

 読書中の大童と仕事中の藤重に、鏡が紙を取り出して渡す。

「何か長いわね」

 仕事と本をしまって、紙を受けとる藤重と大童。

 

 読み終えて。

「……『夢』?」

「『夢』だね」

「『夢』だな」

 藤重の疑問に、二人はほぼ同時に答えた。

「……『夢』に、干渉できるの?」

「正確には精神に少し干渉して、その『夢』を見せるって感じだけど」

「そんなこともできるのね」

 感心したように言う。

「『精神に干渉』って言うならもっと凄い、もとい酷いのもあるけどな」

「例えば?」

「『くねくね』とか」

「『くねくね』って……くねくねしてるの?」

「基本は白くてくねくねしてるのが多いみたいだね」

「白くてくねくね……」

 頭の中で、某アニメの地面から出てる目のついた白くて細長いものを思い浮かべる。

「それはどんな感じの内容なの?」

「見ると精神崩壊する」

 

 少しの沈黙の後。

「……理不尽すぎない?」

「都市伝説の中でもかなり理不尽な部類だな」

「と言うか、それはどうにかなる物なの?」

 大童の方を見る。

「なるらしいよ? 僕はランクが足りなくてやったことないけど」

「Bランクより上ってことね。で、どうするの?」

「内容にもよるが、言ってしまえば単純だ。見て精神崩壊しなければいい」 

 簡単に言ってのけた。

「いや、可能なの? それ。『見たら精神崩壊』するんでしょ?」

「限度ってものがあるからな。例えば、『切られる』なんて内容がある都市伝説は、限度があるからこそ攻撃を弾けるのであって、限度が無ければ何でも切れるようになるだろ」

「そう言われるとそうね」

 考えて納得する。

「だから精神力が強ければ耐えられる。とは言え、どのくらいあれば良いか分からないから、念のためにランク設定は高くしてあるんだけどな」

「それがいいわよ」

 

 話に区切りがついたところで、鏡が話を戻す。

「で、今回の仕事だが」

「うん」

「やるのは康。藤重がやることは無いな」

「了解」

「まあ、『夢』の中だし何もでき無いわよね」

「そういう妖怪なら可能なんだが、お前は妖怪じゃないしなぁ……はぁ」

 藤重を見ていた鏡が、視線を外してわざとらしく溜息をつく。

「いやそんなこと言われても」

 反応に困る藤重。

「ま、そんなことはどうでもいい」

「自分から言ったんじゃない」

「気にするな」

「……別にいいけど」

 すぐに視線を戻してあっさりと言った鏡に、藤重は呆れ気味だ。

 

「それで方法に関してだが、一番確実なのは後ろの2名を殺させずに『夢』から覚めることだな」

「そもそもその状態で『夢』から覚められるの?」

「切り離されてたら原因をどうにかしないとだけど、まだこの段階だからね。あくまでも、普通に寝ている人間にこの『夢』を見せるくらいだし」

 大童の言葉に、口元に手をやって少し悩んでから。

「つまり、自然に『夢』から覚めるのを待たないといけないってこと?」

「明晰無の様なものだし、普段よりは覚めやすいと思うけどね」

「ただ寝てるだけだからこっちから起こすことも可能だけどな。ただ、その『夢』を見ているか分からない以上、自力で起きるのを待つべきだろう」

「確かに『夢』を見ていない状態で起こしても意味ないものね」

「うん。だから僕が自分で起きないと」

「でも他の方法もあるんでしょ?」

「あると言えばあるが確実ではないし、気分の良いものではないと思うぞ」

「一応聞くけど……何?」

 嫌な予感がしながらも、聞くことにした。

 

「そうだな……まずは自身、または後ろ二人を『お猿電車』から降ろす」

「……そんなことで言いの?」

 拍子抜けだったようで、思わず聞き返してしまう。

「でも『夢』だからね。降りても降りても『お猿電車』に乗ってる事がほとんどみたいだよ」

「意味がないってことなのね」

「あぁ。で、次に後ろの二人を『小人』に殺させずに自分で殺す方法」

「確かに気分の良いものではないわね……現実の人じゃないにしても」

 顔をしかめる。

「それに殺せても消すことはできないからね。それをやってから『小人』に抉られでもしたら意味ないし、『夢』だから生き返る可能性もあるし」

「……そうね」

「で、最後は自分自身が死ぬ。つまり死なないはずの自分が死ぬことにより、矛盾させるんだが」

「でも自分も気づいたら生き返ってたとか、ありそうだけど」

「だね」

「だがこれは一応効果的ではある」

「どういうこと?」

「夢を見ている時に、死にそうになると目が覚めることは多いだろ? だからそれを利用して目を覚ますことも絶対ではないが可能だ」

「確かに、夢の中で崖から落ちると地面に衝突する瞬間とかに目が覚めることはあるわね」

「でも『夢』の中とは言え自殺は良くないよ」

「あたりまえよ」

「まぁ、どうしようもなくなった場合の最終手段って感じだ。使うことは無いだろ?」

 鏡が大童を見ながらそう問いかけると、大童は頷いて見せた。

「うん。使わないで終わらせるから大丈夫」

 

「でも、それならいきなり『男性が活けづくり』にされてるとかにはならないの?」

「『小人』がでてくるって過程があって、活けづくるわけだから。いきなりそこから始まったりはしないよ」

「そうよね。なら、やっぱり活けづくらせずに目を覚ますのが確実なのね」

「あぁ」

「で、大童君ならそこは問題ないのよね」

「このくらいなら問題ないよ。むしろ問題があると言えば実現させる時間だよね」

 そう言って時計を見ると、20時をまわっていた。

「時間?」

「場所の指定がないから、どうしても周りを巻きこんじゃうし」

「あ……他に寝てる人がいたらその人にも影響しちゃうのね。それは、どうするの?」

「範囲内で極力寝ている人の少ない時間帯に行う。さすがにゼロとはいかないからな」

「仕方がないのよね……」

 下を向いたまま呟いた藤重だったが、気になるところがありすぐに顔を上げる。

「でも、範囲内って? 場所の指定は無いんでしょ」

「場所の指定がないって言うのはかなり広範囲と言うことであって、何処でもいいわけではないからな。だいたい何処でもいいなら、こんな三人の所でやらないで、本社や支部で人海戦術を使ってやればすぐに終わるだろ」

「何回もやれば、こっちから起こす方法も成功させられるからね」

「あー、確かに」

 

「ただ、どうしても学園の授業時間に被る」

「平日にするってことね」

「平日なら仕事や学校があるから安定して少ない時間を狙える。だから康には決行日に学園を休んでもらう」

「了解」

「学園で寝てたら先生に起こされそうだものね。でも具体的には何時にするの?」

「11時くらいでいいだろ。この時間ならまだ授業・仕事中がほとんどだ。それに昼飯前ならお腹も減って起きてる人は、少なくとも食べた後よりは多い」

「食べた後は眠いわよねー……」

「本当は暖房による眠気をどうにかしたいところだが……切るというのはあまりにも酷だ」

「もう寒いからねー。まあ、浅い眠りなら多分『猿夢』もでないんじゃない?」

「あぁ。恐らく大丈夫だ。で、時間は良いか?」

「僕はそれでいいよ。それなら午後辺りは登校もできるし」

「その辺は好きにすると良い。次に日にちだが」

「それは平日ならいつでもいいんじゃないの?」

 疑問符を浮かべる。

「仕事はともかく、授業中に寝る奴を考えるとブルーマンデーは避けるべきだろう。ダラダラしがちで寝てる人も多い。後、木曜も月火水の疲れがな」

「それなら金曜もよね」

「金曜はむしろ花金。翌日が休みでむしろ活気が出てる」

「確かに。だったら明日?」

 カレンダーを見る。今日は木曜だ。

「そうだな。康もそれでいいか?」

「いいよー」

「なら明日11時な。実現させたら携帯に連絡を入れる」

「了解」

 

 鏡はバッグから薬瓶を取り出して投げ渡した。

「じゃ、これが睡眠薬」

「うん」

「え、大丈夫なの。それ」

 怪しげな薬瓶を見つめて心配する。

「用法用量をキチンと守って飲めばな。それにこれから服用するわけでもないし、問題ない」

「なら、良いんだけど」

 薬瓶から目を離す。

「ちなみに1時間ほど眠る」

「了解」

 ラベルには確かに『約1時間』とあった。

 

「後は康に質問が無ければ、仕事の話は終わるが」

 鏡がパソコンを閉じた。

「無いよ」

「ならこの話は終わりだ」

「じゃあ私はそろそろ帰るわね」

 藤重は時計を見てから立ち上がって、掛けてあったコートを取って羽織る。

「送るよ」

 同様に、大童も立ち上がってコートを着る。

「お願いするわ」

「了解」

 

 準備が終わって。

「また明日ね。鏡君」

「明日な」

「送ってくるね」

「送ってこい」

 大童と藤重は玄関へと行った。

 

 

平成25年12月12日20:38

 アパート前。外は息も白くなる寒さだ。

「それじゃあ、おやすみ」

「ええ、おやすみなさい。明日頑張ってね」

「うん、頑張るよ」

 そして、大童は藤重がアパートに入るのを確認してからその場を後にした。

 




好きな漫画のアニメ二期も決定したし、
好きな漫画家の新連載も決まってますし、
未来はきっと明るい。

そのせいで気が散っていることも事実ですが……
これに関してはあと少しなんだから、
書く気が無いわけじゃないのでどうにかしたい。

次回は二十八話を書き終えたら載せます。
場合によってはストックを使います。
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