つい夜更かししてしまいました。
でも深夜って中々書き進められますね。
ふと今までの投稿日を見たらあまり不定期感がないですね。
でも費やされている時間は大きく違うんです。
ただ時間かけたからと言って出来が良いわけではないんですが……。
平成23年12月11日22:30
「来たか」
「あれ、早いね夕夜」
「お前もな」
「新人より遅く来るのはどうかと思って」
「そうか」
「うん。夕夜は何時からいたの?」
「10時だ。用事が早く終わってやることもないから監視がてら早めに来た」
「そっか。じゃ、あとは藤重さんを待つだけだね」
「あぁ。だが歩道のほうに移動するぞ」
「確かにいつまでも店の前で待ってたら目立つしね」
そう言って歩道のほうへと移動する。
「そういえばそのバックは?」
鏡の持っている大き目のバックを指さす。
「またあいつに殺ってもらおうと思ってな」
「なんか『やる』のイントネーションに殺意を感じたんだけど」
「冗談だ。拉致るのに殺してどうする」
「だよね」
「それに、あいつの腕はいい。信じてやればいいだろ」
ふと、前に言われた決意を思い出す。
「……そうだね。信じようかな」
「それがいい」
「でももしもがあるかもしれないから、警戒はしとくよ」
「そうしとけ」
集合時間まではまだ時間がある。大童たちは邪魔にならないところで当たり障りのない会話をつづけた。
平成23年12月11日22:54
「二人とも早いわね」
歩道にいた二人と合流する。
「あ、藤重さん。こんばんは」
「こんばんは。まだ時間は平気よね」
携帯を出して確認しようとしたが、それより先に答える。
「まだまだ大丈夫だよー。むしろ構過ぎても大丈夫」
「そうなの?」
「あぁ。ミミズの加工を他人がいる時にするわけにはいかないだろ? だから営業終了後、みんなが帰った後に混ぜ込む必要がある」
「あー成程ね。ってことは作り置きだったの?」
「作り置きっていうより明日使う分をある程度予想して寝かせてるんじゃないかな」
(実際作り置き自体はしていそうだけどね)
そう思った大童だが、確定ではないので伏せておく。
「確かにその方が美味しくなるらしいわね」
「それに、ミミズの下処理は時間がかかる」
「そうなの?」
「泥をや臭いを抜かないといけないからな。してなければすぐバレてる」
「へー……やってることは許せないけど手間暇かけてるのね」
「だね」
「でもそうだとすると結構時間かかりそうね……」
明日が月曜だということを思い出して憂鬱になる藤重。普段ならもう寝ている時間だ。
「今日のミミズの量にもよるがな」
「早ければ早いほど少ないってことね」
「うん。二日目だから案外少ないかもよ?」
「ふぁぁ……そうだといいんだけどね」
口元に手を当てながらいう藤重。そんな様子を見て大童はコートのポケットに手を入れてガムを取り出す。
「眠そうだけど大丈夫? ガムならあるけどいる?」
「何味?」
言われてパッケージを見る。出されたガムはまだ開いておらず、新品のようだ。
「『ハイパーハードハーブ』だって」
「凄く眠気が覚めそうね……もらうわ」
「はい」
差し出されたガムの銀紙をとって口に入れて無言で噛み続ける。暫くしても反応がないので大童が聞いた。
「えっと……大丈夫?」
「……目が……スースー……す……る……」
両目を押さえながら答える。その目からは涙が零れているように見えた。その様子を見て大童が鞄を漁る。
「えっと……大丈夫? ティッシュとかあるよ?」
「もらうわ……」
それから少しして藤重は復活した。
「目が覚めたか」
「えぇ。ばっちり覚めたわ」
そういう藤重の目は少し赤い。
「目薬使う?」
「少しスーッとするけどもう平気よ。それにしても確かにハイパーハードだったわ……」
「これどうしよ……」
手元のガムを見て真剣に悩み始める。
するといつの間に時間が過ぎていたのか店が閉店作業を始め、シャッターを下ろしている。そして店員用の扉から人が出てき始める。
「近くで見つかると怪しまれる。少し移動するぞ」
「了解」
「分かったわ」
そう言うと鏡たちは明りの少ない、店から少し離れたガードレールに腰掛ける。すると、その場所で店から出てくる人を見ていた藤重が重要なことに気付く。
「そういえば目的の人の顔……知らないんだけど?」
「あぁ、写真がある」
懐から出された写真を貰って確認する。写真の人物は少し太り気味だが特にこれといった特徴がない。それを見た感想を言う。
「なんていうか、普通ね」
「ブサイクやイケメンが憑かれやすいとかないからな」
「それはそうだろうけど……何かしらの特徴がないと覚えにくいじゃない」
「写真があるんだから覚える必要はないよ。むしろ忘れたほうがいいんじゃない?」
そう言われて写真を見て少し考えると、その写真を鏡に返えす。
「……確かに。覚えてたらその顔を見るたびにミミズを思い出しそうだわ……」
パティに入ったミミズを思い出した藤重は少しブルッと震える。
「特徴なくてよかったね」
「そうね」
心からそう思う藤重だった。
話がひと段落したのを見て鏡が切り出す。
「で、今回もお前には働いてもらう」
「もともと来たからには働くつもりだったけど」
「そうか」
「何をすればいいの?」
「対象を麻酔で眠らせる」
そう言うと、藤重は自分の知っている「麻酔で眠らせる」情報を引き出す。
「麻酔って、クロロホルムとかよね。ハンカチに染み込ませて口に当てる奴ね」
おそらく漫画かドラマでやっていたことを思い出したが、大童が首を振る。
「クロロホルムは使わないし、ハンカチに染み込ませてっていうのは無理があるんじゃないかな」
「そうなの?」
「あまり詳しくはないけど、そうだった気がする」
「へー……じゃあ、どうやって眠らせるのよ」
「それは……」
そして大き目のバックからある物を取り出す。
「これだ」
「これは……矢、よね」
「麻酔矢だ。ちなみに弓も準備してある」
「もしかしなくても射るのよね。私が」
「あぁ」
取り出された弓と矢を見て強張った声で、分かっているのに確認をする。その眼は真っ直ぐ鏡を見ていた。
「この前の仕事で覚悟はしているつもりだわ」
「そうか」
でも気になることがあるのか顔を下に向けて、窺うように聞いた。
「えっと、その、無いとは思うんだけど……ね。死んじゃったりはしないわよね……?」
その発言に呆れた表情の鏡が言う。
「お前は馬鹿か。いゃ馬鹿だ。拉致るのに何で殺すんだ。殺す気なら麻酔なんて使うわけないだろ、馬鹿なのか? 馬鹿だろ」
「そ、そんなに馬鹿々々言わなくてもいいじゃない……」
「えっと……」
少し落ち込む藤重を鏡は気にしない。
「人の出が無くなったな。店の裏に移動するぞ」
「あ、うん」
「わかったわ……」
鏡が店の裏へと歩いていく。その後ろで大童は藤重の気分を元に戻そうとしていた。
平成23年12月11日23:50
いまだに出てこない対象を店の裏で待っている。外は寒いが、カイロと防寒はばっちりなので問題はない。
「ホントに中にいるのよね……?」
「さっき言った通りだ」
この会話は5回目であった。
「まぁ、暇だけど仕方ないよ」
「でもそろそろ出てきてくれないかしら。明日朝練なのに……はぁ」
「さっきのガムいる? 朝食べればすっきりするかも」
「そんなもの食べたらスースーして集中できないじゃない」
「そっかぁー……」
捨てる以外で何とかガムを処理したい大童であった。
平成23年12月12日0:10
「そろそろでてくる。準備しろ」
そう言って弓矢を渡す。弾数は1だ。
「え、何でわかるの」
「音で」
驚く藤重と何とでもないように答える鏡。
「全く聞こえなかったわ」
「普通は聞こえないから大丈夫。だからとりあえず準備しよ。車に乗り込む前に眠らせないとね」
「しっかり引けよ。当たるだけじゃ眠らないからな」
「そうね」
「あぁ後、言い忘れていたがそれは素手で射れるからな」
「もともとそのつもりよ」
そう言って渡された弓矢を持って、店の角から店員用の出入り口を視つづける。この位置からだと丁度、車に向かう対象を背後から射ることができる。
「じゃ、僕はすぐに回収できるよう移動するね」
「あぁ。警察への電話はやっておく」
大童は反対側から周り込み、鏡は少し離れて電話を掛ける。
暫くしてドアノブが周り扉が開く。出てきた対象が車に向かいこちらに背を向けるのを確認してから、物陰を出る。
「……」
そして麻酔矢を番えて対象の背中を狙って構える。人に矢を向けるのは、しかもそれを放つというのは初めてであろう。
手が汗ばみ震える。だがこの近距離なら外すことはない。
(でも何でだろ……この弓、使いやすいってよりもしっくりくる……構えていて自然な感じ……集中しようとする必要が無いくらい……)
手の震えが止まる。
一呼吸置いて。
矢を放った。
放たれた矢は真っ直ぐに対象の背中に命中する。その瞬間、対象は声を上げる間もなくその場に倒れた。それをすかさず大童が担いで店の裏に運ぶ。
「お疲れ」
弓を放ったままの状態で固まっていた藤重の肩に手を置く。そして藤重は思いっきり息を吐いて、文字通り肩を落とした。
「緊張したぁぁー……」
「初めてにしては上出来だ」
それを見ていた鏡がこちらに近づきながら言った。
「でもこの弓、凄く使いやすかったわ。初めてとは思えないくらいに」
「そりゃお前専用に作ったんだから当然だな」
「そうだったんだ……通りでしっくりとすると思った」
「あぁ。だから普段から使ってさらに慣らしておけ。その為に見た目はその辺のと変わらないようなものなんだからな」
一度弓を見てから。
「貰っていいの?」
「藤重さん専用なんだから良いんだよ」
「そう……ありがと、鏡君」
「分かれば良い」
「それで、警察はどのくらいで来るの?」
「そろっと来るはずだ。元から近くに待機してもらってたからな」
「そう……」
精神的に疲れた様子でこちらを見る藤重。すると店の前に一台の車が止まった。
「これを渡してくるから片付けとけ」
鏡は対象を雑に担ぐと矢を抜いてから車の方に向かった。
車の方を見ると男が二人でてきて対象を引き取るのが見えた。そして鏡と何かを話してから対象を後ろの座席につっこみ、再び車に乗って走り去って行った。
それを見て、片付け終わった藤重が聞く。
「そういえば警察ってこのことを知ってるの?」
「んー……全員ってわけじゃなくて一部の人間だね」
「へー」
鏡が戻ってきた。
「今日はこれで終わりだ。いつも通り金は振り込んでおく」
「了解」
「わかったわ。でもあの人ってこれからどうなるの?」
同情しているわけではなく、単なる興味から聞いた。
「おそらく今回憑かれたのは経済面だろうな。だからいかにミミズを使うことが無駄かと言うことを教え続けられるのかもな」
「経済的に無駄なの?」
「確かにその辺で取ればタダだけどそんなに集めるのは大変だし、下処理にも時間がかかるから効率がよくないよ。食用は高いしね」
「そうなんだ」
(というか食用ミミズとかあるのね……)
「経済的に無駄だということをしっかり
「ん?」
「冗談だから気にしなくていいんじゃないかな」
少し違和感を感じたようだが、大童に言われて流すことに決めた。
「じゃ、帰るぞ。お前は藤重を送って行け」
鏡は大童の方を向いて言う。言われた大童は藤重の方を向いて言った。
「そうだね。もう遅いし……それで良い?」
少し考えて。
「そうね。お願いしてもいいかしら」
「うん、いいよー。じゃあ先に帰るね」
「また明日ね」
二人は荷物を持って鏡の方を向く。
「あぁ。またな」
それを聞いてから歩き出した。鏡は二人を見送った後、バックから小さいバックを出してドアノブに掛ける。
そしてその場を離れた。
平成23年12月12日6:30
「おはよー」
「ぉはよ、お前はいつも通りだな」
「弁当じゃなくて購買にするつもりだけどー……えっと、もしかして」
「藤重は朝練を遅刻したらしい」
「あー……」
ちなみに、ミミズパティは用意されていた通常パティに秘密裏に入れ替えられていたそうだ。
第二話『ミミズバーガー』終了。
二話目終わり。
口調や説明に頼らずに誰が言ったのか分かった方がいいと思うんです。
でもそういうのは難しいですね。
今は3人だけですからまだ良いんですが、
他の小説で人数多いのだと厳しいです。
もっと性格とかを掴まないとなぁ……。
第三話は五話を書き終えたら載せたいと思います。
今6000文字くらいです。