灰と幻想のグリムガル ―孤独な魔戦士―   作:雨宮海人

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一応活動報告に書きましたが軽く説明を
まず意気消沈しているところたくさんの感想ありがとうございます
(作者のモチベーションもアップ)
しかし、14、15話を書き上げたところでメインPCが動かなくなりました
(これにより14話15話消滅)
馴れないサブで作業を再開しますが保存の方法がわからず誤って消去
(これにより14話(2回目)が消失)
もう一度書き直して投稿←今ここ

まさかこんなことになるなんて……

しかし何とか書いたのでゆっくり読んでいってください!


第14話 思い通りにならないこと

その後も活動はうまくいかず日が暮れ始めたので俺たちはオルタナの街に戻ってきていた。

 

帰り道も会話は皆無で街についた時には自然にみんなそれぞれの方向へと歩き出してしまった。

 

それは俺も例外ではなく、特にやることもないので宿舎に戻ろうと足を動かした。

 

街は明るい雰囲気に包まれており、一日の疲れを忘れるかのごとく賑わっていた。

 

そんな町並みを眺めながら歩いていたのだが、俺の前にはずっとメリイの姿があった。

 

方向が同じなのだろう、と最初は気にせず歩いていたのだが、それ以降も俺はずっとメリイの後ろを歩き続けていた。

 

まずい、さすがにここまで道が同じだと……

 

「……なに?後ろをずっとついてきて」

 

さすがのメリイもしびれを切らして俺のほうを向く。ワザとではないにしろここまで道が一緒だとストーカーと疑われてもしょうがない。

 

「いや、宿舎に帰ろうとしてるんだが、道が同じみたいでな……」

 

「あなた、どこに住んでるの?」

 

「この先にある団章ありだと10カパーでそこそこいい一人部屋に泊まれる。丘の上の宿舎だけど」

 

「……すぐ目の前じゃない」

 

俺の返答にメリイは大きなため息をついていた。そんなに俺のことが嫌いなのだろうか?

 

「メリイはどこに住んでるんだ?」

 

「……あなたの宿舎の目の前にある女子だけが入居できる宿舎よ」

 

ああ、あの目の前の宿舎か、確かに女性しか見かけないと思っていたが、女性専用とは知らなかったな……

 

「なら道ほとんど同じってことか」

 

「そうね」

 

メリイはそれだけを言うと先に進んでいってしまう。これ以上の会話は必要なしと判断したのだろう。

 

俺もすぐにメリイと打ち解けられるとは思ってないので、特に何も言わず宿舎のほうに帰ろうと足を動かすのだがーー

 

ずっと後ろをついて歩いていると、本当にストーカーになった気分だな。正直、歩きづらい。

 

なので俺は少し歩くペースを上げ、メリイの隣を歩くことにした。

 

「……なに?」

 

そんな俺に対してメリイは鋭い目線でこちらを見てくる。よく考えると俺はメリイにあまり睨まれてなかったのでそこまで恐怖に感じてなかったがこうして睨まれると少し怖い……

 

「このままあとをつけてたらストーカーみたいだろ?そういう風には思われたくなくてな」

 

「……もしストーカーなんていたら叩きのめすだけよ」

 

そういいつつも、特にメリイは歩くペースを上げることなく俺の隣を歩く、というか叩きのめすって怖いな本当に……

 

しかし、結局お互いに話すことがないので無言のまま歩き続けることになり、やはり気まずかった。

 

そんな中俺は少しだけメリイの方を見るとやはり今までに見た女性の中では一番ではないかとくだらないことを考える。

 

だが、性格はお世辞にも良いとは言えない。高圧的な態度、口調、そして協調性のなさ、現にハルヒロ達のパーティーでも浮いている。

 

しかし、俺からすればよかったと内心ホッとしていたりする。正直言えばもっと仕事のできない神官なのかと思ったが積極的に前に出ず、軽傷では回復魔法を使わない。でも、戦闘が終われば回復してくれるし、後衛でシホルを守ろうとする意志はあった。

 

保守的な動きが多いがそれでも神官としての仕事は十分果たせていると思う。しかし、マナトという完璧主義の神しかしらないハルヒロ達にとっては仕事をしない神官に映ったかもしれないが……

 

「一つ聞きたいことがあるのだけれど、あなたはどうしてあのパーティーにいるの?」

 

そんなことを考えていると意外にもメリイが俺の質問してくる。こっちの方を一切見てくれないけど。

 

「どうしてって言われてもな……」

 

「あなたの実力は頭一つ抜けているとかそういうレベルじゃない。ダムローにいること自体が場違いよ」

 

「まぁ、そういわれてもしょうがないよな。ただ理由を聞きたいなら酒場での話も入るんだが……」

 

「ならいいわ。そんなに気になることでもないし」

 

メリイにマナトの話はさすがにしたくなかったので、あっさり引き下がってくれるのは俺としてもありがたかった。

 

しかし、酒場でのことから考えてメリイも何かしらの過去があるのだろう。でなければパーティーを転々としたりしないだろうしな。

 

気にならないといえば嘘になるが聞き出す気もない。こういうのは自分で言いたいときに言うものだ。

 

「じゃあ、俺からも一つ質問いいか?」

 

「なにかしら?」

 

「いや、そんな大事なことではないんだけどさ。俺はメリイもことを呼び捨てで呼んでるけど、いいのか?ランタにはわざわざさん付けで呼ばせてたけど」

 

「……別にただあいつに呼び捨てで呼ばれるのは生理的に無理だっただけ」

 

ランタ、どうしたらここまで人から嫌われることができるのだろうか?

 

「まぁ、ゆっくりと馴れていくしかないなあいつは……」

 

そんなこと言う俺もランタと喋るのは得意ではないので言葉に説得力は全くないが……

 

「馴れれるものなの?私には一生無理そうだけど」

 

「わからない……」

 

メリイの質問に俺はこう返すことしかできなかった。しょうがない、だってランタだもの。

 

こんな感じで俺はメリイに対して特に身のない話を幾つかしたが特に会話はそこまでつながらず、そうこうしているうちに宿舎の前まで着いた。

 

そして、メリイは何も言わず、そのまま自分宿舎に向かって歩き出してしまう。

 

どうやら別れの挨拶すらなしらしい……いくらなんでもそれはないのではなかろうか。

 

「メリイ、ちょっと待ってくれ」

 

「なにまだ何か?」

 

振り返ってこっちを見るメリイは相変わらず怖い、もう少しやわらかい表情はできないのだろうか?

 

「明日もハルヒロ達と一緒に行くだろ。どうせなら一緒に行かないか?せっかく近くに住んでるんだ、別々ってのもなんだろ」

 

「……わざわざ一緒に行く意味もないでしょ。合わせる必要はないわ」

 

そういってメリイは宿舎の中に消えてしまった。

 

「フラれちまったか……」

 

だが、メリイのいうことがもっともだ。なぜ俺はメリイを誘ったりして近づこうとするのだろうか?

 

『坊ちゃんと嬢ちゃんは似てるな』

 

「やっぱり、おやっさんのいうことが気になってるのかな」

 

少し考えつつもここにいてもしょうがないので俺も宿舎に戻るのであった。

 

 

 

 

 

それから数日、俺はハルヒロ達の活動に同行し続けていた。

 

ついでに言うと大体メリイが出る時間を予測して、何度か一緒に待ち合わせ場所に行ったりもした。しかし、メリイとの友好関係はうまくいってない。

 

そして、俺はハルヒロ達に対してはここ数日、怒鳴ってしかいない気がする。

 

理由は簡単だ。ハルヒロ達が全くと言っていいほど成長しない。色々口出しはしているのだが何もかもうまくいかないのだ。

 

モグゾーは戦士としては役割を果たしているといえる。しかし、このパーティーは前衛力が低すぎるので攻撃力と防御力がともに高いモグゾーにはそれ以上の働きをしてもらわなければならない。だが、慎重すぎるスタイルが災いしてしまい、どうしても敵を一体引き受けるだけで終わってしまう。

 

そうなるとランタには本格的に前衛として動いてもらわなければならないのだが、やはりうまくいかない。ランタの暗黒騎士の戦闘スタイルはもし前衛をするなら魔戦士と似たようなものになる。多少のつばぜり合いはあるが、基本は回避、そこからのカウンターとなる。しかし現状のランタには攻撃のスキルしかないので回避とカウンターは自分の技でどうにかしなければならない。なのでランタには俺の動きをできるだけ見て体の使いこなしを覚えてもらいたいのだが、そううまくはいかない。

 

そんな中このパーティーで一番安定した仕事ができ、これ以上のことをあまり要求できないのがシホルだ。シホルは時折サポートが遅れることがあるが魔法の命中率自体は初めて会ったころに比べて格段に上がっており、安心して見てられる。しかも状況把握能力が高いのか、遅れはするもののサポートをするべき場所がよくわかっている。正直シホルだけは今のところパーティーの中で安心してみてられる。

 

だが、それと相反するように成長が見られないのがユメだ。弓の命中率はそこまで上がらず、奇襲の場面ですら使い物にならない時がある。そんな腕ではもちろん乱戦では使えないので剣鉈を使う。ユメの剣鉈の扱いは悪くない、むしろ剣鉈でよく戦っているといえる。しかし、武器そのものに決定力がなく、スキルも敵を傷つける程度でしかない。さらにリーチが短すぎるので前衛も満足にはできない。なんというか色々と噛み合っていないのだ。

 

そして、ハルヒロはリーダーとしてうまく立ち回れてないだけでなく、その仕事が負担になっているのか動きも悪い。最初から動きに慎重さがあったので、本来ならすぐに敵の背後に回り敵を倒してほしいのだが一つ一つのアクションが遅い。ただ、一回だけ見せた動きは逆に俺ですら再現できないほどのきれいな動きでゴブリンを仕留めていた。あれが常にできるならレンジのところですら活躍できるだろうけど、見た感じそんな風には見えないのでやはりいろいろと力不足なところが目立つ。

 

最後にメリイだが、やはり保守的な姿勢は一切変えず、後ろに下がり、必要最低限の回復だけをしている。このことに関しては特に問題ないのだが、高圧的な態度と物言いは健在で未だにパーティーに馴染めていない。というよりもほとんど会話をしてない。話しかけてもそれに返すだけなので会話が続かないので話す側としても厳しいところがあり、俺も何度もメリイと話しているが馴れない。

 

こんなかんじで問題が山積みになって頭を抱え続けている俺は……

 

「はぁ……もう少しランタが動けたらな。それかユメかハルヒロのサポートがうまく機能すれば……」

 

「坊ちゃん、酒場で考え事はやめろって言ってるだろ?」

 

「すいません……」

 

毎日酒場で飲んでいたりする。ついでに言えばハルヒロ、ランタ、モグゾーも酒場に来るのは目にするのだが、あいつらは普通の席に行って、俺はいつも通りカウンター席の端っこなのでなかなか広い店内で離れすぎているので話すことはない。

 

というよりも話していたらまた怒鳴ってしまいそうなので一人のほうが良かったりする。

 

「だいぶ大変みたいだな」

 

「そうですね。うまくいかないというか何というか」

 

そんな俺の最近の癒しはこうしておやっさんに愚痴を聞いてもらうことになってたりする。もちろん、おやっさんは聞くだけで何も俺にアドバイスはくれないわけだが……

 

「大いに悩め若者、そういうのは若者の特権ってやつだ」

 

こんな悩みが若者の特権とはいかがなものなのか?そう思いながらも俺は酒を飲みほす。

 

「はぁ、少しは助けてほしいですよ。たとえばメリイとどう接すればいいかとか。おやっさんメリイと普通に話せてるし」

 

「あれは俺が大人だからできてることだ。ほら、あるだろ大人の包容力とかいうやつだ」

 

「メリイとおやっさんと仲はよさそうですが、抱きしめられたらボコボコにされると思いますよ……」

 

「ははは、違いねぇ。嬢ちゃんはそういうのは嫌いだからな。で、どうよその嬢ちゃんの様子は?」

 

今更だがなぜおやっさんがメリイが俺と一緒のパーティーにいるのかを知ってるかというと、単に俺が口を滑らせてしまっただけだったりする。

 

もちろん口止めはした。もし、メリイに知られたら口の軽い男と思われてランタレベルの扱いを受けることになりそうと思ったからだ。

 

「どうもこうも、わかってるんじゃないですか?うまく馴染めてないってことぐらい」

 

「まぁ、そうだろうな。最初は簡単じゃねぇ。でも付き合いが続けば何かしらの変化が起こるってもんだ。それがいい方向か悪い方向なのかまではわからねぇけどな」

 

「いい方向に向かってくれればうれしいんだけどな」

 

「それは俺も同じだぜ。ただ、今の坊ちゃんじゃだめかもなぁ」

 

まさかのダメ出しに俺の心は折れそうになる。おやっさんみたいな楽観的思考をする人から無理とか言われたら可能性はほんとにゼロになってしまう。

 

「最近、坊ちゃん酒飲んでからはいいんだけどよ。店に来た直後とかは怖い顔してるぜ。そういうのは直したほうがいい」

 

「えっ?」

 

まさかそんな風に言われるとは思ってなかった。俺の顔……朝ぐらいしか鏡など見ないので考えもしなかった。

 

「まぁ、根を詰めすぎるなってことだ。もう少し肩の力を抜いたほうが生きるのは楽だぜ?」

 

――だが、気を抜けば死ぬのだ。マナトのように

 

おやっさんの言葉を聞いた瞬間俺は反射的にそう思ってしまった。そして、俺はそんなことを繰り返さないために……

 

「だ・か・ら、せっかくの酒の席だっていうのにそういう顔すんなって、ほら飲め!」

 

「わ、わかりましたから、勝手に酒注がないでください……」

 

これでお金を請求されりするのだからたまったものじゃない。油断すれば本当にこの酒場に大金を貢ことになりそうだ。

 

「せっかく俺の客が同じパーティーにいるんだ。そのあと仲たがいされたとあっちゃどっちもここに来なくなるかもしれねぇ。そうなったらよ、貢いでくれる客が減っちまうからな。嬢ちゃんとはうまくやってくれや」

 

「できたらそうしたいですよ。じゃあ、俺もう帰りますね。これお代」

 

俺はさっさと注がれた酒を飲み、ジョッキとさらにお金を置いた。

 

「まいど、また来てくれよ!」

 

俺はおやっさんに少しだけ手をを振って酒場を後にした。

 

酒場から出た後も俺はこれからどうすればいいかを考え続けていた。

 

やっぱりランタに俺と同じ動きをできるようにさせていくのは無謀すぎたか。それでも前衛として力をつけてもらわなければならないけど、そうなるとサポートの仕事のほうに負担が行く……でもユメとハルヒロじゃな。ユメの動きは物怖じしないから思い切りがいい、やっぱりもう少し敵に致命打を与えられれば……それかハルヒロは慎重だからもう少し周りが見える立ち回りをするなり、男で力がないわけじゃないんだユメよりは前衛として……

 

 

そこまでいって俺はある一つの可能性に至った。そして、それがどこまで実現可能かを考える……

 

「――これならうまくいくかもしれない」

 

俺はようやく出た答えにすっきりとした気持ちになり、少しでもはやく相談するために自分の宿舎に向かっていた足を、ハルヒロ達のいる宿舎にむけるのであった。

 

 

 

 




せっかくなんでフミヤの宿舎はメリイと近くにしました。
これで少しはメリイとの話も書きやすくなりそう笑
そして、フミヤは一体何を思いついたのでしょうか?(大体予想つくと思いますが)
気になるかもしれませんが次の話はハルヒロ視点で少し別な話を書くのでフミヤは次回お休みとなります。

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