それにともないめっちゃお気に入りの数も増えました(やったー!)
でも、見る人も増えるので叩かれないかメチャクチャ不安です……
それでは今回もゆっくり読んでいってください!
その後のマナト達との冒険は順調そのものだった。
もちろん急にマナト達が強くなるなんて都合のいいことは起こらないので、最初は無理せず、単独行動しているゴブリンを見つけ出して確実に叩く、という方針を取っていた。
そして、これと同時に始めたのがダムロー旧市街での地図作りだ。
正直、今までの俺はてきとうに敵を見つけては奇襲などの形で叩く、遭遇戦でも特に負けることはなかったので、こんな面倒な事はしなかった。というよりも自分の性格を考えるとこの発想には至ることはないだろう。
しかし、これはマナト達にとっては重要なことだ。ただでさえ二匹以上のゴブリンに苦戦を強いられるのだ。それ以上の敵がいた時は逃げなければならない。逃げるとなると、武装が軽く体力もあるマナト、ハルヒロ、ランタだけなら逃げるのは簡単だが、女の子なので体力がどうしても劣るユメやシホル、そして重い防具と武器を背負ったモグゾーはそう簡単にはいかない。
だが地図があればそれも容易になる。さらに地図を作ること自体が目標になりパーティー全体のモチベーションにもつながっていた。ここは地図があるから安心と思えたり、ここは言ったことがないから慎重に調査しようなどと動きにメリハリができ、ただゴブリンを殺すだけよりも冒険をしている感じがあり、楽しかった。
毎日ではないけど俺も何度も参加し、そのたびに冒険が楽しいと思えた。レンジ達のパーティーとも何回か行動をともにしたがどっちとも違う楽しさがあった。
そう、マナト達だけではない、俺自身も一人で戦っている時よりも義勇兵としての仕事を楽しんでいた。
ただ一つ、俺自身に不満があるとすれば、やはり魔法はシホルやアダチに比べて大きく劣っていたことだ。仕方ないとはいえ、純粋に悔しかった。
現在俺が魔法使いとしてマナト達のパーティーでやっていけているのは、索敵能力や状況判断でいいタイミングで魔法を打ちこめているからだ。
これ以上は魔法使いでやっていくのは厳しいかもしれないな。俺はそう思うようになっていた。
そんな中、ようやく稼ぎが安定してきたマナト達は新しいスキルを会得することにしたらしい、これにより、マナト達の戦力はさらに上がることだろう。
俺から見てもマナト達は立派な見習い義勇兵になった。だが、どうしてか俺はまだこのパーティーにいる。
そんなこんなで、今日も俺はマナト達とダムロー旧市街に来ていた。
「ランタ!そっち行ったぞ!」
三匹のゴブリンを見つけた俺たちは相手をうまく分散させて各個撃破を狙っていた。
プランとしては、一匹はモグゾーが抑え、もう一匹はマナトが前衛で俺とシホルの魔法で足止め、そのうちにハルヒロ、ランタ、ユメですぐに一匹を片づけていく作戦である。
俺は一応カバーに入れるように全員が見える位置に立っている。
ハルヒロがうまく一匹をランタのいるところに誘導しているのが見える。
「わかってるよぉ!うぉらぁ!
ランタの新しく習得したスキル、憤慨突だ。といっても単純な突き攻撃だが、スキルなのでいつものランタよりはマシな攻撃になる。
まぁ、元がなってないのであっさり回避されてしまうわけだが……
「なっ、お前ただのゴブリンじゃねぇな!?」
どう考えてもただのゴブリンです。ありがとうございます。むしろそんなしょぼい攻撃でよく仕留められると思ったな、学習しろよ。
「ただのゴブリンだろ!」
ハルヒロが文句を言いながらランタの方へ走る、ユメもその近くで待機している状態だ。
その後もランタとゴブリンの一対一の斬り合いは続くが、全く決定打がでない。というか地味に押されているのだが……
「もう、なにやっとんねん!」
ユメが見かねてカバーに入り、ゴブリンに不意打ちを仕掛ける。
すぐさまゴブリンはユメの方を見るが、ユメはすぐさま剣鉈を斜めに振るった。それは見事にゴブリンを斬り裂く、そして続けざまに斜めに振るい、ゴブリンを×の字に斬りつける。
ユメの新しいスキル『斜め十字』である。ユメは頑張ってはいたがそこまで弓の技術は上達しなかった。なので剣鉈のスキルを取ることにしたらしい。
ユメの攻撃を受け、ゴブリンは大きく後退する。だが、切り裂いただけではまだ殺せない。しかし、結果的にゴブリンはハルヒロに背中を見せてしまう。これはハルヒロに取って最高のシチュエーションだ。
「っ!」
ハルヒロはゴブリンに突撃して、そのまま背中にナイフを突き刺した。
『
ハルヒロのナイフは確実にゴブリンに致命傷を与える。だがそこにランタが悪徳を積むために、ゴブリンに止めを刺しに追いうちを行う、これで向こうは大丈夫だろう。
「フミヤくん!」
シホルの声で、俺はそちらの方を向くと、マナトがうまく距離取っていたゴブリンが攻撃態勢に入っていた。
「火炎の帝王、地の底より舞い戻れ!」
俺は冷静に、魔法を詠唱する。すると、ゴブリンとマナトの間に魔法陣現れ、そこを中心に爆発が起こる。これでゴブリンは確実に動きを止める。
俺の新しい魔法『イラプション』である。射程内の指定した場所を爆破する魔法だ。威力はフレア・ボールよりもあるが操作が思ったよりも難しい。
「オーム・レル・エクト・ヴェル・ダーシュ……!」
そして、シホルは魔法を詠唱し、杖から出た黒い塊を杖でうち放ち、ゴブリンに命中させる。すると相手は小刻みに震えてる。
シホルの新しい魔法は
ついでに、魔法には炎熱、氷結、電磁、など色々なエレメンタルがいるが、シホルはその中でも
なんというかシホルの性格がすごい出ている感じがした。もちろん、本人には言ってない。
「今だ!」
完全に動きが縛られた状態のゴブリンに対して、マナトが持っているスタックを振るった、しかしその威力は昔みたいなその場しのぎのものじゃない。
マナトは新しいスキルとして『
「グギャァァ……」
連続攻撃でゴブリンはその場で攻撃を受けた右肩を押さえながら叫ぶが……
「
こちらに援軍に来たランタにそのまま切り裂かれ、さらにランタは追い打ちをかけるように斬りまくり、ゴブリンは動かなくなる。
相変わらず無駄に残虐なところはなんというか暗黒騎士らしい。
ユメとハルヒロが来ないということは二人はモグゾーの方に行ったのだろう。俺はすぐさまそちらの方に視線を向ける。
「んもぉ!」
そこではゴブリンとモグゾーが対峙していたが、お互いの武器をぶつけあい
モグゾーは力が強いのでこの状態になれば有利な戦いができる。
その状態からモグゾーは器用に相手の武器を巻き込んだまま、ゴブリンの頭にバスターソードを打ちつけた。
鍔迫り合いから攻撃に移るスキル『
「いけ!モグゾー!」
ハルヒロの声に合わせて、体勢の崩れたゴブリンに対して、モグゾーは大きく踏み込みながらバスターソードを振るう。
「どぅもーっ!」
『
ついでになぜか『どぅもー」と声を出しながら振るうので、みんなの中では『どうも斬』という名前になっている。
パーティーで最も強い技がこんなネーミングなのはどうなのであろうか?
しかし、どうも斬で大きく吹き飛ばされたゴブリンは壁に打ちつけられ、倒れたところを安定のランタ追撃で仕留めた。
「よっしゃー!悪徳三連続ゲーット!これで俺の
「気が向いたらって、ほんとに役に立たないよな悪霊って……」
「ハルヒロの言うとおりだな。もう少し有用な働きをしてもらいたいものだ」
「お前ら!揃いもそろって俺のゾディアックんをディスってんじゃねぇぞ!」
ランタは反論してくるが悪霊は夜でないと呼べない。つまり普通に戦ってる限り使えることは一切ない。より悪徳を積めば多少呼べる時間が増えるらしいけど……
ランタの軽口を俺は適当に流しつつ、戦利品を漁っているいく。
「でも、飼い主のランタとはあべこべでゾディアックんはちょびっと可愛かったけどなぁ~」
「俺は飼い主じゃねぇ!悪霊っていうのはな俺にとりついてるみたいな感じなんだよ!」
「……ということは、呪われちゃってるんだ」
「えっ、それはどうなんだ?俺もしかしてゾディアックんに呪われちゃってるのか!?」
パーティーでの活動がうまく進んだことにより、シホルもランタを罵ることぐらいならできるようになっていた。まだまともな会話は無理だが、パーティーの雰囲気も格段に良くなっていた。
「みんな、お疲れ」
しかし、それもこれもマナトがうまく立ち回ったからだと俺は思える。悪いがこのチームでまとめる能力があるのはマナトぐらいだ。次にハルヒロもできなくはないが、マナトに比べれば全然である。
「怪我はしてないみたいだけど、痛い所とかあったら言ってね」
ただ、パーティーの動きがいいからこそ、あえて俺は口を挟んでいないのだがこのパーティーには致命的な欠陥がある。
それはマナトに対してみんなが頼り過ぎていることだ。別に神官が攻撃手段を得るのは問題ないが。マナトは神官にも関わらず盾役を引き受けることが多い。それだけじゃなく、全体を見回して作戦を立てて皆に指示する。元のヒーラーとしての役割も含めると一人で三人分の働きをしているということになる。
今は相手がただのゴブリンなので何も言わないが、レンジ達のようにオークなどと戦う場合は最高でも後衛の守りが限度であろう。神官という役職は刃物のある武器は持てないし、防具もつけれない。こんな状態のやつが前線で戦うのは危険すぎる。
本当ならやめさせるべきなのだろう。そして、モグゾーとランタにもっと前衛職としての自覚を持たせるべきだ。しかし、マナトがいなければ狩りの成功率は格段に落ちるだろう。
それにまだあいつらは見習い義勇兵なのだ。団章を買ってゴブリン以外のやつを相手にする時になってからでも遅くはないだろう。
「フミヤ?どうしたの?なんか考え込んでいるみたいだけど」
そんな俺の考えを余所に、マナトは普通に俺に声をかけてくる。
マナトはパーティーがうまくいっているのが嬉しいのか笑顔だ。
「いや、なんでもない」
この空気に水を差すのはどう考えても場違いだろう。そう思い俺は何事もなかったかのようにふるまった。
その日の活動はつつがなく進み、マナト達は勝利に喜びながらオルタナに帰還した。
俺もつられて柄にもなく、テンションを上げていた。
この時からすでに俺から一人で活動する時よりも注意力が下がっていることに俺自身気付くことはできなかった……
その次の日、俺はいつも通り朝早い時間にマナト達の宿舎に来ていた。
いつも通り、朝食をもらおうという考えだったのだが、その宿舎の前で俺は珍しいものを見かけた。
マナトとシホルである。朝食の買い出しにでも行っていたのだろう。二人ともそれぞれ食材の入っているカゴを持っていた。
俺は話しかけようと思ったが、前回のユメの事を思い出して、少し身を潜めることにした。
終始無言だった二人は、橋の近くで止まり。マナトが近寄ってくる鳥たちに持っていた食材の一部をあげていた。それに伴って周りの鳥たちがマナトの周りに集まってくる。
シホルはその姿をただただ眺めていた。
「シホルもやってみなよ」
「え……私には無理かな?」
「大丈夫、怖くないから」
シホルはそう言われてマナトから餌を受け取り、それを眺めていると、それ目がけて鳥が群がってくる。
「えっ!?きゃっ!」
それにびっくりしたシホルはその場で大きく体勢を崩して、倒れそうになるが……
「危ないっ!」
間一髪、マナトがシホルを支える。しかし、その姿はまるで恋人同士が抱き合っているようにも見えた。
なんか見てて罪悪感が沸くが、あの橋を通らないと宿舎にはいけないので今更出ていくのもなんである……
「大丈夫?」
「は、はいっ!……ええと、ありがとう」
ようやく2人は離れて、その代わりに動物がまたマナトに寄ってくる。
「よかった。ようやくちゃんと話せた」
そういいながら、マナトは動物に餌をあげつづける。
それにシホルは多少戸惑った表情をするが、
「動物好きなの?」
「うん、この調子でみんなとも喋れたらいいね」
「……はい」
「そろそろ戻ろうか」
シホルの返事を聞いて笑顔を見せたマナトはそのまま宿舎の方に行ってしまう。
「はい!」
シホルもすぐにカゴを拾い上げて、マナトの方に走っていった。
一部始終を目撃した俺はマナトに尊敬の念を抱いた。シホルがあんな表情を見せるのは初めてみた。あんなことできるのはマナトだけだろう。
このままいけばシホルもまた男子と話せるようになる、そう確信させてくれるような出来事だった。ランタは知らないが……
「やっぱりすごいな。マナトは」
シホルの問題も解決するなら、本当に俺は必要などないだろう。なんというかおかげで決心がついた。
「最後にするか……」
もうマナト達を手助けする必要はない。いいたいことはあるがそれはまだ後でもいいだろう。
今日の狩りが終わったらちゃんと話そう。
また一人での活動が主流になりそうだが元からそうだったのだ元に戻るだけ。
一抹の寂しさを抱えながらも覚悟を決めて俺は歩き出すのであった。
というわけでスキル紹介回でしたね。意外に文字数がかさんだので結構無理やり詰め込みました。
どうでもいいけど、タイトル一応仮のままなんだけどどうしよう……
いいのも浮かばず、ずるずると次でもう10話なんだよなぁ、すでにこのままでいいかと諦めつつある笑
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