偽悪になった少年 R   作:茶ゴス

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A's 12th

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「はやて!これギガウマだぞ!」

 

「主はやて、誠に美味です」

 

「私はお茶入れとくね」

 

「…………わん」

 

 

 

 

「おいっす!わくわくすっぞ!」

 

 

 

「カット。総司はこんなキャラやないで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

「はやて!これギガウマだぞ!」

 

「主はやて、誠に美味です」

 

「私はお茶入れとくね」

 

「…………わん」

 

 

 

 

「閃いた!!!このステーキ、素敵だ!!」

 

 

 

「やから、ちゃうって!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

「はやて!これギガウマだぞ!」

 

「主はやて、誠に美味です」

 

「私はお茶入れとくね」

 

「…………わん」

 

 

 

 

「はやてー、はやてー、私のはやてー」

 

「はいはい。どうしたんよ」

 

「パチンコですったからお金頂戴」

 

「ダメ男か!!ってか小学生やろ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この摩訶不思議な夢を見始めてからこれで何回目だろうか……何故か私の家の食卓に並ぶみんなの姿。守護騎士のみんなはいつも通り、楽しそうに笑顔を浮かべている。唯一人、総司だけがおかしい。何故か水着の姿でおったり、子供っぽかったり、ダメ男みたいだったり……正直意味がわからん。

 でも、一つ言えることは私がこれは違うと思ったら、最初から戻るということ。そして総司のアクションが毎回違うということ……いきなりプロポーズされた時は焦って返事してしまったけど、よくよく考えたら総司がそんな事を言うはずがないと思い浮かび、消えてしまった。正直少し勿体無いと思ったけど、仕方ない。こういうのは総司の口から直接聞いたほうがおもろいし……別に私が嬉しいとかそんな事はない。断じて無いんや。

 

 

「で、これはいつまで続くんよ」

 

 

 どこかオカマっぽい総司が違うと思った後に呟く。

 今、私は普通でない状況にいるだろう。夢と言ってもこんなおかしい夢はありえない。流石に自分が今変な事になっているということに気付いている。

 闇の書が関係してるんやろか……でも何故このような夢を見せてきているのかはわからない。

 

 

 また場面が変わる……

 

 

 

 

 

「はやて!これギガウマだぞ!」

 

「主はやて、誠に美味です」

 

「私はお茶入れとくね」

 

「…………わん」

 

 

 

 

 ここまでは一緒。こっからおかしな総司が現れる。今度はどんな総司やろか……

 

 あれ?

 

 

 

「どうしたんだ?はやて。早く食わねえと冷めちまうぞ」

 

「もしかして体調が優れないとか?」

 

「うーん……顔色は悪くなさそうだけど」

 

「…………わふ」

 

 

 私の家の食卓の椅子に座ってるんやけど、何故か総司がおらへん。いつも無表情な奴の座る場所には椅子すら無く、他の皆もまるで気にしていないという光景。

 胸が痛む。たった一ヶ月の居候なあいつがこの光景の中におらんってだけで凄く……寂しくなる。

 

 おかしなことばっか言ったり、変なことばっかりしてて迷惑な奴やけど、おらんかったらここまで寂しくなるものなんか……

 いや、多分これは一種の勘違いなんだろう。あんな奴、おらんようになってもそこまでダメージはない筈。

 

 

 でも考えてしまう。総司が来てからの生活の事……

 足が動くようになって、まだ車椅子で普段は過ごしているけど、リハビリは順調に行えているのだ。これは総司がいなければ出来なかったこと……私がリハビリしてる時はいつもシグナムが心配そうに病院の先生と見守ってくれていた……

 おやつの時間になると総司がどこからともなくお菓子を取り出して、ヴィータが真っ先に総司の所に行く光景……

 ドッグフードを食べているザフィーラにこっそり自分の肉を渡している総司の姿……

 シャマルが作り出したビーフシチュー(ダークマター)をどうやってか調理前の材料まで戻し、シャマルを説教する総司の声……

 

 何回も見た。何度もそんな光景を見たのだ……

 

 

 初めて会った時は正直怖かった。

 二回目会った時はアホな奴やと思った。

 

 

 でも、そんなあいつでも。もう、私の中では日常に組み込まれていたんやね……

 

 

 

 

 

「どうした?はやて。家事なら全てやっておいたぞ」

 

 

 

 優しげに微笑む総司の姿に私は首を振った。

 あんたはそんな人間ちゃうやろ?優しく微笑んだりはせずに自分のしたことを誰にも話さない。

 

 黙って人の為に行動が出来る人間なんやろ?

 

 

 

 どこまでも違うこの世界。夢であっても私の望むものはここにはない。

 

 

 

 

 

 

 そう、自覚した途端。私は何もない空間に立っていた。

 

 目の前には一人の女の人が立ってる。銀色の髪を伸ばした凄く綺麗な女の人……

 

 

「貴方は……永遠の夢を望まないのですね」

 

「……うん。私はあんな夢はいらへん。私は私の生きる現実が欲しい」

 

「……ならば、もう私は必要ないですね……」

 

 

 女の人は凄く寂しそうな顔をしていた。

 そんな顔せんでもええよ。私は知ってるんやからね。

 

 

「あんた、闇の書の管制プログラムってやつやろ?」

 

「………はい。ですが、何故それを?」

 

「前に総司から聞いた。後一人、守護騎士が引きこもってるってね」

 

 

 淡々と告げられた時はびっくりしたで。ずっと側におるのになんで引きこもってるねんって思ったくらいよ。

 

 

「そうなのです……か」

 

「で、やっと会えたんや。やからこれだけは聞いておき」

 

「………何でしょうか」

 

「あんたの名前はリインフォースや。悠久の風、リインフォース。名前が無いって聞いてたから考えといたんよ。かっこええやろ?」

 

「……リイン……フォース」

 

 

 まあ、それ言った瞬間総司が悠久の風(笑)(かっこわらいかっことじる)とか言ったからハリセンで襲いかかったんやけどな。

 かっこいいやん。リインフォース……

 

 

「で、名前も送ったことやし、そろそろこっから出たいねんけど……」

 

「それなら主が念じれば……」

 

 

 

 

 

 

 

 リインフォースの言葉を聞き終わる前に激痛が走り、意識が暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

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【八神はやて】

 

 

「………」

 

「………」

 

「……ものすっごい痛かったねんけど」

 

「す、すみません」

 

 

 目の前には正座しているザフィーラの姿がある。

 リインフォースと話してる途中、いきなりの激痛の後、私は現実世界に意識を戻した。

 どうやら激痛の正体はザフィーラが暴走してたリインフォースに放った魔法のせいみたいで、電気を纏った魔法で感電したらしい。

 

 元来魔法で非殺傷設定の場合身体的なダメージは無いみたいやけど、今回は総司の力を借りて魔法に電気を纏わせたとかで、その電気が普通に身体的にもダメージを与えてくるシロモノだったようだ。

 

 

「初めてやで。あばばばばってリアルで言ったの」

 

「す、すみません」

 

 

 まあ、リインフォースを止めるんに必死やったんは何となく分かるからそこまで咎める気はせんけど……

 

 

「一週間風呂掃除な」

 

「わかりました」

 

 

 それはそれとして、私が電気ショックで無理矢理覚醒させられたのと同じようにシグナム達も闇の書から開放されたみたい。寧ろ闇の書に私が取り込まれ取ったってことに驚いたんやけどな。

 リインフォースも今は引きこもってないし、これで万々歳やな!!

 

 

「あ、あの。主?」

 

「どうしたん?リインフォース」

 

「えっと、このままではナハトヴァールが暴れてしまい、この世界が崩壊するかと……」

 

「そうなんや……じゃあなんとかせんとなぁ……」

 

 

 まあ、総司がおるんやったらなんとかなるんちゃうかな。シグナムとかに聞いた限り総司ってものすっごく強くて出来ないことが無いとまで思えるくらい何でも出来るみたいやし……

 

 まあ……問題なのは……

 

 

「総司はどこにおるんやろ?」

 

「先程、管理局の連中に話があると離れて行きました」

 

 

 …………取り敢えず帰ってくるまでナハト見張っとこか。




A's編が終わってから総司君の正体や後日談。そして番外編を書き上げていくつもりです。

sts編は一応案はあるのですが、大まかに纏まってから書きますので番外編後は更新が開くかもしれません。
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