キリトとユイのボーダー活動記(仮)【一時凍結】   作:倉月夜光

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今回は次回へのつなぎ?的な話です
次回からガチ戦闘なので待っててネ!!

なお勉強の話があるので頭を働かせながら読んでみてください(白目


序章:ネイバー交戦Ⅰ

「では、このy=2x+1の逆関数は何でしょう。……では米屋くん、答えなさい」

「えっと、えぇーーと。……分かりません」

「ではしっかり話を聞いていなさい。理解出来ませんよ。では変わりに出水君」

「えーっと、y=x-1/2っすか」

「はい正解です。これは基本形です。前回の授業をきちんと聞いていれば答えられたはずですよ。米屋君以外も要注意です。」

 

   ・

   ・

   ・

 

「ではこの問3を桐ヶ谷君、答えてください」

「∞です」

「はい、正解です。このようにxの値が不定形のときに∞に数字を飛ばすことを極限といいます。その中でも今回は∞に飛んでいくので発散するといいます」

 

   ・

   ・

   ・

 

『キーンコーンカーンコーン』

「おや、では授業を終わります。級長、号令をよろしく」

「起立、礼」

「「「ありがとうございましたー」」」

 

 

 

 ここはボーダーとの提携を行っている高校。キリトがボーダーに所属するにあたって通うことになった高校でもある。

 今の授業が四時間目、これから昼休みに入るところだ。

 

「米屋、お前ちゃんと理解できてるのか?」

「最初のやつって基本だぞ……」

「あーー、わかんねーわ」

「「おい」」

 

 とまぁこんな風に各生徒たちが元気(?)に授業を受けているわけである。

 そして分かっていたことだがさすが米屋、勉強において第二の太刀川と呼ばれている男(嘘)である。

 ちなみに太刀川は加古さんのチャーハンの時に名前が出てきた人だ。”danger”をダンガーと呼ぶ程度に素晴らしい頭脳の持ち主である。さらにボーダーにいる面子、大学生以下のメンバーに大学の論文を手伝わせるという何ともアホ丸出しな男である。

 

「また留年回避特訓とか言って勉強に付き合うのは嫌だからな俺は」

「そんなことしてたのかよ……。あ、俺もパスで」

「お前ら俺が追試受ける前提で話を進めてるな…。みてろよ、今回は赤点すべて回避してやるからな……」

「そうしたら俺たちは安泰だな」

「そうだな。特に俺は実家に帰るから真面目に無理だからな」

「そっか、和人はここに引っ越して来てるんだもんな」

「おいおい、まじかよ…。じゃあ俺の追試対策は弾バカ以外誰に頼めばいいんだよ……?」

「「結局それ前提じゃねぇか!!」」

「そうともいうな」

「開き直るなよ……」

「まぁ槍バカだからどうせ引っかかるんだろうな。第二の太刀川さんとは伊達じゃないぜ」

「おい、それは酷くないか」

「太刀川さんってそんなに勉強ひどいのか?」

「dangerをダンガーって読むくらいだな」

「OK、把握した」

 

 キリトは比較的新規の隊員な上、太刀川と直接話す機会が多いわけではない。いや、顔は出すが基本的に本部長に首を引っ提げられて連れていかれる。よって、あまり話したことがないという裏事情がある。

 

 こんな話をしながらこの三人は教室から出て向かうのは購買。出水や米屋は元から、キリトは一人暮らしになり高校の購買にはよくお世話になる。ボーダーでの収入が一応あるので他の普通の学生よりかは気楽に購買を利用できるので自然と利用頻度は上がっていった。

 

 

 

 

 購買につく直前、急に大きな音が鳴り響く。

 

(ゲート)発生。(ゲート)発生。近隣の住民の皆様は今すぐ避難してください。繰り返します―――』

 

「っな!?」

「警報!?」

「―――!」

 

 ここは市街地、しかもボーダーの定めた警戒区域ではない。普通に人が日常生活を送っている町中に(ゲート)が開いた。これは普通ではありえないことである。

 ボーダーの技術によって近界民(ネイバー)の表れる(ゲート)は警戒区域に誘導される。そのため三門市民はなんの警戒心もなく日常生活を送れているのだ。

 それが人の生活している町に現れると混乱は必須だ。その証拠に……、

 

「きゃーーーー!!」

「うわーー!ね、近界民(ネイバー)だぁ!!」

「逃げろ逃げろぉーー!!」

 

 学校の中でも阿鼻叫喚の大騒ぎ。先生が注意しようとしているがそれもほとんど意味をなしていない。

 生徒たちは好き勝手に教室から出て逃げ惑う。ちょうど昼休みだったことも災いし、誰も統率をとった行動に気が向いていない。先生の言葉などどこ吹く風という印象だ。

 

 だが、逃げる場所などない。

 

「うわぁ!!こっちにも!?」

「おい!こっちに来るなぁ!!」

「バカ!こっちにネイバーがいるんだぞ!?」

「こっちにもよ!?」

 

 何かが悪かったのか空中に現れた(ゲート)はこの校舎を取り巻くように存在している。これでは校内から外に出た瞬間、即トリオン兵にとらえられてしまうだろう。

 

 

 

 だが、この学校には()()()怪物(ネイバー)に対抗する存在がいた。

 

「米屋!出水!俺は玄関方向に出るからその他大体を頼んだ!!」

「おう!任せとけ!!」

「そっちもヘマすんなよ!」

 

「「「トリガー起動(オン)!!」」」

 

 三人はトリオン体に換装。窓を開け放ちそこから飛び降りる。

 校舎内の生徒は先生に任せたほうがいいだろう。ここはボーダーとの連携校なので三人以外にも隊員はいる。その生徒のうち誰かが避難は校内でと進言してくれることを信じている(押しつけとも言う)。

 

 キリトは空中にその身を舞わせながら先日のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

     ☆

 

 

 

 

 

 

「よー三人方。ちょっといいか?」

 

 時は先日にさかのぼる。

 

 ぼんち揚げを持ちながらキリト、村上、ユイに話しかけたのは、玉狛支部所属のSランク隊員である迅悠一だった。

 

 

 Sランク隊員とは、使うトリガーが言葉の意味通り規格外であるブラックトリガーを使う隊員のことである。

 そして彼の使うブラックトリガーとは、普通のトリガーとは違い生身の人間が生み出した特殊なトリガーのことだ。その力はトリガーを使って戦争をしており、ピンチになった国を救うほどのものというすさまじい存在である。だが、それを代償もなしに生み出すことは当然出来ない。ブラックトリガーを生み出した人間は死ぬ。製作者のトリオンを使って作られるのがブラックトリガーなのだが、その全トリオンを使い果たした人間はその身を滅ぼしてしまうのだ。なので、貴重なブラックトリガーは現在ボーダーに二本しか存在していない。そのうちの一つの使い手が迅悠一である。

 

「何か用ですか、迅さん?」

 

 村上が代表して答える。迅が動いているのはだいたいいつも()()している時だ。自分の趣味を暗躍というほどに、彼は自分を省みずに何かのために行動を起こす。

 それは彼のサイドエフェクト的に仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない。彼のサイドエフェクトは『未来予知』。これほどの強力なサイドエフェクトを持つ人間は他にいない。

 その未来は確定しておらず、誰かの行動次第でいくらでも未来は変わるようだ。が、それでも先見性による恩恵は計り知れるものではない。

 

 そんな彼が話しかけてきたということは、何か裏があるということだろうと村上とキリトは確信していた。

 

「今日は和人にお願いがあるんだよね。鋼ごめんな、また今度ーー」

「いや、別にいいですよ。じゃあ桐ヶ谷、また」

「あ、はい。さよなら」

 

 キリトは足を止めたまま鋼を見送る。

 その場に残ったのは迅とキリト、ユイの三人だ。

 

「んじゃぁ和人、飯でも食いに行くか?」

「いえ、迅さんが話しかけてくるってことは何かあるんですよね。要件を先に聞きたいです」

「あーー、じゃあ要件だけ言うぞ。今度お前の学校で近界民(ネイバー)が出る」

「えっ……!?」

「なっ……!?」

 

 それを聞いて叫ばなかったことをキリトは自分で褒めてやりたい。それくらい衝撃的な告白だ。

 

「それはこれからの行動では回避できないことなんですか、迅さん?」

 

 さすがというべきかユイはすぐに立ち直った。

 

「うん、無理みたいなんだ。だから知らせに来たんだけど」

「……それで、俺にお願いっていうのは?」

 

 キリトに話を通すということは何か役割があるということだろう。

 迅はぼんち揚げをかじりながら話す。

 

「うん。お願いはトリガーを常時持ち歩いてほしいことと、ネイバーが出たら即時殲滅に向かって欲しいってことだ」

「……それだけですか?」

 

 キリトは拍子抜けしている。

 トリガーなんていつでも持っている。それはボーダー隊員として当たり前のことだ。機密技術で作られているトリガーを身から話しているボーダー隊員がいれば、それは処罰されるくらいしないといけないズボラな人だろう。

 そしてネイバーの殲滅はボーダーの隊員として当たり前のことだ。そんなことは言われずともする当たり前のことだ。

 

「それだけでも知っているだけで大きいんだよ。三年生は自由登校だろ?上級生に伝えとこうと思ってな」

「それじゃ俺じゃなくてもいいじゃないですか?なんで俺なんですか?」

 

 確かに今の時期は三年生は自由登校で数人しか登校はしていない。だが、キリトの通っている学校はボーダーとの提携校なので当然、キリト以外のボーダー隊員もいる。わざわざ自分を探して伝えなくても良かっただろう。

 

「いやぁ。出てくるトリオン兵の中に改造された奴が混ざってるっぽくてな。A級でもトップクラスの和人に声かけたんだよ。だから絶対に避難のほうじゃなくて殲滅の方に行ってくれ」

「まあ、そこまで言うなら分かりましたけど」

 

 改造というのが弱くなる方向に変えられるということはないだろう。本気で近界民(ネイバー)が人を攫いに来たのかもしれない。なら、自分のできることをなそうとキリトは考えた。

 

 

「ところで和人、ぼんち揚げ食う?」

「いただきますけど、いつも食ってて飽きないんですか?」

「いやー、ぼんち揚げだからね」

「理由になってませんよ……」

 

 

 

 

 

 

      ☆

 

 

 

 

 

 

 今では前日に聞いててよかったと思っている。

 やはり事前に知っていると心構えが全然変わるし、自分が避難というか生徒を守る方に向かうこともあったかもしれない。

 その未来を避けることができたので最悪の未来に向かうということはないだろう。

 迅が言うには最悪の場合、死人が出てしまう事態に発展するらしい。最悪なので避けれていると思うが、まだまだ油断はできない。

 

「ユイ!オペレートできるか?」

『はい!今から敵の位置を出します!!』

 

 ユイの()()()も随分前からできていたので戦闘準備は万端だ。

 

 

「こちら桐ヶ谷。本部、応答願う」

『こちら本部、沢村よ。桐ヶ谷君、どうなってるの!?』

 

 沢村さんは元戦闘員の女性。現在は本部長付きの秘書のような活動をしている人だ。本部の上役でもあるのでここで通信に答えてくれたのはありがたかった。

 

「今、ゲートが開いたばっかなんで人的被害はないと思います。ですが巻き込まれた人がいるかもしれません。全部斬ります」

『了解。警戒区域外でのトリガーの使用は不問なので全力でオーケーよ』

 

 これで刑に処すとか言われるとあまりに理不尽だと思うが、そこは組織としての決まりなので何も言わずにおく。

 

「桐ヶ谷隊隊長、桐ヶ谷和人。これより戦闘を開始する!!」

 

 

 

 ―――一対多数の乱戦が始まる!!

 

 




知ってるか?数Ⅲって二年生で勉強するんだぜ?
三なのにな……(遠い目

次回から本格戦闘!キリト君の活躍に期待!!

ラッドが隊員からトリオンを取り込んでいたならこんな展開もあったのだろうかと予想
隊員の多い学校は狙い目なんじゃないかと

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