「ところでチェ・グソン。君に一つ頼みたいことがあってね」
と槙島はグソンに語り掛けた
「なんですか?ちょっと前なら大体の頼みは聞けましたけど、この世界じゃあやれることは限られてますよ?」
自分の横にある大きな箱の塊を指さしながら続けた。
「なんせ機材が古い」
「ははは、よく言う。未来の知識を持つ機械工学の天才が少し知恵を絞ればこの世界のどのコンピューターをも超える
「そいつぁ買い被りが過ぎるってもんですよ。俺の持ってるテクノロジーなんて
グソンの相貌から薄緑色の淡い光が漏れ槙島の持っている鞄に視線を向けた
「確かにね。だが今回の頼みはそう難しくない。君にとってはインターネットサーフィンみたいなものさ。そう一つ情報収集をしてほしいだけだよ…魔法少女についてのね」
「魔法少女の?ソレはいったいどうして?」
「気になっていることがあってね。君も調べてみればわかるさ。SNSから国のデータベースに至るまで魔法少女の単語を検索してほしいんだ。できるだけ早く…ね。日本だけじゃない外国の事まで調べられればなお良い」
「まぁその程度ならすぐに終わるでしょう。一日あればおつりがくる」
その発言に槙島は眉をしかめた。何故ならこの世界の国はシビュラ統治下の頃と違い日本以外にも文化的、経済的に発展した国がたくさんある。人民の数が多ければその分情報は多くなるわけだ。いかにグソンが天才的な手腕でオーバースペックな機材を用いたとしても1日で、しかも余裕でこなせる仕事ではないはずなのだ。
「あれ…もしかして旦那…。あぁそうかまだ一日でしたからね。この世界に来て」
槙島の様子を見てグソンが意味深な言葉をかけた。
「どういうことだい?」
「いやぁこの世界…どうやら見滝原という町だけしか存在しないみたいなんですよ」
ワケが分からないというジェスチャーをしながら彼は続けた。
「この町の隣に風見野っていう町があるんですよ。俺はこの世界に来て二日目にそこに向かってみたんですよ、そしたら妙なことにいくら風見野の方向に進んでも結局はこの町…見滝原に辿り着いてしまう」
グソンは机に置いてあるメモ帳に簡単な地図を描き始めた
「そんな馬鹿なって思うでしょ?俺だって最初はそう思いましたよ何かの間違いだって。でもそんなことはなかった。バスに乗ろうが、電車に乗ろうが、船に乗ろうが必ずココに帰ってくる。」
そして書き終えた地図の中心にある三叉路の右方向を指した。
「この地図の三叉路を左に行けば間違いなく風見野だ。でもなぜかここに帰ってくるんですよ。風見野だけじゃあない。どの方角の街に向かっても同じことが起きる。つまりねこの世界の世界とは見滝原だけで構成されネットの世界の世界とはあくまで情報のみ存在する
「君の事だからもう調べたと思うけど、この世界の外側に出ているであろう人間はどういう反応をしているんだい?」
「話を聞いてみると全員街の外に出た記憶は持ってるんです。でも追いかけてみると同じところをぐるぐる回っているだけ。話しかけてもうんともすんとも答えやしない。まるで機械ですよ。でも彼らの役目が終わると、その時の記憶だけは確かにある…同じ場所をぐるぐる回った記憶じゃあなくその目的の場所で役目を果たしたという記憶が…つまりこいつもハリボテってことです」
「つまり僕たちは見滝原という名の迷宮に閉じ込められたわけだ」
と槙島は少し眉間にしわを寄せ一瞬苦悶の表情を浮かべた。
「迷宮かぁ…アリアドネの糸が思いも寄らぬところに垂れているかもしれませんねぇ?」
「どうだか…垂れているのは
「化物の席は魔女だけで十分ですよ」
「でもあれは
「やっぱり槙島の旦那には敵わないなぁ…」
グソンは槙島の返答にやっぱりこの人は変わらない…と感心した。
「この町の外の件については僕も調べてみるとしよう。あぁ…そう話は脱線したが魔法少女の情報収集だがね。一応ではあるがその
「わかりました。ところで旦那は…」
結局彼らの談笑は夜が明けるまで続くのであった。
んもー会話になると文字数が増えても奇美を表現できませんねぇ…こんな駄文でも応援や感想いただけると嬉しいです。