「あら、ここにくるなんて珍しいわね。」
紫色の長髪をもつ少女が大きな扉から入ってくる少女にい言った。
「最近面白い事がないのよ。なにかない?」
少女が答える。
「個々にあるのは沢山の本の知識だけよ。」
「何よ、本の中の一冊くらいは面白い本があるでしょう?」
長髪の少女に寄る少女、は不服そうな声だ。
「ないわよそんなの。」
「う─。絶対ある。」
「ない。」
「ある。」
「ない。」
少女は長髪の少女の近くにある、積み重ねられた本の上に座り、あるないの問答を続けた。律儀に長髪の少女はそれに付き合っている。
「あ─もう!これじゃ退屈で死んじゃうわ。もうなんでもいいから本一冊ちょうだい!」
いい加減問答に飽きた両翼の少女は長髪の少女に本を所望する。
長髪の少女は一つ溜息をつき、近くにあった薄い本を投げる。
「なによこれ。絵本?」
「そうよ。貴方にはぴったりじゃない?」
「なっ、それはどういうことよ!私を子供扱いしたいわけ!?」
少女はキィキィと金切り声をあげる。正直子供でなくてなんだと思う様な事をしているのだが、彼女にとってそれを言われるのは相当の侮辱になるらしい。
「あぁもう、うるさいわねぇ。」
大きな本を読んでいた長髪の少女は一旦本を読むのをやめ少女に目を向ける。露骨に鬱陶しそうな顔で。
「別に他の本もあるけど、いいの?貴女には解らない魔導書とか歴史書しかないわよ?」
少女は金切り声をやめうなだれる。
「そんなの読んだらそれこそ死んじゃうわよ...。」
「ならそれで我慢するのね。」
「で、これ何の絵本よ?」
ようやく落ち着い少女は長髪の少女に聞く。絵本のタイトル部分はだいぶ擦れて読みにくくなっていた。
「Artorias the AbyssWalker。深淵歩きアルトリウスと言うなの物語よ。よくある騎士がお姫様を救い出すお話よ。」
少女はペラペラと絵本をめくり、長髪の少女はまた本に目を落とす。
場が静寂に包まれる。ただ有るのは二人の少女の息遣いと本をめくる音だけだ。
不意に少女が言う。
「へぇ、この騎士、姫を助けたのに結婚しないのね。」
絵本を読み終え、ポツリと感想を漏らす。
「そうみたいね。」
長髪の少女は顔をあげずそう答える。
少女はパタンと本を閉じ、そこらに放る。
「はぁ~。なにか面白いこと起きないかしら。」
少女は長髪の少女に何かを言うわけでもなく、大きな扉を抜け何処かへ行ってしまった。自室に戻ったのだろうか。
長髪の少女はそれに何も言わず依然として本を読み続けた。