「ここは…どこだ?」
俺は目を覚ました。見渡す限り真っ白な世界に俺は立っていた。
いや、周りに白しか無いから立っているのかすらも怪しい。
とりあえず周りを探索してみるか。
「それには及ばんぞ‼︎」
「ん?誰だ?」
おっと、初対面の人なのに素が出てしまった。でも空から元気のいいおじいさんが降りてきたら誰だって驚くでしょう。そりゃあね。
「で、あなたは誰なんですか?」
「儂は神じゃ‼︎」
「……」
うわあ、認知症とはいえ流石にここまでなのはないわー
「誰が認知症じゃ‼︎」
「誰ってあんたですよ。おじいさん」
本当に何を言っているのだろうか。このジジイは。
「ジジイって言うほどの年じゃないわい‼︎何だか態度が何か適当になっておる気がするんだが…」
ん?さっきから俺は認知症とかジジイとか一言も言ってなくね?
「儂は神様だから人の心も読めるんじゃよ」
「マジで?」
「マジじゃ」
どうやら俺は本当に神とやらと話しているらしい。
「それにしても何故おれは神なんかとこうして話しているんだ?」
「む?お主何も覚えてないのか?」
「ああ、何にも覚えてないぞ。何かを思い出そうとしても何も思い出せないしな」
「それは、ここに来た理由以外もか?」
ここに来た理由以外?家族の事とかか?
確か俺の家族は……は?何も思い出せない。思い出そうとしても真っ暗な闇しかないぞ。まるで何かがあった場所を無理矢理塗りつぶしたような感じがするぞ?あれ?俺の名前は何なんだ?俺は一体誰なんだ?
「おい⁉︎どうした?落ち着かんか‼︎儂の目を見ろ。そして気持ちを落ち着かせるんじゃ」
「そうだな。少し考え事をしてしまったようだ」
「すまない。お主の記憶が完全に無いなど予想もしていなかったことでな」
「いや、大丈夫だ。それで、俺は何故神なんかと話しているんだ?」
「それはお主が死んだからじゃ」
「そうか……」
「意外と冷静じゃな」
「よくわからないが、俺の感覚が麻痺してきたらしい。それで、俺に何の用だ?」
「お主には第二の人生を送ってもらう」
何だよそれ。こっちは記憶がなくてただでさえ気分が悪いのに、もう一度それをやり直すなんて面倒の極みじゃないか。
「は?嫌だよそんな事。面倒くさい」
「そもそもお前に拒否権などないわ」
「全く、どこの独裁者だよお前は…」
まあ、どっちにしろ行かないといけないならやり直すけどな。
「そういう事じゃ。それに今までの記憶も無いならもっと楽しめるじゃろ」
「ま、そうかもな。けど、第二の人生って言ってもどこからがスタートラインなんだ?」
もし生まれるところからだったら、軽く地獄だしな。
だって女の人と風呂に入る事になるんだろ?普段なら嬉しいくらいだけどそれが自分の母親ってなるんだしなあ。
あれ?普段って何なんだ?まあいいか。
「じゃが規則で一応生まれるところからじゃ」
「そうか…なら俺が10歳になるまでここでのきおくを思い出せないようにしてくれないか?」
「その程度じゃったら問題無いぞ」
「わかった。じゃあよろしくな」
第二の人生か。面倒事が無ければいいな。
「じゃあどんな世界がいいのじゃ?」
「自分で選べるのか?」
「本当はダメなのじゃが今回は色々あったし特例じゃよ」
「じゃあ、戦争とかに巻き込まれない平和な世界にしてくれないか?」
戦争に巻き込まれて死んだりしたらたまったもんじゃないからな。
「わかったぞ。特典はいいのか?」
「特典って何なんだ?」
「そう言えば記憶がないんじゃったな。特典というのは自分に何らかの能力とかを付けられるんじゃよ」
能力か。記憶が無いからそういう知識がないからな。正直に言えば生きていれるなら何でもいいしなあ。
「じゃあ料理を作るスキルを最高のレベルにしておいてくれ。あと、顔はそれなりにしといてくれないか?」
「了解じゃ。ではそこにある穴に入ってくれ」
「わかった。って底が見えないんだけど?マジでここの下に行けと?」
いやいやいやいや、マジで穴の下真っ暗なんだけど…普通に死ぬよね?第二の人生の前に死んじゃうんだけど⁉︎
「大丈夫じゃ。下をよく見てみんか」
「ん?どうかなっているのか?」
「ほれっ‼︎」
「っうわああああっ‼︎」
あのジジイ騙しやがったな‼︎これで死んだら絶対に呪ってやる‼︎
ってあれ?意識がぼやけていくぞ…?
そして俺の意識は途絶えた。
「ふう。やっと行ったか。初めての転生者だったから緊張したわい。
顔をそれなりにしろと言っておったがどれ位が普通なんじゃろうか?
まあ適当にしておけばいいじゃろ」
今回は短いですがこれからは出来るだけ長くしたいと思っています。
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