ゼロの使い魔~白黒の自称普通の魔法使い~ 完結   作:WryofuW

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第十一話 オスマンを救助した者

 無事フーケを捕らえることに成功した後、馬車の中で先ほどの戦闘でコルベールの実力の高さの話で賑やかになっている。

 ルイズたちは、コルベールの行動や冴えなさそうな姿を見ているとギャップがあり笑いもこみ上げてくるようだ。

 

 

 「コルベール先生って意外と強かったのね!」

 

 「はぁ、意外とは余計です。私だってトライアングルメイジなんですからねこれくらい普通です!」

 

 「いい火をお使いになさるのね、コルベールせんせっ」

 

 「!?・・は、はは・・・ありがとう」

 

 「うぇ・・・キュルケそれはないわ・・・」

 

 

 流石にこれには魔理沙も引いている様子。顔が引きつっているのが何よりの証拠で、頬に手を当てて元に戻そうとしているが、どうやっても顔を元の状態に戻すことができない。

 フーケは、こんな状況なのにどうしてそんな余裕ができるのかが全く理解できなかった。逃げたらどうするのかを考えないのだろうかと。

 コルベールを信用しているのか。はたまたこの娘の使い魔、霧雨魔理沙をここにいる全員が信用してるのか。

 

 今思えば最初からばれていたのかもしれない。私たちが出て行った後に変態じじいとこの小娘2人っきりで何かを話していたようだが。そして予想外の人物、コルベールが後から現れた。

 この霧雨魔理沙は、ディテクトマジック以上の探知魔法を知っているのか?。

 とここで魔理沙は、視線を感じその方向を見ると土くれのフーケがこちらを見ている。フーケを見ながら首をかしげると短い沈黙の後、フーケは、意を決したのか口を開く。

 

 

 「霧雨魔理沙って言ったね、いつから私がフーケだと思ってたのさ」

 

 「いつから、か・・・違和感を感じたのは、守護の札を盗みに来たあの時な?それ以前に一度だけあんたのことを学院内でみたことあるからさ」

 

 「一度目から・・・そういえば訓練してたのはここにいる奴らだったな。お前は、よほど精度のいいディテクトマジックを覚えているようだね」

 

 「ディテクトマジック?あぁ魔力探知するやつか、そんなの使ってないけどな」

 

 

 なに?、と目を見開きこちらを見るフーケだが魔理沙にとっては別におかしいことでもないと疑問に思う。

 どういうことだ、と質問しようとしたが学院に到着してしまった為、フーケの疑問は晴れる事は無くなってしまった。

 すでにオスマンは、王室へ連絡していたためすでに軍の関係者が数十人待機していた。人数が多いようにも思われるが、相手が大盗賊の土くれのフーケであるため仕方のないことなのだろう。

 

 

 「(あぁ、これで終わりなのね。あの子にはもう会う事さえ)」

 

 

 連行されるフーケの横顔をみた魔理沙は、捕らえられた悔しさではない何か別の悲しみを抱えているようにも思えた。が深くは考えずルイズたちと喜びを分かち合った。

 受け渡しの後、今回の捕獲任務に携わっていたコルベール、ルイズ、キュルケ、タバサ、魔理沙の5人は学院長室でオスマンから感謝の言葉を貰っていた。

 ルイズから守護の札を受け取った後、それを大切そうに眺める。一回頷くと、座っていた席から立ち上がる。

 

 

 「良くやった、本当に良くやった皆のもの!心の底から感謝しておる。コルベール君、今回は無理を承知で行かせてすまぬ」

 

 「いえ、生徒の為ですから気にしないでください」

 

 「うむ、さて今回大盗賊のフーケを捕らえたことにより宮廷は高く評価しているようじゃ。おぬしら三人には、王室からなんらかの褒章があるはずじゃよ」

 

 「ほ、ほんとですか!オスマン学院長!?やったわぁ!」

 

 

 喜ぶキュルケに満足げにうむうむと頷くオスマン。一方ルイズはそれよりと言った様子で、コルベール先生と魔理沙には?と疑問を口にする。オスマンは難しい顔をし言いにくそうだが仕方なく言うことに。

 

 

 「それなんじゃがコルベール君は、訳あって辞退をしたのじゃ。そしてミス魔理沙は貴族ではない為、褒章は受け取れないのじゃ」

 

 「一番活躍したのは魔理沙なのに・・・」

 

 「んー・・褒章が何なのか分からないけど別に私に必要なものじゃないのは確かだ、ルイズ?そんな顔すんなって。褒章とやらより魔法書やきのこ尽くしの方がうれしいってもんだぜ」

 

 

 魔理沙らしいわ。とルイズの表情は晴れオスマンも一安心といったところでコルベールから、フーケ捕獲に成功した君たちを主席とした舞踏会が開かれるから準備してきなさい。と言われルイズたちは、一礼しその場を立ち去る。が魔理沙はどうしても気になることがあるようで舞踏会の時に合流することに。

 

 オスマンも、何となく察しているのかゆったりと椅子に座りこむ。と同時にコルベールもここに留まらせ会話に参加させる。

 

 

 「分かってると思うけどその守護の札についてだ。フーケのやつは、恩人に譲ってもらったとか話してたが実際どうなんだ?」

 

 「ロングビ・・フーケが言ったその事は間違いない。そうあれは30年前の話じゃ・・・」

 

 

 

 

 「わしがまだ若かりし頃、偶然ワイバーンという魔物と出会ってしまったのじゃ。かなり凶暴な性格の魔物での、その時のワイバーンはお腹を空かせていたのか見るもの全てを食い散らかしているようじゃった。

 無謀にもわしは、そのワイバーンと戦おうとしたが一瞬でわしの杖は弾かれ死を待つ以外には残されておらんかったよ」

 

 

 魔理沙もコルベールも、言葉を聞き逃さないように集中して聞いているようで次の言葉を待っている。その様子に頷き話を進める。

 

 

 「その時に助けてくれたのがこの守護の札を譲ってくれた女性じゃ、この雰囲気で言うのはあれじゃが、露出の多い服での。脇が出ていたのが印象的じゃったな、服の色は、赤と白で統一されていて不思議と違和感は感じなかったの。」

 

 

 コルベールはまた下ネタ関連の話か、と思うが魔理沙にいたっては、呼吸困難になるような錯覚に襲われる。息がうまくできなく頭の中が混乱するのが分かる。

 オスマンが心配そうに見るが、魔理沙から気にせず続けてくれと催促され話を続ける。

 

 

 「・・うむ、その時本当に衝撃的じゃった・・・。恩人であるその者は杖を持っておらず“素手”でワイバーンを圧倒していたのじゃ」

 

 「馬鹿な!?そんなありえない!?」

 

 「わしも信じられなかった、だがわしは目の前で見ていたのじゃ。手が血だらけになりながらもワイバーンを圧倒していたあの力を」

 

 

 コルベールには、俄かに信じられない話で戯言かと感じてしまっていた。魔理沙は、森近霖之助から失踪した博麗の巫女についてそんな話を聞いたことがあった為、コルベールほどには驚いていない様子。

 

 

 「撃退した後、その女性から話を聞こうかと思ったのじゃが何か話した後、守護の札を渡してきての。言葉が違うのかちゃんとは聞き取れたか自信はないのう」

 

 「それで何と・・?」

 

 「9代目はきゅれいのみこの一人。と言っていたの、その後は気を失ってしまって気がついたら学院じゃったわい」

 

 「やっぱり・・・か」

 

 

 コルベールは、興奮した様子で続きの話を催促している。一方魔理沙は、腕組をして複雑な表情をしている。その様子を見たオスマンは、魔理沙に様子がおかしい理由を尋ねる事に。

 

 

 「ミス魔理沙、さっきから如何したと言うのだ?」

 

 「うん・・・いや2人には話しておこう。じいさんの話を聞いて確信したんだ、その赤白の巫女は私がいた所の住人だよ。じいさんの発音おかしかったけど正確には“博麗の巫女”な」

 

 「博麗の巫女か、間違いの指摘助かるぞ。して知り合いなのかの?」

 

 「私の親友に博麗の巫女がいるが、それの先代ってところじゃないかな」

 

 

 確か10代目だった気がするしな霊夢は、と言葉を続ける。コルベールは、続きが気になる子供のように目を光らせ、オスマンに催促の目線を向ける。

 コルベールに対しため息を吐くとオスマンは、時計を見てそろそろ始まる為魔理沙の気になる部分だけ質問に答えることに。

 

 

 「そろそろパーティーが始まる時間じゃ、ミス魔理沙が気になることだけ答えたら君たちはもう行くのじゃ」

 

 「もうそんな時間か・・んじゃあじいさんに悪いし1つの質問と2つ提案、というかお願いをな。質問は、その人の行方だ」

 

 「・・・すまぬ、わしにも分からないのじゃ。学院で目が覚めたときには、もういなかったわい・・・」

 

 「折角帰れるきっかけができたと思ったのにな・・・しょうがない自力でがんばるしかないか。・・んでお願いの方だけど、この事ルイズには私の方から話すからさ。あとその守護の札を譲ってくれないか?もしかしたら手がかりがあるかもしれないんだし」

 

 「うむどちらも了承した。ただ守護の札に関しては全ては譲れんぞ?3枚のうち1枚でならの。コルベール君、お主もミス魔理沙の帰るきっかけとやらを、探すのを手伝ってやりなさい」

 

 

 コルベールは、魔理沙に恩を感じているようで素直に頷いている。魔理沙も暗い顔から一変、笑顔になり札を受け取る。

 オスマンが、手を2回ほど叩きパーティー会場へ行くよう催促する。2人が出た後オスマンは、幻想郷・・・どんなところなのかのう、と呟いているのだった

 

・・・

 

 

 そしてパーティーが始まり魔理沙も間に合ったが、正直なとこ場の空気が合わない。居心地が悪くすぐにバルコニーへ出てしまった。

 服だってここいらの正装なわけでもないし、食事も正直に言うと濃すぎる。もう少し薄味でお願いとマルトーにお願いしてみようか?

 中をチラリと見ると、キュルケは男に囲まれ満更でなく楽しんでいる様子。タバサは食事に夢中のようで、周りからの目線を気にしていないようだ。

 

 

 「はぁ、なーんか食べる気もしないしあの中に混じる気もない・・・じいさんからあんな話されちゃあな」

 

 

 バルコニーで黄昏ている魔理沙は、夜空に手をむけ大気中に存在する星成分を集める。それをばら撒くように手を軽く振ると、光の粒子が分散してやがては消えていく。

 室内では一瞬静かになったと思いきやざわめきが大きくなっていた。が魔理沙にはそんなこと関係ないとでも言うように、星成分を集めては離している。

 

 

 「しかしこの国、いやこの世界は私のいた所と本当に違うようだな・・・月も2つだし星成分も違うし、興味は尽きないがどこから手をつけるかだな」

 

 

 空中に光の粒子を集め指揮者のように手を振ると、踊っているかのように動く。ふと近くに住んでいたアリスの人形の動かし方を思い出し、真似てみるが中々上手くいかない。

 センス無いなぁ、と思っていると室内とバルコニーを繋ぐドアが開かれそちらを見る。するといつもとは全く印象が違うルイズが立っていた。

 

 

 「お、おおルイズか?見違えるほど綺麗だぜ?」

 

 「ふふん当たり前でしょ?それよりなに黄昏てるのよ。魔理沙には似合わないわ」

 

 「へへ、色々思うことがあったって事だよ。私は中に入る気はないから楽しんできな」

 

 「そういえば初めて食堂来た時も嫌そうにしてたわね・・・ったくいいわ、私もここにいるから」

 

 

 ん、そっか。と夜空を2人して見つめているとルイズが、申し訳なさそうな顔をしながら言葉を続けていく。

 

 

 「ねぇ?魔理沙、さっきオスマン学院長との話ちょっとだけ聞こえちゃったの。ごめんね聞くつもりは無かったんだけどその・・・」

 

 「そっか、どこまで聞いたか分からないけど私の住んでいた所の人がこっちにも来たらしいからもしかすると帰る手がかりがあるかなー・・・なんてな」

 

 「やっぱり帰りたいんだよね、そりゃあ頭では理解してるつもりだったわ。けど私こういう性格じゃな─」

 

 

 泣きそうになっているルイズの言葉を遮り、頭に手を当てて撫でつつ魔理沙は笑顔で話しかける。

 

 

 「ま、今考えても仕方ないからな。私はルイズがそんな顔するのは好きじゃないからな、これでこの話はお終い!ちゃんちゃんだぜ」

 

 「・・・っ。そうね、魔理沙にはこれからも私のワガママに付き合ってもらうんだから!」

 

 「えぇワガママに付き合うのは勘弁だぜ」

 

 

 今の流れでそれいうの!?、とルイズが噛み付いてくるが魔理沙は、笑顔のままバルコニーの柵へ寄りかかったままルイズと戯れるのであった。

............

 




1章終了

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