BBちゃんのFate/Zero   作:火影みみみ

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あれ? ちょっと見ないうちにUA:19000以上 お気に入り:1000以上って何があった!?
これが噂のFateパワーなのだろうか
多少の不安はありますが、第4話投稿になります。
聖杯戦争序盤、いよいよ英霊の召喚になりますが、一体誰が召喚されるか楽しみにお読みください。
では、始まります。


第4話

 桜が間桐の家に引き取られて大体一年が過ぎたある日、桜の左手の甲に令呪が現れた。形は桜のような三つの花弁、要はステイナイトの桜の令呪と同じもの。ここまでは予定通りとして一つの問題が私の前に立ちふさがった。

 

 そう、聖杯戦争において最初にして最大の問題、サーヴァント選びである。

 

 私は桜の中でずっと考え続ける。

 間桐家の問題を片づけ、今の桜の生活は安定していると言える。

 加え、臓硯に桜の魔術師としての教育を、途中でやってきた雁夜に生活面を丸投げしているので、私がすることは今はない。

 私が最初にいた空間で一人、ずっと第四次聖杯戦争をどうするか考えをまとめている。

 

 この空間は桜の心の中と言って等しい。この中であれば彼女と私の記憶にあるものならばそのまま再現することができる。

 その性質を利用して、私が生まれた時には殺風景だったこの空間も、今ではどこかで見たような旧校舎風に改変している。

 今は私がいるのは図書室、私の記憶に存在するあらゆるサーヴァントを一覧にして、どのサーヴァントを呼ぶべきなのか吟味しているところになる。

 

「……やっぱりキャスターorバーサーカーだと、選択肢が少なすぎて嫌になるわね」

 

 普通ならば五次のキャスター、バーサーカーを呼べば安定するかもしれないけれど、ここにはあの太古の英雄王が参加してしまう。

 あの英霊には普通の手段なんて通用しない。特に神性を持つ者に対しては凶悪とも呼べる宝具を持ち合わせている。あの宝具を使われれば神性そのものであるアルターエゴや太古の女神を持つ私などはひとたまりもない。

 だからこそできるだけ神性を持たないサーヴァントを選ぶのが望ましい。

 しかし神性を持たずに強力なサーヴァント、尚且つキャスターかバーサーカーに絞るとなると既存のサーヴァントではどれも心もとない。

 五次キャスターはなかなかいい線行くと思うけれど、それでも不安は残る。

 彼女の宝具は強力だけれども使える相手が今回の場合だと限られてしまうからだ。

 セイバーは五次のように抵抗され、英雄王は言うこと聞く気がしない、ディルムッドもおそらく性格上抵抗されるだろうし、アサシンは見つけられる気がしないし、征服王には使いたくない。

 となると召喚されるバーサーカー(予定)に使うことになると思うけれど、何が召喚されるかわからない上に、呼び出すのは恐らくあのサイコパスになることから魔力切れで自滅する可能性が高い。

 そう考えると彼女を呼ぶのが正しいのか疑問に思える。

 

 バーサーカーについて考えるなら神性を持たないで強力なサーヴァントなら誰でもいい。しかし狂化して理性が失われていることと宝具の内容が変化する恐れがあるなどデメリットも存在する。佐々木小次郎をバーサーカーで召喚したなら弱体化しそうだと思うし。

 

 となると別の候補を考える必要がでてくる。

 そして私が知ってる中で今回の聖杯戦争で中々よさそうなサーヴァントは【ナーサリーライム】か【ランスロット】くらいかしら。一応五次キャスターも選択肢に入れて三つ。……せめてアーチャーのクラスが空いていて日本の英霊ありなら魔人アーチャー呼んでたのに、趣味と実益を兼ねて。

 

「……まあ、彼女がベターかしら」

 

 そう言って私は彼女の、【ナーサリーライム】の記憶を手に取る。

 現状彼女と呼んではいるけれど彼女は【ナーサリーライムと言う絵本のジャンル】、つまりは【概念がサーヴァントになった存在】になる。その性質はマスターになる人物によって変化し、エクストラに出てきた時は強大な力を持ったキャスターとして召喚されていた。それになりより彼女は子供の英雄、きっとどんな姿で召喚されたとしても桜の味方になってくれるに違いない。

 

「触媒は適当な絵本でいいわよね、不思議の国のアリスとかそう言うのを適当に雁夜に買いに行かせて魔法陣の中央においておけばなんとかなるかしら」

 

 そう私は図書室から出て、意識を外に移す。

 外では桜が雁夜と買い物に出ているところだった。最近は家にこもってばかりだったので久々の外に桜は楽しげに笑っている。

 ついでだし雁夜に絵本を買ってもらおう。外出しているしちょうどいい。

 

 

 

 ……そう言ったら『そっちの桜ちゃんも子供なんだね』と言われた。解せぬ。

 

 

 

 街を監視していた臓硯から報告が入った。

 私が監視するように言っていたとある外国人夫妻の家に、見知らぬ少年が現れそのまま居候し始めたらしい。不審に思い監視し続けたところ、昨夜鶏の血を用いて魔法陣を描き、筋骨隆々な男のサーヴァントを呼び出したらしい。

 

 それを聞いて、私はいよいよ聖杯戦争が始まるのだなと実感した。

 私がその家を監視させていたのはその少年、ウェイバー・ベルベットを監視するためと彼がライダーを召喚するタイミングがセイバーやアーチャーと同じ時間だったため、そこより後、一日後くらいに召喚すればキャスターを召喚できると考えたからになる。

 

 となれば今夜、桜が寝ている時間になるけれど、深夜に召喚してしまおう。触媒(絵本)は手に入れた。後は陣を描き、詠唱するだけ。

 間違ってバーサーカーを呼んでしまったり、エクストラが来ることも考えられるけれど、それは考えてもしょうがない。触媒と自分の運を信じるだけ。

 

 ……大丈夫、私の幸運はBクラスだった。いける、きっといける、BBちゃんファイト!

 

 そう言って自分を納得させる。……一応念のために体内にしまってある黄金の杯を出して魔力供給をやっておくとしましょう。何があるかわからないし念には念を入れることに越したことはない。

 

 

 

 そうして、運命の夜はやってくる。ただ遠坂の血筋なのか、それともBBのうっかりミスだったのか、最大の間違いを犯していることにまだこの時点では気が付いていなかった。

 

 

 

 夜、桜は眠り体の主導権は今は私が握っている状態になる。召喚場所は元は蟲蔵で今はただの広い空き部屋となっている場所。そこに私と臓硯はいる。

 召喚はどうしても目立つのでこの場所はそう言うのを隠蔽するにはちょうどいい。

 

「何か不調などはないか?」

 

 臓硯がそう聞いてくる。最近なんだかどんどん角が落ちて丸くなってきているような気がするが、もしかしてホロウのようにボケたりしてないだろうか。

 

「万全です、魔力も十分、何の問題もありません」

 

 そう言って魔法陣の形に掘ってある溝に近づく。このままで詠唱してもサーヴァントを呼ぶことができない。水銀なり血液なりで溝を満たし、魔法陣を描く必要がある。

 ちなみに雁夜は外に締め出してある。これから起こる出来事は彼には少し刺激が強すぎるから。

 

「まずは、魔法陣、ですね……」

 

 私は体内から取り出した黄金の杯と絵本を隣に置き、左手を溝にかざす。

 すると手のひらから黒い液体状の何かが溢れ出し、溝へと落ちてゆく。

 その液体は強い魔力を含み、それらで満たされた魔法陣は淡い光を発する。

 

「さあ、始めましょう」

 

 十分に魔法陣を描くことができたら、詠唱を始める。

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公」

 

 詠唱を始めながら、私は思う。

 私が聖杯戦争に参加することになるなんて、きっと覚えていないけれど前世の私は考えてなかったでしょうねと、そう考えると少し気がまぎれる。

 

「降り立つ風には壁を、四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

 

 詠唱を続けると魔法陣が強く輝き始める。

 まるで今の今まで呼ばれるのを待っていたかのように強く、眩しく光を放つ。

 

閉じよ(みたせ)。 閉じよ(みたせ)。 閉じよ(みたせ)。 閉じよ(みたせ)。 閉じよ(みたせ)。 

 繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」

 

 風が吹く。私の詠唱が進むにつれて風が強くなる。

 これが英霊を召喚するといことなのだろうか、未知の出来事に少しだけ不安になる、

 

「告げる」

 

 一度目を閉じ、そして息を深く吸い込み、目を開いて言葉を紡ぐ。

 先ほどの弱気を吹き飛ばすかのように、強く、はっきりと告げる。

 

「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。」

 

「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。」

 

 まあ、私に勧善懲悪なんて似合わないけどね、と心の中で舌を出す。

 

「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

 

 詠唱が終わると、今までよりも強い光がこの辺り一帯を包む。

 眩しすぎて私も目を閉じてしまったが、ゆっくりと目を開ける。

 

「え?」

 

 そして、一瞬頭の中が真っ白になった。

 

 そこにいたのはかわいらしい子供でも、ましてや桜の形をした英霊でもない。

 

 綺麗な金色の髪をもち、ドレスのような独特な赤い服を身に纏い、綺麗な緑色の瞳はこちらを見つめている。

 

「問おう、そなたが余の奏者(マスター)か?」

 

「は、はい、私があなたを召喚しました」

 

 混乱する頭で必死に答える。

 どこでミスをしたのか、なぜこの人が出てきたのか。

 

「ふむ……、何の因果か魔術師の英霊として呼ばれたが、そんなことはさしたる問題ではない、余は万能の天才だからな、これくらいたやすいことよ」

 

 私は彼を、いや彼女を知っている。

 彼女がセイバーならまだしも、キャスターとして召喚されるなんて想定外すぎる。

 

「我が剣は原初の情熱(ほのお)にして、剣戟の音は(ソラ)巡る星の如く。

 聞き惚れよ。しかして称え、更に喜べ。余は至高にして至上の名器」

 

 そのサーヴァントは高らかに謳いあげる。その声からは小さな子供のように思えるが、違う。

 

 

 

      「ローマ帝国第五代皇帝、ネロ・クラウディウスである!」

 

 

 

 彼女は手に持った赤い剣を天高く掲げ、そう告げた。

 

 なお、彼女の登場によって今まで考えていた計画をダストシュートに投げ捨てたことは言うまでもないと思う。

 

 




プロットを大幅に変えちゃったのでちょっと遅くなりました
英霊選びはかなり悩みましたが、これで行きます。
赤様が召喚されたのでもうBBは悪いことはできませんし、それどころじゃありません
召喚された理由はありますし、彼女のキャスターとしてのデータは用意していますが、公開はまた別の機会ということで
……さて、問題はあのローマを再現できて尚且つちゃんと動かせるかなあ(遠い目



【没ネタ】

バサクレスを召喚
圧倒できるもののどうしても目立つ上に金ぴか相手だと相性負けする

モードレッドをバーサーカーで召喚
アポクリファを読んでないで性格がわからない、どうしてもコハエースよりになってしまう

カルナさんをバーサーカーで召喚
……狂化できる気がしないのと、あの皮肉を再現できるか不安

メディア・リリィを召喚
グランドオーダーやってないからいまいち性格がつかみづらい
宝具が無機物にも効くなら召喚してたかもしれない、アンリとか聖杯とか汚染とか
まあ、効いたら効いたで結局普通に聖杯戦争するだけなのでリリィでは不利になりますが
早く携帯買い替えてグランドオーダーやりたい

ナーサリーライムを召喚
桜の趣味、絵本、スキルや使い魔の設定を考えるとほぼオリジナルになる。
確かマスターによって性能やらいろいろ変わったはずなので。
グランドオーダーのほうは知らないです。

メディアorランスロットを召喚
こいつらのどちらかが召喚されたらそれは外道版で


オリキャラを召喚
BBちゃん(仮)だけで十分です……


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