光り輝くその瀬戸際に   作:いろすけ

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入学編
頭真っ白スクールライフ


 

 少年は触れた、目の前の鎧に。たったそれだけ。とめどない情報の奔流、高まる高揚感。この鎧は何のために存在しているのか、己は何をすべきなのか。直観的に理解できた。

 鎧を纏って見る世界はきっと――

 

 

 

 

 

 

「…あぁ、帰りたい」

 

 僕こと〝瀬戸光輝〟は気だるげに呟いた。絶賛悩み中である。今日の晩飯は何にするか、なんて平和な悩みじゃない。事態はもっと深刻だ。

 今の状況を簡単に説明すると、左手に顔面蒼白の親友〝織斑一夏〟通称、色男(ヒーロー)

 そして―

 

「お、織斑君、織斑一夏君」

「は、はいっ!?」

「あ、あの、大声出しちゃってごめんなさい。自己紹介してくれるかな?だ、ダメかな?」

「いや、あの、自己紹介しますから。先生落ち着いてください」

「本当ですか?絶対ですよ?」

 

 一夏と話しをしている人は〝山田真耶〟。こう見えても我がクラスの副担任だそうだ。話を戻すと我がクラス、いや、我が高校には男は二人しかいない。別に人数が少ないわけじゃないぞ。ちゃんと一クラス四十人、三学年までちゃんとある。なんでこんなに男が少ないかって?それはここがIS学園だからさ。IS学園とは―

 

「きゃああああああああああああっ!千冬様ー!!」

「ずっとファンでした!」

「私、お姉様のためなら死ねます」

 

 うわぁ、さすがは世界最強(ブリュンヒルデ)。凄まじい人気だな。それと最後の子、命は大切に…。

 

「で、挨拶も満足にできんのか、お前は」

「いや、千冬姉、俺は――」

「織斑先生と呼べ」

 

 今しがた、一夏の頭部に鉄拳をお見舞いした女性こそが〝織斑千冬〟。一夏の実の姉だ。何を隠そう、この人は第一回IS世界大会モンド・グロッソ優勝者だ。美人なのに浮ついた話がないのは暴力的な他にも、そういった面があるからかもしれない。いや、ほぼ原因は前者だと思う。かなりの高確率で。もったいないねー。

 

「瀬戸、貴様今、失礼なことを考えていただろ」

「め、滅相もございません」

「次はないぞ」

 

 入学初日に次はない宣言いただきました。…というか、何故心が読める。エスパーか?

人間辞めてんじゃ―。おっと、危ない、危ない。考えるな、感じろ。

 

「瀬戸」

「な、何でしょうか?」

「まぁ、いいだろう」

 

 セーフ。死ぬかと思った、わりとマジで。

 

「え…?織斑君って千冬様の弟…?」

「じゃあ、ISが使えるのも、それが関係して」

「もう一人の人はどうなるのよ」

 

 僕と一夏は世界で二人しかいないIS操縦者としてIS学園にいる。

 そもそもISとは、正式名称インフィニット・ストラトス。宇宙空間での活動を想定して作られたマルチフォーム・スーツ。しかし宇宙進出は進まず、兵器として利用され、今ではスポーツとして落ち着いている。所謂、飛行パワードスーツ。

 こんなロマンに溢れたものを兵器利用するって、もったいないよね。まあ、本来なら関係ない話なんだけど…。だって男には反応しない。いや、しなかったと言うべきかな?

 詰まるところ、僕たちがISを動かしちゃったから、IS操縦者育成の総本山であるIS学園に強制入学させられた、ってわけ。

 

「さあ、SHRは終わりだ。諸君らにはこれからISの基礎知識を学んでもらう。その後実習だが、基本動作は半月で染み込ませろ。いいか、いいなら返事をしろ。よくなくても返事をしろ。」

 

 安定の鬼だな。理不尽極まりない。

 左に目をやると一夏と目があった。

 あいつも同じ事考えてるね、きっと。そのあと仲良く叩かれましたとさ。

 

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