考えてることがこうも違うと面白いですね。
なお完全な初挑戦ですのでお手柔らかにお願いします。
SIDE ~光輝~
「あつぅ~」
時刻は一〇分ほど遡る。閑散とした食堂の中、僕は完全に干からびていた。
「暇だぁ~」
みんな帰省しているせいで誰もいないんだよなー。セシリアは家の仕事だし、ラウラも軍に顔を出すらしいし、箒は実家。ん?そう言えば鈴は帰国しないのかな?おばさん、寂しがってるぞ、きっと。
「光輝、大丈夫?」
「ああ、シャル」
シャルはマカロニサラダとトーストを持って僕の正面に座る。ちなみに僕は冷やし茶漬け。マイナーなものが揃っているのはIS学園スゲーってことで…。
「え?どうしたの?」
そうだ!シャルならきっと暇な――。
「失礼なこと考えてたでしょ?」
うっ、そんなことは…。
「ホントかなぁー?」
シャルは訝しげな眼をしつつも、マカロニをフォークに通している。
あ、なんとなくやっちゃうよねー。でも、意外と難しいんだよ。シャルも悪戦苦闘してるし。猫みたいで面白いね、これ。
「……?」
「いや、ごめん。マカロニに苦戦してるシャルが可愛くてさ」
笑いながら指摘するとシャルは真っ赤になって俯いてしまった。
「そうだ。どっか遊びに行かない?」
「え!?今日!?」
「うん!というか今から」
シャルは一瞬嬉しそうな顔をしたと思ったら、難しそうな顔でモジモジしている。
「あー、予定あった?」
「…うん。織斑先生に呼ばれてるんだ。せっかく誘ってくれたのに…その、ごめん」
「いいよ、いいよ。それに織斑先生じゃ、仕方ないよ」
なおも、申し訳なさそうな顔をするシャルに苦笑いしてしまう。
「それより早く行かなくていいの?鬼は時間に厳しいよ?」
そう言って壁に掛かっている時計を指さす。
「え、あ、うん、そうだね。じゃあ、行くね。ごめん」
「いってらっしゃーい」
慌てるシャルを見送っていると、突然携帯が鳴り響いた。
「はい、もしもし」
『あ、光輝か?』
その声は一夏だね。
『今、弾たちと一緒にいるんだけど、来られるか?』
「おお!行けるよ、どこへでも!」
救いの神が現れた!やっぱり持つべきものは親友だね。
『どこへでも、って…テンション高いな』
少し前までは干からびていたけどね。
『五反田食堂だぞ。迷うなよ』
「了解!」
五反田食堂かぁー。懐かしいな。中学時代は鈴の実家の鈴音同様、かなりお世話になったからね。今更、迷うようなところでもないよ。
『鈴もいるからなー』
え?鈴もいるの!?じゃあ、最初から誘ってよぉ。
『それじゃあ、早く来いよー』
「オッケー。急ぐよ、光の如く」
食器を片付け、移動を開始する。
『ああ。お前が言うと冗談に聞こえないからやめてくれ』
「あはは、それもそうだね」
荷物は特にないから部屋に寄る必要はないね。
『切るぞー』
「はいよ」
正門まで差し掛かったところで電話が切れた。
「さーて、早いとこ行きますか。ん?あれ?セシリア?」
「こ、光輝さん!?」
真っ白のワンピースと帽子に身を包んだ姿はいつも以上に大人っぽく、一瞬誰か分からなかった程、可憐だった。
「なんか久しぶりだね」
「一週間ぶりでしょうか?…ごきげんよう」
相変わらずポーズが様になるよね。モデルってすごいなぁー。
「お出かけですか?」
「うん。中学校の友達とね」
ん?セシリアの隣の人は誰だろ?すごい美人だけど…。
「こちらの人は?」
「お初にお目にかかります。セシリア様にお仕えするメイドで、チェルシー・ブランケットと申します。以後、お見知りおきを」
「こちらこそ。えーっと、瀬戸光輝です。セシリアからチェルシーさんのことは聞いていますよ」
やっぱり年上の人から敬語は違和感が。楯無さんくらいフレンドリーな…それはそれで違和感が。
「瀬戸様。ときに、ご無礼を承知の上でお尋ねしますが、私のことをお嬢様はなんと?」
「とても気が利く方で、優しくて、優秀。それに美人だって言っていました」
「まあ」
セシリアが嬉しそうに話していたからね。きっと大切な人なんだろう。それこそ家族と同じくらいに。
「私も瀬戸様のことはお嬢様から耳にしております」
え?何それ?…気になる。
「へえ、ちなみになんて言ってました?」
僕は恐る恐る聞いてみた。…だって、もしも愚痴だったらショックで立ち直れませんよ?
「女同士の秘密です」
最後に微笑むチェルシーさんから小悪魔のような、悪戯っぽさを感じた。