ロリコンが銀髪褐色少女にTSするのは間違っているだろうか 作:へたペン
一人で戦っていた時と違い、例え不意打ちを受けたとしてももう一人がカバーしてくれるペアでの探索は気が楽だ。
ダンジョンが危険なところだというのは変わりないが、ゴブリンやコボルトは『恩恵』を持った者を即死させる手段を持たない。
痛みにのたうち回っている間になぶり殺しに遭ったりはするが、コボルトの爪や牙だって冒険者にとっては成人男性の引っ掻きや噛みつき程度の脅威であって、プロの格闘家を相手にした時のような絶望的身体能力の差はない。むしろ防御力は一般成人男性程度だがこちらの攻撃力がプロの格闘家で相手が一般人。しっかりとしたフォームで殴ったり蹴ったりすればゴブリンやコボルトは無手で殺せるのだ。俺の認識での冒険者とゴブリンの戦力差はそんなもんである。
じゃあ何で武器防具を使うのかというと、一般人の全力攻撃だって当たれば痛いからだ。
痛いのが嫌だから防具を使うし、リーチの長い武器だって使う。何よりも武器を使えば格闘技術がなくても
そしてベルはヒットアンドウェイ戦法とはいえ単独で二階層を探索できる冒険者だ。二階層までは
だから今日はちょっと強気に戦っている。『ハリケーンミキサー』と叫びながら盾で突進をしてゴブリンの体を打ち上げたり、『ゲキガンフレアー』と叫びながら盾で突進して二匹のゴブリンを一片に吹き飛ばしたり、『
ベルは俺が技名を叫ぶ度に目を輝かせているが、俺が使うとどれも同じただの突進である。
きっとベルはこれらにどんな効果がついているのか真剣に脳内で想像してくれてるのだろう。
本当に可愛い奴め。
こうしてなんだかんだと二人で探索することで魔石の回収から討伐時間の短縮出来、不意打ちを過剰に恐れないで済むから強気で進撃することが出来る為スムーズに探索は進んでいる。
しかし、二人な分報酬は山分けだ。
冒険の準備費生活費を考えると一人頭最低2000ヴァリスは稼ぎたいので、4000ヴァリス分……80匹もの
二人なら連続して出てきてくれれば楽なのだが、二階層もあまり
「ベル。『私にいい考えがある』。三階層へ行こう」
だからお金を稼ぐには多少痛い目に遭うことになっても、もう少し
「確か三階層って、出てくるのは二階層と変わらないけど数が多いんだよね。大丈夫かな?」
「二階層だと正直二人で狩るには
「そうだね。二人だと安心して戦えるけど、なんだかんだで二匹までなら僕もナズナもさばけるし……。あ、でも剥ぎ取り時間も討伐時間も二人だと早いから大丈夫じゃないかな?」
「既に14匹倒して700ヴァリス。ドロップ合わせれば1000ヴァリスといったところかな。まだ一時間も経っていないから十分と言えば十分だけど、楽して倒しても【
私の最高【基本アビリティ】は器用『12』。それに対して、何が得意か知る為に最高熟練度だけを聞いたところによるとベルの敏捷は『H』らしい。既にワンランク上がっている。一週間で100到達出来ているのだ。
まさに『うわっ……俺の上昇値低すぎ』である。
「俺は幼女少女のことを第一に考えている。家で待つ幼女少女達の為にも今の稼ぎだとダメだ。稼ぎが悪くて貯蓄の方が先に尽きる。だけど俺は自分のことも大切だ。無駄に危険になる行為なんてしたくないし、せっかくだから可愛い洋服を着て鏡の前で一人ニヤニヤしたい。肌に傷を残すなんてもってのほかだ。だからこそ【基本アビリティ】を上げつつ稼ぎをほんの少し上げたい。数が増えるだけなら俺とベルなら大丈夫だと確信している。俺達はもう一人ではないんだ」
これからのことを考えると【ファミリア】の貯蓄が尽きる前に俺は【基本アビリティ】を上げて、六階層より下の稼ぎのいいエリアへ行けるように整えなければならない。
俺とゴブリンやコボルトとの能力差がどの程度のものか把握できた今、
俺は『もう何も怖くない』。
「それにさ、俺がピンチになってもベルなら助けてくれるって信じてるから」
だって敏捷熟練度Hいってるし。余裕余裕超余裕。
一見頼りなさそうな小食系子兎君のベルだが例えコボルトが8匹襲い掛かって来ても鼻をほじりながら切り抜けてしまうだろう。
ベルは笑顔で「助けてくれるって信じてるから」と言う至高のロ☆リ☆ボ☆デ☆ィーに頭から湯気を出しているが、戦闘になれば頭を切り替えてくれるはずだ。
「な、なっ、ナズナは、ぼ、僕が守るかるぁ安心してっ!」
ベルは少し裏返った声で頼りになるのかならないのか判断しにくい元気な返事を返してくれた。
少し小食系子兎君にはロリっ子のお☆願☆い☆ス☆マ☆イ☆ルは強すぎたようだ。
だけど、恥ずかしくてもしっかり「守る」宣言が出来るベルは偉い。
また一歩ベルは真のロリコンに近づけたとことを実感出来て師匠として実に鼻が高い。
―――――そんなこんなで足を踏み入れた三階層―――――
ゴブリンやコボルトの混成部隊に遭遇したり、二階層にもいたダンジョンリザードが上から落ちてきたりしてくる。予想通りというかなんというか、
かといって魔石の剥ぎ取り最中に襲撃されることはあまりない。一応あるにはあるのだが、そこは二人の利点。片方がやってきた
エイナさんに読まされた本によると一階層から四階層までの攻略基準【基本アビリティ】はIからHなのでこんなものだろう。今も『ハーケンディストール』と叫びながら飛びかかって来たダンジョンリザードを槍によるジャンプ攻撃で叩き落としている。
当然ながら真空波は出ないが必殺技名にベルの士気は鰻登りだ。
「ナズナはいっぱい必殺技を持ってるんだね。誰かに習ったの?」
「習ったというか、ただの見様見真似だな。本物はこんなもんじゃないさ。いつか再現しきりたいものだ」
ああ、今はもう見れない漫画小説アニメ達。せめて記憶がおぼろげになる前に『ヒテンミツルギスタイル』くらいは再現したいものだ。
そんな懐かしき二次元の思い出に浸っているとベルがなんだか少し気まずそうな顔をしている。いきなりどうしたのだろうか。
「何、もう見ることは出来ないけど良い思い出だった。何を思ったのかは知らないけどさ、俺のことで気負うな。もう『答えは得た。大丈夫だよベル。オレも、これから頑張っていくから』」
理由がわからないからとりあえず名言で茶を濁しておく。するとあまりの名言に内容を知らなくても感動したのかベルの顔から曇りが消えた。
どんよりとしながら戦われたらこっちも気がめいるし、なによりもベルに怪我されたくないのでよくわからないがよかったよかった。
このやり取りをきっかけにベルからロリを守ろうとする明確な意思が感じるようになったので結果よければ全てよしだ。
ベルは真のロリコンへの階段を着々と上がってくれていることに俺は喜びを感じるのだった。
―――この時、俺が遠い目をしていたのは【ファミリア】で亡くなった先輩に想いを馳せていた。
そうベルが勘違いしてしまっていたことを俺が知るのはずいぶん先のことである―――
マミらず何事もなく(?)今回は探索終了。
純粋無垢な子兎ちゃんをあんまりからかったらダメだぞ☆
その内他視点からのなずなも出てくるかもしれません。
【ネタだらけの用語解説】
『ハリケーンミキサー』:1000万パワーから繰り出されるバッファローマンの突進攻撃。
パワーも角も無いなずなが使ってもただの突進である。
『ゲキガンフレアー』:ディストンションフィールドを身にまとい突撃する攻撃方法。
あるいはゲキガンガー3の必殺技。
なずなはバリアも張れないしスーパーロボットでないので
ただの突進である。
『
北斗の拳にてウイグルが使用し、ケンシロウにダメージを与えた。
元々ただの突進である。
『私にいい考えがある』:言う人によって意味合いが全く異なる台詞。
ある人が言えば絶対成功するし
コンボイ司令官が言えば絶対失敗する。
『ハーケンディストール』:ダイの大冒険に登場するラーハルトの必殺技
アニメ版では登場しなかったのに加え
撃った回数も少ないのでラーハルトはわかっても
ハーケンディストールの名前まで覚えている人は
ラーハルト好きかダイの大冒険好きである。
『ヒテンミツルギスタイル』:飛天御剣流のこと。
やれそうな気がした子供も多いが
九頭龍閃あたりで挫折した子供も多い。
天翔龍閃の左足を一歩前に踏み込むのも
言葉で言うのは簡単だけど
中々タイミングが合わなかったりする。
『答えは得た。大丈夫だよ』:アーチャールートではなく凛ルートと言ってあげよう。