ロリコンが銀髪褐色少女にTSするのは間違っているだろうか 作:へたペン
※デモンベインとの関連性はありません。
今回はご要望があった外から見たニャル様の評価にほんの少しだけ触れます。
化学ではなく魔石を動力として文明を築いているこの世界において、ダンジョンから魔石を持って帰って来てくれる冒険者は必要不可欠な存在だ。
なので新規登録した冒険者にギルドはとても親切である。効率よく魔石を持ち帰ってくれるよう無償でアドバイザーをつけられるし、最低限の装備を利子なしで支給してくれるのだ。
この世界の常識そのものがわからず、
どうやったら戦闘経験0な俺がダンジョンで食べていけるかを真剣に考えてくれているのはとてもありがたかった。これでロリなら完璧なのに何故エルフは少女から成長してしまうのだろうか。
「武器はショートソードあるからさ、支給品の防具水増し出来ない? チキンな俺は『ハベルシリーズ』で『ガン盾』しないと不安なんだけどさ。あ、大盾は『アプデ』前でお願いします」
「えっと、ナズナちゃんの本題は武器を支給品から外す代わりに、質のいい大盾や鎧を用意出来ないかってことで合ってるのよね?」
「そうそう。6000ヴァリスのタワーシールドは確定として……。げ、チェインメイルでも7600ヴァリスぅ。エイナ先生お~た~か~い。本当は『ガン盾』しながら槍でプスプスしたいのに出来ないじゃないですか、やーだー」
初期スタートらしく『旅人の服』と『銅の剣』辺りで我慢しろということなのだろうか。
俺が支給品カタログを眺めながら唸っているとエイナさんが「ちょっと貸してみて」とカタログを手に取りパラパラとページをめくっていく。
「これなんてどうかな? 金属ではなく木と皮で出来てるけど、4階層までの
ショートスピアが1100ヴァリス。
ウッドシールドが1000ヴァリス。
レザーアーマーが3400ヴァリス。
これなら
エイナさん『マジ有能』。
「どうしよう、エイナさんとなら結婚してもいいかもしれないと思ってきた。俺悪い病気に掛かったのかも」
「はいはい、しっかり良い旦那さん見つけようね」
少しだけ本気だったのに軽く流されてしまった。そう言えば俺は今ロリコンであると同時にロリっ子であったことを思い出す。至高のロ☆リ☆ボ☆デ☆ィーを手に入れる前だったら危なかったかもしれない。ロリコンセンサーに引っ掛からないのに俺をときめかせようとするだなんてエルフの美少女度は本当に恐ろしい。なぜエイナさんはロリではないのだろうか。
「あ、そういえばエイナさん。パーティー募集もギルドに申し込めばいいの? 普通は【ファミリア】間でパーティー組むとは思うんだけどさ、馴染めなかったり【ファミリア】の規模が少なかったりする人だっているじゃない? そういう人をパーティーに誘う方法ないかな。出来れば10歳から15歳までの女の子がいいな☆」
「ギルドに申し込めば
「あー、やっぱり危険なダンジョンで女の子募集は難しいかぁ」
「それもあるんだけど……」
エイナさんが言おうか言うまいか迷ったのか少しの間だけ目を伏せる。それで何となく俺は察した。きっとニャル様のことだろう。
「ごめん、これからナズナちゃんの気を悪くさせるようなこと言っちゃうね。多分だけど、良い噂のない【ニャルラトホテプ・ファミリア】の募集は誰も受けたがらないと思うの。孤児を拾ってはダンジョンに送って、『愛している眷族の死』を何よりも喜ぶ神ニャルラトホテプは得体のしれない趣味神として
ニャルラトホテプの
そのことでギルドの指示で多くの【ファミリア】が調査に乗り出したが結局は原因不明。証拠は全く出てこない。神の力を使っているのではないかと疑ったこともあるが、地上に降りた神が一定以上の力を発揮すると天界に強制送還されてしまう。それを逃れる『裏技』があったとしても神の力を使った痕跡は目立つのだ。使ったら神の誰かが気づくらしい。
なによりも問題になったのは、
いつの間にか居て、いつの間にか【ファミリア】登録を正式に済まし、いつの間にか『ダイダロス通り』に住んでいた。
この得体のしれない神を邪神として討伐するかどうかは今も審議中だが、手を出さなければ自分の眷族を弄ぶだけで満足する趣味神に関わらない方がいいという意見が圧倒的に多い。
誰だって自分の子供は大切だから『自分に害がない限り関わりたくない』と大半の【ファミリア】が思っていることをエイナさんは教えてくれた。
「神ニャルラトホテプのことを今だに狙う冒険者や神も少なからずいるわ。偶然【ファミリア】が壊滅したなんて話は最初の一度しか聞かないから、事件ではなく本当にただの偶然だったのかもしれないけど……。『不幸』を【ニャルラトホテプ・ファミリア】のせいにして目の敵にする冒険者だっているの。そういった冒険者の襲撃すらも神ニャルラトホテプにとっては娯楽の一つなのよ」
家が『墓場』扱いされているのは、他の人達にとっては俺達がニャル様の生贄として確定しているからだ。そして一歩でも『墓場』に足を踏み入れよおうものなら、自分達もその墓穴に引きずり込まれると思われているのだろう。
「関われば『不幸』になるだなんて誰かが私達を怖がらせるだけの噓かもしれない。でも多くの【ニャルラトホテプ・ファミリア】団員達がダンジョンで命を落とし、冒険者の襲撃で命を落としているのは事実なの」
「それだと大っぴらにパーティー募集なんてしたら、変なのに狙われるかもしれない……か。でもソロでダンジョンは正直辛いよなぁ。『あのね』ったり『マミる』のは勘弁なんですけど」
ニャル様は一体昔はどんなやんちゃをしでかしてくれたのだろうか。本人に聞くのが一番速そうだけど、聞いたら聞いたで俺の『SAN値』がゴリゴリ削れそうだから聞きたくない。
とりあえずこれでエイナさんが俺のことをものすごく心配してくれた理由がわかった。
今のところ俺が知る範囲内で幼女少女少年達はニャル様から虐待を受けていない。ニャル様の言動はちょっとアレだが、幼女少女少年達はニャル様のことを母親だと慕っている。危険なダンジョンに行くのも多くの孤児を抱えながら生活する為に仕方のないことだ。そこだけ見ると【ニャルラトホテプ・ファミリア】内は普通の孤児院でしかないが、ニャル様の得体のしれなさとブラックユーモア。そして眷族の死体すらも愛し観賞用に加工しようとした歪んだ愛情は外から見たらそれはもう不気味なことだろう。
――――――――関わりたくないと思うのも当然のことだ。
得体のしれない邪神に愛され弄ばれる可哀そうな子供だと思われることは仕方ないことだ。
そんなニャル様を慕う姿は邪神の手先と見られるのも仕方のないことだ―――――――
そういった環境から【ニャルラトホテプ・ファミリア】は完全に孤立してしまっており、実際問題戦力不足でダンジョン探索での死亡率は高い。
ニャル様の為、妹や弟の為、健気に頑張ろうとダンジョンに挑んでは子供が死んでいく。
そんな地獄のような悪循環が永遠と続いているのが【ニャルラトホテプ・ファミリア】の実態なのかもしれない。
わかっていても俺にとってあそこは楽園であることに変わりない。笑顔の幼女少女達と一緒に居られるのならそこが例え地獄だろうとかまわない。
それが真のロリコンというものなのだ。自分のロ☆リ☆ボ☆デ☆ィーを毎日堪能しているがそれだけじゃ『満足できないぜ』。
「【ファミリア】を偽って非公式にパーティー募集をすると後で【ファミリア】間の問題にまで発展してしまうかもしれないから、【ファミリア】を聞いても気にしない仲間が見つかるといいんだけど……。ちょっと私の方で【ニャルラトホテプ・ファミリア】の人とパーティーを組んでくれる信頼出来そうな人を探してみるね。私はナズナちゃんの味方だから安心して」
「それだけでものすごく安心した。とりあえず安全第一にしばらく頑張ってみるから、仲間になってくれそうな人探しはエイナさんに任せるわ。俺が下手に声掛けまくると逆に危なそうだし」
ニャル様を敵視している【ファミリア】でなくても、変態に声を掛けたら『ハイエース』されてしまうかもしれない。こういう繊細な問題は適任者に任せるのが一番である。
「うん、任せて。ナズナちゃんのこと絶対に死なせたりなんかさせないから」
エイナさんは実に頼もしいお姉さんである。ロリっ子でないことを残念がってしまったが、出会ったばかりの俺のことをしっかり考えてくれているいいアドバイザーである。ナイスロリコン魂である。エイナさんとは良い酒が飲めそうだが、今のロ☆リ☆ボ☆デ☆ィーで酒を飲んでいいものだろうか。そもそもエイナさんって今何才だろう。エルフだし150歳くらい?
「それじゃあ、さっそくだけど今日はこれを覚えようか。大丈夫、夕方くらいには終わると思うから」
失礼なことを考えたから天罰が下ったのだろう。エイナさんはにこやかな笑顔で辞書のように分厚い本を4冊も俺の目の前に置いてくれた。
後で他の職員から聞いた話だが、エイナさんは冒険者のことをとても思ってくれる心優しい19歳のハーフエルフで、冒険者を生き残らせる為に超スパルタ講義をすることで有名らしい。
『チュートリアル』で『攻略本』なエイナさんは伊達ではなかったようだ。
色々尽くしてくれるエイナさんでいいと思うんだ、ベル君。
という訳で、支給品の話とニャル様のところは弱小【ファミリア】よりもパーティーを組みにくいよ、というお話でした。
【ネタまみれの用語解説】
『ハベルシリーズ』:『ダークソウル』『ダークソウル2』に登場する鎧セット。
最高の防御力と怯みにくくなる強靭ステータスが高いことから
多くのホストは『ハベルシリーズ』を着込んだ
『侵入者(敵対乱入プレイヤー)』に怯えることとなった。
『ダークソウル2』にて『ハベルの大盾』はあまりに強すぎた為
アップデートにより弱体化し、もっと軽い大盾と同じ受け値となる。
『あのね』:一部で有名な薄い本。ふぅ
触手さんが頑張る話が多いが、そうでないちゅっちゅするのもある。
『マミる』:魔法少女の名を借りた第三話の悲劇。
これでいて『虚淵』の兄貴の名前を伏せて公開する予定だったのだから
恐ろしいところ。
『満足できないぜ』:ハーモニカでセルフBGMを吹きながら登場すれば
妥協した満足ができます。