暗殺する教室で生きていく   作:SiriusSTAR

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修学旅行の時間 1時間目~8話~

初めて駅と電車というものを使う……。初めて使う交通手段に、不安を感じ早い時間から出発したが集合場所には問題なく予定より早い時間に到着してしまった。集合場所の目印となっているホームから出た駅の室内にある噴水時計の傍。たくさんいる人の通りの邪魔にならない場所に荷物を置いてその場で待つ事にした。

 

荷物はボストンバッグ、という手に持つ鞄を使った。中に入ってあるのは下着と服の予備、生活用品くらい。手持ちに持つ鞄はいつもの学生鞄らしい。本当はもしもの時に妖刀(ようとう)を持って行きたかったが流石にやめてくれ、と烏丸先生に言われた。

私が使っている部屋の鍵を持っているのは私と烏丸先生だけなので問題ないと言われたのでそのまま置いてきている。一泊2日の旅だ。妖力(ようりょく)の発散はしなくても多分大丈夫だろう……。

 

妖力(ようりょく)の扱いは正直に言うと面倒なのだ。魔力と違って自然から妖力(ようりょく)を得る事はできない。体内で力の管理をする。全て感覚的なものだけれど。そしてもう一つの難点が体内の妖力(ようりょく)を空っぽにしてもいけないし、自分の許容できる妖力(ようりょく)以上の力を持つ事はできない。

その妖力(ようりょく)の発散の仕方、それは妖刀(ようとう)を使う事だ。妖刀(ようとう)を使った攻撃、それは所持者の妖力(ようりょく)を衝撃という力に変換して攻撃の威力を出す。普通の斬撃攻撃でも妖力(ようりょく)は使うし、以前先生の暗殺時に使った衝撃波を出す特殊な技にも多くの妖力(ようりょく)を使う。一応ただ妖力(ようりょく)を消費するだけなら物体に妖力(ようりょく)を流し込めば消費される。ただ破壊の可能性があるので普段は妖刀(ようとう)に流し込んでいる。

 

「あれ早いな如月」

「よっ!」

 

いつもより大きな鞄を持ち、いつもの制服を着たE組の男子生徒二人。1人はクラス委員の磯貝くんと、磯貝くんと仲のいい前原くん。駆け寄ってきた2人に無言で会釈をする。

 

「まだ先生たち来てないのか」

「見た限りは見当たらない」

 

磯貝くんは手首にしている時計を見る。噴水の天辺についている時計を見ると待ち合わせ時間の30分前くらいだろうか。こんな早くに来るつもりもなかったのだけれど。

 

「如月って学校来る時も早いよな。今日は特別早いけど」

「電車を初めて使うから……迷う可能性も見越して早めに家を出たんだけどそんな心配いらなかったと思った」

「?誰かと一緒に行けばよかったんじゃないか?」

「……そっかその方法があった」

 

苦笑いを浮かべる2人。誰かに案内してもらう、という考えはちっともなかった。けれど私自身誰かといるよりは1人でいることが好きだから考えがあってもやらなかったんだろうなと考え直す。

 

「如月は迷い易いのか?」

「うーん……前の世界では目的もなく街が近くにあればそこに行くっていう感じだったし」

「旅してたのか!?」

 

時々前原くんはどこか私のいた世界に夢見がちな気もする。暗殺者が同じ場所にいたら狙われるよ、とだけ言ってみるとどこか納得したような素振り。そういえば……向こうでは私の存在ってどうなっているのだろうか?向こうの世界で生活をしてた時は特に時間を気にしないで生きてきたけれどこっちに来てからどれくらい時間が経っているのだろう。

まぁ向こうじゃ私を気にする人もいないか。考える必要もないと、そう思った。

 

 

 

会話の受け答えを3人でしていると来たのは烏丸先生。そこから続々とE組生徒が集まってきた。どうやら他の組は違うところで待機してるらしく、生徒が全員揃ったところでホームに移動。長距離専用の電車が来て、それに乗って目的地の京都に向かうらしい。

 

「如月さん、京都楽しみ?」

「うーん……基本こっちの世界と向こうの世界じゃ全然建物が違うから、どうだろう?」

 

穏やかに話しかけてきたのは神崎さん。同じ班だった、はず。彼女は大人しい性格で、その性格と容姿に男子がちやほやするよう。

 

「暗殺、成功するといいですね……!」

「殺せたらいいね」

 

奥田さんと茅野さんも会話に入って来る。そうか、向こうに行っても暗殺するんだったっけ。どうやらプロの狙撃暗殺者を呼んでるらしく、班によって一定時間先生と観光し、先生に油断をさせてそこで狙撃者が暗殺する。そういう旅行になると聞いた。私たちの班が決行する時間は4つある班の一番最後。事前にどのコースを行くか、どこで決行するかを余裕持って決められる時間帯だ。

 

「うわ!ビッチ先生また凄い格好……」

 

格好に決まりがあるのか、私には分からないが明らかにイリーナ先生の格好は目立つ。他のクラスも特別車両に乗り込んでいくのだが、イリーナ先生の派手で煌びやかな格好に思わず足を止める人が多い。

あ、烏丸先生怒ってる……烏丸先生の覇気に圧されるイリーナ先生の様子にE組の生徒は呆れていた。

 

 

 

「如月ちゃん、初めての新幹線なんだよね?」

「うん……向こうに魔法で動く列車はあったけど……凄い」

 

前の席から私のいる後ろの席を覗き込んで喋る茅野さん。私は窓を覗き込んで新幹線の早さと快適さを堪能していた。列車は一度だけ乗った事あったけど遅いし揺れるしうるさいし暑いしで、もう二度と乗るかとその時思ったのだ。

駅に行くまでにも電車に乗ったけど人は多くて立つしかないし、けど空調機が効いてたし。それと同じくらいかと思えば新幹線は全然違った。全く揺れないし、殆ど音もしない。

 

「先生のマッハよりいいね……」

「待って下さい!?先生の方が新幹線よりも遥かに速いんですよ!?」

 

私の言葉にすぐさま反応してきた先生。でも先生のマッハこんな風に役に立っているのかな、とも思えた。

 

「如月もババ抜きしようぜ」

 

杉田くんのお誘い。6人の席でカードゲームをしてるようで、けれど私の班は7人。6人席の後ろに1人で座っている自分へのお誘いだった。ばばぬき、というカードゲームはよく分からなくて私邪魔なんじゃないのかとも思ったがみんなが急かすようにおいで、と言ってるので一戦だけと決めてルールを聞いた。

 

 

 

「揃ったからはい、最後の1枚どうぞ」

「如月さん速い……」

 

通路に立って、ババ抜きというゲームをやってみた。同じ数字のカードを揃えれば手持ちが減って行く。自分の手持ちカードを0にすれば勝ちというゲームで、ジョーカーというカードだけは揃わないので最後にそれが残った人がおしまい。左隣にいる杉野くんに最後の1枚のジョーカーを渡して一番最初に終えた。

つまりこのゲームは誰がどのカードを持っているか、どのカードが回るかを見極めるゲームで、あっという間に攻略法を見つけて終わってしまった。一戦だけ、と決めていたのでおやすみなさいと伝えて元の席に戻る。

 

今日は早くに出発したのでいつもより早めに起きた。そのせいで新幹線で時間を費やしているうちにどんどん眠たくなっていったのだ。窓に頭を預けてそのままぼーっとする。……この快適さならすぐに眠れそうだ。

 

「隣失礼するねー」

 

そんな言葉とは裏腹に当たり前のように隣の席に座って来るカルマくん。一体なんなんだと思わず思ってしまう。

 

「……ゲームしてたんじゃないの?」

「俺も終わったしー?」

 

そう言いながら彼はブレザーを脱ぎ、それを私のところに置く。……なんで空いてる席に置かないのか。それを言うのも面倒に思ってしまう。別に彼のブレザーに何か小細工を仕掛けてあるということではなさそうで、まぁいつものちょっかいよりはマシかなと思ってそのまま放置する。

カルマくんも寝に来たようで、脱いだ後はすぐに寝る体制になっていて大人しければ問題もない。そう思ってせめてブレザーがくしゃくしゃに跡がつかないように綺麗にしてから眠りについた。




更新若干遅れて申し訳ないです。一応一日一回の更新でやっておりますが時々休んだりすることもあります。
更新については活動報告に書く事が多いので遅いな、更新まだかななどと思うようであれば覗いてみたりしてください。
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