落第騎士の英雄譚–力の求道者–   作:黒乃 柳

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今回は二本立てです、前回はかなり端折った面があるので此のルートでは春姫ちゃんの比較的新しい記憶を一輝君が垣間見るというものです。
尚、此のルートでは絢瀬ちゃんは出てきません、彼方には出てきます。

原作に於ける異物混入、ヒトに対する恨み節、暴力行為が苦手な方はご注意下さいm(_ _)m


誓いと追憶–怒りの理由と彼女への想い–

 

一輝の計らいで他生徒達を引き連れプールに訪れた春姫はつまらなさそうに水面に映る自分を見詰めている

 

 

 

「…全く、お兄様ったら…」

 

 

絵留と名乗る兄の心を奪った女、エーデルワイスとステラを見る目と自分を見る目が違った兄に不満を漏らす

 

 

(…確かに、私は貴方を裏切りました…でも、其れは子供達の……いえ、言い訳はしません…其れでも…)

 

 

何時迄も、喩え転生した器に共生しているだけだとしても自分だけを見て欲しい、そう願うのはダメなのだろうか。

…子孫である悠騎だけならまだしも嘗て夫婦だったクロノスすら自分の存在に勘付いている上で沈黙を決め込んでいる。

 

 

此の事実にレアとしても僅かばかりショックを受け思考を巡らす。

 

 

 

一度傷付けたものは最早元には戻らないのだろうか?

 

一度裏切ったらもう…(クロノス)を愛する事すら出来ないのだろうか?

 

其れとも…もう自分の事なんて覚えてすらいないのか、と。

 

 

——そんな事を考えていた矢先、背後に気配を感じる

 

 

「…あら、珍しい組み合わせですね〜…一輝君に…絵留さん、ですか?お兄様が何時もお世話になっています〜♪」

 

 

にこにこと微笑む表情(かお)の裏にあるのは"深い嫉妬"…悠騎と彼の内側に在るクロノスの心を奪った者達に対する嫉妬である

 

 

 

尤も、エーデとしても彼女には言いたい事はあるのだからお互い様だが。

 

 

「——こんにちは、春姫…単刀直入に聞きますが"貴女は何者ですか?"」

 

 

ざわっ…春姫の内側から殺気にも似た覇気が発せられ直接向けられてはいない筈の一輝が怯む

 

 

「…此の気配…貴女も(クロノス)と同じ様ですね、《時空神》に《医療神》…貴女は…《地母神》でしょうか、彼方の地母神で彼と縁の深い方は二柱しか「——ヒトの子…私がレアと知って訪れたのでしょう…?何か用があって来たのですか?」

 

——改めて、初めまして…気配だけで気圧されるなんて久し振りです、流石は女神(レア)ですね、ヒト如きが張り合う等烏滸がましいものではありますが…少なくとも心の在り様では負ける気はしません。」

 

 

「ふふ…何が言いたいのです?仮にも"ヒトのカテゴリーの中での剣士"では世界最強なのでしょう?貴女は。」

 

 

お互いにくすりと笑い合いながら牽制し合う、その様子に不穏なものを感じた一輝だが

 

 

 

——既に遅かった、《比翼》は《地母神》の虎の尾を踏んでいた後だ。

 

 

「…未練がましいですね、彼等はもう私達の所有物(モノ)です。子供(ゼウス)達が大事で大事で堪らない過去の方は一昨日来てください。」

 

 

「——言いたい事(遺言)は其れだけですか?失った信頼はまた育てれば良い…さようなら、貴女の骸は獅子の餌にでもするとしましょう…ッ!!」

 

 

「ッ!レアさんダメだッ!」

 

 

ゴウッッッ!!!

 

霊装(デバイス)を纏っていない唯の右上段突き、然し格闘家ではない悠騎でさえ小指でほんの少し小突いただけで伐刀者(ブレイザー)の頭部を電子レンジで温めた生卵の様に爆ぜさせる事が出来る

 

そして、《時空の翁》である宗我に鍛えられた彼女はこと格闘戦に於いては兄すら上回る怪物…此れが如何いう意味を指すかは《一刀修羅》を発動させた一輝が証明する事となる

 

 

「ッ!?一輝っ…?!」

 

 

「ぐッッ!?」

 

 

幻想形態で展開したとはいえ完全に防御に回した筈の《隠鉄》は無残に砕け散る、防ぎ切れないと判断した一輝は気を失う前にインパクトの瞬間飛び退き、そしてレア自身も咄嗟に寸止めしたにも拘らず一輝の身体には強い衝撃波が走り昏倒してしまう。

 

 

(っ……これ、は…?)

 

 

——然し、何の偶然か全身を突き抜ける衝撃が見せる"春姫の記憶"が一輝の脳裏に過る

 

 

 

此れより語られるは春姫…基、レアが地脈に流れる『波動存在』より得た記憶を一輝が垣間見る現実にあった(記憶)の話

 

 

 

彼女の闇の一端である。

 

 

—————

———

 

 

黒之春姫(くろのはるき)が1年4組に編入された日の朝

 

 

「まさか春姫が編入してくるなんて驚きました…えっと、小さい頃に遊んだ珠雫です、覚えていますか?」

 

 

朝のホームルームが終わり時季外れの編入生が珍しいクラスメイトを掻き分け春姫へと話し掛ける珠雫

何故かは知らないが朝起きたら幼少期の記憶が蘇り哀しい記憶と微笑ましい想いが入り混じったそれを懐かしんでいた処噂の編入生と対面し驚愕したのである

 

 

「勿論ですよ〜?というかショッピングモールの時も一緒にお買い物したですよ?」

 

 

にへりと笑う春姫、流石の彼女も兄が女装するど変態だとは思われたくないのだろう

尤も、珠雫は既に…というか事件が起きた夜にアリスから事の真相を聞かされていた上で騙されたフリをしている。

 

 

「ふふ…確かにそうでしたね、でも…また逢えて嬉しいです、春姫…。」

 

 

だが、そんな事は如何でも良い…数少ない友人に生きてまた逢えた、其の事実で嘘など水に流せる

 

 

「—…春姫もです、大好きなお友達に逢えて幸せですよ〜♪」

 

 

そして、嘘だと気付いている上で自分を受け入れてくれる大切な友人に満面の笑みを浮かべる春姫もまた…

否、レアも珠雫を愛している、人見知りで内気な彼女を大切に想い幼い頃に友人として接していた春姫(レア)の本質は何処まで行っても『母』なのだろう。

 

 

 

二人の遣り取りに聞き耳を立てていたアリスが自然体を装い混ざる

 

 

「あら?久しぶりね、元気にしていたかしら?」

 

 

微笑みながら春姫に警戒するアリス、悠騎の言う通りなら彼女は10年も前に亡くなっている…謂わば死人が目の前に立っているのだ、此れ程警戒する事象は無い。

 

——そんなアリスを見抜いてか否か…春姫は微笑み返す

 

 

「はい、私は何時も元気ですよ〜?

 

——でも、凪は身体が強張ってる気がしますねェ…お疲れです?」

 

 

にっこりと微笑みながら"愛称は知っていたとしても名は知らない筈"の春姫はアリスの身を案じる素振りを見せる

 

まるで

 

『そんなに怯えなくても構わないですよ?』と、言わんばかりに。

 

 

(…流石は、悠騎お兄さんの双子の妹ね…私の事をお兄さんから聞いたのか如何かは分からないけど……こっち()側なんてレベルじゃないわ、此の娘)

 

 

軽く身震いしながらも底知れない何かを感じ取りつつ「そう、良かった…ゲームのやり過ぎかしらね?」と返すのが精一杯だ。

 

 

水面下で繰り広げられる遣り取りをその鋭敏な感覚で捉える珠雫、二人を見詰めころころと笑いながら春姫は言葉を続ける

 

 

 

 

「うふふ…あ、そう言えば珠雫?私は昨日から一輝君とルームメイトになったんですよ?大切なお友達だから珠雫にだけは言っておきます♪」

 

 

 

あまりに急な話にアリスと珠雫は何秒か固まるが漸く言われた内容を呑み込み首を傾げる

 

 

「……え?」

 

 

「……」

 

 

「だから、一輝君はステラさんには盗られない…って事ですよう、びっくりしました?驚愕しました?」

 

 

くすくすと笑う春姫、無論珠雫としては恋敵が減って喜ばしい事ではあるが…同時に…

 

 

 

(お兄様…傷付くでしょうね、いえ…ステラさんと悠騎さんの昨日の遣り取り…まさか…!)

 

 

(…そう、貴方は…そういう道を選んだのね…)

 

 

 

互いに思い付く可能性、其れは悠騎とステラの交際

尤も昨日の遣り取りから薄々勘付いてはいたが其れでも冗談か何かかと期待している面もあった

 

——そして、間の悪い…否、此のタイミングで事実を明かすだろうと見越した上で春姫は先回りしたのだから必然的に悠騎が二人を訪ねに現れる

 

 

 

「白銀の武神だ…!」

 

「わわ…!遠くで見るより近くで見る方が格好良い…っ」

 

 

 

「すまない、通してくれ……珠雫、アリス…少し時間をくれないか?」

 

 

「…私は構わないわ、寧ろ聞きたい事があるもの…珠雫は?」

 

 

「………はい、私もお話しをしたいと思っていました、ですが…かなりお時間が掛るでしょうし放課後私達のお部屋で如何ですか?」

 

 

解った、と答えその場を後にする悠騎…此の時に珠雫は気付いた

 

 

(…私は…勝負すらさせて貰えないんですか?悠騎お兄ちゃん…ッ…)

 

 

何故、彼に頭を撫でられると落ち着くのか…人嫌いである彼女が兄以外に落ち着ける異性…

 

——その最たる理由を、…封じられていても心が覚えていた切なる想いを。

 

 

(…珠雫…貴女……。)

 

 

何より、付き合いも其れなりに長くなり始めたアリスがソレに気付かない筈は無い。

 

 

(…楔は打ちました…想厳、貴方が邪魔をするなら私は何度でも……楔を打ちましょう。

—本当に大切な…私の友人ですから。)

 

 

過去に救われたある一言、けれど…今でも胸に残り唯一の"他者に対する憎しみを緩和させる歯止め"である信頼と友愛の情を抱ける出来る存在に"今世"は兄を譲ろうと画策する春姫。

 

様々な想いを渦巻かせながらも放課後へと刻は進む。

 

 

—————

———

 

 

「…すまない、遅れてしまった…アリスは…まだか?」

 

 

放課後、貴徳原の仕事の手伝いをほんの少しだけ手伝っていた為遅れてしまった詫びを入れながら珠雫に促され椅子に腰掛ける

 

 

「いえ、構いません…何だか急用が出来たとかで本当に申し訳ありませんが私だけです」

 

 

深々と頭を下げる珠雫…昨日の一件を鑑みるに彼女も記憶を取り戻した一人になるのだろうか…其れとなく発破を掛けようとした矢先

 

 

 

「……悠騎お兄ちゃん…」

 

 

ぽつりと呟かれる名前と懐かしい呼び方、そして…

 

 

「——…服を脱ぐなら席を外すよ、今日は其れなりに暑かったからね…珠雫ちゃん?」

 

 

「——矢っ張り…憶えていて下さったんですね、あの日は寒かったですが…悠騎お兄ちゃん?」

 

 

くすりと笑い合う、「流石に一度犯したミスはしないよ?」と返す悠騎を珠雫は上目遣いで見詰める

 

 

「…お兄ちゃん、質問です…あの日、ステラさんと私…何方に見惚れちゃってたんですか?」

 

 

少しだけ恥ずかしそうに、其れでいてはにかむ様に笑う珠雫は更に言葉を続ける

 

 

「……珠雫は…お兄ちゃんになら…

 

——お兄様に初めて"友達になろう"と言ってくれた貴方になら…いえ、私達を"個人"として見てくれたお兄ちゃんを…私は…!」

 

 

どさ…っ

 

業を煮やしたのか詰め寄り胸板に手を付いて見上げてくる珠雫に怪我をさせまいと抱き留めながら椅子ごと倒れるが気にせず頭を撫でている

 

 

「…危ないよ、珠雫ちゃん…?そうだ、今日は一輝の事でも話そうか、君はお兄さんが好きだから——』

 

 

言いかけて止める、冗談や酔狂じゃないと悟ったのだろう。

 

 

 

「……はぐらかさないで下さい、お兄様の事は自分で聞けば済む話ですが…お兄ちゃんの事はお兄ちゃんとしか話せません、お兄ちゃんは…」

 

 

エーデとステラと交際しているからか彼女の視線が漸く彼女達と同質のものと悟る悠騎、何より『——お兄様とお兄ちゃん、両方を好きな珠雫が嫌いですか?』と紡ぐ言葉にやんわりと首を横に振る

 

 

「…君は聡明な子だ…其の上で一輝が好きなんだろう?

——なら其れは充分な愛だ、尊重すべき想いだよ。

其れに…好意を向けられて嬉しくない訳無いだろう?

 

でも、僕には…」

 

 

エーデが合宿の時に使っていた偽名、絵留とステラの名を口に出す

…今日、彼は此の事を伝える為に来たのだから。

 

 

「………二股…ですか?その事をお兄様は知っていらっしゃるのですか?」

 

 

一瞬、周囲の気温が下がるの、物理的にも…心情的にも、無理も無い…幾ら幼少期、そして現在も懐いてくれていたとはいえ一輝の気持ちが解らない程彼女は子供じゃない

 

 

「…お互いに同意の上で半ば共生、みたいなものかな…一輝は知ってるよ。

 

ステラを悲しませたら赦さないと言われた、だから…僕は…彼女達を生まれ変わっても愛し続ける、何方が上とか下とかは無い…此の生命(いのち)を掛けて大事にするって誓ったから。」

 

 

有りの侭を話す悠騎、彼女には嘘ばかり吐いてきたが今回ばかりは真面目に…真摯に答えなければならないという構え方がありありと感じ取れる姿勢で瞳を見詰め気持ちを告げる

 

何秒、否何分そうしただろうか…珠雫は悲しげに微笑みながら更に体重を掛けてくる

 

 

「——私は…珠雫は勝負すらさせて貰えないんですか?

珠雫はお兄様も…お兄ちゃんも好きです、何でステラさんなんですか?…狡いです…あの人ばかり…ッ!」

 

 

感情的に想いをぶつける珠雫、きっと…エーデと知り合う前の悠騎なら流されてしまうだけ流され彼女と付き合う未来もあっただろう。

 

——だが、珠雫をも傷付ける訳にはいかないとばかりに悠騎は微笑む

 

 

「…珠雫、好きになってくれて有難う、僕も…君が好きだよ。

——でも、男が誓いを立てたものをころころと変える様じゃ何時の日か彼女達にも…何より君にすら嫌われてしまう。

だから…今迄通り、兄妹みたいな関係が良いな?好きにも色々な形状(カタチ)がある筈だし、ね?」

 

 

頭を優しく撫でる、慈しみを…せめてもの愛情を込める様に

 

精一杯の『大好き』を伝える様に。

 

 

 

「お兄ちゃ…っ…ッ…」

 

 

「…大好きだよ…珠雫ちゃん…」

 

 

抱き寄せて頭を撫で続ける…悠騎はエーデ達を愛すると強く決めた、ならば彼女とは…否、他の誰とも恋人にはなれない。

 

 

此れ以上の裏切りはしたくないから…だが、兄妹や友人、家族の様に愛する事は出来る。

 

 

そんな想いを込めて…今はただ撫で続けている

 

 

—————

———

 

 

暫くして悠騎は寮から少し離れた噴水広場で水の流れを眼で観るのではなく肌で感じながら珠雫の事を考えていた

 

 

『…私、諦めませんから、お兄ちゃんは不誠実だと思っているみたいですが…本当に愛してくれるならお兄ちゃんが言った様に色々な愛の形がある筈です。

 

——だから、ステラさん達がお兄ちゃんを悲しませる様な事をしたら、遠慮無く略奪しますからね?』

 

 

(…違うよ珠雫…俺が…二人を悲しませている…)

 

 

不誠実なのは俺の方だ…結局自分の都合の良い方へと逃げているだけなのだから、と自己嫌悪に陥っている悠騎だが気配を消し潜んでいる"彼女"へと声を掛ける

 

 

「…何時迄隠れている?…御前には俺を殴る権利はあるだろう…アリス?」

 

 

夕陽が作りし影から現れるのは彼と同じく珠雫の姉貴分と言っても良いアリスだ、悠騎は何処か悲しげに見詰める眼から逃げたい気持ちは有るだろう。

 

だが、其れにすら逃げたら彼は自分自身を赦せなくなる。

だから逃げずに向き直る、アリスへと。

 

 

「…馬鹿ね、逃げずに向き合った不器用な(ひと)を此れ以上責められないわよ…少しだけ、遅かったけど…。」

 

 

人差し指を口許に運び悪戯っぽく微笑むアリス、その言葉に苦笑しながら返す悠騎

 

 

「…まぁ、な…本当は御前達が集まってたあの時に言うべきだったんだ。

 

でも、先ずは報告すべき奴に…と思ってたらタイミングを逃してた、——違うな…ビビってただけなのかもしれん…無意識に。」

 

 

何時の間にか…可笑しな話だが《悪魔》と恐れられた彼はエーデを含むあの5人との2ヶ月間は掛け替えのない居場所になっていた。

 

たった2ヶ月間だ、其れなのに…アリスを含むあの5人が愛おしく思える

 

 

——だからこそ、失いたくない居場所であり…絶対に護りたい存在でもあると自覚している悠騎は儚げな笑みを浮かべる

 

 

 

——譬え…裏切り者の烙印を押され様と

 

——譬え…血も涙も無い悪魔と謗られ様とも

 

 

 

——己の騎士道に掛けて…護り抜く、と。

 

 

 

 

 

「お兄さん…変わったわね、いえ…寧ろ内側に秘めていたものを漸く吐き出し始めた、って処かしら。

 

——良いじゃない、変わっても…というか永遠に変わらないものなんて無いわよ?

 

珠雫は其れを良しとした。

 

一輝お兄さんも、ステラちゃんも…なら、お兄さんが今の気持ちを…私達を大切に想ってくれている限り私達は、少なくとも私はお兄さんの味方よ。

お兄さん、口下手だから周りは理解出来ないかもしれないけど、ね?」

 

 

アリスは全てを理解した上で、悠騎の言葉から彼の心情を読み取り、其れでも尚味方であると微笑む

 

 

「……全く、読心術では勝てる気がしないな…御前には。…(ありがとう…アリス)

 

 

「ふふ、そうでも無いわよ?

——ま、もう少し頼りにして欲しいのが本音ね…じゃあね、お兄さん、そろそろ帰らないと珠雫が寂しがるから…お兄さんも早く帰らないとこわぁい奥さんとお姫様が待ってるわよ?」

 

手をひらひらと振り踵を返すアリスにあァ、一応…ステラとも報告に行くから其れとなく対応してくれる様に頼んでおいてくれと頼む悠騎に手の動きだけで了承の意を示すアリス。

 

 

——変わり始めた日常

——護るべき者達

 

 

 

 

——其れ等を奪いかねない恐ろしい…絶望に満ちた未来。

 

其れを変える為に出来る事は…何でもしよう。

 

だが…彼等の元を離れるか如何かは…今の悠騎には決められない…簡単に決めて良いものではない、から。

 

 

—————

———

 

 

「……お兄様…。」

 

 

彼女が窓から思い悩む兄の姿を見詰めている様子を一輝は黙って見守る…同情ではなく親友の身を案じての行為だ

 

 

「…レアさん、いや…春姫…ご飯作ったよ?」

 

 

「…有難うございます、一輝君…今お手伝いしますね?」

 

 

昼間に見せていた天真爛漫な笑顔ではないが彼女本来の穏やかな笑みに一輝はくす…と口許を緩め笑う、そんな彼に春姫は首を傾げるがその仕草すら一輝にとっては微笑ましいと思わせるのだ。

 

 

「えっと…如何かしました?」

 

テーブルの上をクロスで拭き其の豊満な乳房を衣類越しから揺らす春姫。

 

 

(!?み、見るな見るな…っ)

 

「い、いや…何でもないよ…?」

 

 

見てはいけない…相手は自分の親友の妹だ、と思いながらも一輝の視線は無意識に彼女の谷間に向かう。

 

ステラと同じかそれ以上の胸、細く長い指…何処か幻想的なダークピンクの髪と緋色の瞳…クォーター(4分の1)以下とはいえヴァーミリオン皇国の…然も途中で枝分れした挙句没落した貴族の血とはいえ彼女は遺伝子的にステラと似通ったものがあるのだろう。

 

…正直な話、一輝は彼女に異性を感じているようだ。

 

 

「そうですか?…何だか顔が紅いみたいですよ〜?」

 

 

「っ…は、春姫さん?」

 

 

互いの吐息が解る位顔を近付けられたと思えばこつんと額を重ねられる

 

 

「…良かった、熱は無いみたいですね〜…♪」

 

 

嬉しそうに笑う春姫…10年以上前と何ら変わらぬ笑顔に不覚にも一輝の鼓動は早鐘を鳴らす

 

 

「だ、大丈夫だよ?…昔も、こんな事があったよね…」

 

 

 

誤魔化す様に笑う一輝。

 

エレベーター式と聞くと一般的に小学生から高校、或いは大学迄のイメージを持たれているかもしれないが中には幼稚園から小、中、高と進む場所もある

 

悠騎と春姫は(まさ)にそれだった、其れ故に悠騎の能力の件は瞬く間に広まったのだが腐っても御嬢様やお坊ちゃんが通う学校、教師達も表向きは悠騎達を擁護しながらも彼等が何時祖父に言い付けるかと内心びくついていた

 

——其れを兄から知らされていたからこそ、一輝は春姫や悠騎の優しさに憧れていた…自分達が傷付いてでも両親や祖父に心配させまいとしていた優しさに

 

何より、そんな環境に在って尚自分や珠雫、ステラを案じる事が出来る正しい心に強く惹かれている

 

 

「…そうですねぇ、懐かしい…一輝君は今も昔も変わらないと思ってましたけど、強くなりました…♪」

 

 

くすくすと笑う春姫、彼女は珠雫に輪を掛けて人間嫌いだ…間延びするような口調も無意識のうちに他者を傷付けず、また自分や兄に興味を持たせまいとする彼女なりの処世術から来るものだが本来の彼女は何方かといえば珠雫に似ている。

 

そんな…見た目も内面も大人びている彼女の指先が首筋に這うのを感じ一輝は身体をびくつかせる

 

 

「…私、あの時に身体を張って護ろうとしてくれた一輝君の事…結構好きになっちゃったんですよ?勿論一番はお兄様ですけどね〜♪」

 

 

「な、…っ!?」

 

 

身を離し舌先を出し微笑む小悪魔な一面を垣間見せる春姫に一輝は赤面、次いで後退り作ったばかりの炒飯と玉子スープをひっくり返し頭から被るという不運に見舞われる

 

 

あまりにも不憫だと思われるが…現代に蘇った女神は此れを見過ごさない

 

 

 

—————

———

 

 

『——全く…ドジですね、お風呂に入って来なさい、タオルと着替えは私が出しておきますから』

 

 

「…所謂二重人格って処なのかな…流石は所帯持だね…テキパキしてて」

 

 

浴槽に湯を張り雑巾で床を拭く辺り神話の時代でも似た様な事はあったのだろう、あまりの手際の良さにある意味見惚れた一輝は服を脱ぎ頭を洗っている

 

 

(…それにしても…好き、なんて…誰にでも言うのかな…?)

 

 

春姫の言葉を反芻し思わず身体が熱くなるのを自覚する

自分はステラが好きだった筈、なのに…

 

 

(現金なものだと自覚はあるけど…でも、確かに此の記憶と感情は…)

 

 

偽りは無い、と呟く…浴室に響く声は何処か虚しいものがある

 

 

が、直ぐにそんな虚しさは掻き消される事になる

 

 

「入りますよぉ〜…?」

 

 

 

「はーい…——って!ダメダメッ!入っちゃダメだって!?」

 

 

白を基調としたタンクトップとビキニが合わさった様な水着…所謂タンキニを着た春姫が入ってきたのに気付き追い返そうとするが

 

 

「聞き分けの無い一輝君ですねぇ…拘束(しばり)ますよ?」

 

 

無数の蔦を伸ばし微笑む姿は拒んだら何をするか解らない危なさを如実に物語っていた、入学式の夜のステラと被るが彼方は物理的な恐怖に対し此方は得体の知れなさもあり精神的にくるものがある

 

 

「は、はぃ…(なんか…デジャブを感じるよ…)

 

 

—————

———

 

 

「ん、しょ…よいしょ…っ」

 

 

背中を洗われながら一輝は思う

 

 

(ステラみたいに大胆な水着じゃないけど…胸が…っ…!)

 

 

当たる、時に上下に…時に左右に…!

 

 

(そ、そういえば春姫さんの御祖母(おばあ)さんってヴァーミリオン皇国の出だって話だけど…そう考えると…)

 

 

『私にも原因がありますからお背中流します〜』

 

 

発想が似る、というのも頷ける…一歳年上の魅力に理性は崩れそうになるが何とか耐えている辺り一輝の貞操観念は良い意味でしっかりしている

 

 

「はーい、背中は終わりました〜♪」

 

 

きゃっきゃと無邪気に笑う春姫の口調もあり毒気が抜けている分マシなのだろう、今度は腕とばかりに前に回り込み腕を洗う度に揺れる乳房は中々に厭らしい

 

 

そんな空気を変えようと一輝から会話を振る

 

 

——此れが地雷とも知らずに。

 

 

 

「そ、そういえば春姫さんはさ…今迄何処に居たの?」

 

 

「何処、ですか〜…おじい様に10年分の学習や武術の修行を受ける迄はずっと"お家"に居ましたねぇ…。」

 

 

くすくす…可笑しそうに、そして何処か

 

 

 

(っ…一瞬…悪寒を感じた…!)

 

 

 

——隠し切れない狂気(怒り)に満ちた笑みを浮かべ。

 

 

 

「ねェ、一輝君?ヒトって他人の不幸や脚を引っ張るのが好きなんですよ?

——私は死んじゃってからずーーーッと、お兄様とお父様とお母様と暮らしたあの場所に留まってました、最初は…誰も居なくて…寂しかったけど一年か二年か経ってからかな?クラスの子達がやってきたんです、その子達…何をしたと思います?」

 

 

満面の笑みの筈なのに…その顔は怒り狂っている様な…泣いている様な、儚い表情(かお)

 

 

 

 

「……御墓参り…とかではないよね、春姫さんの今の口振りからして…」

 

 

にっこりと微笑む顔に恐怖と悲しみ…そして、切なさを覚える

自分も生家では"存在しない者"として扱われた。

 

だが、彼女は謂わば霊体の儘死んだ場所に留まり続けた…其れが何れ程の苦痛を伴うものかは彼だけが…存在しない者として扱われていた者のみが想像出来る

 

 

——尤も、その想像すら軽く超えるのだが。

 

 

 

「惜しいですねェ、正解は…

 

 

 

 

 

——態々肝試ししに来たりこっくりさんの真似事、ですよ?」

 

 

「…!」

 

 

不幸な事件や事故現場では良くある話、だが…その当事者から紡がれる言葉はあまりに生々しく

 

——そして、人間の"悪性"を赤裸々に突き付ける。

 

 

「——皆が言うには『此の家は悪魔に憑かれた子供が居たから火事にあった』…だから…此れ程うってつけの場所はない、らしいです。

 

うふふ…巫山戯(ふざけ)てますよねェ…態々私達のお家を土足で踏み荒らして、お父様が大事にしていた絵画も…お母様に貰った大事なスタンドも…お兄様が下手なりに書いてくれた私の似顔絵もぜーんぶ!

"悪霊たいさーん"とか言って…せせら嗤って…!

 

——勝手に滅茶苦茶にしていって……私達家族の想い出を踏み躙って…ッ!!」

 

 

「ッ…」

 

 

子供は無邪気だ…だが、無邪気だからといって全てが赦されて良い理由にはならない。

 

誰かの大事なものを踏み躙って悦に浸る、人間の悪性を突き付けられた一輝はあまりの悲惨さに口を噤む

 

 

 

 

「私は考えました…幸い考える時間は沢山ありましたから。

 

そして…大地を通して見てきたものと私達の境遇を重ね併せた結果気付きました。

 

 

(わたくし)は大地を穢すヒトという種が嫌いです、いえ…お兄様同様に何の力も無い癖に粋がる貴方達ヒトが気に食わない…と言えば良いですか?」

 

 

「……それは…」

 

 

思い上がりだ、そう言いたいが言えない…

 

——何故なら彼程痛みを識る人間は居ないから。

 

人間は言葉が話せないからといって他の動植物…否、空も…海も…大地すら穢してきた、其れは人類全てが反省すべき点であり悠騎が護りたい未来を担う子供達にも学ばせる事だ。

 

 

大地の女神の魂をその身に宿す少女は言葉を続ける、微笑みの中に己を救ってくれた一輝や珠雫を除く人類に怒りをぶつける様に。

 

 

「でも、其れは有る意味当然ですよねェ?

人類(ヒト)がしてきた事はただの弱い者虐め…なら、それ以上の力を持つ者が現れた場合…やられる覚悟も有るのでしょう?

 

 

 

 

——更に言うなら…報復を受ける覚悟も。」

 

 

でなければ説明が付かない、と微笑む。

 

 

 

星や自然という観念から見ても環境破壊を取り上げるなら人類の他にも植物等もしてきた事、弱き者が強者に淘汰されるのはある意味当たり前である。

 

——ならば、ヒト以上に優秀な存在が現れた場合…淘汰されても仕方が無いだろう?

 

と、口では言わないが微笑みで言い表しヒトという種が如何に傲慢であるかを知らしめる、まるで己が言葉…己が表情の全てで人間という内面を映し出す鏡を演じる様に。

 

 

 

だが、一輝は首を振る

 

 

「…誰も、自分が傲慢だなんて思ってないよ。

何故なら其れが当たり前で過ごしてきてしまった、"痛み"を知らないで、多くは考える事もなく生きてきたんだ…春姫さんが、レアさんがそういう人達を憎むのは解るよ、でも悠騎はそんな人達も救おうと敢えて汚名を「——お兄様が悪魔ならお兄様を悪魔にしたヒトという生き物は何なのでしょうね?」…ッ…」

 

 

 

 

妹の為に…誰かの為にと強く在ろうとした兄の為に力を切に求めた結果、己が(レア)(春姫)が絡み合い悠騎(クロノス)達と似た様な共生状態で存在している少女"達"はぽつりと呟く

 

 

(…蔑称を自ら名乗る理由なんて…ひとつしかないよ…)

 

 

 

直視する事を放棄したくなる様な事実を知り一輝の心は怒りと悲しみ…絶望といった様々な感情が渦巻いているが其れ等を目の前の存在に口にする事すら憚れ押し黙ってしまう

 

 

「…終わりました、流石に男性の象徴は御自分で磨いて下さい…では…私は調理をし直しますから」

 

 

「あ、ありがとう…ございま…ッ!」

 

 

 

腕と脚を洗い終え後は自分で洗えとお湯を自らの身体に掛けた後前に立ち上がろうと前屈みになる春姫(レア)に礼を述べようとしたが彼女の今の姿に赤面する

 

 

「…?何か…?」

 

 

「い、いや…凄く…(エロ過ぎます…)

 

 

今の今迄羞恥心やあまりにも重い話題に気付かなかったが身体のラインに水着が吸い付き、剰え谷間には流し切れなかった泡が卑猥な"ナニカ"を連想させるという凄まじい破壊力を秘めた"ソレ"に思春期である一輝は一発KO寸前だ

 

そして、女神(レア)としての彼女は兎も角春姫としての彼女はその視線に気付き先程迄の重苦しい雰囲気をぶち壊す悲鳴をあげ赤面する

 

 

「ッ…えっちっ!!」

 

 

すぱァァンッッ!!

 

 

「ぶっ!?」

 

 

頬に平手打ちを食らわせる、合宿前の一輝なら此の一撃でダウンしたのだろうがなまじ鍛えられた分直ぐに気絶出来ないのがあまりに不憫だ

 

 

(さ、最近の女の子って…)

 

 

理解出来ない…。

 

かくん、と音速を超えた一撃を受け尚気絶出来なかった男が墜ちた瞬間、身体を揺さぶられ『ちょ…一輝君ッ!?うそ…どうしよう?!』と何やら生暖かいものを胸板に感じながらゆっくりと気絶していった

 

そして、此れが目覚めの兆しにもなる

 

—————

———

 

……き…ん…!

 

(…だれ…?)

 

 

いっ…く……!

 

 

(…はる…き…?)

 

 

「一輝君ッ!」

 

 

「ッ…!?」

 

 

押し当てられる胸に目を白黒させる一輝、気付けばエーデと春姫に介抱されていたらしく濡れタオルが額に乗せられていた

 

 

「良かった…っ…ごめんなさい…私…っ…!」

 

 

強制的に顔を谷間に埋められ、然も力一杯抱き締められ今度は死出への旅路を行かんとする一輝、其れを見かねてエーデは咳払いをする

 

 

「…春姫、死んでしまいます…もう少し優しくしてあげて下さい」

 

 

 

「はっ…ご、ごめんなさいです…大丈夫ですか一輝君?」

 

 

ぶくぶくと泡を吹く一輝を離す春姫、何処か幸せそうではあるが災難といえば災難だ

 

 

「だ、大丈夫だよ…ごめん、まさか春姫さんが此処迄強いとは思わなくて…」

 

幾ら横の力に弱いとはいえ片腕を添え防御に徹した一輝を一発で殴り飛ばす春姫、彼女一人では騒ぎになっただろうがエーデの助けも借り騒ぎ立てる事なく医務室へと運べた

 

其の借りは返すとばかりにエーデに向き直る

 

 

「…その…今日は有難う御座います、でも…私は勿論レアちゃんも貴女やステラちゃんを認めるつもりはありませんから…だから…お兄様の事はまた何れお話しましょう…ね。」

 

 

精一杯の譲歩、何れという事は暫くは二人の行動は黙認するという事、此れはチャンスとばかりにエーデは微笑む

 

 

「ふふ…女神とは太っ腹なのですね、なら御許しも頂きましたし今宵辺り夜這いを掛けるとしましょう。何れ…良い報告が出来る様に、ね?」

 

 

下腹部を撫でるエーデ、今更になって自分の失言に気付いた春姫(レア)は椅子から立ち上がり

 

 

「そ、それと此れとは話が別でっ「いいえ、既に言質は頂いたので…では、私は失礼します」ッ!待ちなさいっ女郎ッ!!」

 

 

姦しく医務室から出て行く二人に一輝は苦笑する、だが…直ぐに春姫が戻ってくる

 

 

「…逃げられました、…暫くは安静にして下さい…仮にも世界最強と名乗る者を仕留めるべく顎を狙いましたから」

 

 

「はは…最初から急所狙いですか……あの、春姫さんに代わって貰えますか…?大事な話があるので…」

 

 

「…構いませんが…?」

 

 

音すら発する事無く命を刈り取ろうとした処に割って入った一輝の身を案じる様に見詰めていたレアだが宿主に変わって欲しいと頼まれ身体の主導権を渡す、すると

 

 

「…ふぇ?何ですか?」

 

 

 

「…春姫さんの拳から深い哀しみと怒りを感じた、けど…珠雫を愛してくれている事は理解出来たから…有難う、其れから…御免、今迄忘れていて…。」

 

 

小首を傾げる春姫に一輝は頭を下げる、何もしてやれなかった処か忘れていた事を

 

ヒトが完全に死ぬ時は誰からも忘れられてしまう時だ、其の点では過去の偉人達は今尚其の思想や志を受け継ぐ者が居る分生き続けていると言えよう

 

 

だが、何も成せずに死んだ者達は悲惨等という言葉では語れない…語ってはいけない。

 

 

其れでも、春姫は微笑む…其の名が指し示す様に春の陽だまりの様な暖かい笑みで

 

——一輝が恋した、昔の侭の笑顔で。

 

 

「…少しだけ寂しかったですけど、今思い出して一緒に居れる…其れだけで私も、多分お兄様も幸せだから。

——其れに、折角生き返ったんですからお兄様を独占する迄は今を楽しむのもありですよ〜?…だから、悲しそうな表情(かお)じゃなくて笑顔で居てください、ね?」

 

 

両頬をむにぃっと引っ張りながら悪戯っぽく笑う姿は一輝の中の罪悪感を吹き飛ばす。

 

春姫もレアも"一輝個人"には贖罪は求めていない…嘗ての弱い自分と兄を悪魔とせせら嗤った者達、そして我が物顔で自然を…『星』を破壊している人間全てに贖罪を求めているのだ。

 

 

其の考えを改めさせる事は容易では無いだろう、何せ神話の時代から"ヒト"という存在を見続けてきた者の怒りと哀しみはヒトが持つ物差しでは到底測る事等出来ないのだから。

 

 

 

 

(…其れでも僕は…春姫さんを…)

 

だが、一輝は何時か彼女の中の哀しみが癒える様に…否、出来る事なら自分が癒したい、と思っている。

 

 

女の子として、意識している…彼が此の日得たものは己の中に芽生えた新たな想いであった。

 

 

 




此方はある意味春姫ルートの様なものなので苦手な方も居るでしょうが作品の全体的な構築を綺麗事だけにはしない為に敢えて貶め回にしてみました、…彼方も彼方で色々と酷いと思いますが(苦笑)
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