本当は言いふらしてはいけないのだが私はマナト達にメリイさんのことを相談した
「私のパーティーとメリイさんの問題なんでマナト達にはあまり関わりがないと言うか・・・どうしようか考えちゃって・・・」
「はぁ~つまんね話だなぁ」
「おい」
ため息を吐くランタにハルヒロが突っ込む
「だってそうだろ。メリイってやつがウジウジして勝手に抜けてるってことだろ?パーティーを仲間扱いしてないってことじゃんか」
「それは・・・」
ランタは率直に思ったことを口にする。でも私はそう思えない
「うぅ・・・」
「シホル?」
ユメがシホルを気にかける。私もそちらを見た
「もし・・・あの時、マナトくんが死んじゃったら・・・私・・・メリイさんみたいになっちゃうかも」
シホルが目に涙をため、声を震わしながら言う。最悪の結果を想像してしまったらしい
「シオリさん、パーティーとメリイさんのことはわかったよ。でもシオリさんはどうしたいんだい?」
マナトが聞く
「メリイさんにはパーティーに・・・」
「そうじゃないよね。シオリさんの本当の気持ちをメリイさんに伝えるんだ」
私の本当の気持ち?
トントン
「メリイさん・・・いますか?」
マナト達と会った翌日、私はメリイさんの借宿の前にいた
扉を何度かノックしたが、返事もなく帰ろうとすると
「シオリ・・・?」
メリイさんが出てきた
「良かった。最近シェリーの酒場で見かけなかったんで心配していたんです」
「・・・うん」
元気がない
「あの・・・もしよかったら気分転換に外歩きませんか?」
私とメリイさんは外を歩く。特に行き場所は決めていない。しばらく歩くと広場に着いた。広場のベンチに座り、お互い何も喋らずにいた。夕方に近づき人がまばらになってきた時メリイさんが小さい声で言った
「ごめんなさい。私・・・パーティーから抜ける・・・」
「え・・・何で・・・?」
「ごめんなさい・・・」
メリイさんは謝るだけで理由を言ってくれなかった。だけど私はメリイさんが過去に捕らわれていることを知っている。仲間になって日も浅いけど私はメリイさんを失いたくない。助けたい。前を向いて欲しい
「あの・・・聞いてください。私、メリイさんの過去を知りました」
「・・・っ!」
メリイさんが悲しい目をして反応する
「ごめんなさい・・・嫌でしたよね。でも聞いて欲しいんです。私は元々義勇兵見習い同士のパーティーを組む予定でした。でも私を含めて7人いて、私が抜けて別の街にあるネクロマンサーギルドに入りました。みんなには相談は全くしていませんが・・・今は合流できました。多分心のどこかで私や誰かを見捨てることを嫌がっていたんだと思います。私はメリイさんのように仲間を3人失ったことはありません。でもあの時の・・・アディさんがオークにやられそうになったとき心が張り裂けそうになりました。1人でこんななのにメリイさんは3倍苦しいと思うと・・・どんな形にしろ私は仲間を失いたくないです。メリイさん、マナト達6人、アディさん・・・私の大切な仲間です・・・仲間なんです。メリイさん・・・私を置いていかないでください」
途中から涙が溢れてきた。メリイさんは何も言わない
時間だけが過ぎていく・・・空が暗くなり夜になってメリイさんは口を開いた
「別に・・・あなたに知られても・・・あまり嫌じゃなかった・・・」
メリイさんは立つ
「あ・・・」
私もつられて立つ
「その・・・まだ・・・待ってて」
メリイさんは歩き出す。私はメリイさんの数歩後ろを歩く。そのままメリイさんの借宿の前まで歩いた
「・・・また」
「うん・・・」
私はメリイさんを待った。途中、遠征の日取りが決まり準備に追われたがシェリーの酒場には必ず顔を出した
トントン
メリイさんを別れて何日目かの夜。私の部屋に誰かが訪ねてきた
「こんな夜どちらですか?」
「・・・私」
メリイさんだ。私は急いで部屋に招き入れ椅子に座ってもらった
「私は・・・仲間を見殺しにした・・・の、そんな神官でも・・・いいの?」
お互い向かい合って座り、長い時間経ってメリイさんが口を開いた
「メリイさんがいいんです。メリイさんじゃなきゃ嫌なんです」
私は答えた。するとメリイさんは泣き出し
「私も・・・あなたがいい・・・」
そう言ってくれた。私はメリイさんの元に行き胸を貸した。メリイさんが寄りかかってくる。私の方が体格的に小さかったので重さに負けて一緒に倒れてしまった。それでもメリイさんは泣き続け、私もつられて泣いてしまった
「ごめんなさい。もう帰るわ」
泣き止み、少し赤くなったメリイさんは帰ろうとする
「あの・・・もう夜も遅いので泊まりませんか?メリイさんが良ければですけど・・・」
「メリイ」
「えっ!?」
「敬語もさん付けもいらない」
「・・・うん。メリイ夜も遅いし泊まらない?」
「・・・うん。泊まる」
私とメリイは一緒のベットで寝た。私が眠っているとメリイが抱きついてきて目が覚めた。抱き返すと私に回した手が一瞬強くなった気がした・・・