「ん・・・」
朝日で目が覚めた。一緒に寝ていたメリイがいない・・・
「起きた?」
メリイがコップを片手に近づいてきた
「白湯を作ろうと思ったんだけど・・・ここって釜戸がないんだね」
コップを受け取り、中身の水を飲んだ。もちろんこの水は昨日の夜に煮沸してある
「炊事場がない代わりに部屋が広いんだ」
「不便じゃない?」
「ここに来てまともに料理したことないから・・・」
「教えてあげようか?」
「できるかな」
頭をかく
「簡単よ」
「うん。じゃあ教えて」
朝食に買い置きしているパンを食べながら
「すごい変わったねメリイ」
「・・・怖かったんだと思う。一緒になっても、あの時のように別れるのが・・・でもこんなにも想ってくれる人がいることが分かったから・・・吹っ切れたかと言われるとまだだと思う。でもシオリがいるから前を向くわ」
前のクールなメリイも良かったけど、今の明るいメリイの方が好き
「毎日冷たいパンじゃいやにならないの?」
「う~ん」
「それに服もネクロマンサー系統の服しかないの?」
「服か~高いからあまり買わないかな?それにネクロマンサーを有名にしたいから他の服は気にしてない」
「も~女の子なんだから気にしなさい」
ちょっと、いや、かなりお節介な人だったんだねメリイ
その後、服を一緒に買いに行ったり色々な物を見て回った。メリイの借宿へ付き添っている時に私は思い出した
「あ、実は今日遠征隊の人たちとシェリーの酒場で打ち合わせるんだけどメリイもどう?」
「うん。出る」
「私じゃ知らないことも多いし。メリイが出てくれてうれしい」
メリイと別れ私は時間まで時間を潰した
ハルヒロside
「うち酒場なんて初めてや」
「すごい賑やか・・・」
ユメとシホルは初めての酒場デビューに戸惑っている。今俺達は義勇兵見習い復帰のお祝いのためシェリーの酒場に来ている
「おいおい、あんまりキョロキョロするなよ。おのぼりじゃあねんだから」
「そんなんゆうても~ランタ達はきたことあるん?」
「俺はある」
「僕はランタくんに連れられて」
「俺も」
「情報収集でたまに」
「ん~うちとシホルだけ仲間外れやん」
ユメがむくれる
「そんなことよりまずは酒だ。そこの巨乳のおねえさ~ん。ビール6つ~」
「あ、うちお酒あれやし他のにする」
「私も」
「んだよ。ノリが悪いなぁ」
飲み物が行き渡った所で
「「「「「「かんぱ~い」」」」」」
「このレモネードむっちゃおいしい」
「うん」
「じゃんじゃん頼もうぜ」
「これ前食べたけどおいしかったよ」
乾杯も終わり、メニューを片手に何を頼もうか悩んでいると
「あ、みんなごめん。ちょっと席外す」
「ん~どうした?」
「うん。療養所にいる時に見舞いにきてくれた人がいたからちょっと挨拶。すぐ戻るから」
そう言うとマナトは席を立ち鎧を着た人の所に行き、二、三話すと2階の方に上がっていった
「おいおい、ちゃんと戻って来るのか~」
ランタはビールを飲みながら呟く
「あ、あれシオリちゃう?シオリ~!」
ユメが手を振る。酒場の入り口に目を向けるとシオリがこっちに手を振っている。すると手で「ごめん」とサインすると別のテーブルに行ってしまった
「あれってシオリのパーティーちゃうん?」
シオリの座ったテーブルには女性3人に男性1人がおり、シオリと話している
5人で座るにしてはテーブルが大きいような?
「後から人が来るのかなぁ」
「なんだあいつハーレムじゃねえか」
ランタはパーティーの男性が気にくわないようだ
「あ、あれレンジくんじゃ」
モグゾーの声で入り口に目線を戻すとレンジとアダチを見つけた
「うはぁ、あいつらド派手だな・・・」
まったくだ。本当にド派手ですごい。銀髪だけでも人目を引くのに、レンジは鎧の上に黒いファー付の陣羽織みたいなものを着ている。背に背負っている剣も高そうだ。アダチも黒い長衣も光沢があり、高そうな杖を持っている
レンジは辺りを見渡すとシオリ達の席に行き、アダチが一声かけるとテーブルに座った
「おいおい、何でレンジ達と一緒に座ってるんだよ」
「シオリさん達も僕らと一緒でお祝いかも・・・」
「んなのあいつが来るわけねーだろ」
「それじゃあ何でよ」
「そりゃああれだ、あれ」
「みんなどうしたの?」
俺達がシオリとレンジについて話しているとマナトが戻ってきた
「シオリのパーティーとレンジ達が一緒のテーブルに座ったから何でだろうって」
「ああ、依頼の打ち合わせだよ」
シオリ達の方を見るとマナトと一緒にいた人が近づき声をかけると一緒に2階に上がって行ってしまった
「依頼?マナト何で知ってるの?」
「うん。その事でみんなに相談があるんだ」
マナトは席に座りビールを一口飲んだ。何だか様になってて格好いい
「さっき俺が挨拶しに行った人・・・オリオンのシノハラさんと言ってこのシェリーの酒場を拠点にしているクランの団長なんだ」
「くらんって?」
「クランっていうのは依頼や共通の目標を掲げているパーティー同士が結成するグループなんだ。俺や神官の使う光の護法〈プロテクション〉っていう強化魔法は6人までしか対象にできない。義勇兵になったら依頼が受けられるようになるんだけど、依頼によっては6人じゃ対処できないことがあるから、結束を図るために作られたんだ」
「あ!シオリが義勇兵になって欲しいってのも」
「うん。俺達とクランを結成するために言っているんだ」
ユメは「へ~」とか「ほ~」と言って感心している。多分だけどシオリは別れた時から知っていたんじゃないかと思う
「話を戻すね。そのオリオンっていうクランの団長のササハラさんから依頼に同行しないかと誘われたんだ」
「えっ?でも俺達見習い・・・」
さっきマナトが言っていたように正式な義勇兵にならないと依頼は受けられないはずだ
「うん。普通だったら俺達義勇兵見習いは依頼を受けることはできないけど今回の依頼はクランに依頼が来ているんだ。だから、一時的にオリオンに所属して同行しないかって」
「依頼ってどんなことするんだよ?」
ランタが依頼について質問する
「依頼はここオルタナ北門から北西にあるサイリン鉱山周辺のコボルトとオークの拠点の攻撃」
「コボルト?オーク?」
俺達はマナトからコボルト、オークについて教えてもらった。正直レッサーコボルトはどうにかなると思うけど普通のやつやオーク、ましてやエルダーコボルトに勝てるとは思えない
「うん。でもシオリさん達が出会ったのはレッサーコボルトとオークと上位オークだからレッサーコボルトならどうにかなると思う。それに今回の同行のメインは勉強なんだ」
「シオリ達が出会ったって?勉強?」
どうやら買い出し前に受けていた依頼はレンジ達とサイリン鉱山の調査でその時にオークや上位オークと戦って勝ったみたいだ
「はっきり言って俺達とシオリさんには大きな差がある。俺はそのせいでみんなに危険な目に会わせてしまった・・・」
「そんな・・・マナトくんは悪くないです」
「・・・うん。僕は戦士なのにみんなを守ることを考えずに逃げちゃったから」
そうだ、マナトが入院している時に俺やランタ、モグゾーは酒場や自分のギルドで情報収集して自分のクラスの役割を再確認したんだ
「だから俺への勉強とみんなのレベルアップにもいいと思って、先輩義勇兵の戦いを見るだけでも価値がある」
マナトがみんなを見渡す
「この依頼には俺達にも報酬が出る。みんなで3ゴールド30シルバーだ」
「「「「「えっ?」」」」」
今マナトは何て言った?3ゴールド?そんな大金もらえるの?
「依頼は1日ではなく最長20日を予定しているからその準備をしないといけない。その費用を前借りするからおそらく報酬は2ゴールド50シルバー位になる」
2ゴールド50シルバー?それでも1人41シルバーもらえるじゃないか団章も買える
「この依頼を受けて成功させれば団章も買えるけど俺にはやりたいことがある・・・」
「やりたいこと?」
「あの時のゴブリン数が多すぎじゃなかったかい?」
マナトは俺達に教えてくれた。あの時のゴブリン達は上位ゴブリンに従っていたと
「・・・挫折させられてそのまま義勇兵になるのも悔しい。だから今回の報酬で装備やスキルを覚えて上位ゴブリンを倒して義勇兵になりたいと俺はそう思う」
マナトはみんなを見渡す
「・・・確かにやられたままなんて俺達らしくもねえ。何なら今からでも構わねえ」
「今からやとやられるやろ」
「うん。悔しい」
「私も嫌」
「マナトやろう」
みんな飲み物を持ち、打ち鳴らす
「「「「「「打倒!上位ゴブリン!」」」」」」
ハルヒロside end