灰と幻想のグリムガル~死霊術師の物語~   作:arc00

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18話

マナトside

 

昨日の拠点への調査で出入り口は3ヶ所で門などの侵入者を拒む設備はなかった。その事により3班に別れ各出入口に同時で攻撃する事になった

 

「それでは各班の組分けを発表する」

 

俺達、シオリさん、レンジの各パーティーは別々の班となった

 

「マナト、大丈夫?」

 

「うん?」

 

ハルヒロが話かけてきた

 

「ハルヒロあまり喋らない方がいい」

 

「いや、すごい緊張してる顔してたし」

 

「そう?」

 

知らない間に緊張していたようだ。仕方がない。だって今俺達は拠点前の茂みに隠れているから。俺は深呼吸をしながらここに来るまでに見たオークを思い出す。シノハラさんに聞いていた通りの見た目だが想像以上に大きかった。あんなのに攻撃されたら死んでしまう

いや、ゴブリンやコボルトに攻撃されても死ぬんだけど・・・

あのオークは睡魔の幻影〈スリーピーシャドー〉で眠らされた後、シオリさんの魔法1発で倒した。その後、魔法を唱えオークに触れると動きだしとても驚いた

 

「狼煙が」

 

空を見ると狼煙が上がっている。オーク達にも気づかれたが突撃の時間だ。俺は矢避けの盾を持つ指に力を込める

 

「行くぞ!」

 

班のリーダーの声で俺達は走り出す。櫓にはレッサーコボルトがいたようだが数が少ない。盾を掲げていたが盾に矢が当たる気配がなかった

拠点内に入ると数人が櫓に昇る。前衛は待ち構えていたオーク、レッサーコボルトと戦い始めた。俺は後衛の護衛と前衛の回復のために1歩引いた位置にいる

 

「ヌグゥ!」

 

「モグゾー!?」

 

ハルヒロの声の方を向くとモグゾーがオークと戦っている。俺達の中で1番力持ちのモグゾーが押し負けている

 

「グルッシュ!」

 

オークは手に持ったメイスでモグゾーを攻撃する。モグゾーは何とか耐えているが持ちそうにない

 

「マリク・エム・パルク」

 

シホルの魔法の矢〈マジックアロー〉で援護するが・・・効いていない

 

「くぅっ!」「オラッ!」

 

ハルヒロ、ランタがモグゾーを助けるために攻撃するが鎧や兜に阻まれ有効打が決めれない

 

「ハルヒロ!ランタ!少しだけ頼む」

 

「うん」「おう!」

 

俺はハルヒロとランタにオークの気を引いて貰っている間にモグゾーを回復させる

 

「ごめん。マナトくん」

 

「大丈夫?モグゾーどうにかして鎧とかの隙間を攻撃できる?それか少しだけでもいいからオークの動きを止めるだけでもいい」

 

「やってみる」

 

「2人とも!鎧の隙間とか肌を露出しているところを狙うんだ!」

 

「「そんなこと言ったって(てもなぁ)」」

 

どうにか攻撃できる隙を・・・

 

「うおぉぉぉぉぉ!」

 

モグゾーが突っ込みオークとつばぜり合いをする。

 

「ナイスだ、モグゾー!アンガー」

 

オークの動きが止まったのをチャンスと見てランタが憤概突〈アンガー〉を首に向かって打つ。しかし、オークは体を反らして突きを避ける

 

「ウォォォ!どうもぉぉぉ!」

 

体を反らしたことによりつばぜり合いに勝ったモグゾーが渾身の憤怒斬り〈レイジブロー〉でオークを倒す

 

「よっしゃー」

 

「喜ぶのはまだ早いよ。他の人の援護を!」

 

その後も順調にオーク、レッサーコボルトを倒していき敵の姿は見えなくなった。俺達神官は傷ついた人の治療を行った

 

「残りの班の援護に行くぞ」

 

櫓に登った少数を見張りとして置いて俺達はシオリさん達の班の援護に走った

 

マナトside end

 

 

 

 

 

 

 

「プビュ!」

 

オークの掛け声でゾンビクリエイトで操作しているオークにレッサーコボルト達が群がってきた。手に持っている剣を振って抵抗するが数が多い。こちらの抵抗むなしく足をズタズタにされ立てなくなり倒れる。私は最後の抵抗で手を伸ばしコボルトを掴もうとしたが、コボルトはもうすでに手の届かない場所に移動してしまった

 

「くっ・・・」

 

最初こそゾンビクリエイトの同士討ちは上手くいったが、上位オークの出現により対策されてしまった。ここまででモータルレイ4回にゾンビクリエイトが2回の使用

まずい・・・魔法力が切れちゃう・・・

今までの戦闘は短時間でかつ仲間がほとんど倒してくれていたので魔法力切れとは無縁だった

私ってここまで長期戦に弱かったの・・・

もう無駄打ちはできない。私は比較的損傷が少ないオークに最後のゾンビクリエイトを使い操作する

 

「1人で戦おうとしないで、もっと連携させて」

 

私達後衛の護衛と前衛の回復のため、近くで待機をしているメリイが私にアドバイスする

 

「連携って言っても・・・」

 

「みんなから離れないように離れるとさっきみたいにレッサーコボルトにやられちゃうから・・・」

 

メリイは戦場を見渡し

 

「まずはアディさんとダイさんの所へ!」

 

見るとアディさんとダイさんは槍を持ったオークと戦っている。私はメリイの言われた通りに援護に向かう

 

「アディさん!ダイさん!ゾンビクリエイトで操作したオークがそっちに行きます」

 

アディさんは私の声を聞くと後ろに飛び退く。それに入れ替わるように操作したオークを前に出す

 

「ブフォ!」

 

オークは躊躇いもなく槍を心臓に向けて突き刺す。しかし、もうすでに死んでいるので意味がない。私は突き刺さった槍を掴み抜けないようにする

 

「プギュ、プギュ」

 

オークは槍を抜こうとするが手間取っている

 

「ハァッ!」

 

その隙をついてアディさんがオークの頭部めがけ射抜〈ピックショット〉を放つ。強烈な突きがオークの顔に突き刺さりオークを倒す

 

「でりゃ!」

 

倒れたオークにダイさんが飛び乗り剣鉈で何度も切りつける。剣鉈で切りつける度オークの抵抗が弱まり動かなくなる

 

「シオリ、サンキュー」

 

「ありがと」

 

アディさん、ダイさんは礼を言うと他の人の援護に向かった

 

「プジュ、プビュ!」

 

上位オークの声でレッサーコボルトが走り寄ってくる

 

「1度下がらせて、ステラさん前に」

 

「ええ」

 

オークを下げるとメリイやステラさんが先頭に立って守ってくれる

 

「次はトウジョウさん達の所に」

 

その後もメリイさんの指示の元、オークを援護に向かわせた。オークが使い物にならなくなった時には数的に圧倒的な差が生まれていた

 

「ピュァ、ププギュ」

 

「グルルル」

 

そして残るは上位オークと取り巻きのレッサーコボルトだけになり、上位オークはレッサーコボルトを盾に逃げようと走り出す

 

「プルギュイ!」

 

突然上位オークが途中で立ち止まった。遠くの方から反対側から攻めていた班の一部がこっちに来てくれた。どうやら向こうは既に終わったようだ

マナト達全員が見える良かった・・・

こっちに来てくれた人達と上位オーク達を囲む

 

「タノム、ミノガシテクレ」

 

上位オークは命乞いをしてきたが、聞き入れられるわけもなくレッサーコボルトと共に倒された

 

「よし、正面班の援護のため少数を残して行くぞ」

 

まだ姿が確認できていない正面班の援護に向かったが戦闘はほぼ終わっている状態であった

 

「死者はなしですね」

 

拠点自身攻められることを想定していない作りだったのが幸いしてか死者はでていない

夕食時、死者なしで拠点攻めが成功しみんな喜びが溢れている。だけど私は今日のことを思い出していた

 

「暗い顔をしてどうしたんだい?」

 

「マナト」

 

マナトが話かけてきた

 

「いつも悩んでいるね」

 

「ちょっと今日のことで」

 

マナトは座り、私が言うのを待ってくれている

 

「私が長期戦に弱いこと・・・まぁこれは私が覚えている魔法が少なくて使用回数が少ないのが悪いんですけど・・・やっぱりもっといい魔法を覚えた方がいいのかなぁ?」

 

マナトは拍子抜けした顔になった。そんなしょうもない悩みかなぁ

 

「オークを1発で倒せる魔法があるんだしいいと思うのだけど・・・」

 

「効けば1発ですけど遠距離魔法はそれだけなんですよ」

 

「倒したオークを動かしたのは?」

 

「あれはもっと少ないです」

 

「シホルに相談してみる?クラスは違うけど同じ後衛だし・・・」

 

「そうですね」

 

シホルと相談したがいまいちピンと来なかった・・・そもそも私ネクロマンサーのスキル何があるか知らないじゃん。翌日以降は攻撃した拠点の破壊。周辺のオーク、コボルトの敗残兵の殲滅を行い私達はオルタナに戻ってきた

 

「それじゃ、また」

 

みんなと別れて借宿に戻る

明日は戦利品の換金をしてみんなに分配して・・・

私は明日以降のスケジュールを考える。依頼が終わってもなかなか休めないのはつらい

 

「とりあえず今日は何も何も考えずにゆっくりしよう」

 

現実逃避しつつ部屋の前につくとメッセージカードが差してあった。メッセージカードには

 

 

近い内に新人が入ってくるわよ

 

 

と書かれていた

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