灰と幻想のグリムガル~死霊術師の物語~   作:arc00

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ギルド訓練編です




4話

どのギルドでもそうらしいがギルドに入ると担当教官とワンツーマンで訓練するらしい。

因みに私の担当教官はブノワさんだ。

ブノワさんは担当教官の立場ではないが、今回の試みのために担当教官に名乗り上げたらしい。

私とブノワさん=先生はギルドから出て街に出た。

そのまま歩き市場に到着した。

 

「さてシオリよ。薬を飲む前と飲んだ後で何か変わったことがあるか」

 

「はい。人から何か湯気のような物が上がっているのが見えるようになりました」

 

「うむ。その湯気は魂から出ているエネルギーじゃよ。ヤカンを想像してみなさい。ヤカンが体で水が魂。体を動かすために熱くなると湯気としてエネルギーが出ていく。ああ、魂は水と言ったが全然違う物じゃからな」

 

なるほど私がオルタナの街や馬車で見ていた湯気は魂から出るエネルギーだったか。

 

「さて、魂からの湯気が見えるようになったら魂もすぐ見れるようになる。まず1人を集中して見なさい。あそこで寝ている人にしよう」

 

先生は外に出されたテーブルで寝ているおじさんを指差した。

 

「体から出ている湯気に意識を傾けながら見るのじゃ」

 

私は寝ているおじさんから出ている湯気に意識を向けじっと見た。しばらくするとおじさんの体がブレた。私は目をこすりもう一度見るとまたおじさんがブレた。

 

「大丈夫じゃ。もっと集中して見なさい。」

 

ぶれたおじさんをさらに見ているとブレが収まってきておじさんが2重に見えるようになった。

 

「先生。最初はブレて見えていたのですが今は2重に見えています」

 

「今シオリが見えているのは肉体と魂、魂から出ているエネルギーで間違いないね」

 

「はい」

 

その後、先生に言われるがまま色々な人の魂を見た。

時間が経つ毎に頭痛がして6回目の鐘がなる頃にはかなり疲れてしまった。

 

「今日1日でコツは掴めたかのう」

 

「はい。何とか・・・」

 

最初と比べて魂が見える速度は早くなった気がする。

 

「今日の夕食は薬を出さないように伝えとこう。明日は薬の助けなしで魂が見えるようになるのが目標じゃ」

 

 

 

 

翌日起きるとかなり調子が良かった、かなり体が軽い。しかし、湯気は見えなくなってしまった。

 

1回目の鐘がなった後、私と先生は昨日と同じ場所にいた。

 

「時間はどんなにかかってもいいから昨日のことを思い出しながら見るんじゃ」

 

「はい」

 

私は街の人を見る。しかし昨日みたいに魂は見えない。時間だけが経つ。

昼食後、引き続き街の人を見る。鐘が鳴り訓練が終了するまで残り2回と言うところで湯気のような揺らぎが見えた気がした。

 

「ッ!!」

 

私はさらに見る。湯気さえ見えれば昨日と同じ・・・

そして私は薬なしで魂を見ることができた。

 

「先生。見え・・・ました」

 

「・・・本当じゃな。では残りの時間は引き続き見てその感覚を叩き込むのじゃ」

 

私は時間いっぱいまで見続けた。

 

「良いかギルドで学べるのはやり方だけじゃ。自分の力にするには終わった後も訓練し続けるしかない。これは明日から教える魔法も同じじゃ」

 

帰り道先生は私に言った。

 

「魔法やスキルは使えば使うほど効率が上がる。それは回数が増えたり効果が上がるということじゃ。効率が上がれば生き残りやすくなるわかるな」

 

「はい」

 

私は頷いた。今日のこの力は先生と比べるとかなり遅いのだろう。早くするには練習が必要とのこと

その日の夕食は昨日と比べて明らかに多く薬もなかった。

 

 

 

 

次の日、私は先生と昨日と同じ場所にいた。

魔法の訓練の準備に時間がかかるらしく午前中は薬なしでの魂の視認だ。

昼食後街の外に出たしばらく歩くとロジェさんがいるのが見えた。

近づくににつれ足元に何かが縛られて転がっている。

転がっているのは2種類、檻に入れられた鶏と緑色の肌をした半裸の子供だった。

人数は3人。子供は言葉が喋れないのか「ギャ、ギャ」と耳障りな声を上げていた。

 

「シオリよ。この緑色の肌をもつ者はワシら人類と敵対しているゴブリンというものじゃ。他にはコボルトやオークなどがいるがそれはまた今度教えてやろう」

 

先生はゴブリンについて教えてくれた

身長は大人になってもちょっと大きな子供くらい。知能はそこそこ高い。

集団行動を好むので単独でも近くに仲間がいる可能性がいるとのこと。亜種としてホブコブリンがいる。

 

「さて、今から見せる魔法は3つじゃ。残りの日数で頑張って覚えてもらうぞい」

 

先生がそう言ってるとロジェさんはゴブリンを1匹離れたところに置いた。

 

「シオリよ。あのゴブリンの魂を見るのじゃ。見えたら教えるのじゃ」

 

私は数分かけてゴブリンの魂を見た。種族の違いはあるが見る分には全く問題はなかった。

 

「見えました」

 

「よし、今から見せる魔法はネクロマンサーの基本魔法で最強の魔法じゃ」

 

先生はそう言って呪文を唱え人差し指をゴブリンのいる方向に突き出した。すると指先から黒い輪が飛び出しゴブリンに命中した。そして

 

 

 

 

 

 

ゴブリンの体から魂が飛び出した

 

 

 

 

 

 

飛び出した魂はまるで煙のように消え残っているのは動かなくなったゴブリンだけであった。

え!?うそ!?まさか死んだ?

 

「シオリよ。今の魔法がゴブリンに命中してどうなった?」

 

「体から・・・魂が出ていって・・・消えました」

 

「そうじゃ。この魔法は肉体と魂を切り離す魔法じゃ。この魔法を受け効果が出れば必ず死ぬ」

 

なにそれ強すぎる。必ず死ぬなんて

 

「そして次の魔法は・・・」

 

先生は死んだゴブリンに近づき手足の縄を切り、呪文を唱えゴブリンに触れた。

するとゴブリンが立ち上がった。しかし、死ぬ前はあんなに騒がしかったのに今は一言も喋らない。

 

「ゴブリンの魂は見えるかぇ」

 

私はゴブリンの魂を見ようとするがどんなに頑張っても見えない

 

私は頑張っているとロジェさんが剣を持ってゴブリンに近づきゴブリンの首を切った

頭部がなくなったゴブリンはその場に立っていた。おかしい普通は倒れるのに・・・

そう思っているとゴブリンが歩き出した。

 

「これは死体を操る魔法じゃ。死んでいるのでどんなに傷ついても戦わせることができる。」

 

首なしゴブリンはしばらく歩かされると自分の頭部を持ち隅の方で横になり動かなくなった

 

「最後の魔法は・・・」

 

その時、ゴブリンから悲鳴が聞こえた。声の方を見るとロジェさんがゴブリンの胸に剣を突き立てていた。

ゴブリンはしばらく身をよじり暴れていたが動かなくなった。

 

「あのゴブリンの魂を見るのじゃ」

 

「えっ?もう死んでいるんじゃ」

 

「いいから、見えたらどうなっているか教えるのじゃ」

 

私は先生に言われるがまま魂を見た。するとゴブリンからヒモの様なものが延びていることに気づいた。

 

「何かヒモの様なものが見えます」

 

「よし、そのまま見ているのじゃ」

 

先生は近づき呪文を唱えゴブリンに触れ目をつぶった。

しばらくするとゴブリンの周りに光が集まりヒモ動きだした。ヒモを見ているとゴブリンの魂が引っ付いており、そのままゴブリンの肉体に入った。

するとゴブリンが急に暴れだした。しばらくゴブリンが暴れているのを無言で見ているとロジェさんが剣を突き立て止めをさした

 

「今のは死んでしまった者の魂を今一度肉体に戻す魔法じゃ」

 

先生は顔に汗を浮かべていた。

 

「どうじゃ。これがネクロマンサーの魔法じゃ」

 

あの後少し休憩して私の番になった。

まず最初に使った魔法。死の宣告〈モータルレイ〉を実際に使ってみることになった。

先生は魔法を使う前に魔法について教えてくれた。

死霊術師の魔法は基本的に魔法使いと同じでエレメンタルの力を外的に使用するのではなく魂に作用させるようだ。

言葉で言われるとどうやって作用させるの?って話だけど実際は条件と詠唱がきちんとしていたら発動するみたいだ。

今私はロジェさんが置いたゴブリンの前にいる。

ゴブリンもさっきの光景を見ていて次は自分の番と悟ったのかブルブル震えている。

 

「行きます」

 

私はゴブリンの魂を見て呪文の詠唱を行い、ゴブリンに向けて指を突き出した。すると何かが抜けるような感覚と同時に指先から黒い輪が出てゴブリンに命中してした。

 

 

 

・・・・・・・

 

 

 

あれ?先生のは当たるとゴブリンの魂が勢いよく飛び出たのに何も起こらない。

 

「うむ。最初からゴブリンは荷が重かったかな?」

 

先生が言うにはこの魔法は当てて効果が出ないと意味がないとのこと。

ゴブリンと一緒に持ってきた鶏に当てると成功したのでやはり単純に威力不足のことらしい

次に死体の操作、死体操作〈クリエイトゾンビ〉をモータルレイに成功した鶏に使用した。

 

「・・・なんかぎこちないですね」

 

動きだした鶏はカクカクした動きで動きだした。

これも使っていく内に滑らかに動き出すらしい。

操作感は命令を念じるとまるで意思があるかのようにそれに答えてくれる感じで、動かしている物の限界以上の力は出せないみたいだ。

その後、瞑想のやり方を教えてもらい瞑想で魔法力を回復している間、ロジェさんが森の中からぺピー(犬の体に兎の頭を持つ動物)やナディ(猿みたいな動物)を捕まえてきて私の魔法の実験台になった。

各魔法の使用回数はモータルレイ5発、クリエイトゾンビ3回だった。

クリエイトゾンビは複数体操作した場合、個別の動きをさせることはできなかった。

瞑想で回復しつつ、魔法の練習をしていると最後の鐘が鳴る時刻になった。

 

「明日から死者蘇生〈ソウルリボーン〉の練習をしよう」

 

ギルドに入って4日目、明日は死者蘇生を学ぶ

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