灰と幻想のグリムガル~死霊術師の物語~   作:arc00

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遅くなりました

仲間集め編+α




8話

「ふぅ~」

 

果実水を飲んで一息

今回の仕事で私のパーティーに初めてメンバーが増えた。今回のような依頼で結成されるパーティーではなく本当のパーティーメンバーだ。本当はアディさんと乾杯したかったが「旦那が待っている」と言われて断られた

結婚してたのですねアディさん・・・

 

 

 

依頼で数日間街を離れていたのでしばらくは体を休めるため街の外に出る予定はない。この休養期間中の時間は消耗した物の補充やメンバー集めのために使おう

あとの必須枠は神官・・・・・

 

「神官かぁ」

 

神官の需要はかなり高い。フリーの神官なんてほぼいない。人気がありすぎて複数のパーティーに所属したりしてあっちこっち引っ張りだこだ

パーティーに入った人を神官にする手もあるがそんなことしたくない。かといって私は神官になれない

 

「神官だけはどこかから引き抜くしかないかなぁ」

 

引き抜く場合やっぱり必要になるのはお金。依頼を受け始めて今まででそれなりに蓄えはある

しかし、パーティーを維持するにはお金がかかる。数日街を出るときにはみんなの分の食料、各個人の装備も個人で貯めて購入するのではなく状況によっては補助してよりいい装備を買ったりするとにかくお金がかかる

引き抜いてしまうとそういう部分にも優遇してやらないと不満が貯まって最悪高いお金を使ったのに抜けることになる。そうなればこれから入るメンバーに対しても悪い

 

「どっかに都合のいい神官は射ないかなぁ」

 

思い浮かぶのはマナトとシホル。確か2人は神官希望だったはずだ。そうしたらこっちは神官なしでもいい

 

「かといって戻るのもなぁ~」

 

2日後の馬車で出るって言っときながら戻らずそのままギルドに直行、別れの挨拶もできなかった

あの薬を飲むタイミングが違っていたらもっとその辺はよくなってたかも?

 

「あれ~?あれあれあれ~?」

 

自然に会うにはどうすればいいか悩んでいるときに大きな声で近づいてくる人がいた

 

「あのとき以来じゃな~い。元気~?」

 

キッカワだった。かなり酔っているらしく周りの人にぶつかりながら近づいてくる

あれでよく絡まれないわね

 

「1人~?」

 

「ええ。キッカワはあれからどうです?」

 

「俺~?俺はパーティーに入って団章を買いました」

 

私の座っているすぐ横に座り腕を回して団章を出す

ええぃ絡むな酔っぱらい

 

「持っているんでいいです」

 

「君も入った系~?」

 

キッカワは私の夕食をつまみに飲み始めた

 

「ちょっと何やってるのですか」

 

「酒は~1人よりみんなで飲んだ方が美味しいよ~」

 

「私は飲めません」

 

「え~人生損してなくない~」

 

つまみながら飲むキッカワ

私は諦めつままれてもいいようにいくつか料理を頼んだ。キッカワもついでに酒を頼んでいた

ちゃんとお金払いますよね?

あの時会話なんてしたことなかったキッカワとの会話は弾んだ。本当にコミュ力が高い男だ。いつしか話題はパーティーの話になり

 

「パーティー?捨てられちゃったの?あっらら~、入る?」

 

「いえ、メンバーを集めているんです」

 

「へ~」

 

「ただ神官がどうしても見つからなくて」

 

「紹介しよっか?」

 

「えっ」

 

「俺~意外と顔が広いんだ~ここいらで活動している義勇兵だけじゃなくて色んな場所のを」

 

酒をひと飲み

 

「だから条件次第でメンバーになってくれる人も今フリーの人もお・し・え・てあげる~」

 

うそ。こんな話が転がり込んでくるなんて

 

「じゃ、じゃあその情報教「の、前に~」」

 

私の言葉を遮ってくる

キッカワはすまなそうにして

 

「名前なんだっけ?話してると思い出せそうなんだけど、どーしても思い出せないんだぁ。ごめんねぇ、ごめんちゃい。だからぼくちんに君の名前を教えてクレッシェント」

 

ジョッキを手にポーズをするキッカワ

かかってる、かかってる私に

 

その後 この周辺の神官の情報を教えてもらった

意外にここから近いシェリーの酒場で1人フリーの神官がいるらしい。ただあまりいい噂を聞かない

その神官はあまり治療をしてくれないのだ。さすがに活動に支障が出るほどの怪我は治療をしてくれるみたいだが・・・・・

パーティーを転々としているので試してみたらどうだと言われた

 

「仲良くなったらそれとなく聞いてみよう・・・」

 

私は料金を支払い借宿に帰った。キッカワの酒代?もちろんこっち持ち。普通じゃ手に入らない情報を貰ったし仕方ないよね

 

 

次の日の夜シェリーの酒場を覗く。話に聞いた神官を探す

その神官はカウンターで1人で食事をしていた

 

「あの・・・神官のメリイさんでしょうか?」

 

こちらを振り向く、気の強そうな雰囲気がする

 

「何か・・・」

 

目をすぼめてこちらを観察してくる

メリイさんは同性の私から見ても綺麗だった

 

「実は神官のメリィさんに私のパーティーに入って欲しくて」

 

「いいわよ」

 

あっさりと了承してくれた。

その後私も隣で食事をして条件について話し合った

話していると冷く、人を拒絶しているような感じはしたが私が思っていたような人ではない気がする

 

「とりあえず今パーティーは依頼後で休養期間中です。1週間後ぐらいしたら依頼を取ると思うのでその時にまたお願いします」

 

「わかった」

 

これで神官が入った。まだ一緒に行動していないのでメリイさんが噂通りの人かどうかわからない

 

「話した感じは普通だと思うのだけどなぁ」

 

私はそう呟いた

その後、消耗品の補充や内臓サンド屋台のおじさんに会いに行ったりしていた。ちなみに内臓サンドはアンドルテという名前だった。そうやってゆっくりと休養期間が過ぎていくと思っていたら

 

 

 

 

 

「ネクロマンサーのシオリ様はいらっしゃいますか?」

 

私が借宿でゆっくりしている時にドアがノックされた

臨時のパーティー編成の依頼等で私の部屋までくる義勇兵はいるが妙に丁寧だ

 

「どちら様でしょうか?」

 

私は扉を開けずに答えた。不用心に扉を開けてしまうと強盗とかの場合だったら目も当てられない状況になる

 

「私はザナク商会のものです。不躾ながらネクロマンサーであるシオリ様のお力をお借りしたいと思い参じました」

 

ザナク商会はオルタナ北部を主に活動している商会だ

全然接点がない。話の感じは依頼っぽいが・・・・・

私は警戒しつつ扉を開いた。扉の前にいるのは初老の男性

 

「ありがとうございます。実は依頼がありまして・・・」

 

話を聞くと死者蘇生の依頼だった。自分の主人の息子が落馬してルミアリス神殿に運ぶがもう事切れていた。悲しみにくれていたが義勇兵に死者蘇生が使えるネクロマンサーがいるから甦らせてもらおうというわけだ

そういえば使えました。全然依頼がなかったからすっかり忘れていた

私は依頼に了承し準備されていた馬車でルミアリス神殿に移動した。部屋に案内される。石でできた祭壇に子供が寝かされていた。近くには涙で腫らした顔をした親らしき人がいる。子供は見た感じ手足の骨折以外に外傷は見当たらない

私はネクロマンサーの死者蘇生について簡単に説明した

蘇生後に治癒魔法をかけるので問題ないとのこと

 

「私は死者蘇生が使えるとは言ってもまだ未熟です。何度か失敗するかもしれませんが必ず成功させますので安心してお待ちください」

 

まだ1日も経っていないし大丈夫。時間はある

子供の前に立つ。私の後ろに神官が備えた。おそらく落馬したことにより中にダメージが入っている。蘇生しても痛みによるショック死の可能性もあるのですぐ治療できるように備えたのだ

私は詠唱し、子供に触れた。とたんに激しい目眩。そうそうこんな感じだった

私は必死に集中し、魂を引っ張るイメージをした。子供が血を吐きながら咳をする・・・・・成功だ

後ろに控えた神官が素早く治療魔法をかけた。あんなに苦しそうだった子供が今では安らかな顔で寝ている

親が泣きながら感謝してくる

私も感化されて潤んじゃった

さすがに体力までは回復しないので数日間入院するとのこと。報酬については後日商会で受け取ることなった

私を送る手はずになっていたがいい時間なので歩いて帰ると言って部屋を出た

 

ーーーーいいよっ!!ーーーー

 

かなり大きい声だった

私は何かあったのかと思い失礼だが声のした部屋を覗いた

ハルヒロが神官と対峙している

シホルが膝から崩れ落ちてユメに支えられている

ランタ、モグゾーは呆然としている

石でできている祭壇にはマナトが寝かされていた





メリイのスタンスってどうなんでしょう?
神官が死なないように後方に待機して杖による護衛で魔法使いや後方を守る。前衛が傷ついても前にいくと危険度が上がるので戦闘終了後に回復。回復してくれるレベルでやっぱり文句が出るのかなぁ
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