今回は慎が倒れたところからです。
慎は結局真姫に自分のことを伝えられずに終わってしまった。
慎はこれからどうするのか
さてそれでは本編に参りましょう!
では本編に…どうぞ!
二十四話 μ’s
一歩一歩ゆっくりと進んでいく。
足が重い。
全然いうことを聞かない。
「がんばって!」
病院の中に高い声が響く。ゆっくりと前に進んでいる感覚がある。
手すりにつかまりながら目の前の少女に近づいていく。
目の前には小さな少女。
小学生くらいの子だと思う。
周りは白黒なのに彼女の特徴的な赤い髪の色だけがはっきりとわかった。
「やったね!ここまで歩けたじゃん!次はここまで歩けるように頑張ろうね!」
無邪気で赤髪の女の子の夢。
「…」
慎は目を覚ました。
どうやら夢を見ていたようだ。
周りは真っ暗。夜になっていた。
懐かしい天井だ。少しだけ古くなったような気がした。
慎は周りを見渡すと自分のいる場所がすぐわかった。
病院だ。
そして慎は夢の内容を思い出した。
(最近見てなかったな…そういえば)
小さい頃の真姫との思い出。
懐かしさに浸りながら慎は起きたことを知らせるためにナースコールを押した。
しばらくすると医者たちが駆け寄ってきた。
そして医者に異常がないのか体調は大丈夫なのかと質問攻めをされたが慎は冷静に答えていった。
「あの、すみません…」
「どうしたの?」
慎が今度は質問をする。
「俺はどれくらい眠っていたんですか?」
「そうだな…三週間くらいかな?」
「三週間…ですか…」
慎はむしろほっとした。もっと長く眠っているような気がしたからだ。
カレンダーを見ると月が変わっていた。
一月の中旬。
年をまたいでいた。
(あいつらはどうなったんだ?)
慎は自分のことより九人のことばかり考えていた。
その後、医者たちから解放された慎はまた眠りについた。
そして朝。
慎は目を覚ます。
そして慌てて日付を確認した。
夜と同じ日付。
慎はまたほっと胸をなでおろした。
(あいつらは?)
慎はすぐに連絡をとった。
少し話し合い、今日全員でお見舞いにくることになった。
そして小一時間後
「慎ちゃん!」
病室のドアを勢いよく開けるとそこには
「おう」
μ’sの九人が来てくれた。
「慎、本当に大丈夫なの?ずっと前から無理してたんじゃない?」
絵里が心配する。
「ああ、大丈夫だ。あと一週間もすれば退院…」
「大丈夫なわけないでしょ」
「真姫…」
真姫は少し怒ったような顔をしていた。
「無理してなかったら三週間なんて目を覚まさないはずがない」
「どうしてこんなことになったのかちゃんと説明してよ」
「…」
慎は黙りこむ。
「ま、真姫ちゃんそんなにムキにならなくても…」
「希は黙ってて」
真姫は希をにらみつける。
「答えてよ。慎」
「ああ、実は最近ちょっと無理しててな…迷惑かけたな」
慎は前に真姫に言われたことを思い出す。
嘘。あなたは嘘つくときいつも目をそらすか自分の頭を触る
慎は目をそらさず、手は動かさないように少し力が入っていた。
「…」
真姫がじっと慎を見る。
慎は真姫の目を見返す。
「ま、まあ真姫ちゃん!慎ちゃんもそういってるんだし…」
「そうですよ、真姫。」
海未とことりが真姫を落ち着かせる。
「…ごめんなさい」
「謝ることないよ!真姫ちゃん!」
「そ、そうだよ!」
穂乃果と花陽が真姫を慰める。
「今回は慎ちゃんが悪いニャ!」
「そうね。ちゃんと反省するまで練習には参加させないわ」
「ああ、ちゃんとわかってる。凛、にこ。それにみんな、すまなかった。」
慎は頭を下げた。
「ならちゃんと体治してすぐに戻ってきなさい」
「ああ、そうする」
「あと今日話したかったことは…」
「ん?」
「キャッチフレーズのことなの」
「キャッチフレーズ?」
絵里が事情を説明する。
「なるほど…つまり、ラブライブは本戦まで進むことができて、キャッチフレーズはもう決定したというわけだな」
「そうなの。で私たちが考えたものが」
「『みんなで叶える物語』」
「みんなで叶える物語、か」
「いいと思う。すごく」
「ほんと!?よかったぁ~慎ちゃんがいないのに勝手に決めていやって言われたらどうしようかと思ったよ~」
「これは穂乃果が考えたのか?」
「そうです。神田明神でみんなのμ’sの絵馬を見ているとき穂乃果が思いついたんです」
海未が説明する。
「絵馬?」
「はい。μ’sを応援してくれる人たちがμ’sのみんなへの応援メッセージを絵馬に書いてくれたんです」
「そうか…」
「今日はありがとう、もうそろそろ時間だ。」
「時間って?」
「ああ。もう少しで治療が始まるんだ。今日はもう…」
「そっか…残念だニャ…」
「すまないな今日はこの辺に…」
慎は真姫の方を見る。
真姫の顔は怒ったような表情でなく目に涙を浮かばせていた。
慎は思わず真姫から顔をそらした。
「すまない…今日は帰ってくれ…また今度な」
「真姫ちゃん」
希が真姫を説得する。
「じゃあ慎ちゃん。今日はこの辺で」
「ちゃんと治すのよ!」
花陽とにこがそういうと九人は慎の病室を後にした。
一人病室に残った慎。
「はあ…」
慎は大きくため息をついた。
「まただ…」
慎はまた嘘をついた。
病室には誰も来ない。
治療は夕方からなのに。
慎は外を見る。
病院からは九人が帰っていく姿が見えた。
楽しそうに会話している様子が見える。
真姫も楽しそうに笑っている。
(みんなで叶える物語…か)
慎は結局自分のことを真姫に伝えることができなかった。
そしていまだにどうするかも決めかねていた。
(もう俺はどうしたら…)
慎が悩んでいたそんなとき
病室のドアを誰かが開けた。
「こんにちは。」
「つ、ツバサさん…」
「あら、さん付けなんて随分とご丁寧に」
「あ、いえ…」
「ラブライブ最終予選通過おめでとう」
ツバサが手を伸ばす。
「ありがとうございます」
慎はツバサの伸ばした手をつかんだ。
「もっと喜んでもいいと思うけど?」
「いえ、今はそんな気分じゃないんです」
「…その様子だとまだ伝えられていないようね」
「…はい伝えようとしたのですが…」
「やはり応急処置では防げないところまできてるのよ。あなたが」
「そうみたいです」
「このままだと何も伝えないで終わってしまうんじゃない?」
「…」
慎は何も言い返せなかった。
「みんなで叶える物語」
「穂乃果さんが出した答えよ」
「九人が今までなぜここまで頑張ってこれたのか」
「慎くんを今まで突き動かしてきたものは何?」
「俺を突き動かしてきたもの…」
「一人のためじゃなくて九人のために」
慎は病室から九人の姿、部室に集まったみんなの姿、練習中のみんなの風景。
たくさんのことを思い出した。
そして
「…なんだ。そんな簡単なことだったのか」
「ツバサさん、俺決めました」
「そう…」
「それじゃ私はこれで、失礼するわね」
「本当にありがとうございました」
慎は頭を下げる。
「それはこっちのセリフよ」
「え?それってどういう…」
「なんでもないわ。ラブライブ本戦頑張ってね」
ツバサはそういうと病室を出て行った。
今まで自分が何のために頑張ってきたのか、それは真姫のためでもある。
けど九人のためになぜ自分が命を削ってここまでこれたのか。
それが慎の答えだった。
三日後
慎は退院した。
そして理事長室。
「そう…」
「はい。これが俺の出した答えです」
「後悔はないのね?」
「ありません」
「なら、私もそうなるようにできるだけ協力するわ」
「待ってください」
「なぜ自分にそこまでしてくれるんですか?」
「さあ?」
「さあ?って」
「時間ができたら祖母の家に行ってあげなさい顔見せてあげたら喜ぶと思うわ。今は忙しくて無理だろうけど…」
「あなたこっちに来るっていきなり家から飛び出してきたんでしょ?」
「はい。その後一軒家まで買ってくれて…」
「いいおばあちゃんじゃない。お礼も込めてちゃんとあいさつに行ってきなさい」
「わかりました。本当にありがとうございました」
「それじゃ、ラブライブ本戦、期待してるわね?」
「はい!」
慎は理事長室を勢いよく飛び出た。
そして
屋上
「遅いわよ!」
「体の方はもう大丈夫なの?」
花陽が心配する。
「ああ、ちゃんと治療もしてもらったし大丈夫だ」
「それより…」
「話がある」
…いかがでしたでしょうか?
いやーもったいぶりましたw
続きは次回ということで!
これが投稿されて次回まで
また間が空くかと思いますが気長にお待ちください!
今秋も最後まで見ていただきありがとうございました!
誤字脱字報告お願いします!
それではまた次回!
では!