魔法少女リリカルなのは〜第二の人生を受けた者〜 作:ヤンデレ好きの変態
「あぁ〜……酷い目にあった」
デバイスを点検しながら呟く。
猫シードの時に、訳の分からない奴と戦うことになり、大変な目に遭った。
「というか、これでまだ一個だろ……? 先が長いやん……」
これからのことを考えると、ゴールが見えなくて倒れそうである。
色々と愚痴っていると、部屋の扉が開かれた。
「リュウ〜?」
「ん?」
声だけで分かる。
フェイトが部屋に入ってきたようだ。
「何してるの?」
俺の両肩に手を乗せながら、横から覗いてくる。
「デバイスの調整と点検だよ。一応戦ったからな。メンテナンスは大事なんだよ」
デバイスがインテリジェントデバイスなら、話は別になるが。
「ふ〜ん……でもどうして、毎度毎度やるの?」
毎度毎度って、そりゃ……。
そう言おうとしたが、フェイトが素晴らしい提案をしてきた。
「異常が出たら通知が来るようにしたらいいと思うよ?」
「……それだ」
思わず立ち上がりハグしてしまった。
なお、このハグに感謝の気持ちは一割。下心は9割である。
「流石フェイト。マジで嫁にしたい」
口から八丁、みたいに、ペラペラと言葉が出ていく。
「フェイトみたいな可愛い女の子と付き合えたりしたら毎日は幸せ。毎日いちゃいちゃしたい。おはようからおやすみまでずっと一緒にいたい。ジュエルシードだとかそんなの関係なしに、危ない生活から身を下げて、平穏な毎日を暮らしたい」
言葉が出れば出るほどドン引きされそうな欲望である。
まあ全部本心なんですけど。
「きゅ、急にそんなこと言われても……」
「……よし! フェイト成分を補給した。がんばりますか!」
フェイトから離れて、もう一度点検に戻る。
「ふぇ……?」
なんか状況が追いついて無さそうだが、特に気にする必要ないんで無視をしよう。
「えと、リュウ……?」
「ん〜? どうした?」
「……ううん。何でもない」
あれ……なんか少しだけ拗ねた気がする。
どこで選択肢を間違えたんだろうか。
ロードかクイックロードボタンを要請したい。
「私にも、何かできることない?」
「マジで? なら俺の膝の上にいてくれ」
冗談一割で聞いたら、
「む、むりだよぉ!」
全力で拒否られた。
泣 き そ う で あ る。
「デスヨネー。分かってるよ。一人で作業するよ……」
「あ、えと……その!」
やべえわ。慌てるフェイトマジでカワユス。
デバイスに目を向けてるから、声でしか分からないけど。
「まあ無理にとは言わないさ。ただ、同じ部屋にいるだけでも十分だよ」
フェイトの着た服を着て一日中フェイトの匂いに包まれたい。
更に背後から抱き締められていると尚良し。
……変態じゃねえか!
自分に突っ込んでいると、フェイトが俺の膝に乗ってきた。
「ふぁ!?」
いきなりのことで動転。
デバイス点検とかしてる場合じゃなくなった。
「えっと……膝に乗っていてほしい、んだよね?」
「……お、おう」
いざ自分の欲望をやってもらうと、軽口も何もできなくなるようだ。
今の俺に余裕なんてものはない。
「……」
「……」
互いに無言になる。
いやマジでどうしよう。
フェイトのお尻柔らかいしいい匂いするしで理性が死にそう。
いや体は未成熟だから理性が死んでも襲いはしないと思うけど。
でもそういう問題じゃねえ。
それにしてもマジでいい匂いである。
というか、これで理性が壊れなかったら逆に失礼じゃないか?
このまま裸にしてにゃんにゃんしても、文句無いよね?
だってフェイトが可愛いのがイケないんだし。
……ああ駄目だ。思考がおかしくなってやがる。
「な、なんだか、思ってたよりも恥ずかしいね……」
照れながらそう呟くフェイト。
……ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!
どんだけ俺のことを萌え殺しにしてくるのこの娘。
既に生活してる中で何回か死んでますよ!?
もう止めてぇ! 俺のライフはゼロよ!!
「ごめんフェイト。このままじゃやばい」
「ふぇ? な、なにが?」
「悪いんだけど、降りてくれ……フェイトに対する煩悩が多過ぎて作業に集中できない」
「えと……う、うん……分かった」
すんなりと降りてくれるフェイト。
ああ……匂いが……感触がぁ……。
きっとこんな風に思ってる時点できっと手遅れ。
「私、部屋から出て行った方がいい?」
「ダメだ! それだけは絶対にダメだ!! フェイトが出ていくなら俺も出ていく!!」
デバイスの点検はいいのか、と思うかもしれないが、別に一度や二度点検しなくても大丈夫なように設計してある。
「それなら、どうしたらいい……?」
「少し待ってくれ」
俺は椅子から降り、もうひとつの椅子を持ってくる。
それを自分が座っていた椅子の隣に置き、軽く座席を叩く。
「ここに座ってくれ」
傍にいてほしい。
今はそれだけでいい。
「うん。分かった」
俺が促した椅子に座ると、腕に抱きついて来た。
「ふぇ、フェイトさん!?」
思わず声が上擦る。
「今日ね、猫さんからジュエルシードを離したとき、私も同じくらいの女の子と戦ったんだ」
あ、真面目モードや。
でも俺もある意味フェイト絡みなら、全部が全部真面目モードになる。
取り敢えず脳内は酷いが黙って聞く。
「それで、魔法戦をすることになって、すごく怖かったんだ……痛いのも嫌い。けど、いくら非殺傷設定があるからって、相手を傷付ける。それが怖いの……」
むしろ現在進行形で俺のSAN値が傷つけられて削られていく。
気づいてフェイトさん! すぐ隣に傷付いてる人がいますよ!
「母さんがアリシアを生き返らせたいことは理解してる。もちろん、私だってアリシアに会いたい。けど、もう一度ジュエルシードを見付けて、それでまたあの娘と戦うとなると、すごく怖いの」
……頑張れ雷門リュウ……!
耐えろ……!! 耐えて言うんだ……!!
俺は抱きつかれてない方の手を動かし、フェイトの頭に乗せ、ゆっくりと撫でる。
「なら、止めてもいいんだぞ? ジュエルシード集め」
「ッ!?」
俺の言葉に、ドッキリでもされたかのように反応した。
「多分、フェイトが心から言えばプレシアも分かってくれる。それに、ジュエルシード集めなら俺だってできる。お前が頑張る理由だって、無いんだ」
今俺はフェイトの好感度を上げるために頑張っているが。
「戦いたくないなら戦わなくてもいい。相手を傷つける事を恐れるなら魔法を使わなくてもいい。俺がお前のことを護ってやる」
「……でも……」
「それに、フェイトはどうしたい? このままジュエルシード集めに協力するなら反対はしない。けど、集めたくないならプレシアの所に言って事情を話す」
「……私は……」
少しの間考え、フェイトは答えを導き出した。
「私は戦う。確かに相手を傷付けることは怖い。けど、それでリュウに大怪我されたら、そっちの方が嫌だもん」
何この娘。
天使? 女神?
「なら、フェイトのしたい様にするといいよ。
……それはそうと」
ふと思い出したことがあった。
「どうしたの?」
「いや、いつジュエルシード取りに行ったんだ?」
俺の記憶が正しければ、男が来て庇った時には、まだ背中にいた。
「リュウが交戦を始めた時から、私はジュエルシードの所にいたよ?」
「え、マジで?」
そんな直ぐに離れたのか。
俺に怪我してほしくないんじゃないのか。
まあ俺と何回も模擬戦してるし、実力を知っての行動だとは思うけど。
「まあ、過ぎたことだしいいか。それじゃあ、ちょっとばかし気合い入れて点検しますか!」
「頑張ってね!」
そんな、フェイトとの一幕があった。
個人的に、フェイトとの距離は更に縮まった気がする。
こいつの心情描写書くからこうなる。
フェイトは可愛いですよ。
彼女に出会えたことを、誇りに思います。
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