魔法少女リリカルなのは〜第二の人生を受けた者〜 作:ヤンデレ好きの変態
「ふぅ……これで五個目か……」
ナメクジのような生き物にとどめを刺し、側に落ちたジュエルシードを拾いながら呟く。
あれから、あの男と出会うことはなく順調に物事が進んでいる。
「さて、と……」
足元に魔法陣が現れ、俺の周りにも小さな魔法陣が出てくる。
「GO」
刹那、魔法陣から大量のスフィアが乱射され、死体となったナメクジの元に次々と突撃していく。
煙が巻き上がる。
「なんでわざわざ殲滅までしないとなのか」
煙が晴れると、ナメクジは消滅していた。
よし、これで完成。
「フェイト、結界を解いてくれ。帰るぞ」
「うん」
結界が解かれると、先ほどまで自然災害が起きていた周辺は全て元通りになった。
結界はマジで万能である。
「転移!」
フェイトの足元から魔法陣が拡がったので、その中に入ると俺達はその場から消えた。
★★★★
それから、数日が過ぎたある日。
「管理局……!!」
プレシアが忌々そうに画面を見ている。
……んで、管理局ってなに?
「母さん……」
「プレシア」
「フェイト……」
フェイト、リニス、狼が喋った。
「リュウ、管理局にバレない魔法式とか組めないの?」
「んなこと言われても……管理局ってなによ」
「え……」
「世間知らずですね」
「こんな人がご主人様の相手なのか……」
おいお前ら、人をそんな可哀想な目で見るなよ。
フェイトからなら逆に興奮するが、それ以外の奴等からやられても嬉しくねえよ。
「管理局は簡単に言えば宇宙警察よ」
「把握した。ならハッキング掛けていじればなんとかなるだろ」
「出来るのね?」
「まあできる、というよりも、ただフェイトが貼る結界に気付かなくなる、程度だけどな」
てかたまにジュエルシードって転がってるんだよね。
確か三個目と四個目がそうだった。
「しかし、どこの回線からハッキングを掛けるか……」
「そうね……ミッドチルダに行けば、基本繋がっているわ」
「よし分かった。フェイト、連れて行ってくれ」
「うん」
そして、ミッドチルダに向かった俺はネカフェみたいなところに入り、そこからハッキングを掛けプログラムなどを書き換えた。
ちなみに、アースラという船の情報もあったので変えてやった。
★★★★
「残り六個か……」
ハッキングは功を成し、管理局にバレずにジュエルシードを回収していった。
途中、男と一緒になのはがいて驚きを隠せなかったが、まあお人好しの塊で出来たなのはのことだから、身の危険を省みず引き受けたんだろう。
接触を避けるためになのはがジュエルシードを回収した時に、当時集めていたジュエルシードを全て外に出し数えていたので、俺も一緒に数えるとなのはは『5個』を所持し、俺達は『10個』となった。
21-(10+5)=6
という計算が成り立つ。
何だかんだ今思うと集めている気がする。
「まあ、俺達が動くのはプレシアやリニスからの合図だし、それが出るまでは自由なのよね」
前々から考察していた、新型デバイスの設計図を取り出す。
図には大量の公式、数字、図面などが書かれており、全部俺の手書きである。
「予想では、折り返し地点は過ぎてるはずだ」
これがまた神経を使うもので……。
一度没頭すると、周りのことが見えなくなってしまうのが難点。
「EをAと接続し、そこにRを追加。するとBにエラーだから……」
ブツブツと呟きながら、作業を続けていく。
(多分)八割程度が終了したので、一息をつくことにする、
「んっ……! くぁぁ〜……先は長いなぁ」
「何作ってるの?」
「うぉっ!?」
だらけていたら、いきなり声を掛けられて椅子から立ち上がった。
「ああ、フェイトか。いやな、新型デバイスを作ろうと思ってな」
「新型……デバイス……?」
頭にハテナマークを浮かべているフェイト。
「そうだなぁ……言い換えるなら『マスターデバイス』かな」
「マスターデバイス……」
まあこれを作るには部品が足りない。
色々と足りない。
今はプログラムなどを組み立て、仮想状態なのだ。
まあ部品は自分で作ろうと思ってるし、地球では自作パソコンというものも存在する。
「デバイスには『インテリジェントデバイス』『ストレージデバイス』『アームドデバイス』『ユニゾンデバイス』の四種類だろ?」
「うん。それぞれには得手不得手があるから、ちゃんと選ばないといけないところだね」
「うむ。それでだ、インテリジェントデバイスの長所は分かるだろ?」
「ええっと……人工知能が入っていて、使用者の手助け。だよね」
「そうそう。なら短所は?」
「上級者じゃないと、逆に振り回される」
「流石フェイトだ」
要点は抑えている。
ストレージデバイスやアームドデバイスとかにも、長所と短所があるが、口で言わなくてもいいだろう。
「んで、だ。マスターデバイスは今まで作られたデバイスの短所を改良させたデバイス、という事になる」
「それ……叶わぬ研究の一つとなってる……」
あらそうなのか。
なら成功させてやろうじゃないの。
「ストレージ、アームド、ユニゾン。これらの短所を補う方法は見付けた……あとはインテリジェントである人工知能だ」
その言葉は、フェイトに聞かせるためなのか。
それとも、自分自身に言う言葉なのか。
「ストレージデバイスにある使用者専用デバイス……折角アームドデバイスにある長所──カートリッジシステムも搭載だ」
……ん? 今、何か引っかかったんだが。
なんだ? 何が引っかかった?
探せ。探せ探せ探せ。
どれだけ考えても、答えは出ない。
とそこで、フェイトから話し掛けられた。
「リュウ! 残りのジュエルシードが見付かったよ!」
「え? あ、ああ……」
くそ、なにか見えたようがするんだけどな。
俺はデバイス制作を中断し、フェイトと一緒にプレシアの所に向かう。
「来たわね。ジュエルシードは海中の中にあるわ」
「海中……!?」
「なるほど。それなら見付からないわけだ」
一人納得すると、プレシアは作戦を教えてきた。
「フェイトとリュウは目的の座標ポイントに向かってちょうだい。それを確認したら、私が次元跳躍魔法でジュエルシードを強制発動させるわ。何か意見は?」
「私は特に……」
「俺からは一つ。海中の中には六つのジュエルシードがあるんだろう? 一つでも莫大な力を誇る物を、一気に発動させて大丈夫なのか? おまけに、海中だとどんなものを取り込んで具現化させるかも分からない。危険過ぎる」
「それは知ってるわ。アリシアの蘇生もある。私はここから次元跳躍魔法で掩護するわ。今回は敵側の魔導師も使おうと思うのよ」
「敵側?」
俺達と敵対してくる奴らか?
「そう。今回はわざと管理局にバラす。管理局の情報はリュウがハッキングしてくれたおかげでサーバーに入りやすくなってる。だから情報を念話に知らせるわ。それで、ここからが一番の問題よ」
そう言い、プレシアは心配そうな顔になった。
「私達の動きを見て、管理局は手を出さないでしょうね……大方、ボロボロになった所を捕獲、が最も効率がいいやり方として考え付く。だから二人は、ジュエルシードと戦っていたら一度やられたフリをしてほしいの」
「なるほど。作戦の流れは理解した」
だが、
「かなりのリスキーだぞ」
「知ってるわ。管理局にバレるのも時間の問題。それに、アリシアの体だって、いつまで保つかも分からない。今は、この作戦が近道なのよ」
「アリシア……」
蘇生装置を作っているときに聞いた。
魔法による圧力でアリシアは命を落としかけ、今は昏睡状態。
心は戻ってくるかも分からず、尚且つ身体も危険のまま、だと。
「仕方ないな。それでやるしかないか。フェイト、転移魔法を頼む」
「あ、うん!」
「悪いわね、リュウ」
「心配も何もいらない。取り敢えず、アリシア生き返らせたら、みんなでピクニックとかにでも行こう」
「ええ、そうね」
俺達は互いに軽く笑い、俺とフェイトは転移した。