魔法少女リリカルなのは〜第二の人生を受けた者〜 作:ヤンデレ好きの変態
生活が安定しま……せん。
「……ぁ」
「ん?」
手を繋いで歩いていると、フェイトが一つの場所を向き小さな声を漏らした。
その方向を見てみると、
「ケーキ?」
「う、ううん! なんでもないから」
「食べたいなら食べるけど」
「大丈夫っ。大丈夫だから」
フェイトはそう言いながら、強引に手を引っ張る。
バランスを崩さないように後を着いていく。
☆☆☆☆
「そういえば、何を買うの?」
「ん? 着替えとか日常で使うもの」
「新しいのを?」
「新しいのを」
「今まで使ってるのではなく?」
「なく」
驚きと戸惑いが混ざった顔をした。
「勿体無いよ」
「どうせ無くなるんだろうし、変わらないよ。それに、金ならある」
むしろ金しかない。
家ない家族ない友達ないのスリーアウト。
「でも……」
「でももへったくれもあるか。いいから買うぞ〜」
先ほどは手を引っ張られたので、お返しに俺が引っ張る。
「きゃっ!? ま、待ってよリュウ〜!」
☆☆☆☆
やってきた下着売り場。
なぜ俺も一緒なのかは不明。
フェイトと一緒に来てフェイトがいなくなり一人ぼっち。
「リュウ〜! これなんてどう?」
アリシアが俺に下着を見せてくるので、
「あぁ、いいんじゃないか?」
「ぶ〜。なんだか適当ー!」
「いやだって、別に興味ないし」
刹那、体が震えた。
「うおぅ!? な、なんだ!?」
なんというか、殺気? 憎悪? よく分からないがそんな感情をぶつけられた気分だ。
……恐らくプレシアのせいかもしれない。
「ま、まあ! アリシアなら何でも似合うさ!」
「いきなりどうしたの? そんな慌てて」
「なんでもないよ! うん!」
これ以上下手に言ったら殺される。
そう思った俺はアリシアを褒めてこの場から離れることにした。
「危なかった……」
ていうかプレシアのやつ、どこから見てやがる。
サーチャーでもあるのか……?
「あ、リュウ〜!」
少し離れたところで待っていると、フェイトがやって来た。
「あれ? 下着とかは?」
見る限り手ぶらだ。
俺的には手ブラをしてほしいが。
「アリシアみたいに、見せるのは恥ずかしいから……」
「ああ、そういうことね。それで、アリシアとかプレシアとかどこ?」
「母さん達は、まだ買い物を楽しんでるよ」
「フェイトはいいのか?」
「母さんと一緒にいると、着せ替え人形みたいにされそうだから……それに、リュウと一緒に居たかったし」
「ん? なんか言ったか?」
「あ、ううん! なんでもないよ!」
おかしいな。なんかフェイトが呟いたような気がするんだが。
気のせいかな?
それからは、フェイトと他愛のない話をしながら、みんなの買い物が終わるまで待っていた。
☆☆☆☆
「ねえリュウ」
「ん? どうかした?」
買い物が終わり、みんなでお昼ごはんを食べに近くにあったファミレスに入り、フェイトの隣に座った俺は、正面にいたアリシアに話し掛けられた。
「リハビリが終わったらさ、私管理局に入るんだ。それで、私用にデバイスを作って欲しくて」
「デバイスかぁ……あれでも、それならリニスが作ったらどうだ? フェイトのバルディッシュも、リニスが作ったんだろ?」
プレシアの隣に座る猫耳美少女に話しかけると、
「いえ……私ではなくリュウが作ったほうが、高性能のデバイスが作れますので」
バルディッシュも、結構な性能を誇るけどなぁ。
「まあいいか。フェイトはスピードタイプだけど、アリシアもスピード?」
「私はね、スピード寄りのパワーなんだって」
「つまりパワー型か」
なら一撃必殺のハンマーか大剣がいいかもしれない。
武器から魔力を噴出し、それでスピードを出せば補えるだろ。
「パワーとスピードか……」
よくもまあ、双子なのにここまで逆になるもんだ。
妹はスピードで、姉はパワー。か。
「アリシア、スピードもあるんだよな?」
「うん。あるよー!」
ふむ……なら、
「フェイト、バルディッシュをあとで貸してくれ」
「え? い、いいけど……」
バルディッシュを基板とさせて、そこからデータを改造すれば、案外イケそうな気がする。
自宅から部品を取ってきて、旅館で作れば、結構早い段階で作れそうだ。
「いやでもなぁ……」
できれば、アリシアと一緒に作りたいんだが……。
ファントムとシルヴァーは、俺が使うから製作途中で色々と試作誤差が出来た。
だから、今の状態となったし……。
「う~ん……」
「考えてるリュウは、やっぱりかっこいいなぁ……」
隣りでフェイトが何かつぶやいたが、今はデバイスのことで頭がいっぱいだ。
……仕方ない。
「フェイト、なにか言ったか?」
「え? う、ううん! なんでもないよ!」
「そうか?」
俺は不意打ちとして、フェイトのおでこに手を当てて、体温を計る。
だが、特に異常はない。
「熱ないか……疲れたなら、素直に言っていいからな?」
「う、うん……」
顔が熱いけど、どうしようか。
家に帰らせる──もちろん、俺が運んで──ことも考えたけど、
「プレシア、どう見る?」
「平気よ。長年母親をやってる私からしたら、今のフェイトは風邪なんて引いてないわ」
なんともまあすごい自信だ。
俺自身、フェイトが風邪を引いてないことは確信できるが、ただ疲れは分からない。
「だ、大丈夫だからっ。ね? リュウ」
「……まあ、お前自身が良いならいいが」
それからは、アリシアとデバイスについて話し合い、買い物を終了させた。