魔法少女リリカルなのは〜第二の人生を受けた者〜 作:ヤンデレ好きの変態
様々な試練を乗り越え、帰ってきました!
「あ、リュウー!」
「ん? ああ、アリシア。まだ入ってなかったのか」
「それはもちろん。それに、私たちから誘ったわけですし」
意味が分からないが、気にする必要もない。
「それじゃあ、どこで待ち合わせするの?」
「ほぇ? 待ち合わせ?」
「だって、男より女の方が風呂の時間長いだろ」
「大丈夫。それに、リュウも私たちと入るんだし、気にする必要ないよ」
「……アンダッテ?」
なんか今、聞き捨てならない言葉を聞いたが。
「だから、リュウも私たちの方について来るの」
聞き間違いとかでも、幻聴とかでもないらしい。
「嫌だよ。なんで俺もそっちに行かないとなんだ」
「洗いっ子しようよっ」
「えぇ~……」
全然乗り気じゃないんだけど……。
「まあまあ、レッツゴー!」
アリシアに連れられ、俺は女風呂の中に入っていった。
……ていうか、混浴許されてるのかね?
☆☆☆☆
「ほらリュウ。早く行こうよ」
「待て慌てるな。あとタオルを巻けよ」
別にコイツの裸を見ても何とも思わないが。
俺のマイサンは無反応である。
ていうか反応したら俺ロリコンになるし。
「あとで巻くよ! ほら、早く!」
「ああもう! 分かったから! 引っ張るな!」
てか女のお前がなんで俺より早く脱げてんだ。
明らかおかしいだろ。
アリシアに引っ張られながらも、何とか腰にタオルを巻くことに成功した。
「危ねぇ……」
「ほらリュウ! こっちこっち!」
「おっと」
風呂の中に入ると、俺たちよりも少しだけ年上の女の子や、OLの女性と言った、たくさんの人たちが賑わっていた。
そして、連れて行かれる方を見ると、アルフとリニスがいる。
「なんで……?」
「ザッパーン!」
「はい!」
刹那、二匹にお湯を掛けられた。
新種のイジメだろうか。
「よしっ。はいこっち!」
そしてまた、引っ張られ、湯船の中に入れられた。
「きゃ!?」
「……気持ちいいな」
ていうか、温泉や銭湯の掟破っちゃったよ……。
タオル……腰に付けたまま。
「それじゃあ、あとはごゆっくり~!」
「なにが『ごゆっくり』だ!」
「ふぇ!? り、リュウ!?」
「ん? おお、フェイトじゃん」
……ん? フェイト?
「って、フェイト!?」
思わず大声をあげてしまった。
いやまさか、一緒に入ってたとは……。
好きでもない相手には特に問題はないが、好きな相手には問題しかない。
「ど、どうしてリュウがこっちのお風呂に!?」
「アリシアがさ……俺のことを引っ張って来て」
「そ、そうなんだ……」
互いに無言となる。
同じ浴槽にいて、背中合わせの形となった。
「……ね、ねえ、リュウ」
「え? あ、いや……なんだ?」
沈黙を破いたのは、フェイトの方からだった。
「えっとね……リュウの気持ちが、知りたくて」
「き、気持ち……?」
ま、まさか、俺の恋心がバレてるのか……!?
ど、どうしよう……。
「どうしてリュウは、こんなにも私たちのことを気にかけてくれるのかなって……母さんがリュウを連れてきた時は、始めての人で驚きと怖さがあった……けど、今じゃあこんな旅行まで用意してくれて。どうして」
最後の問いは、誰に向けたものなんだろうか……。
真意は分からないし、聞かない。
ただ今は、フェイトが俺にたった一つの気持ちをぶつけてきた。
「俺がなぜ、フェイトたちにここまでするのか、か……」
フェイトと旅行がしたかったのと、銀行に振り込まれている額があまりにもおかしかったから、ただみんなを連れてきただけなんだよなぁ……。
「理由なんて、知らなくてもいいんじゃないか?」
「え?」
俺は後ろを振り向き、フェイトの肩に手を置く。
スベスベお肌だぐへへへ……なんていう気持ちは九割ほどしかない。
「理由なんて、知らなくていいんだよ。今ただ、俺がいて、フェイトがいて、プレシアやアリシアがいる。今は、それだけでいい。な?」
誤魔化すように、笑顔を見せる。
本当なら、フェイトにプロポーズして、結婚したい。
ベッドの上で裸になるフェイトに、あんなことやこんなことをしたい。
「……うん、今はそれでいい」
「よし、やっぱりフェイトは良い娘だ」
それから、何も話さずに、俺とフェィトは温泉に浸かった。
☆☆☆☆
「ふぅー、中々の湯だった」
「だねー」
フェイトと腕を組み、さらに手を繋ぎながら歩く。
互いに着物を着ながら、廊下を進む。
「この前は、ジュエルシード事件でゴタゴタしてたから、こういうのんびりとした日々はいいなぁ」
台詞が年寄り臭いけど、こう思っても仕方ない。
まあ、部屋に戻ればデバイス制作があるから、のんびりではないんですけど。
「ねぇ、リュウ」
「ん? どうかした?」
「ううん、ただ呼んでみただけ」
うおおぉぉぉぉぉ!!!
なにこのかわいい生き物! 俺を萌え殺すつもりか!
「……とりあえず、部屋に戻ってデバイス制作の続きしないとな」
そう言うと、フェイトは優しく微笑んだ。
☆☆☆☆
とある住宅にて、二人の男女が住んでいた。
「あれ? はやてー!」
「なんや? あっきー」
「あ、いたいた。お菓子とジュースが無くなってきたから、ちょっと買ってくるわー」
「分かったで。気ぃつけてくれな」
「おう」
二人は互いに訳ありで、同居生活を送っている。
しかし、夫婦のような円満とした生活は、長くは続かなかった。
少女の誕生日の夜、悲劇が始まる。
【闇の書、始動】
「え……?」
少女の部屋にて、機械のような声が鳴り響く。
訳も分からず周りを見ると、そこには異常があった。
本が宙を浮いている。
【マスター、八神はやて。守護騎士システム、開始】
刹那、本から風が巻き起こる。
「な、なんや!?」
驚く少女の声を無視して、少女の部屋に四つの魔法陣が現れる。
「闇の書の起動、確認しました」
「我ら、闇の書の蒐集を行い、主を護る守護騎士でございます」
「夜天の主の元に集いし雲」
「ヴォルケンリッター、何なりとご命令を」
この出来事が、少女の運命を大きく変える出来事となる──