魔法少女リリカルなのは〜第二の人生を受けた者〜 作:ヤンデレ好きの変態
これは、12月に起きた、新たな出会いと事件。
手にしたのは新たな仲間たち。
闇の書事件と記されるこの物語は、大きな分かれ道を作った。
涙あり、笑いありの壮大プロジェクト
魔法少女リリカルなのはA's
──始まりマッスル
「って、言うのはどうよ」
「馬鹿かよ!?」
失礼な! 俺が一晩かけて作り上げた内容を、全力で否定するなんて!
「いやいやいや! 俺が言いたいのは最後だ最後!」
「アルファベットはだめなの? ならひらがなで『えーす』にするわ」
「そうじゃねえ!!」
場所はなのは宅。
なのはと一緒にいる男、霧雨司郎。
ジュエルジード事件ではぶつかり合った仲だが、今ではこうやってお笑いコンビのように仲がいい。
なのはは下でお菓子と飲み物を持ってくるので席を外している。
「はぁ……そういえば、フェイトは連れて来なくて良かったのか?」
「ん? ああ。問題ないよ。今頃、俺のベッドの上で寝転がってるだろうし」
「なんだそれかわいい」
「しかも、この時のために、夜中部屋中に隠しカメラを仕込んだ。これにより、フェイトの寂しそうな顔とか、スカートの下が見れる」
「クズじゃねえか!」
愛ゆえに、仕方なし。
まあ、そろそろこの集まりの趣旨を話し合うか。
十分ボケたから満足
「んで、もう12月になったわけだが、ヴィータやシグナムたちの奇襲は、いつだと思う?」
「……さあな。俺もそれが分かったら、ボディガードになれるんだが……」
「まあ分からないものを考えても仕方ない。
……ああ、ただ」
「なんだ?」
嘱託魔導師になった俺に、管理局からの注意事項のことを話す。
「既に、この数週間の間に、動物たちのリンカーコア、たまに魔導師のリンカーコアが無くなる事件が起きているらしい」
「蒐集、してるんだろうな……」
「あぁ……魔導師にも手を出したなら、なのはやフェイトのような大量の魔力を持った奴を狙いにやって来る」
「ちっ……世知辛い世の中だ」
「全くだ」
「おまたせー」
そこで、なのはが戻ってきた。
トレイを両手で持っており、すぐに司郎がそれを取りに行く。
「落としたら大変だからな。俺にくれ」
「あ、うん」
司郎の言われた通り、トレイを渡した。
トレイの上には、様々なお菓子と飲み物がある。
「さて、なのはも来たことだし」
バッグから取り出したノートと教科書。
「やりますか」
そう、宿題である。
☆☆☆☆
「この街か」
「ああ」
赤い服を着た少女に、青い狼が相槌を打つ。
「魔力が大きいから、気をつけるんだぞ、ヴィータ」
「分かってる」
赤い服──ヴィータと呼ばれた少女は、手に持つハンマーを肩に担ぐ。
「ザフィーラも、気をつけるんだぞ」
「心得ている」
「蒐集やって、闇の書を完成させて、平和に過ごすんだ。はやてとずっと」
「…………」
苦々しく言うヴィータに、狼──ザフィーラは何も答えない。
ただ、気持ちは同じなのだろう。
ザフィーラも、同じような顔をした。
「よし、行くぞ!」
ヴィータの合図と共に、二人は分裂した。
☆☆☆☆
「くそ!」
悪態を
「リュウ!」
その時、俺に追いついてきたフェイトと合流する。
既にバリアジャケットに見を包んていた。
「なのはが襲われたことは話したな? 今は緊急事態だ。速度を上げるぞ」
「うん!」
互いに速度を上げ、現場へと向かう。
その道中、奇襲に遭った。
「紫電一閃!」
豪炎と言えるような炎が、俺たちを襲う。
「シルヴァー!」
【セットアップ】
背中に出てきたマントを掴み、それを広げる。
「なっ……!?」
驚く声が聞こえる中、剣で対応する。
並列思考を駆使し、フェイトに念話を送る。
『フェイト、俺のことはいい。フェイトはなのはの所に向かってくれ』
『うんっ』
念話を止め、相手を見る。
「誰だ」
「名乗る名はない。しかし、先程の動き……貴様、何者だ?」
「こっちも、名乗る気はねぇな」
「ふっ……そうか。ならば、体で答えてもらおう!」
セリフだけ聞くと妙にエロい。
これがくっ殺騎士の力か。
フェイトに言われたらやばいな。
「はぁ!!」
シグナムがこちらに突っ込んでくる。
剣を構え、背後に飛ぶ。
「むっ……? な!?」
空中で一回点し、相手の腹部に目掛けて剣を当てに行く。
その行動に驚きの声をあげるシグナムだが、さすがは歴戦の騎士だ。
すぐに反応してきた。
「そんな子供騙しで、私を倒せると思うな」
「倒そうだなんて、思っていない」
「なに……?」
これは、ただの時間稼ぎだ。
なのはを襲っているヴィータに、フェイトを向かわせ、二体一という構図にさせる。
さらに、司郎も増援で駆けつけてくれるだろう。
実力が高いなら、こちらは数の暴力だ。
「何が目的だ?」
「さあて、なんでしょうね」
それだけを残し、シグナムを蹴り飛ばす。
「ぐっ!」
魔力で強化された蹴りは、思っていたよりも効いたらしい。
苦苦しい声をあげ、直ぐに俺を見据える。
「こちらからいくぞ!」
剣から薬莢が出てきた。
(カートリッジシステムか)
確か、原作だとあれでフェイトの武器がボロボロにされるんだよな。
なんて呑気なことを考えていると、
「紫電!」
シグナムは眼前にいて、
「一閃!」
必殺技を放ってきた。
純粋な上段切りなので、横に躱す。
だが、
「っ!」
頬に当たる炎。
「ちっ」
軽く舌打ちをし、シグナムと距離を測る。
だが、奴はそれを見逃してはくれない。
「逃がすものか!」
「おいおい、しつこいぞ!」
どんだけ俺のことが好きなんだ。
とりあえずこちらもカートリッジシステムを使う。
「はぁぁ!!」
シグナムの剣と、俺の剣がぶつかり合う。
鍔迫り合いになり、純粋な力比べとなった。
だが、
「はぁぁぁぁッッ!!!」
俺は男で、向こうは女。
だが、俺は子供で、向こうが大人だ。
力比べでは圧倒的に不利である。
簡単に押されてしまう。
「くそ!」
よく見ると、背後にはなのは魔力を貯めていた。
俺は更にカートリッジシステムを使い、対抗する。
「貴様、何者なんだ……?」
シグナムの呟きを無視し、俺は一瞬だけ距離を取り、大回転切りをする。
「ぐぅぅ……!!」
シグナムの言葉が合図となったのか、
「ブレイカァァァァァァァ!!!!」
なのはの叫び声が聞こえ、驚いて見ると、結界に向けて魔法を放った。
なのはの砲撃が結界に当たり、少しの間ぶつかり合い、結界が割れた。
「結界が割れたか。私は烈火の将シグナム。お前の名は?」
「……雷門リュウだ」
「雷門か……先程までの動きと、私に対する冷静な判断力。ただの子供ではないな」
そう言うシグナムは、薄く笑っていた。
「こんな出会いで無ければ、素晴らしき相手になったであろうな……。この勝負、預けたぞ!」
小さく呟いたあと、俺の目の前から消えて行った。