魔法少女リリカルなのは〜第二の人生を受けた者〜 作:ヤンデレ好きの変態
「ねえリュウ」
「んー?」
「何してるの?」
「ひなたぼっこかなー」
「楽しい?」
「楽しいというより、リラックスができるかなぁ」
「ふーん。それより、母さんがリュウのこと探してたよ」
「えぇ〜……逃げるか」
「ダメだよ。ほら、行こ?」
手を引っ張られ、俺はフェイトに連れて行かれた。
なぜフェイトと一緒なのか。
それは昨日のことである。
あの事件があってから次の日。
家にプレシアがやってきて、ドナドナしやがった。
説明以上。
「あ、やっと来たわね。まったく、どこほっつき歩いてたのよ」
「ひなたぼっこだよ。それで、なんか用?」
「機械を作る時に、問題が発生したのよ。手伝いなさい」
これは命令ではない。
ただの強制だ。それか脅迫である。
仕方なしに問題が出た部分を見ると、確かに矛盾が発生している。
それを直しながら、俺はプレシアに質問をする。
「てか、蘇生装置なんて作ろうとして、何をしたいんだ?」
「あら、説明してなかったかしら?」
「されてねえよ。根掘り葉掘り聞かれただけだ」
まあ俺を拉致った理由なんて、この前の事件を見たプレシアが、俺の動きに疑惑を持ち、家に押しかけてきたらしいが。
よし、あと少しで終わる。
「私はね、娘であるアリシアを生き返らせようとしているのよ」
「ふーん……」
興味なし。
「……普通は驚くと思うんだけど」
「蘇生装置を作る時点で、誰かを生き返らせようとしていることは大体察しが付く。ただその対象が誰だか、という話だ。子供ならフェイトがいるから、無いと踏んでいて、残りは父親だと思っていたが……的が外れたわ」
よし、終了。
俺は装置から離れる。
「ありがとう。アナタ、本当に八歳なの?」
「当たり前だろう。どこからどう見ても一般ピーポー」
「少なからず、管理外世界に住む住人が魔法を使える時点で、一般ではないわね」
「あっ……」
「今気づいたの!?」
俺とプレシアの会話に、フェイトが突っ込んだ。
「まあいいわ。アリシアさえ生き返ってくれればそれでいいんだから」
「フェイトいるんだし、フェイトでいいじゃん」
「嫌よ。言っておくけど、フェイトはクローンなのよ」
「……はぁ!?」
なんやこのババア。
いきなりとんでもないカミングアウトしやがったぞ。
いや別に、一応は知ってたけど。
ただフェイトがいるから言わないと思っていた。
ほら見ろ、フェイトも驚いているぞ。
「クローンと言っても、人の偽者じゃないわ。本当に精密機器で何時間も見ないと、分からないんじゃないかしら?」
「じゃあなにか? フェイトに好きな人ができて、その人と結婚して、子作りしたとしても、赤ちゃんは作れるのか?」
「当たり前よ。出来るなら、私がフェイトと結婚したいくらいよ」
「親ばか発言はどうでもいいが……しかしフェイト、今の話聞いてたか?」
「うん……一応、私がクローンということは母さんから聞いてたけど……ただ、リュウにその秘密を言うとは……おもわ……なく、て……ッ!」
突然、フェイトが涙を流し始めた。
「ちょちょ!! ど、どうしたんだよフェイト!?」
「そうよ! どうしたのフェイト!? どこか痛いの!? 分かったわ! リュウが何かしたんでしょ!」
「待て待て待て!!! 何もしてねえし魔法使うな!」
冤罪で死にかけるところだった。
「それでフェイト、どうしたんだ?」
「うぅん……何でもないの」
「何でもない奴がいきなり泣くわけないだろ。そんな頭おかしいことするのはプレシアだけだよ」
背中に鞭が当たった。
超痛い。容赦ねえなこいつ。
「……ただ、リュウに嫌われたかな、って思って……」
「嫌われる……?」
「ほら見なさい! やっぱりアナタが原因じゃない!! 裁きをくれてやるわ!!」
「待ってマジで待って!」
雷が落ちそうになる。
このままじゃ殺される。
「なあフェイト、俺がフェイトのこと嫌うって、どういうことだ?」
「だって……私がクローンと知って、軽蔑したんじゃないかな、って思って……」
その言葉を聞いて、納得した。
「確かに、フェイトがクローンと知って驚いたよ」
「ッ!?」
流れる涙が上昇した。
そして鞭で背中が打たれる。
だから痛えよ!
「まあフェイトの言うとおり、今俺の目の前にいるフェイトは、人の皮を被った化け物と思うだろう」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!
無言で打たないで殺気出さないで!
最後まで聞けよ!
「一般ピーポーからしたら、そんな化け物、軽蔑するし嫌うし距離だって置く」
鞭の打つ速度が上がった。
もう俺の背中のライフはゼロである。
てかいい加減打つの止めろよクソババア!!
……ああごめんなさい!! 魔力を込めて打たないで!!
お願いですから最後まで聞いて!!
「けど俺は別に、フェイトがクローンだとか、そんなの気にしないぞ」
鞭が止まった。
しかし、先ほどまで打ち続けられたので、普通に痛い。
このババア、後でシメる。
「魔法が存在しない場所で、魔法使えるやつが一般ピーポーと普通に言っちゃうんだぜ? そんな奴が一般ピーポーなわけがない」
それに、続けて俺は一拍置いて話す。
「俺がフェイトに対する好感度は、百割の好きで出来ている。これを嫌いにさせるには、鏡の世界にいる俺じゃないと出来ないぜ? さっき、プレシアだって言っただろ? 結婚したい、って。俺だって、フェイトと結婚したいほど愛してるよ。ほらフェイト」
彼女の目に少し触れて、涙を取る。
「そんな悲しそうな顔をしないでくれよ。まあ俺にとっちゃ、泣いているフェイトも可愛いけど、お前には笑顔が一番似合ってるんだから」
もしこのシーンを後で聞いたら、恥ずかしさのあまり悶絶しそうである。
俺の気持ちを聞いて満足したのか、フェイトは笑顔になった。
「リュウって、やっぱり格好いいね」
「まあ俺が格好いいのは今更だろ」
というかさっきから背中がかなり痛い。
正に激痛だ。
「……ねえリュウ」
「ん?」
「私も、リュウのこと好きだよ」
「……おう」
可憐過ぎて、直視することができませぬ。
ヤバイわ。
俺がリリカルなのはの世界に来た理由で、フェイトの事が好きだからなんだよな。
「さてフェイト。家庭教師のリニスが入り口で待ってるぞ」
「え!? あ、本当だ。行ってくるね!」
「おう! 頑張れよー!」
「はーい!」
うむうむ。良い笑顔である。
あの笑顔のためなら、人だって殺せるわ。
「リュウ……アナタ」
「なに?」
「フェイトは渡さないわ!」
「だぁぁもう! うるせえ!」
フェイトの笑顔を見れたからか、プレシアの顔も何だか緩んでいた。
恐らく、今の俺も緩んでいるだろう。
そんな一日が、時の楽園でありましたとさ。
……なにこの主人公、めっちゃ気障やん……
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