百十七話
20番道路は暗黒城が放った天地界脈により漆黒の霧へと変わった。
この技は空と地面を作り替える技だが、妙だ・・・
明らかにそれ以外の技が掛かっている!
俺は近くに居た筈のマフォクシー、前方に居た筈のエルドラド、上空に展開していたミュツウーとレックウザを探すことにした。勿論、セレナ達も探すけど。
「お~い!マフォクシー!エルドラド!ミュウツー!レックウザ!セレナにウルップ!どこにいるんだよ~!」
暗闇を真っ直ぐに歩いているが何も無ければ何も聞こえない。自分の声が遠くに行っているみたいな感覚だ。
自分以外がいない世界みたいだ。
イベルタルの戦闘に夢中になりすぎてこの霧が迫っていた事すら気づけなかった。瞬く間に霧に飲み込まれてから自分がどこにいるかも分からない。俺の腰に吊していたモンスターボールも無くなっている。
俺と共に戦ったポケモン達も今は見当たらない。
暗黒城を探し出せれば脱出出来るのか?
何も分からない・・・
分からなければ行動しなければ立ち止まるだけだな・・・
俺はとりあえず真っ直ぐ走って行った。
その頃セレナは・・・
「ここはどこなの?ねえ!誰か居ないの!?」
セレナも漆黒の霧に飲み込まれており彷徨っていた・・・
「バロン!ウルップさん!みんな!どこにいるの!?」
セレナは呼びかけながらひたすら真っ直ぐ歩く。
だが、セレナ以外は誰もいない。
「みんな・・・どこに行ったのよ・・・」
セレナは次第に歩くのを止め、座り込んでしまう。
その頃ウルップは・・・
「あれだ。完全に暗黒城の技に掛かってしまったな!ガッハッハッハ!」
ウルップは豪快に笑い、腕を組んだ。
「とりあえず幻術の類いだろう」
ウルップはそう考え思い切り自分の頬をグーで殴った!
勢いを良く殴ったので少しよろめいたが変化は無かった・・・
「うむ?変化無しとは!これは現実なのか!?」
ウルップはまた腕を組み考え込み、暫くじっと考えていると・・・
「あれだ!儂は迷ったな!とりあえずここが現実なら出口があるはずだ」
ウルップはそう言いとりあえず真っ直ぐ歩くことにした。
したが・・・辺り一面は漆黒の霧、いわば真っ暗な視界で歩かなくてはならない。
神経も使うし、何より不安が押し寄せて来る。これは結構キツい・・・
ウルップはひたすら真っ直ぐ歩くことにしたが、歩くスピードは凄く遅い。足下を確認しながら進んでいるから。
その頃ポケモン達は・・・
『お前ら!結界を造るから我の糸につかまれ!』
エルドラドが大声で叫び皆に黄金の糸を掴ませ、一気に引っ張り皆を集めた。その後直ぐに特殊な結界を張り皆を集めた。
この結界は外からは見えず、中からは外が見えると言う仕組みになっており、外からは生命反応も遮断出来るので、感知タイプが居てもここは見つからない。
『外が凄いことになってるよエルドラド様・・・』
『エルドラド様!俺達のマスターはどうするんですか!』
『我の黄金の糸は人間は触れることが出来ない・・・仕方が無かった』
エルドラドは凄く悔しそうに歯を噛みしめそう言った。
皆も意見は一緒だったがどうしようも無い事は解っていたので誰も文句は言わない・・・いや、ミュウツーが言っていたな・・・
自分達はエルドラド様のおかげで助かってる。
今の自分達が出来ることは、エルドラド様の命令に従い動くことだ。
『エルドラド様、自分達は何をすれば良いですか?』
『今は体を休ませて待機。天地界脈の技は我ら上級の神の技。解除も対応も上級の神しか出来ない。だが、我はその上級の神の位置にいる。この結界は皆に神タイプを一時的に付与させている。だが、この効果が切れると・・・』
『外の漆黒の霧の効果を受けると言う事ですね?』
流石ミュウツーだ。
『そうだ。それまでにお前達には一時的に上級神の神の体に耐えられるような体になって貰わなければならない』
上級神は普通の神タイプ付与とは違い、更に濃度が濃い、言わば本当の神になると言う事になる。
上級神になる為には一般のポケモンはその神の体質に耐えられる体を作らないといけない。一時的にとはいえ、限界を超えない限りはそこには到達出来ない。
伝説ポケモン達も神タイプは付くが、上級神までとはいかない者が多い。
なので皆に体作りを短時間で作って貰わなければならい。
『そこでだ。我のこの特殊結界を使い、体作りをして貰う。この結界は外との時間差があり、ここでの一日は外では1分だ。マスター達は長く持って1時間が限界だと思うがそれまでには猛特訓すれば上級神に耐えられる体になるだろう。皆、頑張ってくれるか?』
『『『『はい!!!』』』』
皆は一同に頭を下げ、返事をした。
皆も助けたい思いは一緒なのだ。我も共に頑張ろう!
こうしてエルドラド達の上級神の体作りの猛特訓が始まった。