百六十四話
ポケモンリーグ2回戦は明日だが、俺は一度ゲンジさんから相続されたコウジンタウンに行った。
日はすっかり沈み星が綺麗に見える時間帯になっていた。
「やっと着いたね。青竜王、あの屋敷で降ろしてくれ。久しぶりの我が家だ」
『久しぶりですね。何も変わっていないように思えます』
そのままの状態でずっと使用人に管理させていた我が屋敷は、まだ灯りが付いていた。使用人達がまだ働いているのだろうか?
「とりあえず入ろう」
『はい』
俺は青竜王に玄関前で降ろしてもらい、屋敷に入った。
すると、屋敷の扉を開けた瞬間、目の前で剣が音を立てて交差された。それを見た青竜王は直ぐに行動に移った。
『邪魔者が』
青竜王は手に波導を纏わせ剣を叩き割った!その後直ぐに屋敷内に入り、剣を持っていた人を峰打ちし気絶させた。その後、青竜王は手を床に付け、波紋を屋敷全体に巡らせた。
正面の扉に人が4人。ポケモンが6体。
左側の扉には人が2人。ポケモンが4体。
右側の扉には人が3人。ポケモンが4体。
2階の階段前の扉には人が10人以上。ポケモンは6体。
2階の各部屋(6部屋)には人が3人。ポケモンは1体。
こんなに人とポケモンがいた。だが、この静けさは何か可笑しい。しかも、この倒れている人は見覚えが無い。
まさかと思うが・・・我が屋敷を襲ったのか?そう考えるしか無いな・・・
多分だが、2階の一番人がいる場所が、ここの使用人達が掴まっている場所だろう。
「出てこい紅皇龍。エルドラド。青竜王と紅皇龍は1階にいる此奴らの仲間だと思う奴等を峰打ちで捕まえてくれ。エルドラドと俺で2階の掴まっている人達を助ける」
『『『了解!』』』
俺達は直ぐに行動した。
青竜王は手を前方の扉に向け波導で扉を押し開けた!
中の人は直ぐに青竜王を確認し、ポケモンで攻撃する指示を出そうとした時、青竜王は神速の速さで一気に接近し、この部屋のポケモン6体を数秒で倒した。
中にいた人達は、ポケモンが倒されたので一斉に逃げだそうとした時、青竜王はバロンの指示通り、逃げだそうとした人達の首筋を軽く叩き気絶させた。
紅皇龍も同時に動き、擬人化して分身を出し左右の扉を押し開けた!
右側の部屋の人は無視して、先にポケモン共を腹を殴り気絶させ、その後この部屋にいた3人の人達の首筋を軽く叩き気絶させた。
それと同時に分身の方も、左側の部屋に入り、先にポケモン達の腹を殴り背中を思い切り叩きノックアウトさせた後、そこの部屋にいた4人の人達の首筋を軽く叩き気絶させた。
その後、縄を出現させ気絶させたポケモン達と人達を縛り上げた。
バロンはエルドラドと一緒に2階に上がり正面の扉を勢いよく開けた。
そこには、この屋敷の使用人達が縄で縛られており、ポケモン達が見張っていた。
「てめぇら!エルドラド!此奴らを全員捕まえろ!!」
『勿論だ!』
この部屋にいたポケモン達は破壊光線を放とうとしてきたので、それより早くエルドラドは分身を出現させ、6体のポケモンの口を封じ口の中で爆発させた。
爆発したせいで口の中から黒い煙が出たがもう気にしない。その攻撃で戦闘不能になっていたから。
エルドラドは直ぐに丈夫な縄を出現させ、ポケモン達を縛り上げた。
分身達には2階の各部屋にいる人達を捕まえ、連れてくるように命じ部屋から出した。
「バロン様!!助けてくださりありがとうございます!」
「ですが、今はポケモンリーグの最中ではありませんでしたか?」
使用人達は感謝の気持ちと、リーグ中の俺の心配をしてくれた。
「大丈夫だ。俺のポケモンの速度で十分に間に合う。それよりも酷いことされなかったか?」
俺はそっちの方が心配だった。もしもの事があれば此奴らを全員・・・
「突然大勢の方が押し寄せて来た時はびっくりしましたが、抵抗しなければ危害は加えないと言う事でしたので、大人しくしてました。怪我はありません」
「それは良かった。今巡査さんを呼びますので待っててください」
「はい」
俺は直ぐに巡査さんに連絡を入れ、3分後に来てくれた。
この屋敷の側にポケモン警察出張所があるので、来るのが早いのだ。
「バロン様!巡査ただ今到着しました!襲撃班を捕まえて頂きありがとうございます!」
「それでは、此奴らを頼みます」
「はい!それでは、失礼します!」
巡査さんは敬礼をして直ぐに車を走らせた。
その後俺は、夜遅いがエルドラド達の力を借りて、我が屋敷をパワーアップさせた。その時に音や光りが凄くて町人達が起きてしまい苦情を言いに来る人が多くなったが、屋敷の方を見ると皆黙っていった・・・
コウジンタウン自体が小さな町なので、町人達全員が我が屋敷の前に来た。
最初は、ゲンジさんの好きだった木造立ての屋敷だったが、今はエルドラド達の力を借りて、黄金や、ルビー、サファイアなど様々な効果な宝石などが多様に使われた豪華な屋敷に変わっていった。
更には、屋敷自体も大きくなりコウジンタウンの岩山側に家が広がっていった。
最終的には黄金色の城壁が造られ、屋敷が大きくなり、やがて煌びやかな豪華な城へと形を変えた。
結構広範囲の規模の城になったので、町人達に城で住まないかと聞くと皆、喜んで住むと言ってくれた。
皆が了承してくれたので、城壁の場所を変更しコウジンタウンの土地の境界線に黄金色の城壁を作り替えた。
城自体の場所は変わらず、岩山の上の方に建てられ、町人達が住んでいた民家などは、皆の了承を得て取り壊し商売用の店を建てた。
一番大切なポケモンセンターは、商売エリアと城エリアと2カ所に建て女医さんを更に雇わせて貰った。
巡査さんも更に雇わせて貰ったが、警備に2進化以上のポケモンがいることを条件に雇ったので、10人ほど雇うことにした。
他の事も色々しなくちゃいけなかったのだが、町人達に「明日は大事なリーグ戦があるのでもう休んでください」と言われたので、甘えさせて貰った。
翌朝起きると、町人達の中に数人いた高レベルポケモントレーナー(現役引退者)達が俺の所に来た。
「朝早くにすみません。私はこの町出身のガフォルと申します。こちらが・・・」
「ヴォルフと申します」
「フォランと申します」
「ダダンと申します」
「バンデンと申します」
朝早くから名乗って来たポケモントレーナーは見た感じは40代の人達だった。
フォランとダダンは女性の方で、ガフォル、ヴォルフ、バンデンは男性の方だ。
男性の方の名前が正直、覚えづらいな・・・
「どうかしましたか?」
「我らをどうか、雇ってください!」
「城の警護など何でもします!」
「どうか!!」
「「お願いします!」」
5人が一斉に頭を下げた。
この城の警備などは確かに欲しかったので、俺にもいい話だ。
「分かりました。雇わせて頂きます。手続きは代官に任せますので、そちらでお願いします」
「「「ありがとうございます!」」」
更に頭を下げられた後、5人は喜びあった。
そんなにこの城で働きたいのかな?と思ってしまったが、まあ普通は城に住むだけでも凄い事なので、町人達からすれば嬉しいのだろう。更には、40代だと出来る仕事が限られるので、仕事が出来て嬉しいと言うのもあるのだろう。
俺は旅の途中に、白龍やデオキシスに城を造って貰ったりしていたから驚きは少ないけど、完璧に豪華な城になっているので、そこには驚いている。
ちなみに、この町の代官はコーラスと言う白髪のお爺さんで、城を造って貰っている間に自己紹介をしていた。
俺がここに戻って来るまで色々と頑張ってくれていたので、リーグ優勝した時に町人達とリーグ関係者と盛大なパーティを開こうと思う。
スペシャルゲストにカルネさんも来たら面白そうだな。
俺はそう考えながら明日(時刻は0時を回っているので今日)リーグの支度を始めた時に思い出した。
「エイセツシティの時のデオキシス、結局セレナ捕まえれなかったな。あの時は、どっちがあの場でGETするかだったから、今はもう良いよな。俺達ならデオキシスをGET出来るかな」
独り言を呟いていると、エルドラドから声を掛けられた。
『マスターはデオキシスの事が好きなのですね』
「え?ああ、好きなんだと思う。エルドラド、力を貸してくれないか?」
『はい。では、行きましょうか。テラスで青竜王がデオキシスの居場所を既に探してくれてます』
「ありがとう!」
バロンは直ぐにリュックに荷物を詰め込み、エルドラドと一緒にテラスに向かった。
そこには既に満足そうな顔の青竜王がいた。
「青竜王!待たせてすまない。デオキシスの居場所は分かったか?」
『勿論だマスター。デオキシスはこの城に興味を持ち、直ぐ側にいた』
「そばに!?」
バロンは直ぐに周りを見渡したが、デオキシスらしき姿が見えない。もう一度青竜王に聞こうと思った時、青竜王の辺りにデオキシスの影が見えた!
バロンはを直ぐに上を見るとデオキシスがこちらを見下ろしていた。
「デオキシス!会いたかったぞ!」
『人間。我に会いたかったのか?』
「ああ!俺はお前をGETしたい!バトルしてくれ!」
『よかろう。では、始めるとしよう』
デオキシスからプレッシャーが発生して、威圧が凄い。
だが、ここで暴れると城と住んでいる町人に迷惑がかかる。
「エルドラド!直ぐにデオキシスと俺達を別空間に転移してくれ!」
『ああ!』
エルドラドが咆哮すると、半透明は青い球体が発生し、デオキシスと俺達を包み込んだ。