百六十九話
ビッグバンの影響力が酷かったが、係員のポケモン達のおかげで観客席の被害は最小限に留まっていた。
「ユウキ~!無事か!!」
バロンは観客席に着いた瞬間に大声でユウキを呼ぶと、ユウキから返事が返ってきた。
「ここだよ~!私達は無事よ!」
ユウキは大きく手を挙げてここにいるアピールをしてくれた。
バロンは直ぐにユウキの方に行こうとした時、観客席の人達に詰め寄られた。
「お前のポケモンどうなってるんだ!」
「あんな技見たことないぞ!」
「お前のレアポケモン、俺のポケモンと交換してくれよ!」
バロンはだんだんと詰め寄って来る連中に苛立ってきた。
ポケモンを交換するだって?ふざけやがって・・・
『グオオオオオオ!』(人間共が!マスターに近寄るなぁああ!)
エルドラドがこちらの方に咆哮すると、エルドラドの周りに黄金色の魔法陣が展開され、そこから特大級の光線が放たれた!
青竜王と紅皇龍が咄嗟に観客席が向かい、全力障壁を同時に発動しギリギリ防げたが、体力を大きく消耗し地面に膝を着いた。
『グオオオオオオ!』(邪魔をするなお前ら!彼奴らを!彼奴らを~!)
エルドラドは、人間共がマスターに詰め寄り困っているのを見て怒ったのだ。
その人間達は確実に自分達が狙われている事が分かり、マスターに早く何とかしろと言い寄っている。
エルドラドの怒りは更に上がり、体が黄金色に輝きだした。
大技を放つ前段階だ。極大魔法よりも威力が高い、上級神の必殺技。今の紅皇龍と青竜王だと防げない!
「分かったから落ち着け!エルドラド!お前も少し落ち着いてくれ!」
『グオオオオオオ!』
エルドラドは咆哮をすると空の方に黄金色の光線を発射した。その光線は発射された時の大きさの約4倍の大きさになり戻って来た!
「エルドラドぉおおお!」
『多重結界!』
その時、バロンの後ろの方からこの世界の本当の神、『アルセウス』が現れ何十にも結界を張り、エルドラドの攻撃から自分達を守ってくれた。
「アルセウス!?」
『バロン。こいつらは?』
「ポケモンバトルの試合を見に来た人達です」
さすがの観客席の人達も目の前に、この世界を作り出した神が現れた事により全員が地面にへこたれた。
『エルドラドを怒らせたのはこの人達ですね。私の方で処理させて頂きます』
「ちょっと待ってください!」
『ん?』
アルセウスから敵意の籠もった目で見られた。
「この人達を見逃してあげてくれませんか?2度目は僕も手は出しません。今回だけ見逃してあげてください」
『バロン。お前は甘い。此奴らは一緒の事を平然とまたやるだろう。その時は、私が来るより先にお前の仲間が此奴らを殺すだろう』
「その時は自分が説得します」
アルセウスから殺意がそっと消えた。
『そこまで言うなら今回は見逃す。後、エルドラドも元に戻しておこう。ではな・・・』
「ありがとうございます」
アルセウスはエルドラドの半暴走状態になりつつあるエルドラドを正常に戻してくれた。
その後、アルセウスは自分の居場所に帰って行った。
「バロン君。いや、バロン様。この命救って頂き、ありがとうございます」
いつの間にか直ぐ側に来ていたユウキのお父さん、閠炎はバロンにそう言い頭を下げた。
後ろの言い寄っていた連中も直ぐに謝りと感謝の言葉を言い、頭を下げた。
その後、観客席の皆がバロンの元で働きたいと申し出てきた。
急な展開だったが人数も殆どいないので、
「僕の所で働きたい人がいれば我が城に来てください」
そう言うと口々に「ありがとう」と言われたり、「この命を救ってくれた恩人の為何でもします!」と言ってくれた人達もいた。
更には、「まだ10歳のバロン様の為に、儂から援助金を出す」と言ってくれた人達もいた。
こうしてバロンの城に大勢の人達、更には大富豪の人達が来てくれた。
「今宵は我が城で宴をします!行きたい人がいれば来てくださいね。城門は開けておきます。時刻は19時にスタートします。」
バロンはそう言うとエルドラドを呼び、背中に乗った。
「ユウキ、早く来て」
バロンは後ろの方にいるユウキに話しかけ、手を伸ばした。
周りの人達の目が温かいな。
「うん!バロン君、今すぐ行くね!」
ユウキはバロンの方に走りそのまま手を握り、バロンが引っ張り上げそのままエルドラドの背中に乗せた。
「出発だ!」
「レッツゴー!」
ユウキを乗せエルドラドはマスターの城に飛んでいった。
今の時刻は17時。まだまだ時間はある。
観客席の人達と閠炎さん達は、ぞろぞろと動き出し宴に行くために、支度のため一度自分達の家に向かいバロンの城に向かった。
バロンの城は殆どが黄金で出来ているので、この城を知る人達は皆『黄金城』と呼んでいる。
バロンもまだこの城に名前を付けていないので、使用人達にこの話しを聞いた時に、正式にこの城の名前を黄金城にした。
その黄金城に宴に行きたい人達が沢山来た。
このカロス地方の殆どの人がバロンの城に来て盛り上がっている。支度するために戻って行った人達が皆に知らせたので、皆来たのだ。
その中には各町のジムリーダーも来ていたり、カロス地方チャンピオンのカルネさんも来てくれた。勿論、プラターヌ博士も一緒に来てくれた。
そして時刻が19時になった時、黄金城のテラスにバロンが立った。
「お集まりいただきありがとうございます!これより宴を開催させて頂きます!みなさん、存分に楽しんでいってください!エルドラド、よろしく!!」
バロンが両手を勢いよく振り上げるとエルドラドが城の天辺から現れ、黄金の球体を空に放った。
それが弾けると花火みたいに綺麗な光景が目に入って来た。
集まってくれた人達も喜んでくれたので良かった。
その後は、バロンも下に降りて一緒に宴を楽しんだ。
更にはカルネさんから、
「黄金城、更に拡大する予定あるのかしら?」
「はい。大人数が僕の城に住んでくれるみたいですので、拡大しようと思います」
「そうよね。では、チャンピオンの権限を使いバロン君の領地を広げましょう!」
「大丈夫ですか?アルセウスに言ってからの方が良いような気がします」
カルネが固まってしまった。
「カルネさん?」
「そ、そうよね!ごめんさない」
カルネは謝ったが、普通にアルセウスに聞けばいいだけじゃないかな?
「カルネさん、少しだけ待ってくださいね。アルセウスに頼んできます」
「え?」
バロンはそのままエルドラドに軽く説明すると背中に乗り、そのまま飛んでいった。
数分後、エルドラドに乗って戻って来た後ろには・・・
「アルセウス様!?」
カルネやその他の人々が直ぐに頭を下げた。
「連れてきましたよ~ってカルネさん?」
『バロン。この人物は?』
「この地方のチャンピオン。僕に領地をあげるって言ってくれたんだけど、この世界の神には言わなくて良いのかなって思って、それで連れて来たんだ」
アルセウスは納得したように頷き、
『そういう事か。ならば問題ない。明日、バロンVSカルネが戦い勝った方がこの地方を制する。その時にしたいようにすればいい』
「そうだね!だけど・・・リーグのバトル城は戦いの時に半壊させてしまいバトル出来ないんだ」
アルセウスはやれやれと言い、
『そこでバトルしないと言うわけではあるまい。そうだな・・・』
アルセウスは少し考えると、
『我がバトル場を造ろう』
「ありがとう!」
アルセウスがそう言うと直ぐにバトル場が目の前に出来た。
「これでバトルが出来る!本当にありがとうアルセウス!」
『ああ。それでは、我は帰るとしよう』
「うん!また今度遊びに行くね!」
『ああ、待っている』
アルセウスはそう言うと自分の居場所に帰って行った。
その後は再び宴を再開して、夜遅くまで皆で騒いだ。
後日のチャンピオン戦は午後からにしてくれると言う事で、カルネさんも今回はいっぱい飲み楽しんでくれた。
プラターヌはそうそうに酔いつぶれて寝ているが・・・
明日が楽しみだ!