幻次元ゲイム ネプテューヌ -少女達の非日常な日常-   作:橘 雪華

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バグやらなにやら多いけどわたしは楽しんでます。
ロムちゃんかっこかわいくて強い!
ラムちゃんは、モーションが可愛い!

あ、もしかしたら四女神オンラインの序盤のネタバレになるかもしれないのでご注意を。


オンラインゲーム、始めました?

「はぁっ、桜輪舞!」

 

二刀を手足の様に振るいながら、ばっさばっさとモンスターを斬り倒していく赤色軽装備な衣装のエスちゃん。

スキルも活用して、一人でガンガン進んでいく。

 

「ピンポイント…エイム。てやっ」

 

とはいえ、それでも普段とは違うせいで隙は生まれてしまうわけで。

エスちゃんが仕留めるのに間に合わないようなのを、少し離れた場所からわたしが弓矢で穿つ。

 

待ちに待たれた(主にベールさん達に)四女神オンライン最新バージョンのβテストが始まって、

エスちゃんがどこかから入手してきたβテスター参加権で、わたしとエスちゃんもさっそくゲームを始めていた。

……言っておくけど、変なルートとかじゃないのは調べ済みだからね? 大丈夫だから。

 

ただ、わたし達はベールさんとは合流せずに進めている。

理由はエスちゃんにあるんだけど。

 

「ふぅ…この辺の敵は粗方仕留めたわねー」

「もう…一人でどんどん突っ込みすぎ。…シー・メディック」

 

フィールドにPOPしていたモンスターを一掃して(ほとんどエスちゃんがやった)ひと段落ついたところでわたしはエスちゃんに近寄って魔法スキルを発動する。

シー・メディックっていうのは、自分と周りの味方のHPを回復する、『司祭』以外でも覚える職業があるような初級回復魔法。

 

…っと、ここら辺で一度自己紹介でも挟んでおくね。

わたしはディール。ルウィーの教会で、ホワイトシスターズの専属侍女みたいなことをやっています。

今回、このβテストを始めた理由だけど、目の前のこの子…エスちゃんに半ば強引に誘われたから…って感じ。

まぁ、強引ではあったけど興味はあったから、嫌ではなかったんだけどね。

 

それで、わたしの選択した職業は「狩人」。

さっき説明した初級回復魔法とエンチャント魔法、そしてこの弓を使った長距離からの射撃を得意としている職業だよ。

…まぁ要するにベールさんが使ってるらしい「付与術士」の遠距離版ってことだね。

 

「あっ、ありがとー。さってとー、お宝お宝~♪」

「…もーっ」

 

わたしが不満げにしている事をさして気にしてない様子で二刀を収めてアイテムを漁りだすエスちゃん。

 

この子はエスちゃんこと、エスト。

見た目はわたしに…というか、わたし達二人自体がホワイトシスターズに似てるんだけど…まぁ、色々深い事情とか縁があって、今はルウィーで一緒に暮らしている。

 

で、このエスちゃん。こんな様子だけど、別に職業が『探検家』って訳じゃなくて、

彼女の職業は「舞剣士」っていう、前衛アタッカー兼支援型。

舞、っていう特殊スキルで自分と味方を強化しながら、二刀でずばばっと斬り込む…そんな感じのアタッカータイプ。

ガンガン突っ込むタイプだから、わたしが遠くから狙撃する間に、どんどん敵を倒しちゃっているんだけどね。

…ちなみにどこかのオンラインゲームと違ってユニークでもなんてもないよ。

 

そんなエスちゃんだけど、わたしを巻き込んでまでこのβテストに参加した理由は…

 

『このゲームに出てくる魔法とかスキルとか、武器とかいろいろ見てみたいのよ』

 

…なんて理由だったかな。

っていうのもエスちゃんは世界の魔法とか機械が好きで、それはゲームや物語のものも例外じゃないの。だからこういうことになったわけで。

…まぁ、こういう子なのは知ってるから、いいんだけどね。

 

「んー、こんなものか……このフィールドのドロップ品も見飽きてきたわねー」

「まぁ、相当あちこち歩き回ったり、リポップさせる為に出入り繰り返したもんね…」

「そうなのよねー。この辺のモンスタードロ品とか採取素材で作れるような武器は粗方タムソフトに作って見せてもらったし」

 

手を頭の後ろで組みながらうんうんと唸りだすエスちゃん。

今話に出てきたタムソフトっていうのは、職業『鍛冶工』のプレイヤーさんで、

このゲームの拠点となる街『ウィシュエル』で、他のプレイヤーさんの武器防具を強化したり作ったりしている人の事。エスちゃんの目的のせいもあって出会ったのはゲームを始めてすぐだったかな。

使わない武器を作ったりで迷惑じゃないかと思っていたけど、タムソフトさん的には良い鍛冶スキル上げになるとかで良いんだとか。

 

「よし! ディー、ストーリー進めるわよ!」

「え? また、唐突な…」

 

そして悩んでいたエスちゃんが出した結論は、ストーリーを進めることだった。

 

「だってー、よくよく考えたらストーリー進めなくちゃ先のフィールドに進めないし」

「…まぁ、それもそっか。いい加減この辺のモンスターじゃレベルも上がりにくいし、装備なんかはそれこそストーリーを魔王倒す辺りまで進めないと凄いのは出てこなさそう」

「でしょ? だから、進める!」

「……え、二人で?」

 

ストーリーを進めるっていうのはわかったけど、ふと疑問に思って聞いてみると、何を当たり前の事をみたいな顔をされた。

え、えぇ…

 

「そもそもこの平原も見飽きてたのよ! 次の目的地は、えーっと…」

「……ロギ山麓?」

「そうそこ! 行くわよディー!」

「…うん」

 

むしろ今まで平原だけでよく飽きなかったな、とは言わないでおこう。

意気揚々と街に戻るオブジェクトに触れるエスちゃんに続いて、わたしもオブジェクトに手を触れて街へと戻るのでした。

 

 

 

 

 

 

「よぉし、特に何事もなくアメジストの盃もゲットできて行ける場所も増えたわね!」

「…そうだね(草みたいな埋まってた変な奴の自爆特攻で死にかけたくせに)」

「じゃ、早速この神殿に行ってみよー!」

「神殿…? って、そこ神器揃えてから行くところだし…わたしは行きたくない」

「えー。なら良いわよわたし一人で行くし!」

「あっ。ちょっとエスちゃん……もう、そこモンスターレベルとかも跳ね上がってるって言おうとしたのに…まぁ、少ししたら帰ってくるよね」

 

 

……数分後。

 

 

「……むぐぅ」

「あ、おかえり」

「……あそこはまた今度にしましょう」

「そうだね(これを機にもう少し突っ込み気味なの抑えてくれればいいのに)」

 

 




衣装イメージはそれぞれ
ディール:ベールさんみたいなデザインで胸元・首元辺りが露出していない青色の服
エスト:軽装(胸当てとか無し)和スカートの赤色の服
って感じでしょうか。

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