幻次元ゲイム ネプテューヌ -少女達の非日常な日常- 作:橘 雪華
今回語り手(視点主)が特殊な子なのでちょこちょこお話を聞いてない(という描写)所があったりします。手抜きじゃないよ。
「……あれ?」
ピーシェ……お姉さん? の後に着いてプラネテューヌの協会。
教会に着くと、ピーシェお姉さんが声を上げた。
どうしたんだろ。
「おかしいな……」
「間取りは同じねー」
「……ご不在、ですか?」
何か気になる見たいで呟くピーシェお姉さん。
そんな彼女を見てディールちゃんも何かに気づいたみたいで、そう声をかけていた。
エストちゃんは教会の中をきょろきょろ見回してる。うーん、なんだろ?
『……どうやら女神共と近しい連中が不在のようだ』
(あ、そーちゃん。いないってネプテューヌさん達のこと?)
ふわり、と今はボク以外には見えない状態のそーちゃんがそう教えてくれた。
お出かけかな?
「そう…みたいですね。どうしましょうか…」
ピーシェお姉さんが顎に手を当て、考えている。
そんな時だった。
ぐぅぅぅ〜〜。
とお腹のなる音が聞こえてきたのは。
「っ!」
横でディールちゃんがエストちゃんの影に隠れている。
そう言えばお昼ご飯食べてない!
「あー、ボクもお腹空いた!」
「……まぁ、そうね。言われてみたら」
「ううぅぅ…!」
思い出した空腹を訴えるとエストちゃんも同意してくれた。
ディールちゃんはなんでか変な声出してたけど、どうしたんだろ?
「…ですね、なにか作りましょう」
ボク達の言葉を聞いたピーシェお姉さんはそう言うと、タンスから白色のエプロンを取り出して身につけた。
うーんなんかすごく似合ってる! えになるってやつ?
「なにかリクエストはありますか?」
「美味しいもの!!」
「し、シイタケ以外なら…」
「…だ、そうよ」
聞いてきたピーシェお姉さんにばっと答える。
一番は飴ちゃんとかお菓子だけど、お昼ご飯はそういうのじゃないもんね。
炭とか食べられないものじゃなかったらオッケー!
ディールちゃんは相変わらずシイタケが嫌みたいでそう言って、エストちゃんは特に何にも言わなかった。
「…出来ればもう少し…、エストさん。リクエストは?」
ボク達の答えではわからない、と言いたげにピーシェお姉さんは苦笑いを浮かべて、エストちゃんにそう聞いていた。
「って言われてもねー。なにが作れるのよ、あなた」
するとエストちゃんは「任せると言うよりはわからないのよ」と言いながら答える。
そう言われて、ピーシェお姉さんは冷蔵庫を開けて材料を確認しながらお料理の名前を挙げていく。
「え…と、この材料なら。オムライス…生姜焼き…、卵焼き…カレー…」
卵焼きっ! 作り方で甘くなるやつだ!
「卵焼き! 甘いヤツ!」
思わず勢いで答える。
ディールちゃんとエストちゃんはなんでか苦笑いしながら見つめてきてるだけで、特に何も言わなかった。
「わかりました、角砂糖50くらい入れますね」
ピーシェお姉さんは微笑んで、そんな事を言ってくる。
角砂糖50…? すっごく甘々になりそう!!
「いいよ!!」
「よくないよ!?」
あまーい卵焼きを想像してそう答えるものの、ディールちゃんから待ったをかけられて。
えー、あまあま卵焼き食べてみたいのにー。
「……常識の範囲で頼むわね」
「わかっています、では…」
結局あまあま卵焼きはふつーの甘口卵焼きにされちゃって、ピーシェお姉さんは台所へと向かっていった。
「……で? ディーちゃん的にどう?」
「なんとも……ただ、あの感じは…」
「そう、ディーちゃんも感じたのね」
ピーシェお姉さんがいなくなると二人が何か話し始めるけど、ボクは卵焼きが楽しみで今か今かと待っていて話には混ざらなかった。
と、そーちゃんがふよふよと台所の方に向かっていくのが見えた。
(そーちゃん?)
『おかしなものを混ぜていないか、監視だ』
もう、疑り深いんだから。
それから数分して、
「出来ました、お口に合いますように」
そう言って、ピーシェお姉さんが三人分のお料理を持ってきた。
並べられたのはリクエスト通りの卵焼きとお味噌汁、それとご飯!
「ふぉぉ、美味しそう!」
「イオン、大丈夫?」
ほかほかなお料理に早く食べたいと思っていると、エストちゃんがそう聞いてきた。
これはきっと、そーちゃんと同じ心配してるね?
(そーちゃん、どうだったー?)
『おかしなものは入っていない。食べても平気だ』
「うん! 大丈夫だってー」
そーちゃんに聞いて、その答えをエストちゃんにも伝えると、エストちゃんはふぅと一息吐いた。
「っそ。なら、いただくわね」
「いただきまーす!」「いただきます…」
そーちゃんからのオッケーも出てエストちゃんも納得したみたいで、三人で手を合わせていただきますをして食べ始める。
ふわぁっ、甘い! おいしい!
「んんんー! おいしいっ!!」
「…うん、甘口。お味噌汁も、おいしい…」
「ん、そうね」
お味噌汁もおいしいっ、これはご飯が進んじゃうね!
「お口にあったのならなにより、では。いただきます」
料理を作ったピーシェさんはまだ食べてなかったみたいで、そう言って自分も食べ始めた。
そうして出された料理を食べていき、あっという間に全部食終わった。
「「ごちそうさまでした」」
「ごちそーさま!」
「はい、お粗末様でした」
はふぅ、まんぷくー♪
お腹いっぱいになって満足していると、ピーシェお姉さんが真面目な表情になった。
「さて、何から話しましょうか…」
あ、そっか。ボク達の今後? どうするかだっけ。
でも確かグリモワール? っていうのから連絡が来たらいつでも帰れる、みたいなことを昔エストちゃんに聞いたっけ。
うーん……そっちのお話はエストちゃん達に任せておこうかな…。
ボク次元とかなんとか見たいなお話についていける気がしないし。内容が気になる人はピーシェお姉さんのとこで聞いてきてね!
んー。……あ、そういえば。
(そうだそーちゃん。戦いの時とかふつーに呼んじゃってたけど、みんなも来ちゃってるの?)
『そのようだ。とはいえ、流石に普段よりも数が減っている。今ついてきているものはワタシ達と共に巻き込まれたのだろう』
(そっかー。じゃあ戻ればいないみんなとは合流できるかな?)
みんないつもボクが戦うの手伝ってくれるし、お話相手にもなるからいなくなっちゃうのはイヤだ。
でもそんな心配はなさそう、なのかな? 戻ってみないとわかんないかも。
「帰る方法が確立されているのならば、危険のないプラネテューヌまで連れてきた私は用無し…ですよね?」
「それなんだけど、そもそもここってここまで人が居ない、なんてことあるのかしら?」
ちょっとだけエストちゃん達のお話の方に意識を向けてみると、エストちゃんが教会に見知った顔がいないことについて聞いていた。
「お祭りでみんないないとかー?」
「だとしたら外が騒がしいと思うよ…」
ボクがそう言うと、ディールちゃんがそう答えた。
あ、そっか。じゃあ違うかぁ。
「ああ、えっと。さっき置き手紙がありまして『ラステイションいってくる~!』と書いてあったので、皆さんそちらに行っているのかと。イストワール様は急用でリーンボックスに行ってますし」
「防犯大丈夫なのこの国…機密とかあるでしょ…」
エストちゃんの質問にピーシェお姉さんはそう答えてくれた。
みんなでお出かけ……ラステイションでお祭りしてるとか!!
その後はエストちゃんが色々言って質問会みたいになって、エストちゃんとディールちゃんが元はルウィーの女神候補生ラムちゃんとロムちゃんだということを明かしたりしていた。
「そちらの情報は聞きました。ではこちらの情報を、何か提示しましょう」
「わたしはその人とは一切関係もありませんしましてやこっちは嫌って──」
「はいはい別の外伝軸のネタ持ってこないの」
「ごほん。じゃあこれは知ってるかの確認だけなんだけど、デザイアエナジーって知ってるかしら?」
それから今度はエストちゃんが質問する番になると、エストちゃんはデザイアエナジーについて聞き始める。
それについてはボクも色々気になるところだけど……あんまり触れないでおく。だって本編でまだ触れてないもん!
「デザイアエナジー?いえ、存じ上げません」
デザイアエナジーについて聞かれたピーシェお姉さんは本当に知らないみたいで、辞書捲りながらもそう答えた。
「ん、"あなた"が知らないなら良いのよ。むしろ知らないって方がいい事だわ」
エストちゃんはそう言いながらちらりととボクの方を見て、すぐに視線を外した。
うん、知らないならほっといていいことだもんね。
なんて真面目なお話をしていると、"お友達"の一人がボクにじゃれついてきた。
「……そうですか、一つだけいいですかね?」
「ん、いいわよー」
(もうっ、お話に飽きたのかな? わわ、くすぐったい! めっ!)
ボクがお友達の相手をしていると、ピーシェお姉さんがこっちを……というよりボクにじゃれついてきてる子を見たような気がした。
あれ、見えてるのかな?
「…三人は、霊がいる事に気がついてますか?」
そしてピーシェお姉さんが周りを見渡しながらそう聞いてくる。
うぅん、あれは……見えてなさそうかな。感じ取ってはいるみたいだけど。
「そりゃまぁ」
「ね…?」
「あれ、わかるの? ボクのお友達だよー!」
幽霊だってわかるといきなり除霊! とか言い出す人もいるから、ちゃんとボクのお友達だって言う事を伝える。
ボクにじゃれついてた子の頭をなでなでしてから離すと、その子はすうっと少し薄くなる。こうなるとボク以外には見えなくなるみたい。
戦うときとか、ボクと遊ぶときは今見たいに実体化するから、他の人にも見えたりするんだって。そーちゃんが言ってた。
『ほう、流石にこれだけ警戒されれば気が付くか』
(あっ、そーちゃんわざとやったの? もーっ、ダメでしょ!)
『……遭遇して間もない存在を警戒しているだけだ。それに腹立たしい事だがワタシ達が束になっても勝ち目は薄いだろう』
(ピーシェお姉さん、そんなに強いの?)
『強い、というよりは得体の知れない力を持っているようだ。故に、あまり近づくんじゃない』
(むぅ。気を付けてはおくー)
なんでかディールちゃんとエストちゃんがボクの方をみながらため息を吐いてたけど、そーちゃんが気をつけろって言うからなるべく気を付けることにする。
でも美味しいご飯作ってくれたしなぁ…。
「さて、他には?」
「んんー…こっちからはこんなとこかしらね」
「わかりました、こちらからも質問する事はありません」
と、どうやら質問会は終わったみたい。
ピーシェお姉さんが立ち上がると、冷蔵庫から何かを出して持ってきた。
あれは…!
「食べますか?自作プリンですが」
「そんなに「食べるっ!!」……はぁ、頂くわ」
エストちゃんが何か言いかけてたけど、ボクは出されたプリンに釘付けになりながら答えた。
わーい、プリン~♪
『……まるで餌付けだ』
(そーちゃんどうかしたー?)
『何でもない。それも食べて問題ないようだから、ゆっくり食べなさい』
(はーいっ!)
プリンがディールちゃんにも配られて、いざ食べよう! と思ったところでピーシェお姉さんの分が無い事に気がすいた。
「あれ? お姉さんの分はないの? ボクの半分食べる?」
「いえ、私はいりません」
わざとなのかなー、って思いながらもそう聞いてみると、キッパリとそんな答えが返ってきた。
うーん、いらないならいっか。えんしょりないぞー!
「そうなの? それなら食べちゃう!」
ぱくりとプリンを一口。んんー、あまーい! おいしー!
「…なんか一番年上に見えるのに、一番年下っぽいですね」
「よく言われるわね」「よく言われます」
「むぅー」
ピーシェさんがボクを見ながらそう言うと、エストちゃんとディールちゃんもそれに同意する。
この三人でいると見た目はボクが一番上なのに、中身はボクが一番下だって本当によく言われる。むぐぐ、なんでー!
その後もなんかピーシェお姉さんとエストちゃんが色々やってたけど、それからどうしようか、なんて話に。
別次元に飛ばされる、という状況だからか人嫌いなみんなにしては珍しく、今はエストちゃん達に従ってついていくようにと言っているし、ボクは二人について回るだけだけど。
「うぅーん…………では。図書館にでも行きますか?」
すると、ピーシェお姉さんがそんなことを言いだして。
ボク達は図書館に向かうことになったのでした。
イオンが聞いてなかった(聞き流していた)ピーシェとエスト達のお話の内容が気になったら「大人ピーシェが頑張る話。」にて!