幻次元ゲイム ネプテューヌ -少女達の非日常な日常- 作:橘 雪華
つんつんCDを聞いていたらいつの間にか執筆していた…な、何を(ry
「はふ、ふぅ…お、遅くなった…」
教会の廊下を早歩きで進むわたしはディール。
ルウィーの教会でお世話になっていて、形式的には女神候補生であるロムちゃんとラムちゃんの従者、のような扱いの、至って普通じゃない女の子です。
普通じゃないのかよ! だって? そういわれても、わたしも女神だし…。
……なんて変な事言ったけど、いきなり外伝から読む人なんていないしだろうし、きっと知ってるよね?
それで、わたしが今急いでる理由だけど、人を……人?を待たせているせい。
元々別の予定があったけれど、その人がどうしてもと言ってきて、どうにか早く終わらせて向かうと言ったはいいものの…少し手間取って遅れたという訳。
その待たせてる人っていうのが、ここの女神候補生のラムちゃんな訳だけども。
というのも、今日はロムちゃんがネプギアちゃんとどこかに出掛けるとかで教会を留守にしており、
一人暇を持て余していたラムちゃんにわたしが捕まった…大体はそんな感じ。
「……あのおねだりは卑怯だと思う」
勿論最初はわたしも予定が入ってるから断ろうとした…断ろうとしたんだよ? 本当に。
でも……
『うぅー…ディールちゃん、お願い、ねっ?』
なんて潤んだ瞳で見つめられながら言われたら断れる訳ないし!
…どうにか早く終わらせる、って言った時点でころっと笑顔で喜んでた辺り、演技だったんだろうなぁ…うぐぐ。
それが解っていても約束は約束、してしまったからには守らなきゃダメだってわたしだってお姉ちゃんに教わった。
なのでこうして、廊下を走らない程度の早歩きでラムちゃんの部屋まで急いでいる訳だ。
「つい、たっ…! ラムちゃん、遅れてゴメ……ん?」
ラムちゃんとロムちゃんの部屋に到着して、扉を開けると同時に謝罪の言葉を言いかけて、止まる。
「……すぅ…」
部屋の中には、机に突っ伏して寝息を立てるラムちゃんの姿。
待ちくたびれて寝ちゃったのかな…なんて思いながら部屋の時計に目を移すと、
「……って、あれ? 丁度約束の時間? …あれ?」
どういう訳か、部屋の時計は約束の時間ピッタリを指していた。
おかしいな…部屋の時計狂ってるのかな…と思いつつ自分の携帯を開くと、時刻は部屋の時計と同じ。
…………。
「……公園の時計が狂ってたのかぁ…」
多分、いや絶対にそうだ。まーちーがーいーなーくー。
後で壊れてる事知らせておこう…
……まぁ、公園の時計はとりあえず置いといて。
「くぅ…むにゃ……」
つまるところこの子は約束の時間にもかかわらずすやすやと居眠りしているということになるわけだけど…
……可愛いから許せるね。許せるけど、あんまりにも無防備。
「すやすや…」
「……(じぃ)」
物凄く気持ちよさそうに寝ている。
ちょっとだけなら…バレないよね?
「……えいっ」
あまりにも無防備だったものだから、思わず指でほっぺをつんっと突っつく。
「…んんぅ、すぅ…」
ぷにっとした感触。けれどラムちゃんはまだ起きる気配なし。
…………。
つんつん。
「ふゃ、ん…」
ぷにぷに…
「むゃぅ、ぅ~…」
むにむにむに。
「んふふぅっ…ふぅ…」
「………(やわらかい、楽しい…)」
つんつんぷにぷに。
「にゃぁ…ロムちゃんくすぐったいぃ…」
…………はっ。
ついラムちゃんのほっぺの魔力に取り付かれて…本当にひたすら突っつくだけでお話が終わるところだった。
「ラムちゃん、起きてー」
「んんぅぅー…」
気を取り直して、ゆさゆさと眠っているラムちゃんの肩を揺らす。
暫くそれを続けると、ラムちゃんはゆっくり身体を起こし、両腕をぐぐっと伸ばした。
「ふわぁぁ…はふ、んんーっ……おはよぉ、ロムちゃん…」
「え? あ、おはよ……って、違う違う…」
でもラムちゃんは寝起きで寝ぼけてるのか、わたしの事をロムちゃんと勘違いしている様子。
いや、まぁ、部分的にはそうであって、間違ってはないんだけど。
「わたしだよ、ディール。ディ・ー・ル」
「んぅ…? むにゃ…………はっ、ほんとだ。ディールちゃんだ…」
大きな欠伸をしながらも寝ぼけ眼で暫くわたしを見つめて、やっと気が付いた様子。
……わたしがわたしになる前から知ってたけど、やっぱりラムちゃんかわいいなぁ…
「大丈夫? 眠いならお昼寝する?」
「んん…へーき、もう目覚めて来たし」
そう言うラムちゃんの目は既にさっきまでの眠たげなものではなくなっていたから、嘘じゃないことはわかった。
「まったく、待ちくたびれたんだから」
「…待ちくたびれたも何も、わたしは時間通りに来たよ?」
「……あれ?」
ほんの少しむすっとした様子で言うラムちゃんに、わたしはそう言い返す。
…公園の時計がずれてなかったら遅刻してたことは言わない。言わないから。
「なのにラムちゃんはくーくー寝てるし」
「むぅぅ……だ、だって仕方ないでしょっ、今日はほんとーにわたしだけすることなくって退屈だったんだから!」
寝てる間は寝てる間でぷにぷにつんつん楽しませてもらってたけど、あえてそう言うとラムちゃんはぷくーっと頬を膨らませた。
……あ、つつきたい。
「とにかく! 今日はディールちゃんがわたしと遊んでくれるんでしょ?」
「そういう約束したし…」
「そう! それにこうやってる間にも時間はどんどん経っちゃうんだから。時間は大事にしなさいってミナちゃんも言ってたし!」
ふんすと得意げにミナさんに教わったことを語るラムちゃん。
まぁ、間違っちゃいないんだけどね。ただ問題は…
「…何して遊ぶ?」
「え? うーん…」
やる事を 決めていないのであるっ。
「うーん、お絵かきとか、ゲームとか…外で鬼ごっことか?」
「…んー…(じー)」
ラムちゃんがしたい事ならなんだっていいけど…
さっき突っついたラムちゃんのほっぺの感触が忘れられないでいたせいか、思わずじっとほっぺを見つめていた。
「…んん?」
「…(じぃー)」
「な、なに? わたしの顔、なんかついてる?」
流石にじーっとずっと見つめていると、ラムちゃんが戸惑ったような顔をする。
そんな視線を受けながらも、わたしはつい無意識にラムちゃんのほっぺに手を伸ばしていた。
つんっ
「わひゃっ! な、なに?」
つんつん
「ひゃ、ふふっ、なによぉ」
むにむにむに
「く、くすぐったいー!」
ラムちゃんがくすぐったそうにするのもお構いなしにほっぺを突っつき続ける。
んー、やっぱり柔らかいマシュマロほっぺ。つつくの癖になりそう。
とかなんとか思いながらつんつんし続けていると…
「むゅ、ふふっ…! んー…!」
かぷっ。
「ひゃ…!?」
さっと顔を後ろに引いたかと思うと、そのまま指をぱくり、と咥え込まれてしまう。
「んふふー、かみかみひひぇやうー」
「ひぅ、ふっ、くすぐった…くふふっ…!」
そのまま反撃とばかりにかぷかぷとわたしの指を甘噛みしてくるラムちゃん。
こ、こそばゆい…!
「かぷかぷ…いひゃくなーい?」
「い、いたくないけどっ、ん、ひゅふっ」
暫くの間指を甘噛みされ続けて、満足したのかぱっと指から離れるラムちゃん。
「うー…」
「…さてー、それじゃぁ…」
そして何やら不敵な笑みを浮かべながら両手の指をうねうねとさせる。
……そ、その構えはまさか…
「な、なにを…」
「何って、もちろん。ディールちゃんのほっぺに、たーっち!」
「にゃふぅっ!」
まるで戦闘中に使っているスキルのような動きで、ラムちゃんはわたしのほっぺを突っついてきた。
「わぁ、ディールちゃんのほっぺやわらかーい!」
「むゃっ、ふっ、う、うゅぅ~」
容赦なんて一切見せずにぷにぷにぷにぷに、つんつんつんつん
擽ったさに思わず身を捩るものの、ラムちゃんは逃がすものかと言わんばかりにほっぺを触り続けてきた。
「ふゅ、はふふっ…さわり、ふぎぃ…!」
「ふふん、やられたらやり返す…倍返しなのよ!」
「むゅゅゅ…なら、えいっ!」
「みぁっ!」
やられっぱなしはなんか嫌だったから、ほっぺをぷにぷにとされながらわたしからもラムちゃんのほっぺを触る。
「ふふふー、もっとふにふにしへやぅー。んひゅ、ふふっ」
「あふ、ふふっ! わたしだってまけにゃいんだからー!」
ふにふに、つんつん、ぷにぷに。
気が付けばそんな調子でお互いのほっぺを突っつきあって遊んで(?)いた
「ふー、ふぅー…」
「はー、はふぁー…なんか暑くなっちゃった…」
「わたしも…んん、コート脱ぐ…(ぬぎ)」
「あー、じゃあわたしも脱いじゃおーっと」
そして二人して激しく動いたせいで少し汗をかいてしまい、二人してコートを脱ぐことに。
雪国だからコート着ててもちょっとは寒いはずなんだけどね、激しく動いたら寒さなんて気にならないくらいには暑くなることもある。暖房もちょっと付いてるし。
「ふぅー…だいぶ涼しくなったわねっ」
「ん、そうだね」
「…そ・れ・じゃ・あー…えいっ!」
「うわひゃっ!?」
コートを脱いで涼しくなったと思いきや、ラムちゃんが飛びついてきてわたしはそのまま後ろに倒れ込んでしまう。
所謂、押し倒されてるような感じ…?
「ちょ、ラムちゃん…?」
「ふふふー、つんつん再会!」
「終わったんじゃなかったの!?」
「まだまだつんつんする場所はあるでしょ! ほら、こことかー!」
「ひぅ!?」
そう言ってラムちゃんがつんつん…もとい、触ってきたのは、首元。
突然のくすぐったさに思わず変な声が出た。
「あははっ、変な声ー! それそれ、もっとつんつんしちゃえ!」
「ひふっふふふはっ…ちょ、ラムちゃぁっ、そこくすぐったい、からっ!」
わたしの反応を見て気を良くしたのか、ラムちゃんはさらに首をつんつんと触ってくる。
流石にくすぐったさに耐えられず、笑いながらさっと両手で首元を隠した。
「ふー、ふー…も、もう! 何を…」
「…ふふふー、いいの? そうやって首隠したら……腋が隙だらけっ!」
「ひぁっひゃはぁ!!?」
けれどその選択は間違いだった。
首元を隠して諦めてくれると思いきやラムちゃんはにやりと笑みを浮かべて、すっと脇下に手を差し込んできた。
「そぉーれ! こちょこちょこちょ~!!」
「ひゃひっあは、はは…っ! も、もう、つんつんじゃ、ないっ、ひひふふっ…!!」
咄嗟に脇を締めるもののとっくに脇下に入れられた手を阻めるわけもなく、つんつん…ではなくこちょこちょとくすぐられる。
くすぐったさに身をよじっても、上に乗っかられてるせいで逃げられずに笑い悶えるしかない。
こ、こうなったらぁ…!
「あはっあはははっ……へん、しん…っ!」
「え、わぁあっ!?」
こちょこちょくすぐられながらもどうにか集中して、変身する。
シェアの光に包まれると驚いたラムちゃんはわたしの上から退いたみたいだ。
「はぁ、はぁ…ふぅ…」
「へ、変身なんて卑怯よっ!?」
そしてプロセッサユニットを身に纏った(戦闘・移動時じゃないからコアユニット以外は出してないけど)わたしは、しりもちをついているラムちゃんにゆらりゆらりと近づく。
「ふ、ふふふっ…(きゅぴーん)」
「ひぃっ!? わ、わたしだってー! へんしん!」
と、わたしが変身したからか対抗してかラムちゃんも変身。
こうして、ただつんつんし合ってただけなのに女神二人が対峙する形となった。
「先手、必勝!(しゅばっ)」
「変身かんりょ、ちょぉ!?」
けれど今は別に真剣勝負でもないわけで、
変身の光が収まると同時にラムちゃんに飛びついた。
「さ、さっきからディールちゃんずるいっ!」
「知らないしー…ふふー、スライトユニットはお腹が薄く透けるよね」
「やぅん! く、ひゅっ、ふふ…っ!」
ラムちゃんにくっついたまま、お腹の黒く透けた部分をぷにぷにと突っつく。
やっぱり服より素肌触ってる感触。柔らかーい。
「うく、ふふっ…ディールちゃんだって、ここっ!」
「ひゃぅぅん!?」
負けじとラムちゃんもぎゅっとくっつきながら、わたしの背中に手を伸ばしてつーっとなぞってくる。
わたしのプロセッサユニット…コアは、ディールになる前からのもの。つまりスィルユニットなので、お腹はスライトより薄くない代わりに背中の露出が増えている。
だから背中をなぞられればそれは直接肌をなぞられてるのと同じわけで…
「ちょ、それダメだからっ…」
「ふーんだ、先にずるしたディールが悪いもんねー!」
「はぅぅぅっ…く、うぅぅ!」
「ふぁ、くふふっ…ま、負けないんだからー!」
つんつん、すりすり。
ぷにぷに、ふにふに。
そうやって女神化状態でお互いの身体を突っついたりなでたり、後になって思えば何やってたんだとしか言えない事を、何処からか湧いてくる「負けたくない」という感情に突き動かされて続けていた。
何をして負けなのか、そもそも勝ち負けがあるのかすらよくわかんないけどね…
……そして……
「ラムちゃんただいま……ふぇえっ!?」
「ふー、ふぅー、はぅー…」
「はーっ、はー、っん、ふぅぅ…っ」
ロムちゃんが帰ってくる頃、部屋には女神化が解けて汗びっしょりになりながら一緒に横になって息を切らすラムちゃんとわたしがいたとか……
「…な、なにがあったの…?(ぽかーん)」
──そんな、ある日の出来事でした。
「……ところでディールちゃん」
「うぅ…なに…?」
「なんかさっき、途中でロムちゃんみたいな話し方、してなかった?」
「ふぇ?」
「…? なんのこと?」
「えっ。…うーん、気のせいかなぁ…」
「なにがあったか、わからないけど…おつかれさま…?(ねぎらい)」
「ありがと、ロムちゃん…(ぐったり)」
「……んん??」
今度こそおしまい。