幻次元ゲイム ネプテューヌ -少女達の非日常な日常-   作:橘 雪華

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割と突貫で薄ーい内容ですが、ハロウィン話です。

ちなみに本編で真名登場済なので、グリモちゃんではなくディールちゃんになっています。
新キャラとかじゃないのでご注意をば。


ハロウィンの一幕

10月31日。

世間では、ハロウィンとかいうお祭りで賑わっているらしい。

それはルウィーでも例外ではなくて、街の方を見るとカボチャやらコウモリやらで街が飾り付けられていた。

 

「…」

 

そんな日の夕方。

わたしはと言うと普段と変わらなく、鋼魔法で生成した少し重めの刀で素振りをしていた。

 

「498…499…500…」

 

「……ぐり、じゃなかったや。ディールちゃんってあんな感じだったっけ?」

「本編の方で、豹変ふらぐ? っていうのがオンになるところまで、進んだから…だって」

「わたしには、どっかの魔法格闘家の影響もろに受けてるようにしかみえないけど…」

 

と、いつも通りの鍛錬をしていると、そんな話し声が聞こえてきて、わたしは素振りを中断して刀を消した。

 

「何か用事──」

 

わたしの話をしてたし、何か用事かと思いながら声のした方を向いて、その姿を見て一瞬硬直。

 

だって…二人揃って頭に蝙蝠みたいな羽飾りつけたり変なコスプレみたいなことしてるんだもの…

よく見ると口元もなんか牙っぽいのつけてるし。

 

「あ、ディールちゃん! トリックオアトリート!」

「トリックオアトリートー…♪」

「え、あ…え?」

 

そしていきなりよくわからないことを言われて、余計に混乱する。

…新しい遊びか何かかな。

 

「もー! ディールちゃん知らないの? ハロウィンだよ、ハロウィン!」

「あ、あー…えっと、その格好とか今の言葉が?」

「(こくこく)」

 

わたしが惚けてたせいか、ラムちゃんが不機嫌そうに怒りながら言った言葉で察しがついた。

どうやらハロウィンが関係してるみたいだ。ロムちゃんも頷いてるし。

 

「…わたし、そういうのに疎いから。よくは知らない、かな」

「むー、しょーがないわね、わたしが教えてあげる! ハロウィンっていうのはねー…」

「…子供が仮装して、お菓子を貰う、イベント」

「ちょっ、ロムちゃんなんで先に言っちゃうのー!」

 

得意げな顔で説明しようとして、ロムちゃんに先を越されるラムちゃん。

仮装…ああ、だから二人も妙な格好なんだ。

 

「もー! …こほん! それで、お菓子を貰う時にさっき言ったあの言葉を言うのよ!」

「トリックオアトリート…だっけ?」

 

ぷんぷんと怒りつつも咳払いをして気を取り直し、改めて説明してくれるラムちゃん。

さっきの言葉を思い出しながら言ってみると、ラムちゃんは「そう! それ!」と言った。

でも、どういう意味だろ。

 

「お菓子をくれなきゃ、いたずらするよ…? って意味なの」

「ふーん…」

 

正直、トリックの辺りがとてつもなく嫌なやつを思い出すからちょっと嫌なんだけど…っていうか、

 

「…そんなこと言われても、わたし今まで素振りしてたし、お菓子なんか持ってないよ?」

 

馬鹿正直にそんな事を言ってしまうわたし。

その言葉を聞いた瞬間、二人の表情がいたずらする時の、にやぁっとした不敵な笑みへと変わって、

 

「…ロムちゃん、確保!」

「らじゃー…!」

「ちょっ、えっ!?」

 

ラムちゃんがそう言ったと思えば、いつの間にかロムちゃんがわたしの背後に回り込んでいて、そのまま羽交い締めにされる。

 

「お菓子がないなら…いたずらよね!」

「ひっ!? ま、まって、お菓子なら部屋に戻ればあるから…!」

「問答無用! とりゃー!」

 

ラムちゃんの目つきがなんだか怖くて咄嗟に言った言葉も意味を成さず、ラムちゃんが飛びかかってきた。

 

「ひゃっ! ちょ、ロムちゃん離して! あっ、ラムちゃんなんで服引っ張ってるの!? 脱げちゃうから、まって、やめっ……いやあああああああっ!!?」

 

ルウィー教会の中庭に、わたしの悲鳴が響き渡った……

 

 

 

----------

 

 

 

「これでおっけー!」

「うぅぅー……」

 

暫くして、わたしは二人の手によって二人と同じ吸血鬼(の仮装)にされてしまっていた。

っていうか一度剥かれたし…ぐすん…

 

「ふふん、これでディールちゃんはわたしのけんぞくね!」

「…違うよ、ディールちゃんは、わたしのけんぞく」

「え?」

「え?」

 

人の身体をさんざん弄っておいて(仮装させられただけ)なんか二人が剣呑な雰囲気を放ちながら互いに見つめあっている。

どっちの眷族だかけんぞくぅだかなんか、わたしにとってはどうでもよかった。

 

「…それで、わたしを巻き込んでなにがしたいの」

 

無理やり着替えさせられた事もあり、若干不機嫌になりながら二人に聞く。

 

「あ、そうだった。お菓子!」

「お菓子?」

「うん。ディールちゃんもいっしょに連れていったら、お菓子も三人分貰えるかなって、ラムちゃんが」

「はぁ…」

 

どうやらお菓子の量を増やしたくて、わたしを巻き込んだらしい。

別にそんなことしなくても…

 

「…力ずくで奪ったらダメなの?」

「ディールちゃん…それただの強盗…」

 

なんか二人から物凄い引かれてしまった。

むぅ。

 

「もうっ! なんでもかんでも力で解決しようとしないの!」

「あいにーどもあぱわー」

「ディールちゃんー!!」

「ら、ラムちゃん落ち着いて…」

 

半分くらい冗談で言ったらぷんすかと怒ってしまうラムちゃん。

っていうか意味わかったんだ、今の。

 

「とにかく! そんなのーきんな考え方だと、お姉ちゃんみたいなお胸になっちゃうよ!」

「誰の、何?」

 

ラムちゃんがそう言った瞬間、狙ってたかの如きタイミングでブランさんが現れた。

 

「ぎゃーお姉ちゃん!?」

「ラムちゃん、女の子がぎゃーって悲鳴はどうかなって、わたしは思うな」

「ディールちゃんのせいでしょー!? な、何でもないからねお姉ちゃん!」

「…そう? だとしたらどうして私の顔を見てそんな悲鳴を上げたのかしら」

「そ、それはー…」

 

じとーっと、ラムちゃんを見つめて不審がるブランさん。

お説教コースかなー?

 

「えっとね…ハロウィンだから、みんなでお姉ちゃんを驚かそうと思ってて、それでびっくりしちゃったんだと思う。…ね、ディールちゃん」

「……ああ、うん。そうだね、本人が出てきちゃったら作戦も何も無いですから」

 

と、そんなラムちゃんを助けようとしてか、ロムちゃんがそう言いながらわたしに話を振ってきた。

ラムちゃんが勝手に自滅しただけと言っても、折角のハロウィンに怒られるのはあれかなと思って、わたしもそれに合わせる。

するとラムちゃんは無言でこくこくと頷いていた。

 

「…ふうん。まったく、イタズラなら普段からしてるでしょうに…」

「まぁまぁ。それよりもブランさん。仮装したわたし達と出会ってしまったということで、言うことがあります」

「なにかしら」

 

腕を組んでむっとしているブランさんに言いながら、わたしは二人に目配せをして、

それで察してくれたのか、二人もこくんと頷く。そして、

 

「「「トリックオアトリート!!」」」

 

声を揃えて、その言葉を言い放った。

 

「…はいはい、お菓子ね」

 

するとブランさんはふっと小さく笑いながら、ごそごそと棒キャンディを3つ取り出して、わたし達の方へと差し出してきた。

 

「「わーい♪」」

「…わたしの分も用意してたんですね」

 

二人は喜んでそれを受け取り、わたしは自分の分があったことに少し驚きつつも棒キャンディを受け取った。

 

「あなたの事だから、きっと二人に引っ張り回されてるだろうと思ってね。でも、仮装は似合ってるわよ」

「…うるさいです」

 

予想されていたこと、また無理矢理着せられた仮装を褒められて複雑な気持ちになって、ふいっとブランさんから顔を逸らしながらキャンディを咥える。

…あまい。

 

「よーし、次はミナちゃんとフィナンシェちゃんのとこね! ほらディールちゃん行くよっ!」

「いこー…♪」

「わ、わっ…ひ、引っ張らなくてもついていくから…!」

 

お菓子が貰えて上機嫌な二人にがしっと両側から腕をホールドされて、引きずられるようにして連れて行かれる。

イベントの時はいつにもまして元気だなぁ、なんて思いながらも、何だかんだで二人に付き合う事になるのでした。

 

ハロウィンの夜は、まだ始まったばかり。

 




ちら、と知り合いのお方がコラボ何やらをしてるのを見て、やってみたいが3割私程度じゃ絶対迷惑かけそうが7割で何とも言えずに眺める側になる橘氏でした。
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