幻次元ゲイム ネプテューヌ -少女達の非日常な日常- 作:橘 雪華
「………あづい……」
さんさんと光を降り注ぐ太陽を恨めしい思いで見上げながら、わたしは呟く。
「わーい! 海だーっ♪」
「わぁい…♪」
そして視線を目前に落とすと、広がるのは海と砂浜。そして水着姿ではしゃぐロムちゃんとラムちゃんの姿。
えぇ、それは勿論可愛いし、良いと思う。でも、でもね、それでもね、
「…………あづいぃ…」
「アンタ来てからそればっかじゃない…」
「あ、あはは…」
ぐってりと肩を落としながら再度呟くと、横にいたユニちゃんが呆れたように言う。
ネプギアちゃんまで苦笑いだ。
で、今わたし達が何をしているのか、だけど…今ので何となく分るよね、分かったよね。分かれ。
……え? ちゃんと説明してって? …うぅ、ただでさえ暑くて気怠いっていうのに、まったく……
…じゃあはい、まず状況説明からー。
今わたし達がいるのは、リーンボックスから船で少しした場所にある孤島。
ちょっとしたリゾート地みたいになっていて、お金持ちの人なんかが貸切りで遊んだりする場所だそう。
そんな島にわたし含め全員が水着姿で来ているからには、バカンスにでも来たのかと思うけど、実際のところそれは半分正解。
なんでも、最近この島にモンスターが増えたとかで、それの調査、原因排除の為……つまり、クエスト目的でもある。
なんだけど、依頼主が解決できたらそのままバカンスを楽しんでなどと余計な事をほざいたお陰で、ベールさんの計らいにより女神がクエスト兼バカンスにやって来ている、という訳。
「な、なんかディールちゃん、やさぐれてない?」
「そうですか? いつもこんなじゃないですかね」
「いや、今の態度も地の文からもどう見たってなんか不機嫌じゃない」
ナチュラルに地の文を読むんじゃない。
まぁいいや。それで、女神ズで島にやってきたところ、何を思ったのかベールさんが、
『クエストの方は私達で終わらせて、ネプギアちゃん達妹には先にバカンスを楽しんでもらいましょう!』
とかなんとか言い出して、こうなった。
…ネプテューヌさんは遊びたいと駄々をこねていた気がするけど。
「だってぇ…わたし室内で待ってるって言ったのに…」
「ダメよ! ディールちゃんもいっしょに遊ぶんだから!」
げんなりしながらそう言うと、はしゃいでたラムちゃんが戻って来てびしっと指差しながら言う。
まぁ、そう言うと思ってたけどね…?
「うー、でも暑いのやだぁー…」
「…ディールちゃん、わたし達と遊ぶの、やだ…?(うるうる)」
「うぐっ」
室内でもうだる暑さなのに…とか思いながらひたすら嫌がると、今度はロムちゃんがうるうるした目で泣き落としにかかってきた。
そんな顔されたら断れないでしょ…むぐぐぐ。
「ほーら、唸ってないで行くわよーっ!」
「うわっ、ちょっ!」
「ごーっ…♪」
「泣きそうだったのに既に立ち直ってる!?」
ロムちゃんのうるうる目に怯んだ隙にがしっと二人に腕を掴まれ引っ張られる。
うぅ、結局こうなるんだ…
「……あれ、ホントに同一人物なのかしらね? 自分自身に負けてるようなもんじゃない?」
「さ、流石にそういうことにはならないんじゃないかなぁ…」
傍観していた二人もそんな会話を交わしながら歩いてくる。
こうして、わたし達の海遊びが始まったのだった。
───────────
で、まぁ。海というわけでわたし達の装いも当然水着なんだけど。
「ひゃぁー! つめたーい!」
「つめたーい…♪」
浅瀬に入りながらきゃっきゃとはしゃぐ二人。
二人の水着はお揃いのワンピース水着で、それぞれロムちゃんがピンクと赤の、ラムちゃんが黄色とオレンジの色だ。
それで、本編で別次元のロムだと明かしたわたしはというと、これまた色違いで二人とお揃い……というわけではなく、
水色でタンクトップのような形の上と、白色のフリフリとした下の水着と言った感じというかなんというか。
まぁ具体的なイメージは漫画の超次元ゲイム ネプテューヌ THE ANIMATION コミックアンソロジーの「子供なんて言わせないっ!」を参照してね!
宣伝はまぁいいとして、ちなみにこの水着を選んだのはエスちゃんだったりする。
そのエスちゃんだけど、今回一緒に来てないのはどうしてかというと…
『海ぃ? 水辺遊びはちょっと…ほら、私一応本が本体だしさ?』
とかなんとか。
「…にしても、やっぱり都会から離れた島というだけあってなのかな、綺麗な海」
二人に続いてちゃぷ…と浅瀬に足を入れながら呟く。
元々海とか殆ど来たりしてないからよくは知らないけど、水中まで透き通って見えるんだから綺麗な方だと思う。
「えいっ!」
「ぴゃぶっ!!」
とか思いながら海を見つめていたら、突然顔に水をかけられる。
ビックリしたし、口の中がしょっぱい…
「ふっふーん、隙ありよー!」
犯人は言わずもがな、目の前で腰に手を当てて得意げな顔をしているラムちゃん。
ロムちゃんもその後ろでくすくす笑ってるし…むむむ。
「……ふ、ふふ。いいよ、そっちがその気なら…」
「…ディールちゃん…?」
「──戦争だー!」
「「わひゃぁっ!?」」
やられたらやり返す…倍にして、の精神で、二人目掛けてばしゃぁっ! と両手で水をかける。
「やったなー! いくよロムちゃん!」
「しょうぶっ…!(ぐっ)」
バシャバシャと、三人で水のかけ合いが始まる。
二対一で不利だけど…そこは技術で補うだけ。
「素手でも魔法は使えるんだから! オーシャンウェーブ!」
両手を水中につけて魔力を流し込み、思いっきり振り上げると水が波の如く二人に襲い掛かる。
名前は勢いとノリだから深い意味はない。大人げないとか知らない、わたし子供だもん。
「ちょっ、ずるい!? きゃー!!」
「ぶくぶく…ぷひゃっ」
勿論、溺れたりとかしない様にちゃんと注意してみておく。
波が過ぎ去ると二人ともぷるぷると見ずを振るって水を払ってるから、大丈夫そう。
「こ、このー! てぇい!」
「ふぶっ、なにをー!」
「ひゃぁっ、きゃー…♪」
なんて、わたし達が三人で水遊びをしている最中、残りの二人はというと、
「あいつら、元気ねぇ」
「でも元気なのは良い事だと思うよ?」
なんとまぁ、浜辺でのんびりしている。
わたしはこんな暑い中こうやって引っ張り出されている(まぁ割と楽しいけど)のに…!
……だったら、ふふふっ。
わたしは一度二人に水かけを止めるようにとジェスチャーを送り、こっそりと一掬いの水に魔力を込める。
「…シュートっ!」
そしてそのままその水を浜辺でのんびりしているユニちゃんに向かって投擲。
「ぶはっ!?」
「ひゃぁ! ゆ、ユニちゃん!?」
放たれた水はそのまま吸い込まれるようにして、ユニちゃんの顔面にクリーンヒット。
「おおあたりー…♪(ぱちぱち)」
「ディールちゃんやるぅっ!」
「ふふーん、まぁねっ」
「………アンタ達ぃ…!!」
いえーい、とロムちゃんラムちゃんの二人とハイタッチしていると、殺気。
振り返ってみればそこには二丁ライフル(水鉄砲)を構えたユニちゃんが、ご立腹な様子で立っていた。
「わー、ユニちゃんが怒った!」
「にっげろー!」
「ひゃー…♪」
「このっ、待ちなさいっ!!」
水鉄砲を乱射しながら追いかけてくるユニちゃんから、三人で逃げ回る。
ここまで若干影の薄いネプギアちゃんに苦笑いで眺められながら、追いかけっこが始まったのだった。
「…い、今なんか影が薄いとか言われた気が…」
───────────
「ふぅ、ふぅ…」
即興で作り上げた壁に隠れながら、どうにか乱れた息を整える。
──飛び交う弾丸、飛び散る液体
そう、今やこの場は、戦場……
「…いや、なんか水鉄砲勝負に発展しただけだけどね」
そういうわたしの手にも、二丁の水鉄砲。
あ、壁っていうのは砂で作られた壁のことだよ。
「3対2ってのは卑怯なんじゃないの!?」
「あ、私ユニちゃん側なんだね。ユニちゃんに水鉄砲持たされたしそうかなって思ってたけど…」
「そっち二人とも銃使ってるんだからハンデですよ!」
ユニちゃんの(ついでにネプギアちゃんの)声だけが聞こえてきて、わたしはそう答える。
「えへへ、スプラッシューン楽しいね、ロムちゃん!」
「うんっ、どきどきする…♪」
楽しげなラムちゃんとロムちゃんの声。
ラムちゃんはなんかこういうの経験ありそうな気がしたけど…なんでだろ?
いつまでも隠れているわけにもいかないしと、こっそり砂山の影から様子を伺う。
「挟み撃ちよ! ネプギア覚悟!」
「えーいっ…!」
「えっ、いつの間に!? ひゃぁぁ!!」
すると丁度、ピンクの横ストライプ模様のビキニ姿のネプギアちゃんが、ロムちゃんラムちゃんの襲撃を受けて水浸しにされている所だった。
巻き込まれた挙句あんなに思い切り…顔面狙ってるし…ドンマイネプギアちゃん。
……というか、ユニちゃんはどこに…
「…っ!」
ユニちゃんの姿を探していると、不意に視線を感じてその場から飛び退く。
「ちっ、アタシが外すなんて!」
さっきまでわたしの居た場所に狙い済ました水の弾が炸裂する。
厄介なことにユニちゃんの水鉄砲は狙撃銃型だから、気を抜いたら狙い撃たれる。
……でも、今ので居場所はわかったし、そうなったら!
「うりゃぁっ!!」
「なっ! 視界が…!」
砂山のあんまり濡れてない箇所を思いきり蹴飛ばして、砂の煙幕を張る。
この煙に紛れて…!
「やあぁぁぁっ!」
「っ、そう上手く行くと、思わないことねぇぇぇッ!!」
「で、相打ちになったのね」
「ふぎゅぅ…」
数分後。
わたしは砂浜で伸びるようにして横たわっていた。
あ、頭が…おでこが割れるぅ…っ!!
「ユニちゃん、いくら水鉄砲でもそれは痛いと思うな…?」
「くぅ…だ、だって、アタシだってこんなガチバトルになるとは思ってなかったのよ」
ふいっとツンデレっぽく顔を逸らしながらも少し申し訳なさそうに言うユニちゃん。
あ、遅れたけどユニちゃんの水着は星模様の入った黒いビキニ。
「…なんかアタシとネプギアだけ雑な扱いされてる気がする」
作品的にもメインはルウィーだもん。
とにかく、今度やるならレギュラーとかおきらくな感じてお願いしたいと思うわたしなのでした。
「ね、ね、次は何して遊ぶー?」
「(わくわく)」
と思いきや、二人はまだ遊ぶ気満々な様子…
暑い中張り切っちゃったわたしにはちょっと辛いし……そうだ。
「遊ぶのもいいけど、一度小屋に戻らない? 確かかき氷機が置いてあったから、それで、ね?」
「「かき氷!!」」
ふと小屋にそんなものがあったことを思い出し言ってみれば、即食いつく二人。
かわいいなぁ。
「うまく逃げたわね」
「…そんなこというユニちゃんにはかき氷抜き」
「うっ…わ、悪かったわよ」
「ふふっ」
ユニちゃんとそんなやりとりをしながら、ふいにネプギアが小さく笑っているのに気がつく。
「…何かおかしいことでもあった?」
「あ、ううん。そうじゃないけど、来年もこうやって皆で夏を過ごせたらいいなって」
「…ネプギアちゃん、影薄かったけど」
「そんな事ないよ!?」
なんか変な事を言ってきたから、からかう様にそう言ってやる。
…ネプギアちゃんって弄り甲斐あるよね。
「…まぁ、いい感じに纏めようったってそうはいかないもん」
「えっ? ひゃうっ!?」
ここでしれっとまだ持ってたままだった水鉄砲をネプギアちゃんに向けて発射。
完全に不意打ちだったからか、面白い声が聞けた。
「『ひゃうっ!』だってー…ふふふっ」
「も、もーっ! ディールちゃんっ!?」
「きゃぁー、ネプギアちゃんが怒ったー」
わざと棒読みでぱたぱたと逃げるように走る。
隙だらけなのが悪いもんね、ふふん。
「……テンション上がると元の性格に近くなるのかしら…?」
ユニちゃんがなんか呟いてたけど、よく聞こえなかったから気にしない。
そのままわたしは(なぜか途中ロムちゃんラムちゃんも一緒になって)追ってくるネプギアちゃんから逃げるようにして小屋まで戻り、皆でかき氷を食べたのでした。
ちなみにかき氷はブルーハワイ味にした。
コミックの留守番三人組がR18アイランドに行く話の水着可愛いですよね。
でもアニメ特典のビキニっぽいのも可愛いですよね!
でもでも原作のワンピース水着も…
あ、そういえばねぷねぷコネクトで夏イベントとか始まってましたね。
ロムちゃんラムちゃんが一カードに纏められたのはちょっと物申したいですが白いワンピース水着可愛いのでオッケーです。まじかわいい。
ちなみにそのイベントの舞台がちょうどエイティーンアイランドとかいう元R18アイランドだったりしました。どうでもいいですね。