俺にだけ「手鏡」のアイテムが配布されなかったんだが   作:杉山杉崎杉田

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3話 会談を潰します

 

大体の戦力を聞いた。とりあえず、シグルドとかいうシルフの使えそうな奴がいたので、そいつを使ってシルフを殲滅し、全員のスキル熟練度と金や装備を揃えつつ、世界樹に向かうとことにした。

これからの方針を指示しておいて、俺はログアウトした。俺の戦闘力は見せ付けたし、

 

『あんたのじゃなくたあたしの戦闘力』

 

アッハイ。あと俺の指示力も見せ付けたし、統率力は問題ないだろう。幸い、サラマンダーは世界樹攻略に一番近い種族みたいだから、攻略完了にそう時間は掛からないだろうな。

 

「ふぅ………」

 

「ねぇ」

 

「あ?」

 

声を掛けられ、横を見ると我がベリーベリーキュートエンジェルなマイシスター、詩乃が立っていた。

 

「あ?どうしたお兄ちゃんの部屋に。あ、もしかして一緒に寝て欲しいとか?オッホッホ、甘えん坊な妹よのう」

 

「殺すよ本気で」

 

「ごめんなさい。で、何か?」

 

「晩ご飯、出来てるけど」

 

「あー、さんきゅ。今行く」

 

俺はアミュスフィアを外しながら答えた。

 

「………ねぇ、それ」

 

「あん?」

 

「あんな事に巻き込まれたのにまだゲームするんだ」

 

「まぁな。男は楽しけりゃそれで良い生き物だからな」

 

「とんだハッピー野郎ね。学習能力がないのかしら」

 

「え?今、俺のこと幸福な男って言った?」

 

「どこまでプラス思考よ!いいからご飯!」

 

「………そういや、今日母上は出掛けてなかったっけ?どうやって飯出したの?出前?」

 

「で、出前じゃないわよ!」

 

「と、いうことは……?」

 

「………………」

 

「いやっふーぅ!確かに俺は幸福な男だぁ!」

 

「ち、ちがうから!作る人がいないから仕方なくだからね!」

 

「ふひひ、まったく詩乃たそは最高だぜ!」

 

「こっの……!死ね‼︎」

 

殴られた。

 

『あんた……大概気持ち悪いね』

 

うるせーよ。

 

 

翌日、ALOに入った。サラマンダーの領地から少し離れた場所、俺はシグルドと面会した。

 

「よっ、あんたがシグルド?」

 

「そうだ。貴様が新しいサラマンダーの領主だな?」

 

「おう。カンザキです、よろしくね?」

 

「よろしくの前に、確認だ。アップデートで俺をサラマンダーにし、幹部の地位は確定、この契約は生きているんだろうな」

 

「当然だよ。ただし、他の奴から文句が上がる可能性もあるから、少し有利な位置にいる下っ端、これをスタートにする。期間は、そうだな。一週間で幹部にしてやる。これでいいか?」

 

「………まぁ、仕方ないか」

 

「じゃ、契約成立だね。じゃ、早速話に移ろうか」

 

そう、ここからが本題だ。目の前のシルフはケットシーと同盟を結ぼうとしている。そこを利用し、ケットシーを叩いてエルフとサラマンダーが組ませれば、世界樹の攻略はもっとスムーズになる。そこまで行けば、俺にとってシルフもサラマンダーも用済みだ。切り捨ててアスナの元へ向かえばいい。

これは、そのための布石だ。

 

「この前、うちの偵察隊が聞いた話だけど、ケットシーは世界樹攻略の資金とアイテムを揃えるために、あんたらシルフを陥れるつもりみたいですよ」

 

「何っ?」

 

シグルドが大袈裟に反応した。お前もう少し普通の反応できないのかよ。

 

「マジです。あたし達、サラマンダーは勢力が一番大きいだけあって、他の種族からも入りたい、と言ってくる奴が多いんですよ。それは、ケットシーも例外じゃない。そこから出た情報だから、ほぼほぼ間違いないですよ」

 

「………なるほどな。じゃあ、今回の会談でもしかしたら、」

 

「うん。動きがあるかも。でも、あんたは動かないでくださいね」

 

「分かっている。では、こちらからもこれを」

 

渡されたのは特に意味のないケットシーの女の子の写真だ。このやり取りに意味はない。目的は、シグルドの後ろでコソコソと聞き耳してるシルフくんに聞かせることだ。

 

「じゃ、余りあたし達が長く顔を合わせるのはまずいので、この辺で」

 

「うん、また」

 

シグルドが去り、俺も去った。

 

『ねぇ、今のやりとりに何の意味があったの?』

 

分かれよ。今のはいつもいつも密会してるシグルドを怪しんで、後をつけて来たシルフの奴に、あたかも真実のように嘘の情報を流したんだよ。

 

『で、何がしたいの?』

 

お前ほんとにパー子か。それでシルフとケットシーの関係に亀裂を入れて、その情報を与えたとしてサラマンダーとシルフに7:3くらいの同盟を結ぶために決まってんだろ。

そのために、わざとシグルドに頭の悪そうな奴に付けられるように振舞ってもらったんだろうが。

 

『うわあ……あんた最低』

 

うるせー。まずはアスナを助けることだ。その後は多分、このゲームやめるし、SAOでも顔は出してないし問題ない。

 

『てか、シルフとケットシーぶつけるのって今日でしょ?こんなギリギリにやってうまく行くの?』

 

仕方ないじゃん。昨日、俺初めてこのゲームやったんだから。まぁ、行かなかったら行かなかったで別の方法考えるよ。

 

『ふぅん……ま、どうでもいいけどあたしには影響ないようにね』

 

いやそれは無理でしょ。別心同体だよ?分かってる?

 

 

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