位置的には空白期だけど、混ぜてもアレだから普通にその前に章立てします。
第1話:瑞穂 美少女姉妹の同居人
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西暦二〇〇九年 新暦七〇年。
時空管理局という組織に入らなかった原典活躍組の活躍は、それでも地球という狭い世界のみでは彼女らの能力に見合う筈も無く、次元に羽ばたけと云わんばかりに傭兵業務の拡大をしていた。
特殊能力傭兵団とでも云う地球原産の組織として【
元々は特殊な能力を持たずとも、能力の開発され
月村すずかとアリサ・バニングスの事だけど、本来の原典に於ける二人は生まれが特殊だったけど一般人だったり、家が裕福な事以外は特殊能力を持たなかったりなど、事件をフィーチャーすれば埋もれてしまうしかない存在だったのは間違いなくて、然し某かのチカラに目覚めたなら活躍をして目立つのは正しく必然であったのだと云う。
星聖衣・仔獅子星座のアリサと、新たに星聖衣・白鳥星座を与えられたすずかは【聖域】に於いて大活躍中であり、高町なのはやフェイト・テスタロッサや八神はやて達の同僚と成っていた。
勿論なのだが、【聖域】のメンバーはそれだけでは無い。
本来の流れでは死んでいたフェイト・テスタロッサの遺伝基、アリシア・テスタロッサも数年間の修業を経て
更に紫天ファミリー。
エルトリア事変を経て仲間と成った魔導生命体の集まり、紫天の盟主ユーリ・エーベルヴァインと闇統べる王ディアーチェ・K・クローディア、星光の殲滅者シュテル・スタークス、雷刃の襲撃者レヴィ・ラッセルの四人の事を指していた。
ユーリ・エーベルヴァイン以外はセカンドネームを持たなかったが、地球で人間に交じって暮らすに当たり名前だけでは不都合、だからそれぞれ新たにセカンドネームを設定して名乗っている。
尚、シュテル・スタークスはユートと暁美ほむらと共に過去へ跳ばされ、暁の魔王という二つ名を持ってベルカ統一戦争に参加をしていた。
立場上はリルベルト・ル・ビジュー・アシュリアーナ第一真王妃を含む三王妃の一人であり、暁の魔王――第二真王妃という事になる。
尤も、アシュリアーナ公国を元にしたアシュリアーナ真王国の真王たるユート、その真王妃という事もあってか情婦扱いをされていたけど。
三人の正妻というのは中々に理解され難くて、更にユートを含めて強い事も相俟って国威高揚を鑑みてのネガティブキャンペーンだった。
とはいえ、当の本人は何処吹く風だったが……
風当たりが良くなかった理由に、世嗣ぎを産まなかったのも含まれて入るが、これはリルベルト・ル・ビジュー・アシュリアーナと暁美ほむらも同じ事だったし、何より世嗣ぎなど必要としていないのは、六〇〇年もの永きを真王が代替わりしていない事から明らか。
因みに、本来の第二真王妃候補はリルベルト・ル・ビジュー・アシュリアーナの姉――ラルジェント・ル・ビジューが担う予定で、四王妃体制を敷く事を考えてはいたけど、当人のラルジェントが拒否を示したので繰り上がった形である。
【聖域】は木星に本拠地が存在する星帝ユニクロンであり、その周囲を周回する衛星セイバートロンが云ってみれば出先機関だった。
星帝ユニクロンの大きさはだいたい四万kmであり、それは地球と大差無いとされて太陽系では最大規模の惑星たる木星に比べてみれば遥かに小さいが、そんな木星の位相が異なる同位異空間に浮かぶ云わば裏木星として存在している。
その約一〇分の一の大きさで製造されているのがセイバートロン星、ユニクロンと同じくトランスフォームして人型を執れる、云わば惑星型のトランスフォーマーでもあった。
そしてセイバートロン星と同じく製造をされ、次元世界に浮かぶ第四惑星型トランスフォーマーこそが、【聖域】のブレイブマキシマム支部として存在しており、国連調査機関EXCEEDSに於ける本拠地という形で貸出しをされている状況だ。
尚、“国連調査機関EXCEEDS”という名称自体はユートの識らない原典にて、【魔法少女リリカルなのはEXCEEDS Gun BLAZE Vengence】という形を以てしてTV放映されていた際、高町なのは達が所属していた組織として報告を成されている。
なのでその侭、【聖域】の出先機関として名称を使っていた。
西暦二〇〇四年に過去へと遡り、ベルカ統一戦争に参加したユートが“瑞穂”という日本によく似た世界、其処で侵略種と呼ばれる怪物共に襲われてしまっていた少女が二人、その後に血の繋がらない姉妹と成った久瀬シイナと久瀬セツナ。
この久瀬姉妹と共に動き、海女鳥島という離島にて愉しくも苦しい生活を営んでいた。
勿論、侵略種との闘い有りきであるが故に戦力として海女鳥島には、真王妃たるシュテル・スタークスと暁美ほむらも同様に住んでいる。
尤も、同じ久瀬の家では無い。
飽く迄も別居しており、然しながらユートとしては未だ幼かった久瀬姉妹とはヤれない訳だし、真王妃たる彼女達と逢ってはヤっている。
久瀬シイナは一二歳で久瀬セツナは六歳な為、シイナは殆んど守備範囲的にギリギリ、セツナに至っては完全に範囲外だから仕方が無い。
正確にはユートの守備範囲は数えで一二歳なのだから、実際的に視れば満一一歳から正月を越えればオッケーだったりするのだけれど。
ユートの倫理観的には基本的に、ハルケギニアで随分と歪められており、借金の形にユートへと渡されていた八歳~一四歳程度だった為に、一二歳以上に成った頃に教え込んで愛人にしていったのだ。
まぁ、流石にセツナは当然としてシイナとさえ関係を結んでいない、とはいえいずれセツナは死ぬらしい事は狼摩白夜から聴かされている。
ユートが居る間なら助け様もあるかもだけど、いつも傍に居られるとは限らないから契約しておかないとイケない、しかも死ぬのがセツナであるならセツナとのパスを繋がねばならないのだ。
取り敢えず久瀬姉妹との仲は良好だからこそ、契約をちらつかせれば一もなく二もなく交わすと思うし、セツナも今はギリギリ守備範囲内。
本契約も交わそうと思えば交わせるのだが……
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「
「そう、セツナには使い熟せるだけの能力も在るだろう? それに万が一の時には聖衣に籠められた能力だと言い張れば良い訳だしな」
ピンク髪の少女たる久瀬セツナ、彼女との会話は彼女が封じた記憶を既に取り戻している事を示しており、ユートが渡しているのは嘗て再誕世界に居た炎熱聖闘士が纏っていた炎熱聖衣と同じ、星聖衣はパワーアシスト機能がオミットされている代わりに、魔力や氣力や念力や霊力や小宇宙などあらゆる能力をパワーアップさせてくれる。
しかも炎熱星聖衣は特定の属性を大幅に上げてくれる為、炎の力――“紅蓮”との相性が抜群だ。
久瀬セツナは“侵略種因子適合人類”とされている通称は“魔人”で、自身が魔人であるという自意識は有るけど、それ以外の記憶は無かった。
然し去年、地球の西暦で二〇〇八年の事だけどハプニングから、記憶も能力も思い出してしまっている。
勿論ハプニングだしわざとでは無かったけど、丁度良いからとユートはセツナをアニマアニムスへと迎え入れ、魔人としての能力を充分に使い熟せる様にと修業をさせていた。
いざという時、自身と延いてはセツナを
「これ、ユー君も使ってるの?」
「炎熱星聖衣じゃ無いけど、僕も聖衣を使っているさ」
ユートは右腕の白銀色な、そして四つの宝玉が填まった腕輪を天高く掲げながら叫んだ。
「双子座……フルセット!」
夜空に輝く星の煌めき、それが双子座の形を成して顕現するは、脚の無い二面四臂で太陽の如く燦々とした黄金の耀きを放つオブジェクト。
カシャーンッ! という軽快な音を鳴り響かせながら分解、聖衣のパーツとしてユートの身体を鎧った。
「戦女神アテナを奉じる
「ふわぁ、キンキラキンだ~」
右手で口許を隠しながら黄金聖衣に驚きを露わとしている。
「前にも教えたな? 君は僕が介入しない未来に於いて悲惨な死を迎える羽目に陥るのだとね」
「うん」
秘密にしてもどうしようも無い、だから少なくともセツナには伝えておく事で注意喚起をした。
だけど、自身が人間では無いという事を本来ならユートにも知られたく無い事、だからギリギリまでシイナに教えないで欲しいと言われる。
次善策として彼女を鍛えておく事にした訳だ。
「ユー君、さっきユー君がしたみたいにしたら、私も聖衣ってのを装着する事が出来るんだよね」
「そうだな」
「うん、試してみるよ」
腕輪を装着してセツナは、ユートがやったみたいに右腕を掲げる。
「
星の列びでは無くて、炎の揺らめくイメージがセツナの頭上に。
顕れたのはまるで炎の如く形をした灼熱色のオブジェクト、それがカシャーンッ! と軽快な音を響かせながら分解しセツナに装着される。
「大きさが変わった?」
「聖衣はそういう仕様でね」
例えば若し有り得なかったとはいえ、カシオスが星矢を倒してペガサスの聖衣をゲットしていたのだとしたら、巨漢の彼に合わせる形で装着が成されていただろう。
事実、九歳で聖闘士に成っていたのだと云われる黄金聖闘士達、それが二〇歳に成っても手直しをしないで纏えているのがその証左となる。
それは兎も角、白夜から伝え聴いただけに過ぎなかったとはいえど、セツナは可成り悲惨な最期を遂げているらしいから、自衛が確りと出来る様にはしておきたい処だ。
セツナはユートに懐いていた。
唯でさえ、共に暮らす中で信頼を積み重ねてきたのも有るのだけど、彼女が魔人である事を知った上で“紅蓮”を発動した姿を視ても尚、怖れもしないで抱き締めるなんていう選択が心に随分と響いたらしい。
素直に修業をしたのもその為だ。
「アニマアニムスは精神世界だが、セツナ自身は肉体を持っている訳だから鍛えれば鍛えられる。まぁ、僕との仮契約で年齢は変わらんがな」
ユートと契約を交わせば、年齢は割かし好きな形で見せられる。
だからセツナは一一歳の年齢の侭にアニマアニムスでの数年間、外の時間にして数日間を過ごしていた。
セツナは試しに魔人モードとも云える姿を執ってみる、全身が灼熱色に耀いているけど服は消えたかの如く、パッと見は裸に大事な部位だけ隠している様な姿をしているけど、炎熱星聖衣の肩アーマーが装着されている様にも見えるし、腕や脚や胸や腰もアーマーっぽいシルエットであったのだと云う。
本来の“紅蓮”の使い方では無いのかも知れないけれど、流石に鉄砲玉よろしく使い方は余りにも外道に過ぎるだろうから普通に使える様に。
「やぁぁぁっ!」
セツナの全身がオーラの様な紅蓮の灼熱に包まれており、両腕へそのエネルギーを移してやると更に増幅をしてかめはめ波の如く放った。
「技名が無いのがマイナスだよな」
なのは達は魔法名を叫んでるし、ユート的にはそういった大見得を切る外連味というのが割と好みだったから、必殺技の名前を叫ぶのは中二病が真っ只中でも愉しいものだ。
ユートは『ふむ』と頷く。
「フェシュピールを弾いてみるか」
アイテムストレージからフェシュピールという弦楽器を出し、それを爪弾くと曲に合わせて歌を唄い始めるとセツナも併せて舞い始める。
それはまるで炎舞の如く。
「未だに一一歳の身空で、随分と美しいものだ」
セツナが美少女なのは確実に間違いはないし、きっと大人に成れば立派な美女と成るであろう。
アニマアニムス内に響き渡るフェシュピールの音と、舞い踊るセツナの風を切る音に加え地面を叩く足の音が鳴り響いている。
舞いはユートが転生前に習った【緒方逸真流】の基礎、これに加えて念能力の修練と同様の修練をさせる事で闘いの基本としていた。
「良かったよ」
「有り難う、ユー君♪」
フェシュピールをアイテムストレージに戻し、パチパチと拍手をしながら誉め称えてやる。
元の姿に戻ったセツナは、はにかみながら御礼を言った。
「いずれ君の前に魔人が現れる筈だ。そして喰い殺されるが、それは君が記憶を喪った状態で数年間を暮らしていて、力の使い方を知らなかったり色々と油断したりな」
「う、うん……」
聴いた話では戦場に於いての油断というのも然る事ながら、恐らくは其処まで強い訳でも無いであろう頭の逝っちゃった魔人を、殺し切れなかったのも原因であろうから。
セツナの義姉たる久瀬シイナは特異能力を持っていない為、侵略種を相手に使っている獲物とは即ち銃――それこそ、拳銃から狙撃銃など様々な銃器を使い熟せる様に技術を一一歳の頃から研いてきたのだ。
無論、万が一の為の
とはいえ、銃闘術とは架空の戦闘技術だけど。
「シイちゃんが帰って来るのって七日後だったんだよね?」
「そうだな」
「今、このアニマアニムスって空間内は一年で外は一日だった筈だから、私とユー君は六日間は入っていた訳だし外では明日、シイちゃんが帰って来る……筈?」
コテンと小首を傾げるセツナ。
「正解だ」
簡単な算数、セツナは頭が良いから辿々しく言いながらも正しく暗算、とはいえ普通に小学二年生くらいの問題に過ぎないのだけれど。
尚、小学五年生ではあるけど六年間を修業とは別に、ちゃんと勉強もさせていたから中学生から高校生までの勉強も確りと学んでいた。
今なら大学の入試にも充分受かりそうである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ただいま~」
「お帰り、シイちゃん!」
笑顔で抱き着いてきた小柄なセツナを抱き締め返すシイナ、彼女も目映いばかりの笑顔であるから唯でさえ美少女なのが更に輝いている。
「ユートさんも、ただいま」
「お帰り、シイナ。セツナが晩御飯を作っているから食べないか?」
「うん、そうだね」
靴を脱いで中身が銃器なバッグも部屋へ仕舞いに行き、椅子に座るとシイナはテーブルに一杯の夕飯を見て目を輝かせてしまう。
「美味しそう!」
「今日はシイちゃんが帰って来るから豪華にしてみたんだ♪」
「うんうん、有り難うセツナ!」
もうすぐ運命の日を迎える事になるのだけど、先ずはそれを乗り越えないとイケないのに加えてシイナの事、本来の歴史に添うならセツナの死後に彼女の力をシイナが受け継ぐ形で“紅蓮”を獲ている筈だったが、セツナが死なないならシイナのパワーアップは無くなってしまう。
「そろそろ話すべき……か」
セツナは死亡する当事者だから先に話してしまったが、結局はシイナも当事者には違いない訳だし話さないという選択肢は存在しない。
原典ではセツナが記憶を喪った状態だったし、能力も含めて記憶が戻ったのは魔人に襲撃を受けた際だったから仕方が無い、これはシイナに自分が人間では無い事を知られたく無かったからだ。
だけど今のセツナは記憶も能力も完全な状態、未来に起きる悲劇的な惨劇を知らない侭にしとおくには危険過ぎるし、何より襲撃に巻き込まれてしまうシイナが死ぬ可能性だって有るのだから。
「シイナ、セツナ」
「うん?」
「何、ユー君?」
ユートに呼ばれて、歓談中だった二人が顔を上げる。
「言っていた通り、僕は明日からEXCEEDSに合流して仕事をする。暫くは此処を留守にする訳だからさ二人共、気を付けてくれよな?」
「うん、りょ~か~い」
「判ったよ」
シイナもセツナも既に一週間前から聴いていたから、特に不満も無いのか笑顔を浮かべながら頷いた。
行くのは機械信奉国家ダルザナ、この世界には残念ながら、歪みが幾らでも存在をしているものだから。
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作中では過去に遡ったユートが直接的に干渉をしていましたが、シイナとセツナが義姉妹に成った辺りから干渉をしていて、GOD篇の方で一旦はなのは達に合流、その後は優雅も交えて瑞穂国に滞在をしている状態に成ります。
大元の原典と交ざると最早、時系列がぐちゃぐちゃに成ってしまいますけど、平行世界では無くてきちんと同じ世界線上の物語としています。
尚、第2話からはダルザナです。