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地球は日本の某県海鳴市に存在する月村家に、本来であるならば時空管理局に所属をしていた筈の面々が暮らしており、ユートの創設をした組織である【聖域】に所属して訓練を繰り返す日々。
中には時空管理局の武装隊に所属をしながら、辞職してまで地球に帰化後は【聖域】入りした者まで居て、中々に月村家の邸はワイワイガヤガヤと正しく女が三人寄れば姦しい事に成っている。
しかも、オリジナルが生きているから複製としてのエリオ・モンディアルが居ない以外、基本的に機動六課の主要メンバーが揃っていた。
冥闘士と成ったティーダは別口で仕事を即戦力として働いており、その妹のティアナ・ランスターは月村家に造られた訓練所で仲間――スバル・ナカジマとキャロ・ル・ルシエと共に訓練中だ。
即戦力はヴァイス・グランセニックもそうで、妹のラグナ・グランセニックも事務職見習いをしている。
ヴァイス・グランセニックは原典の通りに妹へ誤射した為、矢張りそれがトラウマに成ってしまっていたものの、ユートがラグナ・グランセニックの目を再生医療で治した事、彼女との話し合いをする事が出来た事から、再びスナイパーとして働く事が少しずつながらも、リハビリ込みで出来る様に成っていた。
また狙撃手と射撃手という違いは有るけれど、同じ銃型のデバイスを扱う事からティーダ・ランスターやティアナ・ランスターと話し合う事も、更に地球では需要が無いけど違う世界では原典の通り、ストームレイダーをAIの代わりにしてヘリを飛ばすパイロットも熟している。
実際、ライフルを扱うスナイパーが彼の職業ではあるものの、ヘリが大好きなのは原典の方とも変わりは無いから充分に愉しんでいた。
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所は変わって、時空管理局本局に存在している秘密のスペース内に造られた秘密基地の内部。
「おかしい、機動六課が設立されていないぞ?」
「というより、調べたら主要なキャラが管理局に誰も入局していなかったぞ!? 何故だっ!」
「クソッ、ガキじゃヤれねーからって思ったからSstrikerS原作が始まるまで待っていたのによ!」
「俺はガキでも良いけどよ、矢っ張りキャロたんだろうが!」
「ズレてんぞ? 何で誰も入局すらしてねぇ?」
「知るかよ!」
円卓で話し合うのはどいつもこいつも良い年齢に成った男共、見た目は兎も角としても共通してるのは、全員が金色に輝いている全身鎧を身に纏っており、背中にはマントを羽織っている事であろうか?
ユートが視れば成程、ニャル子に選ばれた生け贄的な転生者であると理解が出来る黄金の聖衣。
未だに確認がされていなかった連中であろう。
既に確認が取れているのが、獅子座の相生璃亜と射手座の相生呂守と魚座の御手洗史伽と蠍座のエウラリア……実はこの四人だけだった。
黄金聖闘士は全部で一三人、見付けられたのが四人なら残りは最大で九人、蛇遣座が居なければ八人という事になるけれども、フルメンバーが揃っているとは限らない。
ひょっとしたら、転生後に静かな暮らしを選んでなんて事も無きにしも非ずといった処だろう。
円卓は真っ暗だから何人が居るのかも判らない状態だが、少なくとも四人以上の転生者が存在しているらしいのは間違いない事実である。
「チッ、ひょっとしたら此処には居ない転生者が奪いやがったか?」
「地球に生まれた奴か?」
「蠍座の奴みたいに、俺らが知らねーってだけでスカリエッティの所に居る可能性も有るけどよ」
「糞が! 詰まり俺らの許可無く喰った野郎が居るのかよ!」
「しかも、機動六課の全員がだ」
あまりにも理不尽な怒りを露わにする転生者、それは間違いなくユートへと向けられていた。
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ユートが常駐する【聖域】ミッドチルダ支部、其処にはユート以外に嘗ての魔法少女達が一緒に常駐をしており、ヴァイス・グランセニックの後輩的なアルト・クラエッタや嘗てはクロノ・ハラオウン艦長の部下だったルキノ・リリエが所属。
アルトはヘリパイロットも熟す傍ら通信士としても活躍、ルキノ・リリエは普段だと経理などの事務員をしているが、いざとなれば通信士も可能だし昔取った杵柄で次元艦船の操舵手も熟す。
二人は元々が管理局員、然しアルトはヴァイスから、ルキノはクロノから勧められて管理局から転職し【聖域】に再就職を果たしていた。
クロノは予め伝えられていた機動六課の参加者としてルキノに、管理局員を続けるのが危険だという可能性があるからと転職を促す。
ヴァイスも経緯は似ている。
実際にクロノもヴァイスも、黄金聖衣持ちである
強大な竜が放つなら未だしも、人間の魔法など軽く弾く黄金聖衣は二人の魔法が効かなかった。
いざという時に助けてやれない、そんな不甲斐ない理由ではあるが、知り合いが転生者共からの理不尽窮まる蹂躙に晒されて欲しくない。
何しろ転生者共の目的は間違いなく女だから、機動六課に所属をしていた筈のネームドな者達は一番危ないので、スターズとライトニングに所属をしていた六人や部隊長の八神はやて、リインフォースⅡとシャマル以外のバックヤードスタッフとして、アルトやルキノやマリエル・アテンザにシャリオ・フィニーノに、何なら寮母のアイナ・トライトンですら危険に晒される。
まぁ、マリエル・アテンザとシャリオ・フィニーノは随分と前から地球に住んでいるから問題も無いし、アイナ・トライトンも可成り昔から地球在住であり、職業にしてもちゃんと斡旋をしていて月村家のハウスキーパーだから問題は無し。
無防備では無いけど、危険が有るのだとしたらミッドチルダに在住のカリム・グラシアとシャッハ・ヌエラ辺り、とはいえ曲がり形にも管理局に居るなら、教会とは事を起こさないと思いたい。
心配は心配だけど、更に【魔法少女リリカルなのはVivid】や【魔法戦記リリカルなのはForce】の面々まで考えていたらキリが無く、彼女らに関しては居場所が判る者に限り監視を付けていた。
【魔法少女リリカルなのはSstrikerS】というのは四年前や六年前に成るし、流石に□リコンでもなければ手出しはしないと思うけど。
だけど性癖なんて人それぞれで、女子高生でないとダメとか、ミニマムにしか反応しないとか、未亡人が正義だとか、旦那の居る人妻サイコーだとか、中には身体欠損してないと萌えないという危険な莫迦も居るかもだし、軽めでなら性格的なツンデレやクーデレみたいなのに萌える輩も居るかも。
それらを加味したらユートこそが一番の危険人物だったりするけど、敵対者で無い限り無理矢理な事はしないからある意味で安全だった。
「クロスファイヤーシュート!」
「アメェぜ!」
ティアナのデバイスから放たれた二重の魔力弾を撃ち落とすヴァイス、はっきり云えばユートの許で確り訓練をしていたから原典より強く成っており、ティアナはヴァイスに撃ち落とされたとしても更なるハイドブリットがヴァイスを落とす。
「どわぁぁっ!?」
「やった!」
ヴァイスを落として、ガッツポーズをする。
ティアナとキャロが組んだコンビとヴァイスとスバルが組むコンビ、2ON2の対戦で近接をも熟すティアナがキャロからバフを受け取り、スバルの攻撃を往なしながら隙を突いてヴァイスへ攻撃を放つという、そんな流れで動いていた。
キャロも幼い頃での旅路の中で、様々なバフ系を教えて貰っていたからティアナへのブーストが上手く決まり、更にはスバルへのデバフまでもが決まって、それが戦闘に完全にハマった感じだ。
まぁ、キャロは今も幼いけど。
「勝負有り!」
高町なのはは一九歳と成ってて、来年にもなれば日本の法律上で二〇歳の成人という事になる。
それは幼馴染みな、月村すずかやアリサ・バニングスやフェイト・テスタロッサや八神はやても同じく、実はアラサーだけどフェイトの双子の姉として戸籍を得たアリシア・テスタロッサもだ。
年齢って何だっけ? 組な連中は設定年齢から変わる事が特に無く、ザフィーラは普段から狼型での活動だったので年齢は気にしていない。
エリオ・モンディアルが居ないという以外は、この月村家がまるで機動六課の基地みたいな感じに本来、時空管理局・遺失物管理部機動六課としての存在していた筈の機能を、まるで持っているみたいなメンバーが勢揃いをしているのだった。
転生者連中が視れば、お前が一番おかしいだろうと言いたくなる。
午後の訓練を終えた訳だけれど、午前中の訓練は魔力的な念能力の修業が延々と行われており、昼食後には高町なのはを中心の教導による模擬戦をこれまた延々と遣らせ、夕飯後は一種の勉強会というのが一日の流れとして形作られている。
然し、午後の一二時から二時までは昼食と休憩の時間としているし、一七時から一八時まで夕飯と休憩で一八時から二〇時までが勉強会。
その後は風呂に入り眠りに就き、七時に起床をして朝餉を摂って八時から一二時まで念修業だ。
昼の休憩時間が長めなのは『よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休む』という、何処ぞの仙人の科白に有る通りしてる為。
「優斗君、模擬戦は終わったんだし御飯行こ」
「そうだな」
御機嫌な様子のなのは、どうやらあれでも割とベテランなヴァイスにティアナが勝てたのが嬉しかったらしく、自分の教導を確りと学んでくれていたのが誇らしかった様だ。
上司だとか教導官とか、肩書きは有るのだから仲良し小良しとはいかないものだけれど、それでも“同じ釜の飯を食う”くらいの感覚でティアナとスバルとキャロが食べている中、なのはとフェイトも同じテーブルに着いて食べている。
「そう言えば、優斗」
「何だ? フェイト」
「最近はミッドチルダ支部に詰めてばかりだったけど、向こうで変わった事とかは有ったのかなって思ったんだけど」
「今の処は無いな。前に話した時空管理局・遺失物管理部機動六課は、抑々が発足人が居なけりゃ矢張り設立をされる筈も無いからな」
「だよね」
一〇年前のA’sの時点でユートは皆に原典の噺、それらを全てオープンにしてあり話してあったからこそ、なのはとフェイトは機動六課に付いてもきちんと教えてあるからこその会話であった。
「あの、優斗さん」
「今度はティアか、それで?」
「私やスバルに新しいデバイスをって聴いているんですけど、それってどんなデバイスになるのかってのを聴いているんでしょうか?」
「あ、確かリインさんが言っていましたよ!」
ティアナの言葉にスバルが元気良く肯定する。
「問題無く作製中だ、名前だけは教えておくよ。ティアには銃型のクロスミラージュ。スバルにはローラーブレード型のマッハキャリバー」
「クロスミラージュ……」
「マッハキャリバー!」
それは新たなる剣、新たなる翼、二人が暫く後に受領をするであろう最新型のデバイスである。
名前も形状も原典とは変わらぬ、キャロが装備をしているブーストデバイスのケリュケイオンも同様で、エリオ・モンディアルのアームドデバイスであるストラーダも実は造られてはいるのだ。
「まぁ、今は自前の銃型やローラーを使って訓練をしてくれ」
「「ハイ!」」
元気良く返事をする二人。
因みに、スバルの決め技はディバインバスターでは無くなっている。
なのはの事は尊敬する先輩として慕ってこそいるけれど、ユートに救われた身としては矢っ張りというかユートが使った技の模倣をした。
ユートの技自体が模倣技だけど。
原典のなのはの時は同性であるが故にか尊敬と憧憬に収まるが、異性であるユートが相手だったからにはそれでは済まないのが見て取れる。
それはティアナとキャロも同じ。
そして、それ処では無いのがユートであろう。
月村すずかも闘える為に偶には訓練に参加もするのだが、一九歳である彼女は大学生としてきちんとアリサと共に聖祥大学へ通っている。
だけど、大学から帰れば一緒に夕飯を摂っているからスバル達もすずかを家主の妹と認識した。
その実力がなのはやフェイトと変わらぬ事も、更に八神はやてやヴォルケンズと互角な事もだ。
朝になれば朝餉を摂って、魔力式念能力の修練が待っている。
何の事は無い、本来ならオーラで行われる事を魔力という別のエネルギーを使って遣るだけ。
最初に基本中の基本中の基本として【纏】を、それは魔力を全身にうっすらと
これを小一時間、決して途切れさせないように【纏】を成立させるだけの簡単な御仕事だけど、慣れていないとこれが存外としんどい。
「次は【絶】!」
「「「ハイ!」」」
魔力を完全に体内へと収束させる【絶】により魔力探知も不可能で、魔法に対する防御力は無くなって無防備化するけれど、代わりに魔力の回復を早める効果も見込める。
「次は【練】!」
「「「ハイッ!」」」
これは【ドラゴンボール】でもお馴染みである氣を噴き上げるという、通常よりも膨大な魔力を立ち上らせている状態の事だった。
【発】は必殺技みたいなモノ、普段から使っている魔法が【発】だと云ってもおかしくは無い。
基本が終われば応用編。
【堅】を維持したり、【流】の速やかな移動を行ったりと、【HUNTER×HUNTER】でも遣っていた修練を魔力で行わせていく訳である。
勿論、修練方法はゴンやキルアに対しビスケが行った修練をアレンジしたモノ、お陰でというかティアナやスバルはキャロは当然としても、なのはやフェイトやはやてやすずかやアリサ達にしても大きな成長を果たしていた。
念能力とは異なるけど、それぞれの扱う魔法の修練の方も午前中の訓練に組み込まれている。
キャロは召喚師、それはメガーヌが主に蟲系を召喚するみたいに某かを召喚して喚び出す魔法。
特に竜召喚が彼女の虎の子とも云える魔法ではあるが、アルザスを追放されたトラウマによって
原典では。
「蒼穹走る白き閃光、我が翼となり天を駆けよ。来よ、我が竜フリードリヒ――竜魂召喚っ!」
小竜に過ぎなかったフリードリヒだったけど、竜魂召喚を受けて光に包まれると脱皮するかの如く巨大化をして、肩にすら乗れた小さな体躯が寧ろキャロが背中に乗れる程には大きな体躯へと変化をしていた。
「往くよフリード、ユナイト!」
グローブ型ブーストデバイスのケリュケイオンがキラリと輝き、フリードが光を放って魔力の塊みたいな姿に変換をされると、キャロの背中から覆い被さるかの様な形で一体化が成されていく。
その姿は何処か“白龍皇の鎧”を思い起こされる純白の全身鎧、しかも仮面ライダーみたいに子供サイズだったキャロが大人サイズに成る。
正確にはキャロはフリードの中のインナースペースに居て、それこそユニゾンデバイスみたいな形というか令和ウルトラマンというか。
フリードという戦闘外殻を纏い、都度バフを与えたり敵にはデバフを与えたりして闘えるのだ。
自らが格闘を以て闘うのでユートから格闘を習っており、最近は手取り足取り腰取りと直に教えて貰える為にか、一〇歳児ながら頬を朱に染めつつも嬉しそうに教わっている。
勿論、フリード固有のブラストレイなど魔法を使う事も可能だ。
原典では単なる固定砲台か移動手段でしかなかったフリードだけど、キャロとのユナイトによって直接的な戦闘をも熟せる様に成っていた。
「天地貫く業火の咆哮、遥けき大地の永遠の護り手、我が元に来よ、黒き炎の大地の守護者。竜騎招来、天地轟鳴、来よ、ヴォルテール!」
アルザス守護真龍ヴォルテール、その巨体を震わせて魔法陣から顕現されて大空へと咆哮を。
キャロの切札、スペリオルドラゴンがカイザーワイバーンとユナイトをする様に、フリードとのユナイトをしたキャロがヴォルテールとユナイトをする事で、暴発をする事も無く完璧な戦闘を熟す事が可能と成っている。
「ヴォルテール、ユナイト!」
真龍との融合、その威容には流石のティアナとスバルも蒼褪めた。
「カイザーヴォルテール!」
相対するは同僚の二人、ヴァイスはスナイパーという性質から巨大戦にはまったく向いてない。
スバルの闘い方は勇者王。
ユートが見せてくれた闘い方を、自分なりに噛み砕いて使える様に。
「ブロークンマグナムッ!」
スバルの魔力光の青に輝く拳型の魔力が高速で回転をしながら飛ぶ、然し余りに巨体なヴォルテールには焼け石に水をぶっ掛けたのと同じ。
「うわ、まったく効いてない?」
「でしょうね。以前にも言われたじゃないのよ、あんな巨大な湖に私達の水鉄砲じゃ何も変えられないわ。塩水を撃ち込んでも淡水が塩辛く成るなんて事は無いのよ!」
Iフィールドの展開をするビグザムに対して、ジムがビームライフルを正面から撃つに等しい。
《ブラスト・レイッ!》
「ヤバッ」
「プロテクトシェードッ!」
カイザーヴォルテールから放たれた攻撃とは、フリードのブラスト・レイだったが威力が高い。
魔力反射型プロテクション、プロテクトシェードを展開したが……
「キャァァァッ!?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁッ!」
防げはしてもプロテクトシェード自体は破壊されてしまい、しかも威力が高過ぎたから反射をするなんてとてもではないが出来なかった。
それを視ていたユートは
「脳筋戦法め……」
「あはは」
ユートの呟きに、なのはは苦笑いを浮かべてしまうし、フェイトも『あちゃ~』とばかりに自身の右掌を頭へと当てている。
ユートは三人共に戦術理論を叩き込むのだと、その心に強く強く決め込むのであったと云う。
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