魔法少女リリカルなのは【魔を滅する転生砲】   作:月乃杜

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第10話:新聖衣 新たな双子座と海龍を

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 時空管理局の本局内に存在する秘密スペースに設えられた隠れ基地、其処にはきらびやかな鎧兜を身に纏った男共が下半身だけ身に着けず、どいつもこいつも己れの趣味嗜好に合う女の胎内に、自身の汚ならしいモノを埋め込みながら会議? らしき事を行っている。

 

 その中には“月村すずか”にしか見えない少女、更には明らかに一二歳にもならない少女まで様々に居たが、コイツらは犯りたい様に犯るのだと謂わんばかりに腰を振り、そして果てては相手の胎内へと汚ならしいナニかを出している様だった。

 

「ああ、そろそろモノホンのすずかたんと犯りてぇぜ。整形で顔だけすずかたんじゃなくてよ~」

 

「俺はキャロだな~。断然、あの幼さが良いぜ。成長しても愉しめる程度にしか育たねーもんな」

 

 女性の尊厳など知らぬとばかりに整形までして月村すずかに顔を似せ、それを犯す事で暗い欲望を満たしていたのは山羊座を纏った男。

 

 明らかな□リコン発言をしたのは水瓶座の黄金聖衣を纏い、時空管理局の地上本部で使われている地味な制服を着た小さな少女と犯ってる。

 

「にしても、ハルデバランも随分と容易く殺られたもんだな」

 

「生きてるけどな、ギャハハ!」

 

 牡羊座を纏った男が、四十路ながら美人である女性を犯しながらハルデバランの話を始めた。

 

 汚ならしい笑みを浮かべたのは蟹座の黄金聖衣を纏い、年齢的には二十歳に成るか成らないかくらいで胸は大きく、長い金髪をストレートに流した女性を膝に乗せて腰を頻りに動かしている。

 

「ふん、ハルデバランか。奴は我らゾディアックの中では最弱」

 

 乙女座の黄金聖衣を纏う男が、赤毛ポニーテールでスタイルの良い女性をヤりながらも呟く。

 

「あ~あ、協定さえ無けりゃな。俺っち、さっさと地球に行って“とらハ”キャラとヤりまくっていたんだけどよ~。ま、アリサはバーニングな方になるがよ」

 

 天秤座の黄金聖衣の男は、どうやら地球に行きたかったらしい。

 

「下手な激突は避けたいからな」

 

 そう言ったのは七人目――蛇遣座の黄金聖衣を纏う男であり、この黄金聖衣持ちとユートからは称される連中のリーダー格で議長の男。

 

「けどよ、アスクレピオス!」

 

「その名を呼ぶな!」

 

「ぐっ、判ってるよ」

 

 アスクレピオス――【聖闘士星矢ND】に於ける神代の時代にアテナへと反旗を翻し、神に成り上がらんとした蛇遣座の黄金聖闘士だった存在で、二百数十年前の前聖戦ではタルタロスから復活してオデッセウスを乗っ取らんとしていた男の名。

 

 コイツの正体は正真正銘、蛇遣座のアスクレピオス……の精神の一部を切り取ったモノを、人間の魂に縫い付けて転生をさせた存在。

 

 欲する黄金聖衣が蛇遣座なのは寧ろ当たり前、そしてオデッセウスの持ってた医師としての技術をも取り込み、しかもアスクレピオスの人格自体は切り取られた一部に過ぎなかった為、中途半端に記憶を持っていたから完全に縫い付けられた男と混ざり、アスクレピオスでもオデッセウスでも無いのに記憶と技術を持つ不安定な存在に成る。

 

 名前もアスクレピオスの侭だが、だけど認めたくない気持ちも有るから余り呼ばれたくは無い。

 

 月村すずかに似た女性、これはアスクレピオスが整形外科手術で顔を変えた結果であったとか。

 

「双子座の黄金聖衣の男、奴が地球に居たのだから下手な動きは我らの邪魔になる。しかも我らでぶつかり合えば徒らに戦力が磨り減るぞ」

 

「判ってるさ、だからすずかたんの顔にして貰って今は満足させてんじゃんか。声まで完璧だし」

 

 実は背丈やスタイルまでも完璧に月村すずか、だからこそすずか推しな男は満足していたのだ。

 

 全て再現する程の異才を与えられたのだから、欲張らずに満足をしていれば良かったものを。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 牡牛座のハルデバランを斃したユートは奴の持つ黄金聖衣を獲た為、冥界はエリシオンの一画に存在する疑似聖域の金牛宮に赴いた。

 

 其処には長髪な巨漢が腕組をして立っている。

 

「アルデバラン」

 

「おお、ユートか。久しいな」

 

 牡牛座のアルデバラン。

 

 正真正銘、ユートの再誕世界で出逢った牡牛座の黄金聖闘士の一人で、ユートの冥界へと移住をした住人にして謂わば緊急事態での戦力。

 

「先程、件の黄金聖衣持ちをぶっ飛ばしたけど、ソイツが持っていたのがこれだったって訳でね」

 

 ユートは黄金の宝玉が着いた銀色の腕輪を取り出して渡す、それを見たアルデバランの瞳に映るのは牡牛座を象る星の並びであったと云う。

 

「確かこうだったか? 牡牛座、フルセット!」

 

 放たれる黄金の煌めき、アルデバランの頭上に牡牛座の星の並びが輝くと、其処には紛う事無き牡牛座の黄金聖衣のオブジェ形態が在る。

 

 カシャァァンッ! という軽快な音を鳴り響かせながら分解されて、ガチャンガチャンとアルデバランの肉体を黄金聖衣が鎧っていく。

 

 何故か水色に裏打ちされた純白のマントまでを羽織り、牡牛座の黄金聖衣を纏ったアルデバランが確りと大地を踏み締めて立っていた。

 

「矢張り、冥衣より黄金聖衣の方が似合うよね」

 

「フッ、久し振りに牡牛座を纏ったが違和感も無い様だ」

 

「僕らの居た世界の聖衣じゃない、だから左側の角は折れていないけど……別に構わないよな?」

 

「構わん構わん!」

 

 嘗て、黄金一二宮の闘いでペガサスの星矢と闘ったアルデバランは、彼から左側の黄金の角を叩き折られた事も有って、青銅聖闘士たる星矢を認めた為に先に進ませてやったという過去がある。

 

 牡羊座のムウが角の修復を申し出たのだけど、結局はそれを断って次世代のハービンジャーの時も片角の侭、実は二百数十年後の次世代のアテナの時代に至っても、牡牛座の角は折れている侭。

 

 折れた黄金の角もまた、彼の誇りだったからに他ならない。

 

「折角だ、俺の黄金聖衣の御披露目に会議を開かないか? 教皇にも、牡牛座の黄金聖衣を見せねばなるまいからな。どうだろうか?」

 

「構わない、僕もすぐに聖衣を纏うから全員を呼ぼうか」

 

「うむ」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 冥界一二宮とも云える此処だが、普通に聖域で於ける一二宮と変わらない造りだから、教皇の間もちゃんと造られているから其処を使う。

 

 円卓が置かれ、此処を使う黄金聖闘士達の全員が座れる大きさな為、問題無く皆が座っていた。

 

 黄金結合(クリューソス・シュナゲイン)である。

 

「ほう、あれから随分と時間が経ったが牡牛座の黄金聖衣が遂に入手出来たのか。目出度いのかは流石に判らぬが、一先ず良かったと云える」

 

 教皇――牡羊座のシオンが祝辞を述べてくる。

 

 現在、黄金聖衣を纏うのは双子座のユートの他にも獅子座のアイオリア、牡牛座のアルデバラン、射手座のアイオロス、魚座のアフロディーテの五人だけ、ムウとサガとカノンとデスマスクと童虎とシャカとミロとシュラとカミュは冥衣だ。

 

 青銅聖闘士組や白銀聖闘士組はこの場に居ないのだが、勿論だけれど何名かはこのエリシオンである冥界一二宮にて暮らしていたりする。

 

「ユート」

 

「どうした、サガ?」

 

「双子座の黄金聖衣はお前が使っている訳だが、話によれば双子座枠となる転生者は居ないとか。そうなると、私やカノンの聖衣は?」

 

「ああ、確かに無いな」

 

 ハルデバラン曰く、ユートを双子座枠と言っていたからには、双子座の黄金聖衣は存在しない。

 

「確かお前は聖衣を造れたな?」

 

「造れるよ。正確には雛型を造ってムウ達に手伝って貰うけど」

 

 カノンの質問の意図は解る、即ち自分達の使うべき聖衣を造って欲しいという事なのであろう。

 

「サガとカノンだけが双子座の冥衣だと格好が着かないか?」

 

「そうだな」

 

 頷く双子座の冥衣を纏うサガ。

 

「判った、造ろう。ムウと貴鬼と羅嬉は悪いけど手伝ってくれ」

 

「良いだろう」

 

「私も手伝おう」

 

「私もです」

 

 ムウとその弟子たる貴鬼、そしてそんな貴鬼の弟子である羅嬉が立ち上がってユートに頷いた。

 

 ムウ自身は教皇シオンの弟子にして牡羊座としての後継者で、そして貴鬼もムウから牡羊座を受け継いでいたし、羅嬉も長じてからは牡羊座の黄金聖闘士として聖衣を継承。

 

 更には聖衣修復師としても技術継承していた。

 

「なら羅嬉がユートに付いてくれ。私がムウ様と一つは造る」

 

「判りました、貴鬼様!」

 

 ユートはムウがちょっとした同僚であったし、更には貴鬼が弟分で羅嬉はユートと仲良くしていたし、聖衣修復を教えたりもしていた。

 

 特に貴鬼は新世代聖闘士の時代にはユートと共に聖衣製作をしており、貴鬼のポジションで羅嬉が手伝っていたから随分と親しい。

 

「ユート」

 

「今度はカノンか」

 

「悪いが私のは鱗衣(スケイル)にして貰えないだろうか?」

 

海龍(シードラゴン)の鱗衣を?」

 

「そうだ」

 

 カノンが静かに頷く。

 

「理由を訊いても?」

 

「知っての通り、私はハーデスとの最終聖戦直後にネメシスと闘った。ユートも共闘したのだ」

 

「確かに、あの時は大変だったな。ハーデス戦の直後だったし」

 

「その時に私は、間違いなく海龍の鱗衣に救われもしたからな」

 

「そうだったな、了解した」

 

 ハーデスとの最終聖戦では黄金聖衣な双子座のカノンだったが、その直後にハーデスの残滓からポセイドンの海闘士(マリーナ)たる七将軍(ジェネラル)は一時的に甦生、復活した復讐の女神ネメシスとの戦闘に成った。

 

 ユートのみはハーデスが全てを用いて地上へと送り返した為、七将軍であったカノンとも再びの共闘をしていたのだからよく知っている。

 

「流石にポセイドンの力も無く真鱗衣(アークスケイル)まで造れとは言わんが、せめて最低限でも海龍の鱗衣を以て闘いに赴きたいのだ。神をも欺いた大罪人の私ではあるが、それでも通せる筋だけは通したい」

 

「流石は世界線は違えど双子座だ。その我の強さはある意味で心地好さすらをも感じさせるよ」

 

 ユートの居た世界線とは三巡目、我の強さとは二巡目の世界線に生きた双子座のデフテロスの事であり、直接的に彼とは無関係にも等しい。

 

 ユートの世界線でのサガとカノンの先代とは、飽く迄も双子座の黄金聖闘士であったカインだ。

 

 デフテロスでは無い。

 

「じゃあ、僕は羅嬉と共に海龍の鱗衣を造ろう。ムウと貴鬼は双子座の黄金聖衣の方を頼んだぞ」

 

「了解した」

 

「判ったよ」

 

 こうして、ユートは羅嬉と共に海龍の鱗衣を造ろうという話になって、彼女も大喜びでエリシオンでのユートの工房へと向かった。

 

 羅嬉にとって確かに貴鬼は教えを受けた師匠、だけど聖衣修復や聖衣製作の教えならユートからも受けていて、紫龍が教皇を引退して貴鬼が一時の教皇と成った際には羅嬉も牡羊座の黄金聖衣を受け継ぎ、ユートから視て四代目の牡羊座の黄金聖闘士として活躍をしていた頃、ユートが同僚として共闘をしていたりもしたから割と深い仲だ。

 

 因みに、幼い頃は『~のだ』口調だった羅嬉ではあるが、流石に黄金聖闘士に成った頃には恥ずかしくなって普通の喋り方に直している。

 

 貴鬼が『オイラ』から『私』に、一人称を変えたのと同じだろう。

 

 黄金聖衣には神剛鋼(オリハルコン)とガマニオンと銀星砂(スターダストサンド)による合金を使っており、七将軍の鱗衣は純神剛鋼製であるからか、強度的には黄金聖衣>七将軍の鱗衣>白銀聖衣>青銅聖衣くらいの感覚であった。

 

 ユートは先ず、どちらにも必要不可欠な神剛鋼を用意する。

 

 そしてガマニオンと銀星砂を片方の神剛鋼と混ぜ合わせ合金化、その際の配合比率は当然ながら黄金聖衣のデータと同じモノを使用。

 

「グルグル、グルグル。ユートさんの錬金術って確かプラフタさんに教わっていたんでしたよね」

 

「ああ、ソフィーと共にね」

 

 意外な事にユートの錬金術はザールブルグでは無くて、キルヘン・ベルという街に住むソフィー・ノイエンミュラーと共に錬金術本プラフタから教わった技術、ザールブルグでは寧ろ教えていた先生に当たる。

 

「完成だ、黄金聖衣配合比率な神剛鋼の合金! 正しく黄金比率! ……寒い駄洒落を言ってしまった」

 

 寒々しい駄洒落に自己嫌悪。

 

「お、面白かったです……よ?」

 

「そりゃ、どうも」

 

 と言いつつも、羅嬉の笑顔が引き攣っている。

 

「羅嬉はこれをムウ達に」

 

「は、はい!」

 

 神剛鋼合金はムウと貴鬼の手へ無事に渡った、この次に行われるのは鱗衣の為の作業であった。

 

「鱗衣の強度や能力は神剛鋼の純度により変わってくる。七将軍の鱗衣と人魚姫の鱗衣と雑兵共の鱗衣は同じ単体の神剛鋼、聖衣の様な配合比率は全くの無関係だ。純度でこそ良し悪しが変わる」

 

 錬金釜へ神剛鋼を投入してやり、グ~ルグルと錬金棒を回して小宇宙を籠めてやると確りと変化させて、内部の神剛鋼へと転換を齎らす。

 

「純度は充分に上がったな」

 

 鱗衣用の神剛鋼も関した。

 

 戻って来た羅嬉、二人で共同作業となるだが、主な製作は勿論だけどユートが行う事になる。

 

 海龍の鱗衣の分解装着図は頭に入っている為、特に迷う事も無く鎚と蚤を揮い形を整えていく。

 

 カツーンカツーンと、金属同士が叩き付けられる軽快な音が工房中に鳴り響き、それは目出度い正月の餅突きの様に二人は息を合わせた。

 

 数時間後、遂に海龍を象る金色のオブジェ完成へと漕ぎ着ける。

 

「完成……ですね!」

 

「ああ、御苦労様だ羅嬉」

 

「ユートさんこそ!」

 

 全身全霊を籠めての鱗衣製作だ、それはユートと羅嬉の体力も小宇宙も損耗させる結果となり、どれだけ拭っても垂れ流されていく汗。

 

 服が肌に貼り付いて、羅嬉の肢体の線が確りと出てしまっており可成りエロティカルな状態に。

 

 ユートも肉体的な消耗に伴って下半身は元気、時間的にも冥界の外の地上は深夜だった事も手伝ってか、二人はゆっくり唇を重ねていく。

 

 再誕世界に居た頃からの仲だし、至極当然の帰結であるかの様に自然と体をも重ねるのだった。

 

 翌朝、サガは双子座の黄金聖衣、カノンは海龍の鱗衣を渡される。

 

 カシャァァァァンッッ! 双子座の黄金聖衣と海龍の鱗衣のオブジェが分解され、各パーツと成ってサガとカノンの肉体を鎧っていく。

 

 マントを翻してサガとカノンが、聖衣と鱗衣を身に纏って立った。

 

「ふむ、馴染むな」

 

「鱗衣の方もよく出来ている」

 

 双子座の黄金聖衣はサガ本人が黄金の血を与えていたし、海龍の鱗衣に関してはユートが海皇の小宇宙――神氣をたっぷりと籠めている。

 

 【カンピオーネ!】世界のまつろわぬポセイドンでは無く、再誕世界に存在する【聖闘士星矢】の海皇ポセイドンの神氣を獲ていたから。

 

 決して殺した訳では無く、復讐の女神ネメシスとの闘いに赴くに当たって与えられたのである。

 

 トリトンの鱗衣と共に。

 

 何しろ、ハーデス戦直後だったから双子座の黄金聖衣も麒麟星座の聖衣もズタボロだった為に、闘う為の装いとしてポセイドンはトリトンの鱗衣を召喚して、更には使う為にも海皇の神氣が与えられたと云う。

 

 海皇の加護のお陰で真鱗衣にも覚醒をしたし。

 

「喜んで貰えた様で何よりだ」

 

 彼らには心穏やかに暮らしていて貰いたいが、場合によっては合力を頼みたい事だってある。

 

 これはその為の力であり、その時の為の対価なのだから。

 

「俺は……否、俺達は神に歯向かう大罪人よ!」

 

「それ故にこそ、私達は己れを律し己れを滾らせるのだ」

 

 嘗ては海皇ポセイドンを欺き聖戦を引き起こしたカノン、邪悪に支配されていたとはいえアテナに牙を向けて聖域を掻き乱したサガ。

 

 のみならず、この場に居る聖闘士はアテナの掲げる『愛と正義を護る』という御題目の名の許、神々へと謂わば反旗を翻した者達ばかり。

 

 ユートなど、別の世界の地球ながら正に神々を殺害してその権能をも簒奪したカンピオーネだ。

 

「そういや、サガ」

 

「何だ?」

 

「黄金聖闘士のアンタには『釈迦に説法』かも知れんが、黄金聖衣は大いなる太陽の光をふんだんに浴びてその耀きを吸収してきたと云う」

 

「確かに、我ら黄金聖闘士ならば誰もが知る知識よな」

 

「結果、黄金聖衣は海将軍の鱗衣とは異なる程に煌めく黄金を発する。今、サガの纏った双子座はどちらかと云えば鱗衣に近い金色だな」

 

「フム……」

 

 確かにその通り、ユートの双子座聖衣とサガの双子座聖衣はデザイン自体は変わらない筈だが、色味で云えば異なっているのが並べば解る。

 

「双子座聖衣の真の完成の為に、僕が太陽にまで一っ飛びして来よう」

 

「そうか、頼む」

 

 再びオブジェに戻った聖衣を預かったユート、聖衣石と共にアイテムストレージへと仕舞う。

 

「序でに羅嬉、君の牡羊座聖衣もそうしようか」

 

「あ、はい」

 

 この場に居るからには聖衣持ちの聖闘士は全員が聖衣を纏っている。

 

 羅嬉も例外無く、ユートが雛型を造った牡羊座の聖衣を纏っていた。

 

 アルデバランとアイオロスとアイオリアとアフロディーテの聖衣は、ニャル子が用意した本物であるが故にそんな処置は必要が無い。

 

 他の連中は冥衣だし。

 

「じゃ、僕は戻るよ」

 

 ユートは受け取った聖衣石を持って地上に。

 

「あれ? 優斗君、昨日から何処に行ってたの」

 

「なのは……か」

 

「何だか女の臭いがするよ?」

 

 流石に鋭い、ユートは羅嬉と愉しい夜を過ごしていたから、ユートに臭いが移ったのであろう。

 

「ちょっと冥界で会議をね」

 

「なら、羅嬉ちゃんか」

 

「正解」

 

 他にも居るけど、冥界で会議となれば黄金聖闘士が集まったと判る。

 

 黄金聖闘士・牡羊座の羅嬉、それが彼女の通り名なのだから。

 

「スバル達の訓練は?」

 

「昨日の? 頑張ってたよ。実戦を経験したからかな? 全員が遣る気に満ち充ち溢れているよ」

 

「それは良かった。遣る気が無けりゃ、どうにもならんからな」

 

 才能は充分、遣る気も有る。

 

 時空管理局の局員では無いけど、【聖域】に於ける傭兵として次なる出来事に向かう事になる、ユートはそれに思いを馳せるのであった。

 

 

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