擬似聖杯戦争   作:三代目盲打ちテイク

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0日目 交渉

 何時でも駆けつけられつつ、気取られないよう。街道沿いのカフェは中々絶好の位置を提供してくれている。屋外席は寒いが、悪くない。

 召喚後の疲労を補うべく、生クリームをたっぷり乗せたコーヒーを飲む有部理生。流石に今は冒険する気になれず、少しなら馴染みのある紅茶を頼んだアサシン。

 

 監視をしながら戦闘を視つつ、メチャクチャやっている盲打ちやらそこに突っ込んでいったライダーやらに頭を抱える。

 それでも、どうにかこうにか被害らしい被害を出さずに――少女の家が倒壊したが――なんとか人が死ぬことはなく、少しだけ張りつめていた緊張感が緩んだその時、不意打ちのようにそれはやってきた。

 

「……強い魔力反応!」

「サーヴァントの気配が近づいて来ます!」

 

 主従ほぼ同時にそれを感知した。自らに近づいてくる

 警戒を強め、けれど努めて平静に。こちらが参加者だと気づかれる筈も無い。

 やがて現れた、恐らくサーヴァントとマスターだろう男女のカップル。彼らは目の前を通り過ぎ――なかった。

 

「ドーモ。オージョー=サン。僕とお茶しない?」

 

 両手を合わせて礼をする独特の礼。古来より古事記により伝わる礼をした男と、それをジト目で見る女。男の手には令呪。

 有部理生は、ああ、ミスったなと思った。

 

――時は少しばかり溯る。

 

 現代服に着替えさせたランサーと共に何処かで別の参加者たちと遭遇することを期待しながら夜の街でデートする。

 最初の方は渋々といった感じだったランサーは現代の物が珍しいからか目を輝かせながらランサーは紅幽鹿の隣を歩く

 

「さてと、ランサー。ちょっとだけ、真面目にやるわ」

 

 ふと、紅幽鹿がそんなことを言い出し、ランサーは

 

「は、はい?! 真面目なことはいいと思います!」

 

 咄嗟にそう返した。半ば聞いていなかったが。

 

――ランサー。まあ、いいか。

 

 紅幽鹿は、他の参加者を探るため普段使わない魔術回路魔力を起動させる。これで、魔力を感じた奴は少なからず反応がある。

 それを探るためだ。普通の魔術師ならば誰でも気が付くし、何かしらの反応をする。それを探るのは得意だ。これでも時計塔のロードなのだ。

 

 不真面目ではあれど、ロードの名は伊達ではない。

 

「……ビンゴ」

 

 カフェので俺とランサーの気配を感じ、反応した人物。

 

――あんなに反応して急に平静さを装うと怪しいぜお二人さん。

 

 男と女。どちらがマスターでサーヴァントなのかはどうでもいい。とりあえず話し合いをするために近づいていく。

 友好的ににこやかに。そして、古事記にも書かれた挨拶をするのだ。

 

「ドーモ。オージョー=サン。僕とお茶しない?」

 

 令呪を見せながらナンパになったようで、ランサーのジト目を地味に痛かった。

 

――ひぃっ!

 

 有部理生は、令呪を見せられてのいきなりのアイサツに驚愕しまくりの混乱しまくりだった。とりあえず、怪しまれないように、

 

「あ、あの……今、何て?」

 

 名前も知らない男――紅幽鹿からのお茶のお誘いに、おどおどと困ったように応答する。

 

(とにかく時間を稼がなきゃ)

(君も僕も、魔力を漏らしてはいなかったはず。それは保証します。となると、これは単なる逢いびきの申し込みか)

(ちょ、待っ! そんな偶然ってありなの!? ああもう、それどころじゃないっていうか、向こうのサーヴァントの目が怖い!)

 

 彼女は念話で超高速でやりとりしつつ、どうにか心の平衡を取り戻す。

 

「もしかして、ナンパですか? ……なぜ私に声をかけられたのか、理由をお聞きしたいです。お連れの方がいらっしゃいますし、私もア……孫くんと会えたばかりなので……そういうのだったら、ご遠慮したいのですが」

 

 そう言うが、

 

「席いいですかね?」

 

 紅幽鹿は、お茶のお誘いに、急にオドオドし始めた女の子のことを若干、可愛い反応するなぁ。と思いつつ返事を待たずにランサーと共に空いてる席に勝手に座った。

 

「さてと、麗しいお嬢さん。貴方を誘ったの理由は2つだ」

 

 それから指を一本立てる。

 

「1つ目は、僕が起動させた魔術回路の魔力に反応したのがお嬢さんだったこと」

 

 有部理生の反応を見ながら二本目の指を立てる。

 

「2つ目は、お二人が急に平静になったこと」

 

 有部理生の隣に座る男――アサシンが目を細めた。何が言いたいのかわかっているようだった。紅幽鹿は笑みを作り、今後の為になるように説明してやる。

 

「これでは、まるで自分達は関係者ですよー。だから、バレないようにしてますよー。と言ってるようなものですよ。こういう時は感知しても反応を表に出さないことが肝要だ。

 まあ、一応アドバイスだと受け取ってくれ。安心してくれ、俺は別に二人を取って食おうとしてるわけじゃない。少し話し合わないか?なんなら、俺から自己紹介しても良い。どうだ?」

 

 そう提案する。友好関係はまず挨拶と自己紹介から。古事記にもそう書いてある。

 とりあえず、紅幽鹿は思案する2人の反応を待つ。

 

(あれでも挙動には極力出してないはずだったんだがなぁ……)

(どう見分けたんでしょうかね……)

 

 アサシンの身ごなしでバレるとは思わない。完全に足を引っ張ってしまったかと、有部理生は内心歯噛みする。幸いなのは、相手がいきなり敵対的行動に出なかったこと。

 店には客こそ殆どいないが、店員は働いているからここで争う事になったら少なくない被害が出ていたことだろう。そうならなかったことに安堵する。

 

 無論、これからの交渉次第ではそうなることもあるかもしれないため対策も怠らない。

 

(いざとなったら、結界を)

(わかりました)

 

 いざとなったらぼけてもいいし、狂人の振りをしてもいい。

 

(でもまあ……)

 

「……ご指摘をありがとうございます。今後に生かしたいと存じます」

 

 折角の機会でもあるのだ、話くらいは聞いてみなくては損だろう。

 

「見た所、怪我などはなさっていないようですが、どのようなご用件でしょうか?」

 

 同盟か、そこまでいかずとも敵対行動の禁止か。マスターの側の言葉を信用するなら、その辺を切り出す可能性が高い。

 ただ問題は、サーヴァントの側。何を考えているのか、そもそもどのような存在なのかがさっぱり解らない。

 

(もう少し前から情報収集しとくんだった……)

 

 それでも時間は待ってくれないのだから今できる最善をする。

 

――交渉開始だ。

 

 有部理生がそう思っている時、紅幽鹿は彼女が話し合いに応じてくれたことに内心ホッとする。

 

「いやー、話し合いに応じてくれて良かったよ。きゃー、痴漢!とか言われないかどうか冷や冷やしたぁ。なあ、ランサー?」

「……ええ、そうですね」

 

――ランサー様、さっきから貴方のジト目が怖いんですが、あの少女も君を見て若干怖がってるだけど……。

 

 なぜかランサ-はジト目だ。何を睨んでいるのだろうか。紅幽鹿にはわからないが、とりあえずフォローを入れておく。

 

「はぁー。ランサー、そのジト目は止めてくれ。戦闘とかでは、君を頼りにしてるから」

「……え、ええ、そんなの当然です。」

 

 滅茶苦茶嬉しそうなランサー。

 それを横目に見ながら自己紹介をする。ここは少しとぼけて。

 

「どうも初めまして、僕の名前は紅幽鹿。サーヴァントはランサー様。ピチピチの高校中退した17歳、独身、彼女いない歴=年齢。魔術協会に一応所属。二つ名は『カラミティ』時計塔の天文科のロードやってまーす。属性は陰陽。使う術は陰陽術に呪術、あとオリジナルの術を少々。

 聖杯にかける願いは特になし。まあ、聖杯を手に入れたら解析して星落としの術を完成させたいなぁとは考えている。スリーサイズは、上から88、56、86。愛読書は古事記。時計塔に古事記を広めた実績があります。よろしくね――ちなみにスリーサイズは嘘だから」

 

 紅幽鹿の自己紹介を物凄い勢いでメモし始めるランサー。そして、最後の彼の言葉でスリーサイズの辺りを物凄い勢いで消していた。

 

――なにしてるんだろう。

 

 そんな彼らを視ながら話し合いに応じるとは言ったものの、有部理生は悩んでいた。いっそアサシンの振りでもしようかと考えて、しかしこの相手にはそれは得策ではないと思う。

 相手の令呪は三角きっちり揃っている。妥協案として、令呪隠しをつけたまま、自己紹介は正直にしようと決めた。

 

「星辰を観られる方でしたか。私の名は有部理生と申します。年齢等は女の秘密ということで、正確な数値はご容赦を。だいたい見た目通りと思っていただいて結構です。

 私も聖杯に掛ける願いは特に御座いません。ただ、ここの聖杯というものが危険か否かを判別し、必要に応じてそちら(魔術協会)なりに通報しようと思っていました。強いて言うならば、英霊や、その他の素敵な人に出逢うことが、望みと言えるでしょうか」

 

 無論念話はつなげたままだ。

 

(見事に猫を被ってますね)

(父の真似してるの。この口調の割に相手を怒らせることが多いんだけどね……というか星落としって何よ!?)

 

 色々と無視できない言葉はあったが、とりあえずは自己紹介と互いの立ち位置の確認が先だった。

 

「属性は水、使う系統は元素転換ほか。……ところで、大聖杯の位置をご存知ありません?」

「…………」

 

 自己紹介にツッコミがなかったことを紅幽鹿残念に思いながら、目の前の二人組について考えていると、パスを通してランサーの声が聞こえる。

 

(マスター、そんなに最初から情報を出してもよろしいのですか? 相手は話に応じるフリをして騙し討ちする可能性もあるのですよ?)

(ああ、そうかもな……。けど、俺はお前のことを信頼してるんだ、目の前のサーヴァントに遅れを取るほどお前は弱いのか?)

(いいえ)

(なら、安心してろよ。俺はお前を信頼する。お前は俺を信頼しろ。)

(はい。マスター!)

 

 嬉しそうなランサーの返事に満足しながら、目の前の二人組に意識を戻す。

 

「悪いね。流石に大聖杯の場所はわからないなぁ。あと、またお節介のアドバイス。聖杯を獲得しても魔術協会に提出しないほうが良い。

 あそこの奴らは根源を目指してる奴らしかいないからねぇ。守護者が現れちゃうから。あと、質問あるんだけど、真面目な俺が良い? ちょっと面白い僕が良い?」

 

 無駄にハイテンションになりがら言ってみた。

 

――さてと二人はどんな反応するかな?

 

「…………どちらでも。貴方が楽な方で……」

「ふう、じゃあお言葉に甘えて俺でいかせて貰うよレディ。僕の方は天文科の生徒に人気でな。僕の生徒は古事記の言葉とか引用するんだぜ」

 

 このテンション高いのはウザい時(主に酒呑んだ後)の母みたいだなー、と思いつつタイミングを逸したが突っ込んであげた方が良かったのだろうか。有部理生はそんなことを考える。

 ランサーというのがブラフの可能性は無くも無いが、相手の余裕ぶりから見て三騎士を擁するというのは間違いでは無いだろう。

 

 最も、勝てずとも、逃げるだけならそれなりに手段はあるし、自爆覚悟の相打ちなんてのもある。当然後者を選択するつもりは無いが、そういう選択肢もあるというのは考慮しておくと逃げられる確率が上がるのだ。

 

「それにしても、ランサーさんと仲がよろしいのですね。お似合いのカップルで、妬けてしまいます。あ、NTR趣味は無いのでご安心を。私には、アサシンという人がおりますし」

「ブッほおっ!」

 

 さりげなく周囲を警戒していたアサシンが、口に含んでいた紅茶を思いっきり吹き出した。幸いにしてカップの中に逆流しただけで済んだが、あまりそういうことはやめてほしいところだ。

 

(その、そういうセリフは事前に打ち合わせを……そう言ってくれれば合わせられましたのに)

(冗談に聞こえた?)

 

 後ろでゲホゲホいっているアサシンを無視した。

 

「そうか、キミにNTR属性が無くて良かったよ。ランサーと百合展開されて殺されたりしたら笑い話にもならない」

 

――それにしてもサーヴァントはアサシンだったのか……感じ的に山の翁ではなさそうだが……ある意味厄介だな。正体の分からない暗殺者ってのは……。まあ、他のクラスの可能性もあるから油断はできないな。

 

 そんなことを紅幽鹿は思う。

 

 有部理生は、そんな彼の冗談も流しつつ、再び表情を引き締める。

 

「さて、と。まずは、魔術協会に関する忠告、ありがとうございます。何分我が家は私で二代目。協会の方に研究成果は渡しておりますが、それ以外となると、どうにも疎いもので」

 

(あれリップサービスだったんだけどなぁ。真面目に心配してくれるとは思わなかったよ。普通の魔術師が目的の為なら愛するものすら犠牲にするとか百も承知だし。まあ、悪人ではない、のか?)

(僕から見てもあまり嫌な感じはしません。ただ、ああ見せていても魔術師組織の一部門の長を務める程です、当然表裏があると考えたほうがいいでしょう)

 

 お前らの方がよっぽど表裏が違いすぎる、と突っ込むものはそこには誰もいなかった。

 

(OK)

 

「ぶっちゃけてしまいますとね、ここの聖杯がこの世全ての悪やら、悪徳の獣やら、余計なものに汚染されていないかを確かめたいのです。そういうのがあると、まず無辜の市民が犠牲になる。ここの土地は澄んだ印象ですから、その可能性は高くないとは思いますが、それでもこの目で確かめたい。もし根源を目指す人がいるなら、孔は海上で開けるなりしてもらえれば全く問題はないか、と」

 

 本当に、彼女の目的というのはほぼこれだけ。腕試しやら合コン気分やらというのも無いわけではないが、ある種の使命感がその原動力だ。

 分かりにくいが。

 

「聖杯の汚染か。それなら安心しろ、過去の調査では聖杯の汚染は確認されてはいない。まぁ、あの有名な盲打ち(イレギュラー)が何もしてなかったらの話だけどな」

 

 盲打ち、確か他のロードや魔術師からは嫌煙されてる魔術師だ。個人的には面白そうで好きだが何をするかわからないというのは厄介だ。

 

「そうですか。それは良かった、アサシンの望みも、知識を得ること等、現世に危害を加えないもの。その上で問います。そちらのランサーの望み、それと貴方が研究したいという星落としの術、それらは無辜の人々を危うくするものですか?」

 

――懸念事項が無くなって良かったですね、マスター

 

――やっぱり自分の目で見たいけど、時計塔のロードの言うことなら信憑性はかなり高いわね

 

「俺たちの願いが無辜の人々を危うくするものかどうかだったな? それは、第三者に聞いてもらわないと分からんな。

 自分では正義と思っていたのが、他から見たら悪だと思われる時もあるからな。それでランサー、キミの願いは?」

「私が聖杯にかける願いはありません。そもそも、この場に呼ばれた時点で私の願いは成就したのと同じですので」

「なら、俺だな。俺の願いは、星落としの術だ。読んで字の如く広域殲滅の術で、俺の陰陽術と魔術を混ぜたものだ。マナと魂を固めて質量のある流星群に変えて辺りに振らせる術だな。

 ちなみに未完成な理由は、使ったら方向が定まらなくて無差別に被害をもたらせるからだ。威力は折り紙付きだぞ。俺に喧嘩ふっかけてきた死徒のいる死都に使ったらあたり一面が焦土と化したからな。だから、今回の聖杯を解析して魂の運用を理解し完成させて、余計な被害が出ない術に完成させたい」

 

 それが紅幽鹿の願いだった。

 

(彼の願いの方は?)

(ほむ、制御が完璧になることで却って使うことへの忌避感が無くなるということはありえるけど、まあ基本無害というかむしろそっち方面ならどうぞぞうぞ、という願いね、マスターの方は)

(ランサーの方も僕と同じく、現界しただけで叶うというか見ただけでわかるぞあの感じだと君と同じく相手募集でマスターが標的になったというか)

(動揺してる?)

(そ、そんなことはない。これでも百年は生きた、男女の色恋沙汰なぞいくらも見飽きました)

(ふーん)

 

「情報ありがとうございます。聖杯が悍ましいものではなさそうで安心しました。それと、盲打ちには気をつけろ、ただし気をつけてもどうしようもない、でしたっけ? 恐らくですが、彼、キャスターを召喚しています」

 

 そう言って、彼女は使い魔に記録した召喚時の映像を見せた。その映像の流れる間、更に続ける。

 

「貴方がたの願いも理解しました。何でしたら、仮に聖杯が得られずとも、私の家で術式制御のお手伝いをさせていただきたいくらいです。私はこの通り非才の身ではありますが、その分術の解析や制御に関してはそれなりに自信があります。陰陽術の使い手なんて、母が知ったらミーハーに大喜びしますわ」

 

――非魔術師というか、むしろ科学者の癖になんであんなに魔術に詳しいのか、あの母は。どこぞの海藻類じゃあるまいし。

――むしろ渦鞭毛藻が好きだって? 知らんがな。

 

 そこまで話し合い、マスター両名は、互いに肝心な要件を伝える。まずはランサーのマスター紅幽鹿が申し込む。

 

「それじゃあ本題に入ろう――俺たちランサー陣営はキミたちと同盟を組みたい」

「私はお引き受けしても良うございます。アサシンは……」

「構わない。何しろ前衛が不足気味ですからね」

「ただ、行動の自由というか、動き回ったりするのを認めていただきたいのです。代わりに情報は逐一お渡しします。それと、ギアススクロールまで用いて、というのは遠慮したい。アレは相互に思わぬところで首を絞める危険性がありますし、それもあって父から絶対にアレは使うな、と厳命されているのです。我が家族は表でもそれなりに有名ですので、その名誉に掛けて、というのでは、ダメでしょうか」

「ああ、大丈夫だ。しかし盲打ちは、自ら率先してキャスターを召喚したのか……」

 

――ヤベェ、面白すぎて顔がニヤけちまう。……噂以上に面白そうな奴だな、会うのが楽しみだ。

――おっと、こんなにニヤけ面を晒してたら流石にアサシン陣営にもランサーにも気持ち悪るがられるな。

 

「すまないね、レディ。気持ち悪いニヤけ面を晒してしまって。ギアススクロールに関しては俺も同意見だ。お互いに自由に動きながら情報交換といこう。それと、聖杯を獲得できなかった時はお願いするよ」

 

 アサシン陣営との同盟を組めた事に安心ながら、紅幽鹿は懐から3枚の符を取り出し、彼女たちの前に置く。

 

「それは、飛び道具避けの符と連絡用の符、あとは一度だけだが、どんな攻撃も肩代わりしてくれる形代という符だ。安心してくれ、それは陰陽術が使えなくても使えるようにしてあるし、魔力も使用しない特別製だ。同盟記念にプレゼントするよ。あぁ、それらの符は腐るほどあるから気にしないでくれ。ではまた、素敵なレディにアサシン」

 

 席を立ちその場から離れ、ランサーは二人に深々と礼をしてから紅幽鹿の隣を歩く。

 

「さてと……布教用の古事記を買いに行くか」

 

 そして、古事記を買いにいくのであった。




アサシン陣営とランサー陣営が同盟を組んだようです。
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